GHK・AUG〜これはスグレモノ!アングルドサイトをつければオプティカルサイトのバックアップは問題なし
ブルパップに限らず最近はどこの国の正規軍もアイアンサイト(オープンサイト)をあまり使わなくなってきて、みな低倍率のスコープサイトかダットサイトをつけて光学サイトが今花盛りだ。
アイアンサイトよりも有利なのはわかる。
関西の叔父さん(正確には大叔父だったかな)が、かつては陸軍中尉で大陸派遣軍に参加したことがある人で陸軍生活の話をいろいろ聞いたが射撃の話も興味深かった。
陸軍では200メートルを射撃の基本としていて、射撃訓練は歩兵銃のオープンサイトで200メートル先の人型標的(マンターゲット)を撃つんだそうだ。
それで当たるのか?と聞いたところ
「もちろん当たるよぉ!」
とのことだった。
ただし例の「寒夜に霜が降る如く」というのは徹底的に仕込まれるとのこと。
これは慌てて引き金を引いてガク引きになり的を外さないようにしろという割と有名な言葉で、外すと罰直が待っていたそうだ(大抵は便所掃除とか靴磨きとか他愛のないものらしいが)。
ただ200メートルという距離になると照星とマトの人影がほぼ同じ大きさでやはりかなり遠い。
かといって狙撃銃の照準器は逆に200メートル以下の至近距離では使いにくかったとのこと。
叔父さんにその射撃訓練に使った銃は何だったかと聞くと
「さあ、何だったかなぁ?…普通のライフルだったよ」
と極めて記憶が曖昧だったが。
将校なんだから拳銃も持っていたはずだが、拳銃は何だった?と聞くと
「さぁ、何だったかなぁ?…普通の拳銃だったよ」
と、銃にはあまり興味がなかったご様子だった。
そのくせ
「カールツァイスの双眼鏡を持ってたよ。あれはいい双眼鏡だったなぁ…」
と将校用に支給されていたドイツ製の双眼鏡のことは鮮明に覚えておられた。
まあ、実際に戦場に行った人の記憶って、そんなものなのかな。
それで遠近両方のターゲットに対応できるとか、照準にかかる時間を短縮して野戦を有利にするために米軍から始まった光学サイト主流の流れが、いまでは自衛隊にまで波及しているのだそうだ。
ところが光学サイトには困った問題がある。
例えば自照式のダットサイトなどだと電池切れとか故障でサイトとして役に立たなくなる。
もちろん出動ごとに新品の電池に入れ替えるなど気を使えば大丈夫かもしれないが、光学サイトは落としてレンズが割れるなんてこともある。
落とさないように気をつければいいのだが、明け方や夜などは気温差の関係でレンズが曇って何も見えなくなるなんてこともある。(サバゲならともかく実際の戦闘は大抵は夜討ち朝駆けなので、こういう状況に遭遇するケースが多い)
そういう光学サイトが使い物にならない様々なシチュエーションに備えて予備のオープンサイトをつけるレイアウトもある。
大抵は可倒式のピープサイトなんだけど、これだと一旦光学サイトを外さないと使えない。
レンチを取り出してゆっくりサイトの着脱をできる状況ならいいが、まさに弾がビュンビュン飛んできている状況でそんなことはしていられない。
そういう時の予備サイトとして面白い製品を見つけた。
現在いろいろ加工中のGHKのAUG
予備サイトがついているのだがわかるかな?
ピカティニーレールに装着する形で斜めについたオープンサイト
もし光学サイトが故障・あるいはレンズの曇りが取れなくて照準ができないという時
すかさず銃を斜めに構えてオープンサイトで照準ができる
サイトを交換するレンチも時間も必要ない…0.5秒でサイトを変換できる
照門側は緑のオプチカルチューブが仕込んであり逆光でも順光でも狙いやすい
サイトにはウインデージ・エレベーションの調整ダイヤルがついており
M16A2の標準サイトと同じ構成
照星側には赤いオプチカルチューブが仕込んであって照星を見失うこともない
こちらにもエレベーションの調整ダイヤルがついている
(上)ACOGの非常用オープンサイトと(下)アングルドサイト
TrijiconのACOGにもこういうケースのためのオープンサイトはついているが
サイト長がピストルよりも短く「だいたいこのあたりに弾が飛ぶはず」というほぼオマケ状態
このアングルドサイトならM16A2のオープンサイト相手でも撃ち負けないと思う
2022年8月16日
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