この国は鬱病なうえに精神分裂病だ
asahi.com:著作物利用拡大へ法改正 ネット配信向け政府方針 - 文化・芸能
「政府の知的財産戦略本部(本部長・福田首相)は著作権法を改正し、他人の著作物を利用しやすくするために新規定の創設を検討する方針を固めた。グーグルに対抗した次世代のネット検索エンジンの開発など、ベンチャー企業が新規事業を起こしやすくするのが狙いだ。」
「具体的には米国の著作権法にある「批評、解説、報道、研究などを目的とする、著作物のフェアユース(公正な利用)は著作権の侵害とならない」という規定の日本版創設を検討する。米国ではこの規定によって、ネット検索エンジンの開発などがしやすくなったとされる。
日本の著作権法は、他人の著作物を勝手に複製したり、ネット配信したりすることを原則として禁止している。その上で、例外として「家庭内での私的な複製はできる」「学校の授業のためにはコピーできる」など著作権が及ばない範囲を個別の規定で列挙し、著作物の利用形態ごとにユーザー側の自由を認めている。
創設が検討されているのはこうした個別規定と別に、公正な利用をその形態にかかわらず広く認める規定だ。」
「 公正利用規定が導入されると、一般ユーザーには、どんなメリットがあるか。遊園地でアニメキャラクターと一緒に撮った記念写真のブログ掲載や、他人の作品を利用したパロディーは、こうした利用を許す個別規定が現行法には無いため、著作権法に触れる恐れがある。しかし、公正利用規定があれば、合法となる可能性もある。
また現在は、ウェブサイトの情報を複製・蓄積する「ウェブ・アーカイブ・サービス」も違法の恐れがある。新規定ができれば、企業はその適用を見込んで事業を始めることができるようになる。」
栗原潔のテクノロジー時評Ver2 > 日本の著作権法にもフェアユースの時代が来る(のかなあ) - ITmedia オルタナティブ・ブログ
「朝日新聞によれば、知的財産戦略本部は著作権法においてフェアユース的規定を取り込む方針を決めたそうです。具体的には、「『著作権者の利益を不当に害さない』といった条件を付け、ユーザー側はその条件のもとで利用が許されることになりそうだ。」ということだそうです。
今年の当ブログの微妙な初夢ネタで、日本にもフェアユース制度導入みたいなことを書きましたが、それはまあこうはならんだろうなーという前提のもとに書いたわけですが、半年も経たないうちに風向きが変わってきたようです。」
「ただ、理念は良いのですが、問題は実装です。米国でフェアユースがそれなりに機能しているのはそもそも判例重視という英米法の伝統があるからです。日本でそのまま米国式を導入するのは困難でしょう。過剰に司法に依存するのではなく、著作権団体と消費者団体の話し合いで「運用基準」みたいなのを作っていくのが妥当でしょうか。しかし、日本は消費者側に立つ団体の力が相対的に弱いので、運用基準も権利者側の都合だけで決められてしまいそうです(MIAUがんばって)。
方向性としては良い方向性に向かってきたなとは思うのですが、これから議論を重ねていくとどんどんグダグダになっていきそうな不安があります。また、「09年以降の著作権法改正をめざす」ということで、2ちゃんねる用語で言えば「おまはや」な感は否めません。」
無名の一知財政策ウォッチャーの独言- 第98回:文化審議会という茶番
「もはや収拾は全くつきそうにないが、どう考えても、この火種を付けたのは、文化庁のデタラメな審議会運営である。上でリンクを張った記事によると、文化庁は、私的録音録画小委員会の延期の理由について、補償金問題について、メーカー側の委員から回答が得られそうにないためと説明したらしいが、第92回でもリンクを張ったITmediaの記事などによると、前回の私的録音録画小委員会で、メーカーなどの疑問に応えられる説明を次回(5月29日)の会合までに用意するよう主査に求められていたのは文化庁の方だったはずである。直前の回での主査からの要請すら無視し、消費者も無視し、恫喝してもメーカーがイエスと言わないからと審議会の開催を勝手に伸ばすなど、文化庁の恣意的な議事運営はとどまるところを知らない。決裂するなら決裂するで、その場を作らなければならないにも関わらず、自分たちの案にイエスと言う場だけを与えて、ノーと言う場を与えないとは不公平も甚だしい。」
「 また、権利者団体も権利者団体である。会見で、権利者側が譲歩をしたと言っているようだが何が譲歩なのだかさっぱり分からない。そもそも不当だった民間規制であるコピーワンスについて、利便性の向上に全くつながらない程度にごくわずか緩和するとして、しかもその緩和にかかるコストはメーカーと消費者に押しつけたあげく、譲歩したとは片腹痛い。」
「このブログではさんざん繰り返してきたことだが、文化庁と権利者団体が、今まで必死になってごまかし続けてきた著作権に関する嘘はもはや誰の目にも明らかになりつつある。ほぼコストフリーでのコミュニケーション・コンテンツ流通を可能とするインターネットの登場によって、かえって明らかになったことは、複製という、文化すなわちコミュニケーションの根幹をなす行為の全てに許諾権や対価を及ぼすことは、文化と経済に対して計り知れない弊害をもたらすということである。インターネット登場以前まで問題が顕在化していなかったからと言って、人工的な権利である著作権を絶対視することなどあってはならない。常に「複製=対価」であってはならないし、ましてや、「私的複製=補償金」では絶対にあり得ないと私は断言する。」
