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なんちゃってなIT用語辞典9

多分何の役にも立たないIT用語辞典
How that IT term sounds funny


ASP

Application Service Provider

このASPという言葉を初めて聞いた時に、どうもその概念がよく理解できなかった。
それはアプリケーションという言葉の理解にちょっとずれがあったからかもしれない。

アプリケーションはコンピュータの基礎的な動作を決定するOSの上で、ある特定の作業をするために専用に作られたソフトウエアというふうに理解している。

OSはマスコミ用語では基本ソフトと訳されている。
この方が判りにくい訳語のように思うのだが、放送用語としてはこれを使うことになっている。
基本的なコンピュータの動作をつかさどるソフトという意味で、その機能からこう訳されているんだろうと想像しているが。

(IT業界の皆さんふうにいうと「qwertyな訳語」ということになるのだろうか?
アメリカで取材していた時に聞いた話だが、キーボードの配列は一番左上から右へ
QWERTY
というふうに並んでいる。
こういう配列をqwertyキーボードというが、ここから転じてqwertyという言葉は

「誰がどういう根拠で決めたのかよく判らない意味不明な決まり」

という意味で使われているそうだ。
アメリカで特にIT関係に従事する人なら、かなりな確率で通じる英語だそうだ。
「クワーティ」と発音する。
もちろん辞書には載っていない。)

パソコンは汎用機として設計されているから、あらゆることが可能なようにOSには基本的な動作だけが規定されていて、専門的な動作はその上に載せるアプリケーションというソフトが担当する。

そういう理解をしていると混乱するのが、アプリケーションを供給するプロバイダだ。
アプリケーションを供給するわけだから、インターネットのダウンロードサービスのようなものを連想する。
もちろんそういう形態のプロバイダもあるが、アプリケーションにネットワークを通じてアクセスさせてそのサービスの出力を返信するという形態もある。

混乱の原因は我々素人が日常的に目にするアプリケーションというのは、コンピュータにインストールされたアプリケーションだからだ。



今のパソコンには、買ってきたばっかりのまっさらの状態でも
すでに4〜50個のアプリケーションがインストールされている。
だから買ったばかりのパソコンでもいきなりメールができたり、ワープロが打てたりする。
アプリケーションというのは、そういうインストールされたもの、あるいは自分でインストールするものという観念がこびりついている。
そういうものはもちろんネットワークにつながっていなくてもスタンドアローンで使える。

しかしネットワーク、特にインターネットを通じてアプリケーションを利用するというサービスもある。
それがASPだ。


これは大きなアプリケーションを、パソコンのような容量が小さいディスクに入れておかなくても良いというメリットがある。
あるいは高額なソフトは買わなくても借りれば良いという利用法もある。

アプリケーションというのはその動作をする上で、コンピュータのOSの上で動くというだけのことで、コンピュータ上のディスクに入っていないと動かないというわけではない。
それが解れば何でもないことなのだが、ASPという用語は私のような素人にとっては結構混乱してしまう用語なのだ。


ASPという業態で面白い企業を見つけた。
ズィットという小さな企業だが、この製品が面白い。

会社の経営者は新興のベンチャーはともかく、そこそこのクラスの企業だとたいていは50代、60代の人が多い。
企業のIT化は進んでいるとはいっても、高齢な社長にはパソコンというインターフェイスは馴染みやすいとはいえない。
もちろんそういう高齢な社長でもパソコンをどんどん覚えて活用している人はいるだろうが、少数派ではないだろうか?

そこでこの会社は、キーボードもマウスもついていないテレビに、社長が知りたい情報を表示するというアプリケーションサービスを始めた。
テレビというインターフェイスはもうスタートして50年も経つので、社長世代にも馴染みやすい。
そこで情報を見る操作も、普通のテレビについているようなリモコンを使って、上下左右にポインタを動かすカーソルボタンだけでできるように工夫されている。

姿形はテレビだが、ここで表示されるのはインターネットを通じてVPN化された自社のホームページの内容だ。

面白いのはそのソフトウエアの中身だ。
社長という人たちはパソコンを使って何を見たいだろうか?
インターネット上の画像には興味はないだろう。
ここのサイトのトップにあるような新着ソフトの情報にも興味がないに違いない。

社長という職種の人たちは、毎日自分の会社の社員たちはどんな仕事をしているだろうか、それによって業績はどうなっていくだろうか、明日の資金繰りは立つだろうかということばかりを毎日社長室で心配している。

