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ニュースサイトはつらいよ〜慕情編〜

maclalalaさんの更新停滞がちょっと心配


ニュースサイトはつらいよ〜慕情編〜maclalalaさんの更新停滞がちょっと心配

maclalalaさんが最近更新がしんどそうだ。

「先日の Dan Miller の記事が心にひっかかっている。

ニュースの追っかけは依然続けているのだが、ヨコのものをタテにしてきちんとエントリーする気力がなくなった。

楽しみが楽しみでなくなる瞬間とも微妙に重なる。」

なのだそうだ。

そのDan Millerの記事は1週間前のエントリ
「ニュースを追いかけるのはいいことか・・・」
に取り上げられている。


maclalalaさんは元々海外のApple関係のニュースをいち早く和訳して伝えてくれるニュースサイトで、情報が速いだけでなく管理人さんの意図が伺えるニュースの選定、訳文の選択が面白くなかなか貴重なサイトなのだが、前のサーバから
「転送量が大杉なので有料プランに切り替えるか、立ち退くかどちらか選択しろ」
という通告を受けていた。

どこかで聞いたような話だ。

maclalalaさんはこの通告を受けて一時期完全にモチベーションを失ってしまい、引退を表明していたがやはり惜しむ声が多く、あまりの読者の反響の多さに先の「立ち退け」といっていたサーバプロバイダーも
「特別の計らいをもって残れるようにしてやる」
などと手のひらを返したような対応をし始めたが、そういう日和り方をするんだったら、最初からもうちょっと「通告文」の書き方にデリカシーをもたせろよと思ってしまう。
ここいらは私も全く同じ体験をしたのでその気持ちはよくわかるのだが、
「広告モデルで無料ブログサービスが利用可能になっていますので、無料で安心してお使いください!!」
なんて入会案内に大々的に書いているくせに、そのサイトが人気が出てきて転送量が多くなってくるととたんに
「転送量が多すぎて回線負担が大きくなってしまい、他のお客様に迷惑をかけるので、立ち退くか別プランに切り替えろ」
といってくる。
広告モデルで無料サービスが成り立っているなら、トラフィックが多いサイトはむしろ歓迎すべきじゃないのか?
その広告料で回線も増強しろよと思うのだが、この手の無料プロバイダは広告のクリックオン率、コンバージョンでスポンサーに売っているのではなく
「無料会員◯十万人の会員数の多さで、広告の到達機会は抜群に多い(に違いない)」
なんてセールスをやっているに違いなく、こうやって純真な無料ユーザをダシにして広告主を騙して広告セールスをして、だからほとんど訪問者がいないどうでもいいブログが膨大な数があるというのが望ましい状態で、スパマーブログは放置しているくせにトラフィックが多いサイトは目の敵にして追い出しにかかるというつじつまが合わない行動をとっている。

こういうインチキプロバイダーはいずれ馬脚を現すから別にどうでも良いのだが、問題はそういうインチキプロバイダーにひっかっかったmaclalalaさんのような善意の発信者は、まるで自分がこれまでやってきたことを全否定されたような気分になったに違いなく、そこで自分のサイトの存在意義だけでなく、自分の人生の存在意義にまで自問自答の範囲を広げたに違いなく、これが全人格的にサイトの更新の継続を困難にしている理由だと思われる。

まるのまま同じ体験を私もしているのでその気持ちはよくわかるのだが何よりも怒りを感じるのは、そういういい加減なビジネスモデルから発信された「立ち退け通告」がいかにユーザの心を傷つけるのかなんてことにいささかも思いが至らないデリカシーのカケラもないサーバサービスプロバイダーの想像力の無さだ。
その円天のごときいかがわしさには、はらわたが煮えくり返るような怒りを感じてしまうのだが、そういうものに影響されて力を失っているのだったら
「maclalalaさん、そんなもの気にしないであなたに期待している読者のために頑張ってください」
と申し上げたい心境だ。

心が弱っている人に「頑張ってください」ということを言うのは実は一番良くないことだということも聞いたことがあるのだが、でもやはりあなたを必要としている人が大勢いるということは言っておきたい。

思うに「ニュースサイト」というのはそういう心の負担が大きいように思う。
私自身も本業ではそれに近い仕事をしているので一時期本当に疑問に思ったことがあるのだが、
「あるニュースソース対象の情報をそのまま流すことに意味があるのか?」
というのは考える瞬間はある。
何かを自分が創造しているというのならそのレゾンデートルは理解しやすいのだが、自分のやっていることはニュースソースの情報を右から左に流しているだけだ、・・・と思ったらその虚しさの深淵の底は計り知れない。

何か自分はそこに関与する意味があるということが分かればその虚しさからは逃れられるのだが、ニュースサイトをやっているとそこはきっと一度ははまるに違いない地獄だと思う。
自分がやらなくたって誰かがやるに違いない。
自分がかかわる値打ちは情報の速さだけだとしたら、そんなものに人生の貴重な時間を費やすことに何の意味があるのか・・・・

ニュースサイトをやっていると一度はそういう自問自答にはまるに違いない。
私はそういう疑問にはまらないために最初から
「私のサイトはニュースサイトではない。私のサイトは情報を聞いたり利用したりして日常を綴ったジャーナルである」
と割り切っていた。だから私のサイトは情報は遅い。
それは読者も割り切っていると思う。
早い情報が欲しいのなら他のサイトを当たって欲しい。
このサイトはそういう自問自答にはまらないために最初からそういう防護策を施していた。

しかしニュースサイトをまさにやってきた人達で、意識がある人達はしんどいに違いない。
ただ、ニュースというのは実はただ単にそれを右から左に流しているのではなく、そのニュースを選定した時点ですでにそのニュースの伝達者のメディアとしてのオピニオンはそこに入っているのだということも強調しておきたい。
英文を和文に訳して紹介しているだけだとしても、その原文をニュースソースとして選択した時点でそこにはその紹介者の価値観やオピニオンは込められているのだ。 少なくとも私はそう信じている。

だからニュースサイトにも存在価値がある。

そういう人のためにライフハックの記事で面白い話を読んだ記憶がある。

「朝一番はメールチェックをしない」
「週末はケータイなどのデジタル機器を身近に置かない」
これなんかはライフハックとは全く逆方向のメソードだが、まさしくライフハッカーといっている人達がこういうこを書いているのだ。
朝からメールチェックをしているとその対応で、午前が潰れたりする。
本当に仕事の効率を考えるなら、朝はメールを無視するという手もある。
同じく「人生には切り替えが必要」と割り切って週末は一切のニュースから自分を隔離してみるということも手かもしれない。

月曜の朝になったら大事な情報を見失って青くなっているかもしれない。
でも土曜日と日曜日は家族と平和な時間が持てる。
一日の損失で二日の充実した時間が買えるなら、それもまた良しではないだろうか。
情報に触れる心がけとしてそういうことも必要だという気が最近はしている。




2007年11月16日













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