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日本のテッポ89式5.56mm小銃〜出来はいいんだけど
面白みに欠けるマルイ製品を自分なりにリアル化・カスタマイズ

89Variation

日本のテッポ89式5.56mm小銃〜出来はいいんだけど面白みに欠けるマルイ製品を自分なりにリアル化・カスタマイズ

20式が採用されるまでは自衛隊の最新式小銃だった89式小銃のガスブローバックをここで昨年触れた。

防衛省の訓練用教材として採用されているだけあって、ディテールもなかなかよくできていたんだけどマルイ製品にありがちな
「玩具として非常によくできてるんだけど面白みに欠ける」
というできの製品だった。

みんな考えることは同じなようですでにサバゲフィールドにはマルチレール化されたタクチコーな89式が溢れているけど、私は資料主義というかリアルに存在する実銃を再現する方に興味があるので写真を漁っていた。

資料としてはちょっと古いが8年ほど前の日米合同演習に参加した自衛隊員の写真を見つけた。





手を入れた89式自動小銃
カスタマイズというにはおこがましいようなノーマルな姿だけど
こんな程度の手の入り方で思い入れが強くなるんだから
なんでも思いついたことはやってみたほうがいい




自衛隊の駐屯地祭での89式実銃展示風景
実はこの被筒(ハンドガード)の色味が結構気になっていた
マルイのハンドガードは実銃の通り金属放熱板(ライナー)を樹脂の被筒が包む構造を
再現してくれているのはいいのだが金属の黒染めが濃すぎてプラの部品と色味が変わらない
実銃は結構金属部分はグレーに近い色なのでこれを再現したかった




スプレーで塗装するのだがこれが剥がれた時にエッジに下地の濃い黒が出て来たら興ざめなので
塗料が剥がれやすそうな出っ張っているところの黒染めはあらかじめ剥がしておいてマスキングする




参考にしたのはこの写真(via Wikipedia)
今から8年前の日米合同演習で米海兵隊員と強襲訓練をする自衛隊員の89式
米海軍の強襲艦の上での射撃技能訓練風景らしい
ショートズームスコープとマグプルのアングルドフォアグリップをつけている
当時の自衛隊にしては実戦的なこの組み合わせを再現することにした




例によって手書きの自衛隊ステンシル…なんだけどルールが自衛隊っぽくない
おそらくこの8年前の合同演習の時のその時限りのスペシャルマーキング
これを例によってガッシュの白で手書きしてスポンジでこすって剥がれかけた雰囲気に




エッジを擦ったハンドガードは金属部分をキャロムショットのブラックスチールで塗装
食いつきがすごく強い塗料でもないので使っているうちに自然に剥がれてきて
よれた雰囲気になるに違いないと期待している




このハンドガードの下側にボルト穴を開けてアンダーレールを固定できるようにした




これは前からあったアタッチメントだがスコープマウントアダプターをアッパーレシーバーに
レシーバーのこの部分の突起はもともと薬莢受けを固定するためのものだが
なんで薬莢を回収しないといけないのか、そんなことよりも光学サイトを
標準で使えないと実戦でのキルレシオに影響する…
という批判が合同演習で相当あったようで自衛隊も最近アダプターを
つけてダットサイトやスコープサイトを標準でつけるようになった
あと前回は気がつかなかったがロアレシーバーの前のピンもちゃんと
脱落防止スプリングが噛ませてあってメンテナンス性も向上していた
これは実銃89式の改善点なんだろうと思う




グリップはクリーニングキットを収納できるキャビネットになっている
これも再現されていることに前回は気がついていなかった




完成したアンダーレール
ここにバーティカルグリップやライトなどを装着することができる
今は各国とも制式小銃も3面または4面レールフォアハンドが標準だが
自衛隊も少しずつキャッチアップしている…?




ここに写真の通りアングルドフォアグリップをつけた




(右)日米合同演習で使用される89式自動小銃実銃と(左)これをモデルにしたマルイ89式ガスガン
実銃の方は金属放熱版のところにM-Lock式のハンドガードカバーがついている
こういう形式のハンドガードの写真が他にないのでこの隊員の私物なのかもしれない




(上)日米合同演習で使用される89式自動小銃実銃と(下)マルイ89式ガスガン
こちらの実銃はアンダーレールがなく標準の二脚をつけたハンドガード




少しウエザリングもかけたマルイ89式
昨年作った自衛隊式BFA(空砲アダプター)をセーフティキャップ代わりに銃口につけている




たまたまだけどアングルドフォアグリップの下が六角レンチの
収納スペースになったのでこのグリップを外して交換も素早くできる(?)




被筒の根元にも放熱板が露出しておりここの色が変わっただけでも雰囲気が変わった
こんなところに放熱板が露出しているのは構造的にどうなんだろうと疑問に思わなくもないが
この構造のおかげで89式は大量に連射してもコックオフに悩まされない耐久性はあるのかもしれない




海兵隊との合同演習のスペシャル仕様なので海兵隊ヘルメットと並べて…
実は自衛隊の軍装をほとんど持っていないという苦しい台所事情もある…




ブランクカートリッジ(空砲)のダミカを並べて情景写真




たまたま例の自衛隊員が使っていたのと似た形のスコープがあったのでやってみた
これも1.5-4×30イルミネーションスコープなんだけど中華製の安物なので
視界が若干歪んでいるほぼおもちゃのようなスコープ…まあ雰囲気味わう専用ね




(右)おそらく同じ隊員が使っている同じ個体の実銃と(左)フォアグリップを外して二脚をつけたマルイ89
これは同じく日米合同演習での別の場所の風景だがフォアグリップを外して二脚装備にもどしている
同じ付け替えをマルイでもやってみたができるもんですね…




個人的には89式の二脚のデザインはあまり良くないと思っていて
被筒を握る左手の中で二脚が固定されずにグラグラ動くのが気になる
ここだけは64式の方がデザインがマシのような気がするが
例のアンダーレールをつけたおかげで二脚がグラグラ動かなくなった
これ自衛隊の標準装備にはなっていないけどこれはアリという気がする




前半分




後半分
マルイの89式なんて手の入れようがないし昨今流行りのタクチコーカスタムが
好きになれないのでこういう工作でちょっとこのテッポが好きになったのはうれしい


2023年9月10日
















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