だからインターネット上の画像や、新着ソフトなんてそんな余計なことに気を散らしている時間なんか片時もない。
社長が知りたいのは社員から上がってくる毎日の営業活動の報告、売り上げ、営業マンが誰に会ってどんな話をしてきたかということに尽きる。

だからこのテレビは、そういう報告ができるだけリアルタイムに上がる、社員報告表と売り上げ実績表を表示する機能だけがついている。


社長はただテレビのリモコンでそれを選んで見るだけだ。
そのためにこのアプリにはパソコンについているような豪華な検索機能なんてついていない。
まさに社員管理と、資金管理だけに特化した専用機だ。

パソコンのような何でもできるという豪華な機能は付いていないから、キーボードも必要ない。
キーボードがついていないから、キーボードアレルギーの60代の社長でもほとんど違和感なく使える。



このソフトウエアパッケージを考えた水谷社長は、62歳というIT業界では最年長といっても良いような人物だ。

この人は33年前にJASPOLというCOBOLと同じステップをずっと簡略な記述で実現する基本言語を開発したことでこの世界では知られているらしい。
この基本言語の開発で、当時の通産省のソフトウエア企業振興優遇政策の指定第1号を勝ち取ったという、日本のソフトウエア業界の草分け的な人物だ。

その水谷社長は、ソフトウエア産業の異業種交流会という目的で定期的にIT研究会を主催している。
前回も狭い会場に200人もの技術者、ソフトウエア企業の経営者などが集まる盛況ぶりだった。

そこで若い技術者に熱心に語りかける水谷社長は、実はソフトウエア産業に対して非常に辛らつな意見を持っている。

「技術屋というのはソフトウエアにいかにすごい機能を盛り込んだかということで自己満足してしまう悪い癖がある。 だから『こんなに良いものを作ったのにどうしてお客さんは買ってくれないんだ?』ということで、悩んでいる。

しかしそのすごい機能は本当にお客さんに必要な機能なのだろうかということに目を向けることを忘れている。」


IT研究会で水谷社長が若い技術者に訴えかけているのは「お客のニーズを探れ」というオーソドックスな教えなのだが、具体的に
「あなたの作っているソフトは、本当にお客さんが欲しいソフトなんだろうか?」
という問いかけをすると技術者たちはドキッとするのかもしれない。

先のインターネットテレビも技術的に新味はないともいえる。
しかしこのテレビは社長あるいは企業の幹部クラスの人たちが欲しい機能だけが搭載された、簡便な専用機だという点が従来なかった強みだ。

普通そういうネットワークコミュニケータという用途を考えると、たいていの企業はやはりパソコンを使うだろう。
だがパソコンは社長という職種の人たちにとっては無駄な機能の固まりだ。
社員との情報共有をしたいだけならインターネットテレビで十分だ。
それをしかも月5万円でリースするわけだから、欲しいという社長は多いと思う。

豪華な汎用機が必要な状況はある。
しかしこうした簡便な専用機でも十分だというシチュエーションに合わせて開発をすることが、売り上げにつながることもある。

「良いものを作れば絶対売れる、というのは技術屋の驕りだ。それがお客さんにとって欲しいものかどうかを考える技術屋でなくてはいけない。」
という水谷社長の考え方はソフト産業だけでなく、あらゆる産業に通じる話かもしれない。


ところで水谷社長に
「こういうソフトは自社開発するのですか?」
と質問したところ、
「うちの社員には開発なんてやらせない。そんなことしたら思い入れが強くなって失敗を簡単に認めたがらない社員も必ず出てくる。

それよりそういうソフトのアイデアは例のIT研究会の参加者の発表を聞いて、これはいけるというものを買う。 IT研究会を主催する目的はそれもあるんですよ。」

といたずらっぽく笑った。
理想だけではない、したたかな社長だ。






アバター

avatar

「化身」という意味のこの言葉を、IT関連用語として初めて聞いたのは4年前だった。
大阪で参加したIT講習会の入り口に、ソニーの担当者が来ていて出店を出していた。

「アバターサービスはじめました。お試し下さい。」


という不思議なかけ声をかけていた。
「アバターサービスって何ですか?」
思わず興味を持って彼等に声をかけた。
「インターネット上に自分の分身を作って、その分身を通じて会話できるサービスなんです。」
という説明が面白かったので、そのお試し用CD-ROMをもらってきてしまった。


インターネット上には今そこら中にBBS(電子掲示板)がある。
このサイトにも「質問意見箱」というタイトルでBBSを設置しているので、BBSとはどういうものか解らない人はのぞいてみてほしい。
ここにアクセスした人は誰でも自由に書き込みができる。そこでお互いに会話ができる。(文字を使った会話だが)

