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アンチサーチエンジン対策のSEO業者と
アンチSEO対策を始めたサーチエンジンのいたちごっこ

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アンチサーチエンジン対策のSEO業者とアンチSEO対策を始めたサーチエンジンのいたちごっこ

ちょっと前になるが面白い記事を見つけた。

Life is beautiful- 「SEO業者」と「電解還元水の販売員」の共通点というエントリ。

SEOとは「検索エンジンに捕捉されやすいようにサイトの最適化をする」ということだ。
最初にこの言葉を聞いた時にはSEOの具体的な内容は
「サイトのhtml構造を階層化して検索エンジンに捕捉されやすいようにしましょう」
とかそういう内容だった。

べたで文章を垂れ流すよりもhtmlの本来の約束事に従って、大見出し、中見出し、小見出しなどの<h>要素で階層化して、パラグラフを整理しそれらのキーワードに検索エンジンに捕捉されやすいような独特な用語の組み合わせを工夫するとか、そうすると検索エンジンの記録に残りやすくなり検索サイトの上位に表示されるとか、そういうことがいわれていたように思う。

ところが最近はSEOという言葉は全く違った使い方がされているような気がしていた。
そういうhtml正統派的な最適化は実はほとんど意味がないということが段々明らかになってきて、それよりもトラフィックが多いサイトからいくつリンクされているかということが検索エンジン対策としては有効だという話になって来ている。
(ここらまた極論を書くとご批判がありそうだから、捕捉するがやはりそういう正統派的SEOは漢方薬のようなもので、来月からすぐに結果が欲しいというクライアントには向かないと思う。そして営利サイト運営者も個人サイト運営者も皆「来月からすぐに結果が欲しい」という人ばかりなので、結果的に漢方薬的正当派SEOは誰にとっても大した効果が期待できないということになってしまう。そこいらをちゃんと理解しているクライアントは例外になるんだろうけど、そういうクライアントって現実的にどれほどいるんだろうか?
これが場当たりSEO業者がはやる本当の原因だ)

そこでSEO業者という連中が現れてきて、擬似的にトラフィックが多いサイトを作り上げてそこから
「ご依頼があったサイトにリンクを張らせていただきます。これで検索サイトの表示順位が大幅アップします」
というような話になってきてSEOというのはそういうサービスを有料でやる業者の営業形態を指す言葉のようになってきている気がしてきた。

SEO業者というのはもはやコンサルのようなことは全くやらない。それどころかクライアントのサイトの内容なんかもうどうでもいいのかもしれない。少しでも高額の報酬を穫るためにもっともらしい診断と改善のようなことをやってみせるが、実際にクライアントのサイトのヒット数が上がるのは、こうしたSEO業者が運営する有料リンクサイトからリンクを張られたからヒット数が上がっているだけで、実際契約を打ち切るとすぐにリンクも外されてヒット数も元に戻ってしまうのだという話を聞いたことがある。
つまりもっともらしい診断もアドバイスも全て無意味で有料リンクの使用料がそのサービスの実効的な代価の内容だということになる。

これで本当に「検索サイトの上位に表示される価値を持った」といえるのだろうか?

そのトラフィックが多いサイトというのがまたボットなどを使って人工的に作り上げたような中身的には全く無意味なサイトであり、そこからたくさんトラフィックがあるというだけでリンクされたサイトも中身に関係なく「人気サイト」になれてしまう。
早い話人間の常連読者なんて一人もいなくても金さえ払えば、検索サイトの上位に表示される人気サイトになれるという可能性が出てきた。

以前Yahoo!やGoogleの検索で上位に出てくるところは情報の確度が高いという判断がある程度できたが、最近はそうした様々な事情もあって検索サイトの検索の順位は全く参考にならなくなっていた。それどころか時々上位に
「なんでこんなのがトップに表示されるんだ?」
と思うような変なサイトが表示される結果を見て、最近では検索サイトはあくまで探したいものがはっきりしているときだけ使うものだという使い方に変わってきていた。

これは検索サービスを運営しているプロバイダにとっても当然ジャマでしかないということになる。
当然彼らとしては、中身が無い機械的にトラフィックを作り上げられたようなSEO対策用ダミーサイトは評価のランキングを大幅に下げるという対策をすることになる。
これは当然のことだ。
実際人間のちゃんとした読者のヒットが多いところが上位に挙がらないと検索の意味がなくなるからだ。

ところがSEO業者は
「PageRankがいろいろと話題になっているが、SEO的にはたいして重要ではない。PageRankが上がろうが下がろうがどうでもいいと考えるSEOのエキスパートは私を含めて少なくない。」
と豪語しているそうだ。
なぜなら彼らの運営しているダミーサイトが
「広義の意味で"有料リンク"と呼べるかもしれないが、少なくとも検索・SEO業界で私たちはそれを"有料リンク"とは呼ばないし、そういう文脈で有料リンクという言葉は使わない。」
からだそうだ。
なんだか香ばしいなぁ。
「アルカリイオン水の販売業者と言い分がそっくり」
というのは言い得て妙。
しかし、結局こうしたSEO業者はページランクを下げられて効果が薄くなったダミーサイトは放棄して新しいダミーを作るだけじゃないだろうか。
だからこんな変な理屈をこねてのうのうとしていられるんじゃないかという気がする。

SEO業者の不正リンクは多分ある種のアルゴリズムで排除する自動処理が可能になると思う。
でもそうしたら今度は彼らは違う方法を考えるに違いない。
多重債務者からダミー口座を買うように
「あなたのサイトを高価買い取りします」
なんて広告がそのうち出てくるかもしれない。

こういうネズミごっこってどこかで見たことがあるよなぁ。
そうだ、町金と悪質金融業者取り締まりのいたちごっこだ。
webの世界も段々リアルな世界と同じようにいろんな人種が流れ込んで来ているなぁ




2007年11月7日













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