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マルシン・モーゼルM712シュネールホイヤー
〜金属モデルガンの質感を生かすためにダミーカート仕様に改修した…

Metal 712

マルシン・モーゼルM712シュネールホイヤー〜金属モデルガンの質感を生かすためにダミーカート仕様に改修した…

久しぶりに金属モデルガンのモーゼル・シュネールホイヤーを手に入れて、ABSモデルのグニャグニャした感じに嫌気がさしていたのでやはりこういうものは金属に限るなぁ…と再認識していた。

ABSモーゼルのために入手していたRIGHTの30口径モーゼル弾のダミーカートを使えるように改修したくなった。

RIGHTのモーゼル弾はなぜか8発セットなので、フルマガジン・フルクリップで装填できるように追加でもう8発購入した。

ところが豈図らんやRIGHTのダミーカートはマルシンの純正カートリッジよりも皮一枚分大きいのでそのままでは並べて写真を撮る以外に使い道がないことが判明した。

いや過去にワルサーPPK用のダミーカートなどいくつかRIGHT製のダミーカートは手に入れているが、どれもこれも純正より若干サイズが大きいために装填ができないということは経験している。

どうやらダミーカートを若干大きめに作るというのはRIGHTの安全ポリシーなのかもしれない。

ただの飾りでも良かったんだけど、せっかく出来のいいカートリッジなので、クリップ装填・マガジン装填・ローディング・排莢までできるようにしたい。





金属モーゼルM712とABSモデルの付属品だったカートリッジ、クリップ、20連マガジン
純正品なんだけどカートリッジの装填・排莢は一回も成功しないジャム率100%
かなり調整しないといけないのだがどうせ発火をする気もないのでせっかくなら
ダミーカートリッジを使えるようにしたい…




RIGHTのダミーカートリッジはケースの径が純正カートリッジより0.3mm大きい
リム径に至っては0.7mmも大きいので10発装填すると7mmも余計にスペースが必要になる
無加工だとマガジンには6発しか装填できないのでフォロワーを削るなどの加工が必要になる




まず0.7mmもリム径に差があるのでクリップには1発も入らない
なのでリューターでクリップの幅を広げてブラッセンで再塗装した
この加工をするとマルシン純正カートリッジはクリップに止まらなくなる
こここが純正カートとの決別、ルビコン川ということになる
やっちまったからにはやりきるしかない…




マガジンには6発しか装填できない上にそこまで装填すると
カートリッジの頭が下がってフィーディングランプに引っかかってしまう
なのでフォロワーの前面を斜めに削ってカートの頭を上げるようにする
ほかにマガジンスプリングを曲げるなどの工夫がいろいろ必要
フォロワーが抵抗にならないように削ったところはピカピカに磨いている




マガジンはダミーカートが6発しか入らなかったが
フォロワーを加工して7発は入るようになった
押し込めば8発入るがケースにテーパーがかかってリムの径が
大きいのでどうしてもカートリッジが前下がりになってジャムる
まあいい、7発ならガバとは渡り合える…




0.7mmもリム径が大きいのでボルトフェイスも
そのままではカートリッジを咥えられない
ブリーチの幅を広げてカートリッジが入るようにした




ファイアリングピンも3mmほど突き出してカートリッジを叩く
発火しないので実際に叩く必要はないしハンマーの打撃力が
全てエキストラクターにかかってキャストパーツの破損に繋がるので
ファイアリングピンを削ってカートを叩かないようにした




ブリーチを広げたボルトフェイス
いまファイアリングピンは前進している状態だが
この通り突き出さない長さに削った




幅を広げたクリップに10発ダミーカートを装着したところ
マルシン純正のカートは5mmほど余裕があるが
RIGHTのダミーカートだと少し余っちゃう




前回撮るのを忘れていたストック兼ホルスターに収納したモーゼル
実物は内側にラシャが巻いてあるように記憶しているがマルシン製は
木を削ったままなので銃を入れると傷がつくような気がする
(実際少しキズがつく)




ストック装着し10発装填のクリップをローディング位置に装着…
要するにこれがやりたかったんです




そして今から40年前にGun誌の表紙で
見たモーゼルC96レッドナインの構図を再現
ボトルネックのカートリッジが10発クリップに並んで
装填のスタンバイしているこの光景が好き




クリップから装填…残念ながらフォロワーを削って
7発まで装填できるようになったが10発は無理
無理すれば8発は入るがそうすると初弾の装填に失敗しジャムる
フォロワーを削りすぎると別のジャムの原因になりそうなのでこれが限界だった




エジェクションポートにカートリッジが見える喜び…
エアソフトガンでは見ることができないテッポの真骨頂!




