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株とIT/Stock and Stuck

どちらも「俺はよく知ってるんだ」という人ほど分かっていないという世界


何年か情報通信の最先端を取材するような仕事をしていたが、ここ2年は職場が変わって、むしろマーケットの動向を取り上げるような仕事が中心になっている。

ITの現場にもようやく慣れてきて、そういうものを分かりやすく説明するにはどういうところが要諦になるのかようやく勘所が分かりかけてきたところで全く違う世界の担当になったわけだ。
マーケットといってもやはり入り口は株式市場で、そこに付随して為替や債券などの各種の市場を複眼的に見ていくということになる。

そういう私自身は株を買っているかというと7〜8年前に建設株をちょっと買って一時期はパフォーマンス200%なんて含み益を出して有頂天になっていたが、結局売り時をしくじって買ったときと同じ値段で売るはめになり、株式投資への才能のなさに自分で呆れてそれ以来株は買っていない。
それでもこの2年ほど株式市場など見ていて最近その面白さが分かってきて、これはこれでトレースする価値がある世界だと今思いはじめているところだ。


株式投資というとなぜか自称「通」という人がやたら多くて、皆あのロウソク罫ばかりを気にしていて、
「ロウソク罫と移動平均線について語ることができない者は株式投資を語るなかれ」
というような不思議な空気が株をやっている人の間にはあるのだが、実際には長くマーケットにいて成功している人たちはそういう見方はしていない。
成功している人というのは株式投資で成果を上げた個人投資家だけでなく、証券現場から叩き上げてトップクラスのストラテジストになった人とか、そういう一級の見識を持っている人も含むのだがそういう人というのは皆罫線(つまり株式指標をグラフ化して分析するテクニカルといわれる手法)には重きを置いていないか、罫線は使い方は限定されたものだということを力説している。

ところが中途半端にかじって、自分は株のことを知っていると思い込んでいる素人ほど、こうした罫線で全てが分かるという『信仰』を持っている。

株に入れ込んでいる人のなかには本当に頭が硬直化してしまってどうしようもない人が多い。
『株をやっている』というのは具体的には株式新聞とかを買い込んで、あるいはネット証券が提供する「一目均衡表」とか「移動平均線」、ロウソク罫を使った「窓理論」などのテクニカルを使って鮮やかに安く買った株を高く売り抜けることだと思っている人が多いのだ。

マスコミも悪い。
ちょっと景気が回復してきて株が儲かるとなったら、すぐに一日に何十回転もするようなデイトレーダーを取り上げて、「株式投資で、数十万の資金があっというまに3億円になった」とかそういう極端なケースをさもこんな人がたくさんいるように喧伝する。

しかし申し訳ないが、そうやって儲けているデイトレーダーは日本に数百人しかいないし、そういう人たちはみんな証券会社でトレーダーをやっていて、自分で稼ぎたくなったので独立したという『プロ』がほとんどだ。
『アマチュア』でデイトレーダーをやっていて小銭を稼いでいる人も多少はいるだろうが、デイトレーダーの口座生存率は1年で20%を切るそうだ。

つまり8割の人はたった1年で資金が続かなくなるか、いくらやっても儲からないという現実を思い知らされて止めてしまうかのどちらかだということだ。

結局「4円、5円という値上がりに便乗して利食い売りを重ねて、2〜3時間で10万円儲ける」なんて取り引きを一日に何回転もやって「そこだけ見ているとすごく儲かっていそう」だが、株なんて簡単にストップ安になったりするし、株価が上がるか下がるかを100発100中で当てるなんてことは実際不可能で、それどころか2割も当てれば上出来じゃないだろうかというくらい不確定な話なのだ。

株は儲からないという話をしているのじゃない。
株価テクニカル予想で儲けるのは素人には不可能に近いという話をしているのだ。

株価の予想をするのは天気予報に似ている。
明日以降の天気の話をしているわけで、誰にも分からない話を予想するわけだから当たらないのが当たり前なのだが、しかし地域の気温、湿度、風向風速、レーダーなどのデータを見ているとある程度の確率で明日の天気ぐらいは予想できるようになる。
これは実は結構機械的な作業なのだ。
しかしこうしたデータ予想では、明日とせいぜいあさっての朝くらいまでの天気しか分からない。

もっと長期の天気予報、つまり週間天気、月間天気、年間天気などの長期予報は数字だけ見ていても分からない。

地球規模の気流、気温の変化、低気圧高気圧の発生の傾向などを長期で観測して、セオリーをたてていかないとあさって以降の天気は全く予想不可能なのだ。

私自身は今の仕事の駆け出しの頃、気象協会から天気概況の資料をもらって天気予報の原稿を作っていたりした経験があるのだが、この時の経験で面白いなと思ったのは天気予報というのは皆は晴れマークや雨マーク、降水確率なんてところばかり気にしているがそんなものは天気をテクニカルに予想しているだけであたらないものだということ、そして概況や天気図を見ていると意外に天気は見えてくるものだということだ。

