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WindowsXPの最後のアップデートがかかってきた
〜XPサポート終了に関してちょっと思うこと…

rotten milk

WindowsXPの最後のアップデートがかかってきた〜XPサポート終了に関してちょっと思うこと…

WindowsXPのサポートが4月上旬をもって終了した。

サポート終了前に最新アップデートをかけてVMWare向けとVirtualBox向けバーチャルマシンファイルとパッチがあたった状態の最新XPインストーラディスクを作っておこうと思いながら、忙しい日々が続いて何もできないまま気がついたらサポート終了日が過ぎていた。

実のところXPがなくても困るということもない(こともないが…VirtualPCが起動できる環境が無くなってしまうので)のでバックアップだけとったらモスボールかなと思っていた。

久しぶりにWindowsXPを起動したらMicrosoft Security Essentialsが真っ赤な表示を出してなかなかおどろおどろしくてよろしい。





WindowsXPを起動すると前は普通のポップアップで「サポートが終了する」という警告が出ていたが
ついにMicrosoft Security Essentialsが真っ赤になって「PCが危険にさらされている」と表示するようになった




しかし期日が過ぎた後も最後のアップデートはちゃんとダウンロードできた
一応これで最新版にはなった
これが最後のアップデートになると思われる




さらにサポート終了後は更新しないといっていたMicrosoft Security Essentialsも
定義ファイルは一応最新版に更新されている
マイクロソフトさん、ありがとう!なんだかんだ言って気にかけてくれてるんだね



ところでツイッター界隈ではこの
「Microsoft Security Essentialsが原因でXPが起動できないなどの不具合が起きている」
とか
「マイクロソフトは売らんかなの姿勢でまだ使えるXPを強制的に終わらせて新しいOSを無理に買わせようとしている」
というような書き込みが目立っていて香ばしいことだ。

AppleがOS 9のサポート終了、OS Xクラシック環境のサポートも終了した時に、古いMacユーザから一斉にブーイングが起こった様子をつぶさに見ていたのでこの光景はデジャブという気がする。

いや、Mac OS 9が終わった時はもっとひどかったかな。
OS 9を使いたいんだよ〜どうしてくれるんだ〜
使えば?
新しい筐体では使えないじゃないか
新しいの使いたいならOS X使えば?
OS Xは汎用性がないからダメダメ
ならWindowsインストールすれば?OS 9よりもっと汎用性があるよ
DTPで既存のソフトが使えないからダメだといってるんだよ
アドビもOS Xに対応したよ?
お前さてはMacユーザになりすましているドザだな?Macユーザは「Mac」と書くんだ、お前の様にmacって書く奴はドザに違いない
は?macと書くのはいちいちshiftキーを押すのがメンドイからだけど?
その言い訳がいかにもドザだな


というやり取りを巨大掲示板でして、めでたく私はドザ認定されてしまった。

ほう、なるほど、Macユーザというのはそういうところで敵味方を識別しているんだな…と、この時に感心した。
当サイトのタイトルが
muta's mac scribbling
となっているのはそういう理由で、あえて小文字のmacと書いているのはこのコンサバティブなMacユーザへの反感から
どうせ私はドザ崩れのモグリマカですよ、だからmacと小文字で書きますよ
という宣戦布告でもあった。

と、弊サイトタイトルの誕生秘話はどうでもいい。WindowsXPである。

あちこちで見かける「XP延命策」とか「マイクロソフトはXPのサポートを再延長すべきだ」とかの論調が、この時のOS 9ユーザを彷彿とさせる。

XPは公共のインフラなんだからマイクロソフトにはXPを存続させる責任があるとか…

ちゃんちゃらおかしい。
マイクロソフトは役所でもなければ非営利団体でもない。
ただの民間企業でしかない。
民間企業の存在目的は営利である。
製品を販売して利益を上げて株主と従業員に利益を還元するのがその最大の存在理由で、利益を前提としない民間企業は商法違反でそちらの方が犯罪行為だ。

利益を追求するためにXPよりも新しい技術を採用した7、8のOSを販売している。その前にVistaというのもあった。
XPよりも7や8の方が良いぞということを特にビジネスユーザに納得させることに失敗したのは、マイクロソフトの問題点だが、マイクロソフトの落ち度はそこだけだと思う。

UIが進歩すればメモリも食う。
メモリを食うならハードに対応するために64bitネイティブにもしなきゃいけない。
だから新しい筐体にはもうXPじゃないし、それと並行して古い筐体もサポートを継続することは負担になってくる。

こういう議論をする人はほぼみんな忘れているか理解していないと思うが、古い製品をサポートするのもコストなのだ。
XPのアップデート、パッチを開発するためにやはり多くの工数を要求される。
パッチを開発したらそれを当てても大丈夫かどうかエージングしてテストもしなくてはいけない。
Vista、7、8と工数をかけなくてはいけない製品が増えて、それら販売すべき製品もあるのにXPのサポートを継続しなくてはいけない意味がない。

ユーザは今までさんざん「互換性」「汎用性」という利益を享受したのだから、今は感謝の気持ちでXPの棺に花束を置けばいいと思う。
なのにこの期に及んで「マイクロソフトにはXPをサポートする責任がある」なんて吹き上がっている人もいるが、これまでさんざんその利益を享受しておきながらただの一民間企業にさらにサポート延長の工数負担を求めるのは虫が良すぎる。

OS 9はいまや古い筐体を探し出してきて懐古趣味と遊びで起動するOS、そしてXPもそういうOSの仲間入りをしたということだ。

こちらの調査でもXPの稼働率はまだ25%あるそうだ。
サポート終了間近、Windows XPの現役稼働率は?-マイナビニュース調査/マイナビニュース

これはほぼ実感に近い数字だ。
特に官公庁のXP使用率が高いように思う。
このまま腐ったミルクを使い続けて、個人情報を流出させたりして「それみたことか」と指差されるかきちんと対応するかはマイクロソフトの責任ではなくこのXPを使い続けているユーザの責任だと思う。

サポート打ち切りは無責任だなんて文句を言っている時ではないし、ウイルス対策ソフトでXPを延命なんてのは本末転倒なだけでなく対応策としてもザルだと思う。

弊サイトは、成り立ちから
「Windowsはデファクトスタンダードだ、Macはもう終わったOSだ」
というWindows至上論者への反発を最初の頃は書き連ねていたが、最近は私自身Macをいじっている時間よりもWindowsをいじっている時間の方が遥かに長いし
「マイクロソフトはなんだかんだいっていい仕事してるよね」
と思うことも最近多いので、擁護論みたいなものを書いてしまった。
要するにもう十分ガンバっているんだから「XPの延命を…」なんてのは単なるわがままでしょという感想を書きたくなった。

(XPでしか動かない専用機の世界は別かな。
そういうのはネットワークとも切り離して、USBの口もセメダインで固めてスタンドアローンで使うだろうし、そうであるならユーザの自己責任。
でもネットワークに繋いで、USBやメディアでデータやり取りもしないといけない専用機ならやはりあり得ないということになる)




2014年4月21日















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