悪い奴をタイホしたいなら、まず法律をそれに対応させろよ〜京都府警のフライングはいかがなものか
ところで昨日の新聞各紙は、トップ項目で京都府警、原田ウイルス亜種の作成者を逮捕というニュースを取り上げていた。
しかしこのニュースを見て
「京都府警はネット犯罪に強いというイメージを意地でも強調したいみたいだな」
という印象はともかく
「これって本当に公判を維持できるのかな?」
ということの方が疑問を感じた。
ウイルスの作成自体では罪に問えないので著作権法違反の「別件逮捕」とのことだ。
しかし別件逮捕はいつから合法的な捜査手法になったのだろうか。
ましてや著作権侵害は親告罪だったのではなかったか。
被害者の告訴を得られなかったら逮捕要件も満たさない。
違法逮捕になるのだ。
よしんば著作権侵害で公判に入れたとしても、被告が
「起訴事実で争いません。ごめんなさい」
という意見陳述をしたらそのまま、本件には入れないまま審理は終わってしまう。
その意味は「一罰百戒」とかよくいわれる、要するに「見せしめ」だ。
「ウイルス作るヤツは別件でどんどん逮捕して、お上の意向でひどい目に遭わせてやるぞ」
という抑止効果しかない。
罪に問うことができないだけでなく捜査手法は違法性が高い。
しかし、これはひどいな。
「治安維持法復活だ」
という書き込みはもっともだと思う。
著作権法違反が親告罪でなくなれば、そして現にそういう審議がなされているようだが自由に逮捕権を使うことができるようになるだろう。
どうせ別件だから立証なんかできなくても良いのだ。
今回の京都府警はまさにそういう手法を見せてくれた。
怖い国になりそうな気がする、日本って。
2008年1月26日
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