晴れマークや降水確率は上記のように単にテクニカルに気象データを元に当てはめているだけなので、当然はずれの確率も結構高い。
しかしこれは元気象予報官という人物から聞いたのだが、気象庁での天気予報の当たり外れの評価の仕方は例えば
「日中雨の見込み」
といえば普通の人は傘を用意しなくてはいけないような雨を想像するが実際にはそういうことではない。
午前6時から午後6時までの日のある間ずっと晴れていて、途中で一滴でも雨が降ったらこの天気予報は「当たった」と評価するのだそうだ。
だから気象庁の自己採点によると天気予報は年間では9割ちかい高い的中率を誇っている。
ここが一般人の感覚とかなり違うところだ。

それは余談だが週間天気予報とか、月間、年間なんていう長期予報になると今現状の気象データを単純に当てはめるだけでは予想できない。

なんせ明日には気象データは今とは全く違う形になってしまうのだ。
この時に重要になってくるのは気象予報をする担当者がセンスというか、直感というかセオリーを組み立てる感覚を持つということになる。

天気というのは実は様々な面白い変化を見せるのだが、過去の経験則により その予兆というのはとらえることができる。だからこういう予兆が起きたらこういう気象の傾向が強くなるというトレンドというか方向性みたいなものが見えてくるのだ。

これが「気象概況」でありこの概況と気圧等高線、衛星からの雲の写真などがあれば実は結構正確な天気を知ることができることに気がついた。

つまり目先の晴れマークにとらわれずに、長期トレンドを描き出した気象図、それの予想図を見ていくと、長期の予想も可能になるし少なくとも明日あさってくらいの予想ならそんなに外さない。


株などのマーケットの世界も目先のボックス的な値動きと長期のファンダメンタルズにつれた動きがあって、デイトレーダーという人たちは、朝に買って昼には売って利ざやを稼ぐわけだから目先の小刻みな値動きを予想しようとしているわけだ。
ところが天気予想以上に株の難しいところは、天気の場合は千葉県の浦安と東京都の江戸川区の天気なんてそんなに違わないが、株の場合は同じ業種同じような規模の企業でも、企業それぞれに全く違う個別事情があるので、その値動きは全く違う動きをすることがある点だ。

だから短期予想については外的な要因で株価を予想するなんて不可能に見える。
それ故にみんな移動平均線とか一目均衡表のようなテクニカルな株価チャートを使って、これを予想しようとするのだろう。
ところがこんなものでそんなに当てられるんだったら誰も苦労はしない。

先ほども触れたように企業の個別事情は実は大変な数のファクターがあるので、こんな単純なグラフで予想ができるようなシンプルなシロ物ではないのだ。
当然これでは当たらないから、株式市場には「やきとり」の屍が累々と横たわることになるわけだ。

(目先の相場に張るのを専門にしている人を業界では「焼き鳥」というのだそうだ。なんだか意味不明だけど雰囲気は出ている言葉だと思う)

言っちゃあ申し訳ないかも知れないが、こういうテクニカルで株価なんか全てわかるんだとか言っている人は、天気概況を読むのがめんどくさくて晴れマークを信じて傘を持たない人に似ている。

それで天気が全てわかるかどうかは皆が実感していることなのに、株に関しては単純に考えるのが面倒くさいだけとしか思えない。


逆にある銘柄が来年はどうなっているかとか、5年後にはどうなっているかというような話になってくると、意外にノイズに左右されずに「天気概況」と気象予想図さえ見ていれば未来像が見えるという時がある。
こういうのをファンダメンタルズというのだろうと私は理解している。
足下の業績は非常に好調なのに株価が下がってしまうなんてことはよくある話で、そこで「株は難しい」とか「もっとチャートを勉強しないと」なんていう方向に安直に流れていってしまうのだが、実際にはそんなことをしてますます外しまくって
「結局株は楽しい道楽だったなぁ」
というのが結末じゃないかと思う。

ところが目先はそういう業績と違う値動きをするように見えても長期で見るとやっぱり業績を伸ばしている会社が買われて、株価もそういうところがパフォーマンスが良いわけで

結局は、利益を長期間たたき出せる面白いビジネスモデル、経営資源を持っている銘柄が良いということを知っていれば、意味不明なチャートなんか一生懸命見るよりもその会社の内容を調べて、業界の天気図のようなものを手に入れる方が遥かに当てる確率は高いと思うのだ。

以上は株式投資素人の私が、素人であるが故にかえって岡目八目的に見えているんじゃないかなぁと思うことを書いているわけだが、

なぜかこの株式投資に入れ込んでいる人にはこういう素人議論を躍起になって否定して掛かる人がいるわけだ。

その理由は
「自分が損をしたのは自分の大局観がまちがっているからだ」
ということを絶対に認めたくないというこちこちに凝り固まった世界観のためだと思う。

なんでこんなことを一生懸命書いているかというと、それだけ頭が凝り固まった人がこの世界には多いからだ。
しかもそれは年寄りだけではなく老若男女であるが、なぜか団塊の世代前後の層にそういう動脈硬化を起こしかけているようなコチコチ頭が多いような気がするのだ。

