東京マルイのM4A1 CQBRをバリエーション展開…久しぶりに映画の話をしよう…M4が登場するフィルムいろいろ見比べて真似してみた(上)…
マルイのM4A1を触ってみてオモチャとしてはよくできてる…という感想を書いたけれど、よくよく考えたらリアルメカだったとしてもモデルガンもエアソフトガンも結局オモチャには違いないのでむしろ割り切って耐久性や動作の快調さを追求したあり方もこれはこれでありだなと思い始めていた。
マルイ製品に関しては前にもエアガンとしての機能に関係ないところが省略されていると不満を書いたこともあったが、「動くオモチャ」として考えたらそういうのはムダな部分ともいえる。
まあどっちもありかな。
いくらリアルでも動かない模型は文鎮モデルだし、文鎮や無可動にはあまり興味がないんだから…
今までワザと避けてきたM4A1を手にしてみての感想は
「米4軍やSWATなどがこぞってこれに更新した理由がわかったわ」
というところ。
マルイは全金属モデルなんだけど、それでも軽い。
軽いし小さくて取り回しがいい。
SCARやFNCより一回り軽いしAUGと並べても取り回しにそんなに差がない。
軽さで言えばAKMぐらいかな。
メリケンがみんな「これがいい」と言った意味がわかったし、サバゲフィールドがこれで占拠される意味もわかった。
それでその軽くて小さいテッポが登場する映画となるとどっさりある。
今ソラで思い浮かべただけでも30やそこらは思いつく。
映画の話題を書くのも久しぶりだな。
テッポの映画の話題半々と思って始めたのに、もう1年以上ご無沙汰なのでM1A1関連の映画をまとめて…
先日のイラク駐留軍と思われる兵士のM4A1に寄せてみた
(左)マルイのM4A1エアソフトガンと(右)実銃のM4A1
RASのレールカバーをつけたハンドガード、銃身の下にM203と思われるランチャー
AimPointM2とショートオープンサイトをつけたレシーバー
実銃はハンドガード上にはランチャー用のタンジェントサイトをつけているが
レールに固定できるサイトがなかったのでPEQでお茶を濁しているけど…
今はデルタやシールズだけでなく一般兵科の兵士もこんな感じの装備になっているらしい
エアフォース・ワン
今や米兵だけでなく警察やSWATもMP5系のサブマシンガンを捨ててM4A1に更新しているらしい。
さる自衛隊員の方の話によると、もうサブマシンガンには多くを期待しない、接近戦であろうが実戦では小口径小銃をチョイスするというのが自衛隊も含めて各国の流れになっているそうだ。
個人的にはM4A1というテッポを認識した最初の映画がこのエアフォースワンだったんじゃないかと思う。
中央アジアの旧ソ連衛星国のテロリストが指導者の解放を要求して、表敬訪問に来たアメリカ大統領の搭乗機「エアフォースワン」をハイジャックする…というストーリー。
監督は曲者のウォルフガング・ペーターセン
Uボート、ネバーエンディングストーリィ、シークレットサービスなどを手がけている手練れのストーリィテラー。
米大統領は特別装備のボーイング747、ラジオコール「エアフォースワン」で世界各国の外交に出かける。
これがハイジャックされたらどうなるかという当時あまり想定もなかった状況。
特別装備だから大統領一人を脱出させる脱出ポッドが装備されている(本当かどうかは不明…映画の演出かも)
テロリストたちの目を盗んで脱出ポッドが射出され、地団駄踏むテロリストたち…しかし脱出したと見せかけて機内に潜み反撃の機会を伺うという「大統領のダイハード」みたいな映画だった。
濃い悪役のゲイリー・オールドマン
手にしているのはノーマルなM4A1でキャリーハンドルを
外してC-Moreタイプのダットサイトを載せている
たぶんこの映画で「XM177に似ているけどちょっと違うテッポが出てる」と気がついたのが、M4A1を認識した最初だったと思う。