メールと決定的に違うのは、メールは1対1のコミュニケーションであるのに対して、BBSはそこにアクセスした人全員に発言記録が見える。
だからそのBBSにアクセスした人は誰でも、会話、議論に参加できる。
こういう複数の人が参加できる会議システムをBBSというので「電子掲示板」と訳される。

ただBBSのスタイルは昔のパソコン通信の時代の「電子会議室」と根本的に変わっていない。


文字を書き込んでそれを他の人が読んで、文字の書き込みでそれに応答したり、反論したりする。

従来のBBSは文字を介したコミュニケーションであったのに対して、アバターは自分の分身が登場する。


ソニーのアバターは自分のキャラクターにあわせて、好みの顔、ファッションを選んで分身を作る。
その分身がweb上に作られた仮想の部屋に現れ、歩き回ったりする。
その部屋に他の人の分身がいたら、その分身と文字を使って会話する。
文字情報についてはチャットに近い。
ただ、会話の内容に合わせて分身を笑わせたり、怒らせたり、泣いたりもできる。

こういう表情を伴った会話をすることでより現実に近いビビッドな会話ができるわけだ。
またこのアバターは着せ換え人形のように服を取り替えることができるので、お互いにファッションセンスを競ったりできる。

従来のBBSは古いインターネットの伝統で情報交換の場というイメージが強いのに対して、アバターを使ったBBSは遊びの要素がかなり強い。


ソニーの担当者によると、最初はチャットルームとしてサービスをスタートするがやがて、ニュースの部屋、映画などのエンターテインメントの部屋というようにテーマを持った部屋を作って、皆にそういうコンテンツを見てもらいながら、会話を楽しんでもらうサービスを展開したいということだった。

このサービスには大いに期待していたが、なぜか参加者が思うように増えなかったようだ。

参加は無料だったのだが、無料でも参加者をどんどん募る広報システムが確立できなかったということもあるのかもしれない。
2年も経たないうちにこのサービスはひっそり終了してしまった。


ところがその後、会社の同僚がIT特番で韓国を取材した時に韓国ではこのアバターサービスが大ブレークしているという情報を番組に盛り込んでいたのには驚いた。


韓国では日本よりもいち早くブロードバンド化が進み、ADSLの普及世帯数は過半数を占めるまでになっていた。
ブロードバンドなどの高速通信が普及すると、常に問題になるのは魅力的なコンテンツは何かということだ。
高速通信がいくら安く実現しても、その高速通信を入れて見てみたい、やってみたいというコンテンツがネット上にないとブロードバンドはいつまで経っても普及しない。

日本では光ケーブルがもうかなりのエリアで利用可能なのだが、なかなか加入者が増えないのは、光ケーブルを入れたいと思わせるようなキラーコンテンツがなかなか出てこないからだ。

韓国ではネットゲームと、このアバターサービスがADSLのキラーコンテンツになっているという。
韓国のビジネスモデルは、ソニーのスタイルよりももっと泥臭いものだった。
アバターを作って参加するまでは誰でも無料でできる。
しかしそのアバターに着せる服や、持たせるアイテムはそのアバターサービスの中だけで通用する電子通貨で購入する。

韓国ではこのアバターのアイテムの購入熱で、サービスが繁盛していて、とうとうアイテムの盗難事件まで起きるという盛り上がりぶりらしい。

この情報には複雑なものを感じてしまった。
韓国のITは成功している。
日本のITは停滞している。

何が違うのかを見ていても、韓国で成功しているものはネットゲームとかアバターサービスとかもともと日本にあったものばかりだ。


しかもその技術ということで見比べれば、日本の方が遥かに優れている。
ソニーのアバターは完全に3Dのグラフィックだったが、韓国で流行しているというアバターは 2次元グラフィックスを前後左右の視点から見るというオプションで切り替えるという、単純なものだった。
この違いをいくら見比べていても韓国が成功して、日本が失敗した理由が判らない。

今yahooBBもアバターサービスを始めているが、やはり大きく盛り上がっているようには見えないので、これは国民性に合うのか合わないのかという違いじゃないかという気もする。

