<堪っていた雑感を一気に書くからね>(追記あり)
ここのところ比較的忙しいうえに、ここでもいろいろ書きたいことがあってネタにしたいリンクが堪りまくっていて気持ち悪かった。
ここで一気にドバッと吐き出すからね
最近気になっていたのはこちらの告知。
無線LANの暗号を解読...WEPは一瞬で解ける - 森井教授のインターネット講座
この神戸大学の森井教授のブログによると、無線LANの暗号化に使われるWEPは一瞬で解読が可能だという。
これまでもWEPは脆弱性が指摘されていて、あるいは数分とかそういう単位で破ることができるという話は聞いていた。(ここには1分と書いてあるが)
WEPの脆弱性は7年前にセキュリティについて取材した時に既に言われていたから、つとに知れていたことなのだろう。
ところがこの森井教授は1分なんてことを言わず一瞬で破ることができるという。
つまりもうWEPは暗号化ソリューションとしては全く無力だということだ。
本当だろうか?
この森井教授のレイアウトの崩れたブログを見ていると、どうもこの情報も信頼性が低いなと思っていた。
ところがこちらの記事を見ると、森井教授は約束通り一瞬でWEPを破るという実演をやってみせたようだ。
「一瞬で無線LANのWEPを解読する方法」発見に総務省が注意を喚起-ニュース - CNET Japan
ということで、いよいよWEPは頓死したというか、破るのにまだ数分かかっているうちは気休め程度には役に立つかもしれないというものだったが、一瞬で破れるんだったら何も安全策をかけていないのと同じことということになってしまった。
それは前から分かっていたので自宅の無線LANのセキュリティ対策もいい加減WPAに切り替えたいと思っていたのだが、その際障害になるのがNintendoDSだった。
ウチは無線LANターミナルにはAirMacを使っているし、ぶら下がっている機器は皆WPAに対応しているので、WPAに切り替えればよさそうなものだがNintendoDSがWEPにしか対応していないために、WEPのままだった。
ネットワークをWEPとWPAに分けるという方法もあると聞いたが、結局それは切り離すだけで、WANにつなぐことを許可すればWEPサイドからネットワークは破られて不正WAN接続は許すことになる。
WPA側の機器は大丈夫かもしれないが、不正アクセスはされて踏み台にされる可能性は大きい。
つまり安全策はWEPを止める以外にないことになる。
NintendoDSiがWPAに対応するという話を聞いたので、既存製品のDSもソフトウエアアップデートで、WPAに対応しないかと期待していた。
ところがこんな記事を見つけた。
総務省も動いたWEP問題に対する任天堂の不誠実な態度に驚愕!|Aちゃんねる?2ちゃんねる重鎮コテA助様がゲームを斬る!
つまりNintendoとしてはDSを発売した当時は、WEPの危険性を予見することができなかったのでWEPには対応できる構造にしていないし、MACアドレスを制限する設定にすればある程度安全は確保できると考えている・・・ということらしい。
MACアドレスの制限がいかに無意味かは、こちらの高木先生の記事を参照いただきたい。
高木浩光@自宅の日記 - 無線LANのMACアドレス制限の無意味さがあまり理解されていない
つまり任天堂は(7年前には既知の事実だった)WEPの脆弱性を予見できなかったために、DSをWPAに対応させる気はなかったし、これからも対応できない、
総務省の素人が書いたMACアドレスの制限でもやってケツ食らえということらしい。
困った会社だ。
「そんなことに神経質にならなくてもDSは安全です」とタカをくくっているのかもしれないが、自宅の無線LANのセキュリティをその低いところに合わせなくてはいけないリスクを忘れている。
DSはクラックされなくても、無線LANはクラックされる。
今週末にはもう見切りをつけて自宅の無線LANをWPAに切り替えよう。
子供達は今でも時々DSで通信をやっているようだが、どうやって説得しようか悩ましいところだが。
(後日追記:自宅の無線LANをWPAに変更したところさっそく問題が発生した。長年連れ添ったiBookDualUSBが接続できなくなった。このマシンもそんなに古いものでは無いしAirMacカードは2003年頃に追加したものだ。この頃にはまだWEPは多少問題はあるものの実用に差し支えないというのが常識だったようだ。だからDSがWEPしかサポートしていないというのはある意味仕方がないとも言えるし、任天堂がハードウエア交換してまでWPAにDSを対応させるのは現実的ではない。これまでの累積の利益を吐き出しかねない話になってくるだろう。