成層圏を飛行中のジェット機の中で、ああいうテッポをぶっ放したらどうなるんだろう…撃った本人だってただじゃ済まないんじゃないか…と当時疑問に思ったが、そういう野暮なことを考えないで口を開けっ放しで観るのが正しい鑑賞態度の映画。
ブラックホーク・ダウン
一転してこちらはソマリア内戦中の1993年に、実際に起こったブラックホーク撃墜事件を描いている。
ソマリア内戦に介入した国連軍と米軍だが内戦はもはや民族浄化のジェノサイドの様相を呈してきており、なんとか内線を終結させるために米軍は首謀者のアイディード将軍を逮捕することに躍起になっていた。
アイディード派の幹部会合の情報を掴んだ米軍は、国連軍に通知もせず独断でこれを拘束する作戦を実施。
モガジシオのマーケットのアジトを急襲して数名拉致するだけの簡単な作戦だと思われた。
しかし降下中の落下事故という小さな手違いからその救護中に民兵に囲まれ、上空から支援していたブラックホークがRPGロケット弾で撃墜され、さらにその救出に向かったもう一機のブラックホークまで撃墜され、搭乗員を救出するために地上部隊は市内数カ所で分断され、双方合わせて数百名が死亡するという大事件になってしまった。
監督は「エイリアン」「ブレードランナー」のリドリー・スコット。
レンジャー隊員の大部分はM16A2を手にしているが
合同参加したデルタ隊員は装備がバラバラでこの隊員はM4A1を持っている
他の兵士はM14も持っていたりでデルタが一般兵士とは
ちょっと違うということが描かれていた
デルタが持っていたのはノーマルなM4A1だがAimPointを装着した個体も映り込んでいた
これは映画のオフショットでM4A1、XM177風の謎の銃を持った隊員もいる
この事件が起きたのは1993年でM4A1が米軍制式になったのは1994年のことなので
考証的に正しいかどうかはちょっとビミョー…デルタは特殊だから
トライアル中の銃をすでに使っていた可能性もなくはないけど…
例の「基地の中では必ず安全装置をかけておけ」
「俺の安全装置はこれだ」といって人差し指を突き出すシーン
一瞬安全装置周りがアップで映るがよく見るとこれ訓練用のラバーガンなのがわかる
この映画当時でもM4A1はまだ実銃が入手難だったのかな…
米軍の映画でもMGCのモデルガンが使われていたりは割とよくある話だけど…
「俺の安全装置はこれだ。そしてこの銃はゴム製なので安全装置は動かないんだ」
余談だけど地上部隊が移動に使うハンビーというジープのような車が登場するが、ソマリア当時はほとんど防弾装甲がなく民兵たちにぼこぼこに撃ち抜かれる様が描かれている。
このソマリアでの被害が教訓になって、のちにイラクなどで投入されるハンビーは防弾鋼板に防弾ガラスの重装備に変わっていた。
この事件がアメリカ政府にとってもアメリカ軍にとっても相当の痛手だったということの現れかもしれない。
コンテイジョン
M4A1が印象的に使われている…という映画ではないのだが、先見性がすごいのとすごく象徴的なシーンに登場するのでこれも入れてみた。
中国の片田舎で突然発生した空気感染性の伝染病が、国際便旅客機に媒介されあっという間に世界中に伝播し、発熱・咳・意識混濁などの症状ともに世界中何百万人もの死者をだす猖獗になっていく。
米CDC職員たちがその謎の伝染病の発生源を突き止め、犠牲を出しながら必死の努力でワクチンを開発していく…
と、ストーリーを手短に書くと
「それってコロナのことを描いたのか?」
と思うが、この映画が封切られたのはコロナの流行のなんと10年前。
しかしこの謎の伝染病の正体がわからないまま死者がどんどん増えていくのに対抗して戒厳令が敷かれ外出が禁止され、意味もない漢方薬が「唯一の特効薬」とかデマを流して金儲けをする似非ジャーナリストも現れ、反ワクよろしく必死の努力をする医療従事者に対して攻撃的になる民衆…10年後のことを正確に予言していたとしか思えない映画だった。
監督は「アウトオブサイト」「エリン・ブロコビッチ」「トラフィック」「ソラリス」「オーシャンズ」シリーズのスティーブン・ソダーバーグ。