そこで技術は単純であるほど成功する可能性が高いという格言を思い出した。



韓国のネットゲームやアバターサービスはどれも日本に比べると幼稚だという印象が拭いきれない。
でもだから成功したともいえるのかもしれない。

今日本のITは焦点をIPv6とかICタグとか根本的な技術開発に軸足を移しはじめている。

ブロードバンドが普及すれば、インターネットで映画を見られるとか、テレビを見られるとか、そういうアメリカ型の未来ビジョン*に長い間惑わされてきたが、今までそういうビジネスモデルで日本で成功したものはひとつもない。
アバターもそうだ。


それよりも原点に立ち返って、高速通信が普及すると何が可能になるのかという新しいビジョンを描き直す時代に入ってきているのかもしれない。
例えば高速通信は高度なセキュリティを可能にする。
あるいは従来考えられなかったような用途に機器通信を利用するということも可能になってきている。
インフラはもう整っている。
あとはこれで何ができるか、軸足を完全に移した日本から新しい面白いものが出てくる予感がする。





*注釈:ADSLはxDSLという技術の中の一つ。
電話線を使った高速通信サービスというイメージが強いが、もともとこの技術はケーブルテレビで一本のケーブルを使って本放送とは別に、ビデオオンデマンドを実現する技術として開発された。
しかしケーブルテレビ用に使われたのはごく一部で、むしろ電話線のような低クオリティ通信に乗せる方が有利な技術だということから電話線向けの
xDSLが普及する。
つまりxDSLは最初から映画などの映像コンテンツを効率的に配信するブロードバンド技術だった。





PDF

Portable Document Format

コンピュータ、IT用語で未だに意味が解らない言葉に出くわす。

「トラック、トラッカー、どういう意味だろう」
と自宅で部屋を見回してみたら、

「コンピュータ用語事典」

なる本のタイトルが目に飛び込んだ。
「俺ってこんな本持ってたんだ!?」
と思いながらその本を開いてみた。
「トラック:磁気テープの記録列、または紙テープのパンチを打つ列。6列のものをシックストラックテープという」

奥付けを見るとこの本、23年前の本だった。

それにしても紙テープとは... 情報が古すぎて逆に歴史的価値があるともいえる。
今の若い人たちはコンピュータが紙テープを使っていた時代があるなんて知らないかもしれないが、

この本を見るとわずか23年前にはまだ紙テープは現役だったことがわかる。



そういえば23年前、学校出たての営業マンだった私が大阪の本町で○○紙工という会社を担当した時に、その会社の総務の人から

「うちはもともと段ボール箱とか紙コップを作っていた会社だったが、今ではビジネスフォームというコンピュータ用のパンチカードが売り上げの50%を超えるようになった。」

という話を聞かせてもらったことを思い出した。

当時はオフィスオートメーションという言葉が流行語になっていて、会社のコンピュータ化が始まった時代だった。
当時のコンピュータはIBMなどの大型機が主流で、ミニコンピュータという機種もあったが、ミニといっても人の背丈もあるラックが2つも3つもあるようなでかさだった。

そういうコンピュータの入出力に、手帳サイズのビジネスフォームと呼ばれたパンチカードを大量に使っていた時代だった。
今ではパンチカードを使うコンピュータなんて博物館にしかないだろうが、この会社も23年も経っているのでまた別の業態に鞍替えしているだろうと思う。

「コンピュータを使えばオフィスから紙がなくなる」


というのは当時からいわれていたことだが、コンピュータが普及しても一向に紙は減らなかった。

当時はビジネスフォームに入力するためにコード番号を書き込むコンピュータ用伝票というのが出てきて、紙が減るどころかコンピュータを使うことで余計に紙が増える感じだった。
今でもコンピュータで作業をしても、結局最終の出力は紙というハードコピーを使うためにやっぱり紙は減っていない。

しかしこれからはこれも変わっていくと思う。

今までぺーパーレスは実現していなかったので、これからも紙はなくならないということをいう人もいるが、こういう人はコンピュータの技術が変化しているという現状をあまり理解していない。



紙のコピーという形で出力されたものは、結局はコンピュータ上のファイルのコピーに過ぎない。
コピーであるから改竄も可能だし、それがいつの時点でのコピーかも判らないわけだから、記録的な意味もない。
しかしコンピュータ上のファイルが改竄不可能になって、あるいは改変記録が残るようになれば、紙よりもそういうもののみが記録として価値を持つようになる。

そういうツールとして注目を集めているものにPDFがある。
PDFはAdobe社が開発したドキュメントの形式だが、これがテキストファイルやWordファイルと根本的に違うのは、PDFとして書き出したファイルは改変が不可能だという点だ。