この件で任天堂だけを責めるのは酷だという気がしてきた。それだけ無線LANという技術はまだ未完成だということだ。この件後日詳細を書く)
不正アクセスでもう一題。
asahi.com(朝日新聞社):不正アクセス容疑の高3書類送検 ID売買百万円以上稼ぐ - 社会
高校生がこういう小遣いの荒稼ぎをしたとのこと。
WinnyやBitrentなどで共有ファイルを検索してみればすぐに分かるが、明らかにウイルスファイルと思われるエコーがどっさり引っかかってくる。
例えば松任谷由実で検索をかけるところをわざと誤字で投げてみると良い。
松東谷由美で検索を投げるときっちり「松東谷由美」という名前のファイルが検索にかかってくる。
ニーやトレント上はもうこういう偽装ファイルがどっさりで、Windowsでこういうところにアクセスすることがいかに危険かということはいい加減理解した方が良い。
こういうスクリプトキディみたいなガキが簡単にIDを抜くウイルスをばら撒いて、こういうことができる時代になったということだ。
このガキが厨房なのはこういうのを足がつく方法で売っていたというところだろう。
ここらが子供なのだが、今から十数年前のスイスの銀行から数十億円を抜き取ったロシアの高校生ハッカーのことを思い出してしまった。
この高校生も銀行の電子決済の脆弱性を見抜いて、金を抜き取ったまでは良いがその金を自分の口座に振り込ませたために足がついてしまった。
所詮子供のいたずらなのだが、じゃあこの手のガキに簡単にID抜かれる奴らはどう表現すればいいのだろう。
「なんでこんなことが分からないかなぁ」
という話は世の中にはゴマンと転がっていて、世界は道理が分からない、まともに考えようとしない人達が動かしているんだなぁと感じることが多々ある。
ウチの会社でも・・・なんて愚痴は書きだしたら憂鬱になるのでせいぜい他人の悪口までに止めておく。
FMotorsports F1- FIA、2010年からの『統一エンジン案』を呈示
なのだそうだ。
経費節減のためにエンジンの開発競争を禁止しワンメークのエンジンでF1を開催すれば、ドライバーの技量で勝負がついてスポーツ性も高まるし経費も節減できるというお考えらしい。
しかもFIAは来期から空力に関しても大幅にレギュレーションを変更し前輪タイヤから後輪タイヤの間の整流板(空気の流れを制御する羽根)を禁止する方向を検討しているという話も聞いた。
一体エンジンの開発を禁止され、空力の開発も大幅に制約されて自動車メーカーにどんな参加メリットがあるのだろうか?
自動車メーカーはF1で好成績を挙げれば「技術力の〜」という宣伝に使える。
ホンダなんてまさにそうやって世界に名を売ってきた。
スポーツプロトタイプの世界のポルシェもそうだろう。
ところがワンメークのエンジンを積んで空力もほとんどいっしょだったら自動車メーカーが巨額の資金を出してF1チームを維持する意味はなくなる。
そういうのはフォーミュラチャレンジまでのレベルで止めておいてほしいものだ。
自動車メーカーがどこも参加しなくなったらF1は本当に成り立つのだろうか?
アマチュアレースといっしょになってしまうのではないか。
「単一エンジンになればもはやF1ではない」とチーム、ドライバーが反発(AUTOSPORT web) - Yahoo!ニュース
この記事でも分かるとおり「スポーツ性が高く」なってドライバーの腕で勝負が決まるならドライバーは歓迎かというと全くそんなことはない。
ドライバーがいくらドライビングテクニックを競いたくてもどこもスポンサーがつかなければ、それでアマチュアレースのようなことになってしまったら、どこでチャンピオンになったって値打ちががた落ちだ。
ドライバー達も猛反発しているらしい。
考えてみれば彼らの言い分は至極もっともで、冷静にものを考える能力がある人ならFIAの主張は全く意味がないのは分かりそうなものだが、そうじゃない人達が今は舵取りをしているらしい。
こういうことはどこの世界にもあるのだな。
「なんでこんなこと分からないかなぁ」な人はどこにでもいる。
livedoor ニュース - 麻生首相「ホテルのバーは安全で安い」
ということで、この麻生発言がちょっとしたニュースになっているが、問題はこの麻生総理の真意よりも
「庶民の感覚から懸け離れているのでは」
という質問を執拗に繰り返した記者の方だ。
『 永田町の“ちょい不良(ワル)オヤジ”が、キレた。夜の会合で頻繁に高級ホテルを利用している麻生首相が、記者団から「庶民の感覚から懸け離れている」「批判がある」と問われ、「ホテルは安全で安いとこだ」と反論した。