世界中で恐ろしい数の死者が出始めると民衆は
パニックを起こし赤十字の周囲も軍が警戒するようになっていく
防護服を着用した兵士がすでに戒厳状態を示す
UCPカモフラージュのACUに身を包みM4A1ライフルで
武装する戒厳軍にカメラを向け民衆を煽る似非ジャーナリスト
事態が深刻化すると民衆と医療機関や政府との間に不信感が募っていき
それに便乗する形でさらに分断を煽る輩が出てくる…てまるでコロナの話そのもの
戒厳軍が装備していたのもノーマルサイトのM4A1
ACUとミリタリーハンドガードの組み合わせがまさにコンテイジョン
病原菌特定チームの紅一点マリオン・コティヤールはフランス人の女優さんだけど、こういうシリアスな演技も似合う。
クリストファー・ノーランの「インセプション」や「ダークナイト」シリーズで印象的な人だった。
本国では恋多き女も演じ、シャンソン歌手でもある実に多才な人だ。
バトルシップ
これ軽めのSFアクションで割と好きな映画だったんだけど、世界中で大コケしてなんと日本だけで大ヒットしたという映画らしい。
巨大隕石と思われた宇宙船が、ハワイで合同演習中の日米の艦隊周辺の海域を遮断して、ハワイの電波望遠鏡を乗っ取って地球侵略の通信施設にしようとする。
これを撃退しようと試みる米海軍と海上自衛隊の合同艦隊だが、圧倒的な破壊力をもつ彼らの「バトルシップ」に損害を出すばかりで太刀打ちができない。
しかし知恵を絞ってさらに戦艦ミズーリという骨董品級の戦艦も動員して、最後に打ち負かすというアメリカンハッピーSF。
冒頭でコンビニに忍び込んでチキンブリトーを盗むシーンは、当時バズっていたYouTubeのネタ動画をそのまま持ってきたのが海外での不評の原因だったのかもしれない。
監督は「アルマゲドン」「パールハーバー」などのアホ映画も「13時間」「アイランド」などの秀作も玉石混交でどんどん量産するマイケル・ベイなのでそういうレピュテーションになったのかも。
ただレーダーが使用できなくなっても沿岸警備隊の「津波観測機」をハックして敵を探知する知恵を見せる浅野忠信のシーンは正直ワクワクした。
「俺はこの方法で3年連続アメリカに演習で勝ったんだ」
「このヤロウ!こんなズルしてやがったのか!」
「ズルじゃない、孫子の兵法だ」
捕えた宇宙人を助けにきた敵と地球人が艦内で戦闘するシーンでM4A1が使用されている
この時期には海軍でも標準装備になっていたから当然と言えば当然
レイルドハンドガードにACOG+RMRを装着している
RMR付きACOGを載せた東京マルイM4A1
RASにバーティカルグリップ
戦艦ミズーリというと「1945年 降伏文書に調印する鈴木貫太郎首相」という教科書で見たあの写真がその艦上だった
ミズーリは引退後は記念艦として保存されているが、この映画でも甲板の上に「日本国降伏調印の場所」というプレートが嵌め込まれているのがしっかり映されていた。
その日本の海上自衛隊と今では肩を並べて宇宙人を撃破する仲になったのだ…というメッセージだとするとちょっとグッとくる。
グリーン・ゾーン
これまた近代史の一大汚点、イラクの大量破壊兵器は実在したのかという政治スキャンダルに迫った秀作。
イラク戦争は「イラクは核および生物化学兵器と思われる大量破壊兵器を保有している」という疑念が理由で一方的に多国籍軍がイラク本土に侵攻したという戦争だった。
主人公はその大量破壊兵器の米陸軍捜索チームのリーダーとして活動しているが、情報をもとに現地に急行しても鳩のフンだらけの発電機が打ち捨てられた倉庫だったり、指図の場所を重機で掘っても何も出てこない空振りを繰り返している。
「どうも情報がおかしい…そもそも情報の出所はどこなんですか?」
と迫っても政府関係者は何も出てこないのは探し方が悪いからだとお茶を濁すばかり。
その時同じように政府の情報に疑念を抱いているCIA職員に声をかけられる。
CIAですら把握していない「大量破壊兵器」の情報の出所はどこなのか…?