「これらの記事によると、DRMを考慮するといった曖昧な法律の規定は全て無視して、ドイツの徴収団体は、容量1GBあたり1ユーロ以上、160GBのiPodで200ユーロ近い額の補償金額を要求して来たようである。例えドイツだろうが、日本円に直してiPodが3万円以上も値上げされる(従前のiPodへの課金は日本円に直して400円くらいだった)ことには、メーカーも消費者も到底耐えられないだろう。これからメーカー団体と協議が始まるようだが、ドイツでも問答無用でもめるに違いない。ドイツでは、補償金制度を合理化しようと法改正をして、かえって料率上げが要求されるという本末転倒なことが起こっている。これほど、全世界のメーカーと消費者から絶大な不人気を博している制度もない。世界中見渡しても、私的録音録画補償金の対象と料率に関する客観的な基準はどこにもないのだ、ドイツを他山の石として、日本では絶対にここで踏みとどまらなくてはならない。ここが正念場である。」
「ダビング10を人質になどしていない」「メーカーは“ちゃぶ台返し”だ」 権利者団体が会見 (1-2) - ITmedia News
「 小委員会で補償金の議論がまとまらないことが、6月2日スタートでいったん合意していた『ダビング10』にも影を落とす。権利者側が『ダビング10の合意の前提として、HDDレコーダーなどデジタル放送録画機器への補償金課金があった』と主張しているためだ。」
「実演家著作隣接権センターの椎名和夫さんは『権利者はダビング10を人質になどしていない』と主張する。
『なんでわれわれに責任があることになっているのか、分からない』と日本音楽作家団体協議会の小六禮次郎さん
ダビング10の実施期日の確定にゴーサインを出すのは『デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会』であり、『権利者の一存では決められない。検討委員会でゴーサインが出ないのはメーカーが一貫性のない行動を取るためで、権利者のせいではない』(椎名さん)」
「『コンテンツを扱う機器を販売するメーカーが、コンテンツに関する負担から外れて手放しで利益を上げていく一方で、消費者は、私的複製にもすべて許諾が必要になり、コピーする自由がなくなる。消費者はこれを本当に望んでいるのか考えてほしい。補償金はネガティブなイメージばかりが語られるが、この事実が伝わっていない』(椎名さん)」
補償金制度の廃止は消費者にとって不便と言われても・・・-Coffee Break - CNET Japan
「補償金は権利者団体に分配されているようですが、権利者団体から本当の権利者にちゃんと分配されているのか消費者からは良くわかりません。正しく運用されているのかどうかわからない私的録音録画補償金を新たにデジタル機器に導入すると言われても消費者としてはどうぞとは言いづらいです。補償金のような方式に良い部分はあるのかもしれませんが、不透明な運用がすべてをダメにしていますよね。
ということで、『今日の会見のメインテーマです』と言っている内容が消費者に伝わっていない気がするので、今回の会見は大失敗だったのではないでしょうか?」
ダビング10課金「容認できない」 ? JEITAが私的録画補償金への見解を発表 AV&ホームシアターNews
「JEITAは見解の中で、『補償金制度とは、本来、私的複製が際限なく行われることで権利者に重大な経済的損失が生じる場合に、それを補償しようとするもの』と改めて確認。デジタル化により著作権保護が可能になることで、『補償金制度の必要性は反比例的に減少する』と指摘した。このような前提のもと、『補償金制度を縮小・廃止することが原則』としている。」
「JEITAは見解の中で、『補償金制度とは、本来、私的複製が際限なく行われることで権利者に重大な経済的損失が生じる場合に、それを補償しようとするもの』と改めて確認。デジタル化により著作権保護が可能になることで、『補償金制度の必要性は反比例的に減少する』と指摘した。このような前提のもと、『補償金制度を縮小・廃止することが原則』としている。」
「またJEITAは、ダビング10について、著作権保護技術によりコピーが一定回数にコントロールされていること、さらにはタイムシフト視聴が中心であって、権利者に大きな経済的損失を与えていないと考えられることから、補償金の対象とすることには反対であるとし、『とりわけ一体型ハードディスク内蔵型録画機器を対象とすること、デジタル放送に着目して課金することは容認できない』と強く課金の必要性を否定した。 」
「メーカーは利用者を代弁してるだけ」──JEITA新会長に日立・庄山会長 - ITmedia News-1
「その上で『少し時間はかかるかもしれないが、中途半端な決め方をすると、メーカーがバッシングされてしまう。きちっとした形で決着させたい』と述べ、北京五輪商戦には必ずしもこだわらず、ユーザーが納得できる形での着地点を探る方針を明らかにした。」
さてたくさん複製したのだが、これはフェアユースになるのだろうか?
それとも著作権の侵害だろうか?
福田総理は著作物のフェアユースを考慮した著作権の規定を創設したいというのならまず最初にするべきことは、この狂犬病のような文化庁の首にちゃんとロープをつなぐことだ。
まず「隗より始めよ」だ。
それもしないで「著作物のフェアユース(公正な利用)は著作権の侵害とならない」もクソもない。
2008年5月31日
|
|