カートリッジが見えるエジェクションポートのアップ
やっぱりフィーディングランプがざらざらなのが 気になるか…




100%ジャムっていたが原因はほとんどこのフィーディングランプに
カートリッジが引っかかっていたためフィーディングランプは大幅に削って拡げた
ほぼジャムが起きないようになったが見てくれがザクザクなので再度磨き直した
ピカールもバフも総動員したがなんせバレルエクステンションの中の狭いスペースなのでこれが限界だった
動作には問題はないが見てくれの問題だけなのでこれでよしとする…
というがこれが限界かな…




ダミーカート化するためチェンバーから抜いたファイアリングピン
この錆び方は一度発火しているのかな…これを抜くのに汗一斗半日かかった…
前のオーナーがなぜかアロンアルファでファイアリングピンを固定していたため
ラジオペンチで抉り抜いたので完全に変形してしまった
なんでアフォは何でもかんでもアロンアルファでくっつけたがるのかな…




ほぼ100%装填排莢に成功するようになった




チェンバーにカートリッジが収まっている図
マガジンフォロワーを押し下げるとボルトが復座して
エキストラクターが上下してカートリッジを咥える
ここらの動作はABSモデルでは苦労したがこの金属モデルでは完璧に動作する




エキストラクターがカートリッジを咥えてチェンバーから引き出す図
ABSモデルをいじっていた時からこれをスムーズにやりたかった




マガジンフォロワーは前部を斜めに削って前が上に上がるように整形した
この工夫で7発までは装填して快調に装填排莢できるようになったが
あと3発が入るようにするのは容易ではないと感じた
10発装填できるようにするには少しスプリングを切ったほうがいいかもしれない
捨ててもいい予備マガジンが手に入ったらトライしてみたいけど…




そしてRIGHTのダミーカートリッジが快調に装填排莢できるようになったが
純正カートリッジはエキストラクターがちゃんとかからなくなってますますジャム率が高くなった




マガジンにも装填できるようになったしクリップにも
装着できるようになったのでモーゼルでやりたかったことがやっと成就した




10連マガジン装着図




20連マガジン装着図




モーゼルは…特にこのシュネールホイヤーはこのようにほっそりした
スタイルなのでABSモデルの軽さはそんなものなのかと思っていた
金属モデルガンを手にしてそのズッシリした重さに驚かされた
ドライウエイトでも1kgは軽く超えている感じでガバよりも重い
軽くて華奢というイメージを持っていたが金属モデルガンで
がっしりしたズッシリ重い銃というイメージに変わった




(上)実銃のモーゼルC96 30口径モデルと(下)マルシンのM712シュネールホイヤーモデルガン
クリップ装填のハンドガンというのは唯一無二じゃないかな…シュタイアーあたりであったかな…
モーゼルという名前は40年前のGun誌のグラビアページとともに心に刻まれた
この光景を再現するのにABSモデルでもクリップ装填はできたが
やはりリアルなダミーカートとボルトが戻る時の金属の動作音がよい




この構図はずっと見ていても見飽きない…
昔観たモーゼルC96を使用する殺し屋の古い映画を思い出した
撃ち合いの最中にクリップを使って再装填するシーンが印象的だった
そのシーンだけが印象に残っているので映画のタイトルも出演者も思い出せない
なので検索のしようがないがそういう映画もあった




(上)Mauser M712 Schnellfeuer実銃と(下)マルシンのM712シュネールホイヤーモデルガン
実銃は古い銃なのでブルーイング仕上げが多いようだ




(上)20連マガジンを装着したMauser M712 Schnellfeuer実銃と(下)マルシンのM712シュネールホイヤーモデルガン
シュネールホイヤーが登場するフィルムについても調べてみたが結構数があるけども
観たことがない…あるいあまり印象に残っていないフィルムばかりだった
スコープをマウントできるオプションがあることからストックと
合わせて狙撃銃としている映画が何本かあったのが興味深かった




Mauser C96の実銃
シュネールホイヤーの原型になったセミオートオンリー、
固定マガジンの自動銃で試作版のC94はボーチャードの翌年の設計
ガッツリ19世紀のテクノロジーだがその割りにはモダンで垢抜けしている印象




C96まで広げたら登場する映画は1920年代のサイレントを筆頭にどっさり出てきた
がやはりほとんど観たことない映画ばかりで観たことがある有名どころでは
「アラビアのロレンス」のトルコ兵とか「リボルバー・リリー」で
宍戸カフカが二丁拳銃でぶっ放していたあたりが印象に残っているところかな




でも多分C96の一番有名なプロップは「スターウォーズ:エピソードIV」のハン・ソロの銃
スコープ付きのC96にM1カービンのフラッシュハイダーを付けただけの超安直SF光線銃
…なんだけどこの古ぼけた感じがこの映画の他のプロップと妙に調和していた




リボルバーと同じようにアンバーに変色した古ぼけた写真風に加工すると似合いそう
自動拳銃だけどリボルバー的な曲線美も持っているし…







【追記:7月6日】

この時10連マガジンに7発までしか装填できないと書いたが、せっかく10連マガジンが2個あるんだったらやってみようということで10発装填にチャレンジしてみた。

マガジンをバラしてダミーカートを10発詰めてみて、マガジンフォロワーがどれぐらいはみ出すかマッキーで印を入れてそこまでリュータでガシガシ削って、スプリングも二巻き切った。

切ったスプリングをカートリッジが前下がりになるのを防ぐように前を上にこじ上げて扇状に曲げる…

結構な手間をかけて成形したが、結論から言うと9発までは装填ができるようになった。

装填はかなり固いが装填すればほぼジャムもせずに9発装填・排莢ができるようになった。

スペース的には10発装填できそうだが、カートリッジのリム径の問題だけでなく前後長も問題になって10発装填はRIGHTのダミーカートリッジを使う限りやはり無理そうだ。

うまくいかなかったのでこの過程はここに書かない。



2025年6月30日
















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