主人公は陸軍の通常任務から外れてCIAとともにこの戦争のそもそものきっかけになった情報の大本に迫ろうとする…
クウェートを一方的に侵略したイラクを撃破した湾岸戦争と違って、イラク戦争はなぜ始まったのかが当時から一向にすっきりしない不思議な戦争だった。
この戦争で中東の独裁者と言われたサダム・フセインは失脚し、民主イラクが誕生しめでたしめでたし…というプロパガンダは散々聞かされたが、イラクが周辺国に脅威であるという根拠の「大量破壊兵器」がいつまで経っても出てこない。
史実でもこの「大量破壊兵器説」はイギリスの学生のレポートのコピペだったという正体が暴かれて、イラク戦争は本当に必要な戦争だったのかという批判がブッシュ政権を追い詰めた。
マット・ディモン演じる捜索隊長はM4A1にACOGを載せた標準的な装備
この装備でイラクの要人が潜む個人宅に突入するがこういう任務に
最適射程200メートル前後のACOGは不適切な気がしないでもない
重機で道を掘り返すディモンらに「そんなとこ掘り返しても何も出てこない
大切なものを道の真ん中に埋めるヤツはイラクにはいない」と情報を提供するイラク人男性
グリーンゾーン装備にしたマルイM4A1
「グリーンゾーン」とはフセイン失脚後、暫定政府を設立するために米政府が設定したバグダッド中心部の安全地帯。
外の往来ではイラク民兵と多国籍軍の銃撃戦が散発し道にはミネラルウォーターを物乞いする住民が並んでいるのに、フセイン宮殿に設けられたグリーン・ゾーンの中では満々と水を満たしたプールサイドに水着の美女が戯れ、政府関係者がシャンペンを開けている奇妙な光景が描かれる。
イラク人男性を情報源兼通訳として同行したディモンらは、やがてイラクコントラともいうべき恐るべき情報操作の真相に迫る…のだが、忠実な通訳として同行していたイラク人男性がその鍵を握る人物を射殺してしまった…
「なんてことしたんだ!これですべて闇に葬られてしまうじゃないか!」
「あなたには大切な情報かもしれないが、私にとってはこの男は国をメチャクチャにした仇だ」
すごいなぁ、このワンシーンでイラク戦争がイラク人にとってどういうものだったのか、その複雑な背景を短く簡潔に描き切ってしまった。
こうしてすべては闇に葬られ…というふうにはならなかったのは史実の通り。
ハート・ロッカー
イラク戦争終結後もイラクは内戦状態のまま一向に平和民主国家にならなかった。
自爆テロが横行し首都バグダッドもそこらじゅうに仕掛け爆弾がベッタリと隠されている。
その爆弾を最前線で処理していく爆発物処理班。
しかし前任の処理担当は任務に失敗し、目の前で爆発が起きて防爆スーツも虚しく戦死してしまう。
そこに後任で訪れた爆発物処理担当は、自ら進んで危険に飛び込む病的な傾向があることを見抜き班長の軍曹は危機を感じる…
女流監督キャスリン・ビグロー(「K-19」「ゼロ・ダーク・サーティ」)が男臭いイラクの戦場をリアルに描いてアカデミー賞を独占した話題作だった。
元夫のジェームズ・キャメロンが「アバター」でアカデミー賞を獲りにきていたのに、それに勝っちゃったという話題作でもある。
制服などからイラク駐留の後期の頃の話ではないかと思う。
独裁者を倒し民主イラク建設を助けるという大義名分はすっかり色褪せ、民衆も敵か味方かわからない砂漠の国のど真ん中でひたすら爆弾のワイヤーをまさぐる、普通なら神経がおかしくなるような戦場の空気感。
サンボーン軍曹はACOG装着したミリタリーハンドガードの
M4A1にワイヤーでウエポンライトを固定している
東京マルイM4A1
よく見るとサンボーン軍曹のM4A1はモックアップガンかもしれない
発砲シーンがないのでこれもゴム製かも
危険を好む男を演じるジェレミー・レナー は
AimPointを載せたM4A1にRASをつけている
こんなスリムなリアサイトもあるようだ
アシスタントの兵士はやはりAimPointにRASの組み合わせ
この映画でちょっと不思議なのはAimPointの
バトルキャップを蓋を外したまま装着してること
蓋がいらないんだったらキャップもいらない気がするが
みんなこんなふうに装着しているのは何か意味があるのかな
実際こんなふうにキャップをつけるのがイラクでは流行っていたんだろうか?
東京マルイM4A1 ハート・ロッカー仕様にした様子…
キャップの蓋を外しちゃえば完璧だったなw
2025年8月16日
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