Wordファイルなどを含むテキストファイルはOSに依存するテキストコードを記録するファイルで、文字コードを記録するだけだから、
1)異なったプラットフォーム間、例えばWindowsやMac、Linuxなどの間でやり取りすると文字化けしたり、レイアウトが崩れたりする可能性がある
2)文字コードを記録するだけだから簡単に上書き改変ができる
という性質を持つ。

だから企業間の契約書をWordファイルで作るなんてことはあり得ないし、作ったとしても契約書として有効なのはその紙コピーに印鑑を押したものだけということになる。



これでは結局、昔手書きで書いていた契約書をタイプしたというだけのことで、こういう使い方はワープロと変わらない。

コンピュータは今ではビジネス現場で普及しているというけれども、実際にその利用のされ方はまだワープロに毛が生えたものに過ぎなかった。



(ちなみにコンピュータを使えている人という基準は人それぞれだろうが、僕の主観ではOutlookexpressとMSOfficeしか使えない人は、コンピュータを使えているとはいわない。これはメールもできるワープロとしてコンピュータを使っているだけだ。
そういう目的だったらシャープの「書院」などは、フリーズしないしウイルスももらわない優秀なワープロだったはずだ。
OutlookexpressとMSOfficeがメインアプリという人はその時代から全く進歩していないわけで、それで十分なんだったら安定していたシャープの「書院」を復活させるべきだ。

「そうはいってもパソコンはレイアウトも凝れるし、シャープの『書院』よりもCPUの速度は格段に速いぞ。」
という反論が聞こえてきそうだ。
しかし「書院」は7年前に終わった商品だ。
それと今のパソコンの処理速度やレイアウト能力を比較するのはナンセンスだ。
言ってみればこれは、自転車とGPマシンを比較しているようなものだ。
しかしGPマシンに乗って時速20kmで走っているんだったら、自転車の方が安全だし効率的だということはいえる。)


PDFがWordファイルなどよりも有利な点は
1)プラットフォームに依存しない。ということはMacから
Windows、WindowsからLinuxというふうにファイルを渡しても文字化けしないしレイアウトも崩れない
2)文字コードはOSによって違うが、PDFのテキストはフォント情報も埋め込まれているので、インストールしていないフォント、採用されていない文字コードでもそのまま表示できる
3)PDFに書き出したファイルは改変は不可能
ということになる。

とくに3)のメリットを活かして国土交通省などは電子入札に使う認証用の書類にPDFを採用したことからも判る通り、その信頼性は高い。
また、MacユーザやLinuxユーザは入札に参加できないという不公平も起きない。

PDFには文字情報以外に画像を埋め込むこともできるし、PKの項目でも触れた公開鍵暗号を利用した認証情報を埋め込むことができる。
これをすることで紙に印鑑を押した契約書よりも高い証拠能力を持つことができた。

このことは重要な意味を持つ。

紙を発明して以来、人類は公証にまつわる作業を紙による書類で行ってきた。
パスポートも、保険証も、運転免許証も全て紙だ。
しかし今は紙よりも偽造が難しいPDFによる電子ファイルを手に入れた。
これが本当のペーパーレスを実現する礎になるはずだ。



今、僕自身は紙の資料はほとんど持たない主義にしている。
紙の資料はその短いタームの仕事が終わったらどうせ用無しになる。
いつかこの資料を使う時がくるかもしれないと思って保管していても、今まで使ったためしがない。

紙の資料は結局は出元は取材先かインターネットだ。

それなら取材先からはできるだけ、テキストファイルやPDFでもらった方が良い。
コンピュータに入れておけばファイル名を検索で探し出せるので、机の中に大量の紙くずを積み重ねておくよりも遥かに能率的で有効だ。
インターネットから落としてきた資料は全てhtml化して保存している。
その方が軽いからだが、それをWindowsユーザに渡す時には、PDFに書き出して渡している。

例えば住基ネット番号もスキャンして、PDFにしてパソコンに保存している。
こういう個人情報も結局速く取り出せるし、暗号化して安全なところに入れているので、自宅のタンスの中に入れて置き場所が判らなくなるよりもずっと能率的で安全だ。

住基ネット番号通知の原本は当然破棄した。
その方が安全だからだ。
これが本当のペーパーレスという言葉の意味だと考えている。



ちなみに文頭のトラッカーの意味だが、
「ソフトウエアなど良いもの、役に立つものを追いかける、ハンティングする人たちのこと」
だということが判った。
webでオンラインウエアなどの魅力あるものを探すことを、「トラックする」という。

やっぱりいつまで経っても意味が解らない言葉は次々出てくる。



2004年1月23日











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