さらに、執ように食い下がる記者に対し、麻生首相はついに、迫力のある“べらんめえ調”で逆質問した。
首相「(中略)例えば安いとこ行ったとしますよ。周りに30人からの新聞記者がいる。警察官もいる。営業妨害と言われたら何て答える? 新聞社として私たちの権利ですって、ずっと立って店の妨害をして平気ですか? 今聞いてんだよ。答えろ」
記者「私が伺いたいのは…」
首相「いや、オレの質問に答えてくれ」
記者「我々は営業妨害はしないように…」
首相「してるって。現実、みんなしてるって言われてるから。うちは来ねえでくれって。ホテルが一番、人から文句を言われない」
麻生首相からの思わぬ“逆襲”に、記者もたじたじ。興奮気味の首相は、記者の「高級店」という言葉を「高級料亭」と聞き違えたらしく「高級料亭、毎晩みたいな話で作り替えている。引っかけるような言い方はやめろ」と気色ばむ場面もあった。』
なのだそうだ。
どこの新聞社の記者なのか見当もつきそうなものだが、「庶民の感覚とかけ離れている」とはおそれいる。
一国の首相がガード下の焼き鳥屋で呑んでいる方が落ち着くと言いたいのだろうか。
しかもSPとかの怖いオニーさんをまわりに立たせて。
もっとものが分かっていないのは
『与党内からも「不景気なだけに、派手な飲食は慎んだ方がいい」(自民党中堅議員)との声が出ている。』
という下りのこの「与党中堅議員」。
やっぱり議員先生は経済音痴なのだな。
不景気だからこそ、お金を出して呑める人は呑んだ方が良いのだ。
お金が無いから皆呑めなくなるのが「不景気」という言葉の意味ではないか。
さらに言えば景気は「気」なので「空気」とか「雰囲気」とかと同じで科学的に計測できるものではない。
みんなが「不景気だ」といえば不景気だし「好景気だ」といえば好景気なのだ。
どなたか「景気」を「花見酒」に喩えた方がおられたが至言だ。
要するに花見酒の時に酒も肴も大盤振る舞いすればみんな気が大きくなって酒席は盛り上がるのだ。
ところが「経費節減」とかいって酒も肴も少ししかなくて
「足りない人は各自自前で調達するように」
なんてケチなことを言われたら酒席はしらけてしまう。
これが「景気」の実体であり「経済」の正体なのだ。
「不景気」というのは要するにお金が回らなくなってどこかに滞留してしまい、世間の「新陳代謝」が鈍くなる状態だ。
経済評論家の森永卓郎先生のように単純にマネタリーベースを増やせば、インフレがきて好況になるという理論をお持ちの方もいるが、現実にはお金の量が問題なのではなく、お金の流れが止まることが問題なのだという気がする。
だから政策金利を下げてマネーサプライをいくら増やしても、企業も個人もお金を留保することばかり考えて使わないから日本はバブル崩壊からもう18年も経っているのに一向に本格的な好況が来ないのだ。
景気は「気」だからお金を使える人は使えば良い。
麻生総理は私はあまり高く買っていなかったのだが、総選挙などの政治日程を先送りにして景気刺激策を次々と打ち出しているのを見ると
「意外に経済が分かっている人なのかもしれない」
という気が最近している。
大体政治家の先生の経済音痴ぶりはつとに聞いていた。
例えばインフレターゲット論を日本に紹介したのは三菱UFJ総研の嶋中雄二さんなのだが、この方から聞いた話。
この方は小泉元首相が現役時代直々に御進講をしてインフレターゲット論を吹き込んだ人でもある。
インフレターゲット論というのは嶋中さんから直接私も解説を聞いたのだが、要するに
「景気回復局面ではコントロールされたインフレもある程度許容されるべきだ」
という論だった。
ところが政治家の先生がたの理解は
「インフレターゲット論を導入すれば日本も経済が回復する」
という変な理屈にすり替わってしまう。
こういう先生方が「不景気だから派手な飲食は控えるように」なんて言っているのだろう。
またわざわざこの言葉を引用したこの記事を書いた記者にも同じ感覚がある気がする。
「欲しがりません勝つまでは」
では不景気には立ち向かえないのだ。
「欲しがりません勝つまでは」
の教育勅語で鬼畜英米と渡り合った精神構造も脈々と息づいていて、iPhoneは最初の2ヶ月で
「20万台しか」
売れなかったという記事が蔓延している。
「iPhone、苦戦」でググってみれば各社ともどっさりそういう記事が出てくるのだが、こういうことをジャーナリズムが書いているから
「ガラパゴス」
とか言われるのだ。
これはネットの連中が「マスゴミ」と忌み嫌う既成メディアだけでなくネットジャーナリズムもみんな同じ間違いを犯している。
速い話が最近単一機種で2ヶ月で20万台も売った端末が最近の日本メーカー製のケータイでひとつでもあっただろうか?
