マルシンのモスバーグM500…長年タンスの肥やしになっていたこのテッポをお気に入りに加える猟銃加工やってみる
マルシンのモスバーグが嫌いだった。
あまりにも嫌いだったため買ってきてすぐに押入れの一番奥に突っ込んでいたおかげで、25年ほど前にテッポ趣味やモデルガン業界にほとほと愛想が尽きて手持ちのモデルガンなどを全部売っぱらうか値がつかないものは粗大ゴミに出すという愛情のかけらもない切り捨て方をした時も、押入れの奥にあったために逆に生き残ってしまった。
最近またテッポをいじり始めて、マルゼンやAPSのRemingtonや崋山の水平二連をリアル化するということに凝り始めている。
すると「もう一丁あったよな、ショットガン…」としきりに心の声がする。
「マルシンのモスバーグもなんとかしようよ」
ということで部品取り用にジャンクコンディションのモスバーグの「スラッグスター」とかいうバージョンを手にいれた。
この個体の木ストックが綺麗だったからほぼ衝動買いの1万2千円。
二十数年前に買ってそのままになっていたマルシン・モスバーグM500と今回入手したモスバーグ・スラッグスター
今時はハンティングやる人もシンセティックストックが標準らしいが
当時はプラのストックって軍用か警察用というイメージだった
個人的には猟銃が好きだったので木ストックじゃないのもモスバーグが嫌いな理由
それで今回このストック欲しさにジャンクに手を出した
マルシンの木ストックもあまりいい木を使っていないのだが
この個体は杢の入ったキレイな木目材だったので飛びついた
ただしハンマーをコックできない完全ジャンク品だった
バレル長はM500が実測18インチに対してスラグスターが22インチ
警察用なら18インチもあるだろうけど猟銃化するにはどちらも半端な長さ
22インチのスラッグスターは銃口までインナーバレルが伸びていてライフルのようなクラウン
カッコ悪いしバレルが長いと今時の威力規制に引っかかるんじゃないか…
ということでこのインナーバレルは近いうちにぶった切ろうと思っている
しかしAPSの20インチバレルといいなんでショットガンなのに
銃口までインナーバレルを伸ばしたがるんだろうか?
ショットガンでスナイパーでもやるつもり?ゲーム用エアガンとしても疑問な仕様だ
マルシンのモスバーグの何が嫌いってこの軍用の放熱カバーのダサさ
気に入らないんなら外せばいいんだけど外しても猟銃には見えないのがどうも…
マルシンの最大の弱点はこのアクションバーがすぐに折れることだったが
今回入手した個体はアクションバーは問題なかったので
ジャンクとはいえすぐに直せるんじゃないかという思いもあった
そして実際に直せた
ハンマーがコックできない理由はバラしてみたらすぐにわかった
スライドアクションが後退してハンマーをコックしたらシアとトリガーバーグループが
後ろに下がってハンマーをキャッチしないといけないがこれが全然動かない
その動かない理由がトリガー、シア周りのピンに全部抜けどめのつもりなのか
ロウ蜜というか固着材というかわからないけどベタベタの液体が
塗ってあってトリガーが動かなくなっていたのが原因だった
これをキレイに落としたら問題なく動作するようになったので
また完全ジャンク品を完動品にしてしまった…もうけたわい
モスバーグの分解は特に難しいところはないんだけどフォアエンドと
アクションバーの取り付けネジが専用工具でないと外せないのが問題だった
実銃の銃砲店に分解工具がレミントン用・モスバーグ用とか
売っているんだけど結構高いので3mm真鍮線で分解工具を自作した
これならモスバーグだけでなくレミントンもミロクもなんでもいける
分解手順はマガジン先端部の隠しイモネジを抜いてマガジンを抜いて
マガジンとアウターバレルを抜いてアクションバーとフォアエンドを外すという手順
分解よりも組立の方が厄介でマガジン先端のキャップにマガジン抜け留めの
ワイヤーをしっかり挿してイモネジで固定しないといけないがこの作業がちょっと面倒
逆にいうと面倒なのはこの部分だけ…実銃は工具無しでマガジンのキャップを回して抜くだけで
バレルの交換が可能な扱いやすさだがさすがにそこは再現されていなかった
ストックを入れ替えたモスバーグたち
スラグスターって猟銃というよりはやはり喧嘩用の散弾銃という感じだしこっちの方が似合うのでは?
