マルイ89式小銃に合わせる光学サイト…今までAimpointをつけてお茶を濁していたがMD33風の照準補助具をつける
東京マルイのガスブローバック89式小銃を固定銃床だけでなく曲折銃床までお迎えしてしまった。
せっかくなので光学照準器をいろいろ合わせてみたが、ACOGとかつけるのはちょっと違うなあと思っていたので実際の自衛隊員は何を着けているのか調べてみた。
64式の時代は日露戦争時代の教練を忠実に守っていたのか、自衛隊員は狙撃担当を除いてもっぱらオープンサイトを使っていた。
というよりかつての自衛隊は隘路に散兵線を敷いてそこを進んでくる敵を一斉に狙撃するという戦術だったようで全員が狙撃兵だとも言える。
だから64式小銃は機動性よりも、制圧射撃の時の命中精度重視に全振りしたような設計だった。
89式は米軍のM16などをかなり参考にしてもう少し多目的に設計されていたようだが、せっかくの取り外し式の二脚も「自衛隊では二脚を外す運用はしていない」ということなのであまり64式と変わっていない。
サイトもオープンサイトのみの前提だったが、時代が下って太平洋で米軍やオーストラリア軍、韓国軍はてはドイツ軍などとも合同演習をするようになると光学サイトを全く重視していなかった自衛隊装備では時代に合っていないことがはっきりしてきたようだ。
写真を集めているとAimpointやEOTechなど海外製のサイトをつけている隊員の写真も見かけるようになった。
そして官給品の旧タスコ製のMD33というサイトの使用例も増えてきた。
これをモデルにしたレプリカがMDコーポレーションの89式小銃用照準補助具。
(右)日米合同演習に参加した自衛隊員の89式小銃
メーカー不明のショートズームスコープサイトをつけている
(左)東京マルイの89式ガスブローバックに似たようなサイトをつけて再現したのが前回の話
この隊員はEOTechのホロサイトとマグニファイアーをつけている
この隊員はフレアタイプのACUっぽい戦闘服を着用してマガジンもPマグ、
M-Lockハンドガードなどサバゲみたいな組み合わせの装備になっている
サバゲ風景の写真が紛れ込んだのかなと思ったが
自衛隊基地祭で撮影されたMD33照準補助具
等倍レンズのドットサイトでAimpointのM2などと同等ではないかと思う
このサイトは前後2本のリングでサイトを固定している
最初の写真と同時期に撮影された自衛隊員の照準補助具をつけた89式
MDコーポレーションの89式自動小銃用照準補助具をつけたマルイのガスブローバック
89式のレシーバー突起に20mmピカティニーレールをつけるアダプターも入手済みだが
このサイトのデフォのアダプターはピカティニーレール用ではなく直にレシーバーに取り付けるタイプ
MDコーポレーション製のレプリカはサイトを一本のリングで固定するタイプを再現している
上記写真の通り2本のタイプと両方の型があるようだ
(上)日米合同演習に参加した自衛隊員が所持していた照準補助具付きの89式
(下)MDコーポレーション製の照準補助具をつけたマルイの89式
MDが再現しているのはこのタイプのようだ
比べてみるとなかなか良くできている
よくあるAimpointのレプリカと違ってこの89式照準補助具は
蒸着加工のミラーレンズが採用されている
実物もこうなのかどうかは不明だがこの蒸着レンズは中華レプとちがって
視界が青くもならないしレンズの歪みもない…さすが日本製
同梱のシールはリアルな資産管理番号シールになっている
防衛省の桜マークは中がWなのだがこれはMになっていて実物と紛れるのを避けている
こういうシールの書式は国立の研究設備でよく顕微鏡などに貼ってあるのと似ている
実物がどんな書式なのか知らないがいかにもありそうな雰囲気になっている
標準のレシーバーに直付けするマウントはロープロファイルでなかなか合理的だが
もっと高さが欲しい場合はピカティニーレールアダプターと組み合わせるとなかなか高くなる
私は低い方が好みなのでピカティニーレールアダプターは外して直付けした
セットにはバトラーキャップが付属しているが実銃の方は
これを着けているパターンと着けていないパターンの半々の印象だ
照準補助具の外箱と取説
いかにも官給品にありそうなデザインになっている
取説には「教育訓練以外の目的には使用しない」「使用後は直ちに焼却」
などものものしい注意書きが印刷されているが中身は普通の
サイトの固定方法と電池の装着の仕方などのマニュアル
付属品は20mmピカティニーレールにも装着できるアダプターを含んでいるので
いずれ20式のエアソフトガンが発売されてもそっちにも使える
あと例の資産管理番号シールもどきと磁石で取り付ける飾りのスクリューヘッド
この飾りのスクリューヘッドをつけてみた
もっともらしい姿になるけどすぐに失くしそう
ネジを最初からこの形にしてくれればよかったのにと思うがコストを抑えたかな
外箱は完全に飾りで中の箱は「RED DOT SCOPE」の箱
アンビセレクターレバーのスプリング脱落を防ぐために
自衛隊員がよくやっているビニールホースも付け直した
こんなピンスプリングなんて消耗品として大量に調達しておけばいいのに
これを紛失しても隊員を動員して大捜索が始まってしまうためほぼ全員がこのDIY加工をしている
世界中の国防軍でこんなことやっているのは日本だけ
防衛省のお役所仕事の不合理の象徴のようなビニールホース
(上)官給品スリングを着けて模擬射撃演習中の自衛官と89式
(下)官給品スリングのレプリカをつけた東京マルイの89式
このレプリカの官給品スリングは見た目もよくできていてリアルなだけでなく
帯に短し襷に長しな微妙に使いにくいところまでリアルに再現されている
この官給品のスリングも2セット手元にあるのだが実際の隊員は
私物と思われる3点式スリングに付け替えている例を多く見かける
その雰囲気の3点式ナイロンスリングに付け替えてみた
3点式としても2点式としても使え前のフックを後部の
フックの穴に付け替えれば1点式懸架も可能なタイプ
曲折銃床はストック根元と先端の2箇所に懸架環があるので
このタイプのスリングと組み合わせればかなり自由度が高い
(上)89式自動小銃実銃と(下)東京マルイ89式エアソフトガン
【追記】
肝心のドットサイトとしての性能についてあまり書いていなかった。
ドットは赤と緑、明るさはそれぞれ3段階に調整できて一番明るく調整すると快晴時の日中の対空照準にも使えるぐらい明るい。
逆にいうと暗い場所ではちょっと明るすぎるかも。
ドットのポイントを照準して視線を動かすとパララックスによる狙点のずれがほとんどない。
中華レプの場合はほとんどズレるので常に視界の真ん中でしっかり狙わないといけないが、これならラフに狙っても当たると思う。
日本製品は久しぶりだけど、やっぱり光学製品は日本製でないとダメだな…
2025年7月27日
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