それなのに何が苦戦なのだろうか?
この論調を見ると日本製のケータイ端末は100万台も200万台もじゃんじゃん売れているような気がする。しかしそれだったらなんで日本のケータイベンダーは次々とケータイ開発から撤退しているのだろうか?
こういう記事は事実を正しく伝えているといえるのか。
この論調は
「ガ島沖合海戦において敵空母6隻を轟沈、米海軍に甚大なる損害を与えた」
という類いの発表と同じじゃないだろうか。
こういう記事も見つけたので参考までに。
神尾寿のMobile+Views:本当にiPhone 3Gは“失敗した”のか (1/2) - ITmedia +D モバイル
ちょっと閑話。
こんなに書きたいネタのリンクが堪ってしまうのは私の手が遅いからだ。
このサイトを始めて以来「書くことがなくて困った」ということは今まで一度もない。
常に書きたいことはどっさりあり、それに手が追いつかない。
だからこうしていろいろ堪ってしまうのだが、それでももっと文章が上手くなりたいとは常に思っている。
こちらの文章上達のための12と1/2のルールは興味深かった。
ブロガー必見! 文章上達のための 12 と1/2のルール | Lifehacking.jp
とどのつまりまとめれば文章が上手くなりたければ沢山読んで沢山書け、それも毎日書けということにつきるらしい。
この書くだけでなく「沢山読め」というのも非常にうなづけた。
私の知っている範囲でも、文章が上手い人は皆読書家だ。
やはり読み慣れていないと書き慣れることもできないらしい。
だから沢山読んで沢山書けというのは納得できた。
最後の1/2も非常に納得した。
こんな数詞を使ったエントリを読んでいる暇があったらとにかく書けということだ。
ただ、世の中には鬱病の一種で、書き続けないといられないという病気もあるらしいからちょっと要注意だ。
『書きたがる脳—言語と創造性の科学』アリス・W・フラハティ - logical cypher scape
その書く場所なのだが、私はhtmlサイトを始めてしまったいきさつで腐れ縁のようにhtmlサイトを自分でタグを打って書いている。
しかし今どきは大抵はブログということになる。
そのブログをさらに先鋭化してweb2.0的な洗練を重ねたSNSがなぜか日本で不人気らしい。
日本の「SNSへの興味を失って来ている」率は55%、17か国中最高に:MarkeZine(マーケジン)
SNSは実際停滞していると思う。
mixiですら数年前の活気は完全に失われていると思う。
会員数は順調に増えているのに、閑古鳥が鳴いているという現状を見ると活発なコミュニケーションが成立するためには、人の数だけではどうにもならないということなのか。
思うにSNSが完全に滅亡することはない。
小さなコミュニティ集団として、あるいは企業などのグループウエアのソリューションとしてSNSは生き残ると思う。
しかしmixiのような巨大化したSNSは意味を失いつつあるような気がする。
所詮2ちゃんねるがもうひとつできただけのような世界になりつつある。
そういえばWEB2.0の言い出しっぺのオライリー先生がドタキャンしたために、web2.0の東京エキスポが中止になったというニュースを聞いた。
なんとなくSNSを筆頭にweb2.0は日本では急速に失速しているような気がする。
本当は失速するというようなものではなく、そういう技術の広がりはゆっくり着実に浸透している筈だが、一時期マーケ屋が喧伝したようなインターネットの革命が経済の革命を引き起こすみたいな論調は幻想だったということだ。
オライリー先生はそういう日本の軽薄な雰囲気をなんとなく感じ取って
「オレ日本に行きたくないもんね」
とキャンセルしたのかもしれない。
堪りたまっていたネタのリンクをやっとまとめて消化できた。
宿便が一気に出てスカッとしたような気分(下品ですまん)
私はスカッとしたがメンドクサイ文章を読まされて、疲れた皆さんはこんなものでも見て癒されてほしい。
女の子の太股画像スレ カナ速
2008年10月24日
|
|