M500につけた木ストックだが残念ながらヒビが入っていた
この木目が気に入ったので修復することにした
ササくれ立ったところはメイプル水性ニスで色をなじませ
ひび割れには木工用ボンドを流し込んで固定しながら段差を埋めた
乾燥したらワトコオイルを1回塗りで現在この状況
ハンドガードもワトコオイル1回塗り
なかなか色合いはいいので修復が完了したらウレタンニスで塗装する予定
銃本体は同じと思っていたけどよくみたら実チェンバーの部品が違う
そういえば5発バージョンとか3発バージョンとかあるらしいというのは聞いたことがある
今回はとりあえずストックを入れ替えただけだがそれぞれ
猟銃バージョン・スポーツ銃バージョンに工作していく予定
いままで見向きもしなかったモスバーグだがキレイなストックがついたら急に愛おしくなってきた
ストックを入れ替えて木ストックはワトコオイル1回塗りで乾燥中
このひび割れだが2回目の木工用ボンド流し込みをしたので
これが乾燥して透明になったらワトコオイルで油研ぎをしてみようと思う
そうすればこの段差も目立たなくなると思う
最終的にウレタンニスで仕上げる予定
ところでなんでこんなにショットガンが好きなんだろう…と自分の原点を思い出してみたらやはり私の同世代のショットガン好きは大抵これが原点だと思う。
MGCの発火モデルガンレミントンM31
プラ製のモデルガンだったが大きなショットシェルが横向きにすっ飛んでいく様子とか
キャップ火薬を3発使った発火の音と火の凄さとかで当時みんなこれに参ってしまった
某「◯部警察」とかでボスがぶっ放していたのも人気の理由だったのかな
今見るとディテールが甘いややオモチャ臭いモデルガンなんだけど当時はそんなこと気にならなかった
ショットシェルってライフルのカートリッジみたいなかっこよさはないんだけど、このM31でショットガンのアクションがすっかり好きになってしまって、スティーブ・マックイーンの「ゲッタウエイ」とかショットガンが登場するアクションはつい見入ってしまう。
酷使した結果M31がめでたくお亡くなりになったので、後継機として購入したのがマルシンのモスバーグだったのだが、導入直後数回の発射テストの後にアクションバーがボッキリと折れて
「これは使い物にならんわ」
というのが当時の率直な感想だった。
なんせ当時はバリバリの発火派、サバゲ派だったから。
ただ今改めていじってみると、マルシンのモスバーグは決して故障だらけの欠陥エアソフトガンというわけでもないと思うようになった。
確かにアクションバーは弱い。
なんでこれをスチールパーツで作ってくれなかったんだろうと当時は思ったが、MGCのM31と違ってマルシンモスバーグはカートレスだししかもガスガンだ。
だからM31のように力一杯先台を引かなくても軽く引くだけでいい。
軽く引けば弾づまりや故障も起きないし結構確実にBB弾は発射される。
アクションバーも折れることはない。
いまにして思えばモスバーグはすぐ壊れると言っていたのは、私も含めてみんなMGCのM31経験者だったのかもしれない。
M31のショットシェルがすっ飛んでいく様子に惚れ込んでガチャガチャ先台を引く癖がついていた。
アメリカのアクション映画でも「ガシャッ」と音をさせて先台を引くシーンが出てくる。
実際はレピーターはあんなに強く引かないし、猟に出るときに獲物を見つけてから先台を引いていたんでは逃げられてしまうので実猟では最初に引いておくんだそうだ。
どうもイメージと実際はかなり違う。
これは実銃のモスバーグM500(via Wikipedia)
マルシンが参考にしたのがこの軍用タイプだと思われるけどこのデザインが
気に入らなかったというのもモスバーグが好きになれなかった原因かも
こちらも実銃モスバーグのスポーツタイプ(上)は高級なクラシックタイプ(下)は普及版のエクスプレスタイプ
これはレミントンのクラス分けの呼び方でモスバーグがどういう呼び方をしているのかはよく知らない
でもほぼそういうライバルメーカーのクラスに準じた仕様になっている
このオーソドックスなベンチレートリブはレミントンよりは工作しやすそう
スラグ用21インチバレルをつけたモスバーグ
こういうサイトをつけたバレルもある
レシーバーマウントのモスバーグ実銃
イノシシ猟などでモスバーグを使う人はこういうスタイルが多いかな
マガジンチューブはこんなに伸ばせないけど
カンチレバー付き21インチとベンチレートリブ付き26インチのセット
モスバーグのカンチレバーはアルミやABSで再現するにはかなり
厳しい形をしているが模擬的にこれを模してみるというのも面白い
日本の銃砲店で売っているモスバーグは大抵こんな感じのセット
(左)マルシンのモスバーグM500と(右)マルゼンのレミントンM1100
モスバーグはまたカンチレバーをつけるのかレシーバーマウントか
あるいはベンチレーテッドリブをつけるか迷い中
2022年11月8日
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