そういう人たちがコチコチになった頭で、
「やっぱり株式投資はチャートを読みこなして鮮やかに安値で買った株を高値で売り抜けてこそ本当に解っているといえるのだ。」
なんて言って湯気を出して損して、心ある投資指南本に
「『いま何を買えば儲かるか』と考えた時が負けの始まり」
なんて奥深いアドバイスが書いてあるのにそんなものに耳を貸さずに
「もっとチャートの修練を積まねば・・・」
なんてやっているわけだ。

そんなことしても大して結果が出てないんじゃないの?とアドバイスさし上げても、
「お前のような素人に何が判る!」
という反論しか返って来ないわけだ。


とここまで株式投資と天気予報の世界を強引に結びつけた比喩話を書いてしまったが、ここからはさらに飛躍して強引に株式投資とITを比喩で結びつけようとしている。

株とIT何も共通点は無いように見える。
しかしどちらもこの
「おれは株のことはよく知っているんだ」
という人と
「おれはITのことはよく知っているんだ」
という人の雰囲気がよく似ていると思うわけだ。

どちらも「オレはよく知っている」という人は動脈硬化寸前まで頭がコチコチになっている。


2007年問題というのがあるそうだ。
経済学の世界でこれをいう時は、2007年からいわゆる団塊の世代の人たちが定年退職を迎えたり人口が減少に転ずるなどの原因で経済のパイが収縮して、長期的構造的な衰退期が始まるという説だ。
これは単純に人口動態のグラフを見ていると説得力があるように見える。
しかし実際には当初言われ始めた時と違って、この説には今では否定論者が増えている。

なぜならこの説はこの定年を迎えた団塊の世代が貯蓄者から消費者に転ずるという視点が欠けている。また大量に労働力人口が減少するわけだから、労働力の流動性が増えてこの部分だけはインフレというか好況のような構図になるという部分も見落としている。
現在の形のままでそのまま縮小していけば、確かにシュリンクでそれは衰退なのだが、実際にはその過程でいろいろ今までにはなかったような構造変化が起きるということが見落とされているのだ。


それでこの問題はあまり言われなくなったのだが、今度は別の2007年問題が言われるようになってきた。
いわゆる、2007年に退職するフレームワーク技術者の後継者が企業の中に育っていないために、07年以降はこうした機器のメンテナンスができない若い技術者の未熟のせいで企業は大きなリスクを背負うというものだ。

ところが最近ではこの技術者の2007年問題は実はあまり根拠がないという論調が強くなり始めている。

今の企業のシステムはそんな90年代のシンプルな旧式機とはわけが違っていて、「技術者の2007年問題」を言う人は、ありもしない2000年問題におびえていた時代とは現在はレベルが全く違うということに気づいていないということらしい。

それで「技術者の2007年問題」は幻想ではないかという話は大いにうなずけるものがあるのだが、もうひとつ「企業ITの2007年問題」というのもあるという話を最近聞いてこれは面白いと思った。

つまり2007年から引退し始める団塊の世代はコンピュータというものを少しはカジっている最初のリタイヤ層になるわけだが、これが実はすでに障害になっているという話だ。

これより上の世代の人たちは、コンピュータというものを全く受け付けなかった。

だからこの世代は企業のIT化という時にどういう機材を導入するべきかなんてプロジェクトが社内で起っても、
「IT化は大いに進めたまえ。その方法については諸君に一任する」
なんて言って細かいことは若い社員に任せっきりにしていたわけだ。
だから、これまでは企業のIT化というのはあまり大きく進路を間違えなかった。

ところがこの「ヨキニハカラエ」世代が引退してしまい、いまは中途半端にパソコンをカジっている「団塊の世代」が企業の経営者や購買担当役員になっていたりする。

若い社員がUNIXサーバをベースにしたネットワークの構築を提案すると、このパソコン半可通のオジサンはおもむろに言うのだ。

「なぜUNIXなのだ。世間は全てWindowsなのだしWindowsの方が圧倒的に汎用性が高いから、Windowsサーバで再検討しなさい」

「Windowsの汎用性なんてサーバの世界では関係ない」
なんていくら説得しても、このオジサンは自分で自分を
「コンピュータのことは何でも良く知っている」
と思い込んでいるから、聞く耳を持たない。
実態は自分でmp3をCDに焼くことができるとか、そういう程度のレベルなのだがこのオジサンは自分をハイスキルな技術が解る最初の世代だと勝手に自負している。
技術者たちがいくら説得しても、自分が知っているデスクトップの世界の狭い常識ですべてを判断して頭から自分が正しいと信じ込んでいる。

これで若い技術者たちが様々な構想を含めて組み立てたもくろみ書は、一瞬で無意味になり彼らはWindowsNTサーバでそれと同じことが問題なく、しかも「安全に」可能なのか再検討しなくてはいけなくなる。

笑い事ではない。事実これと似たような事例は私も見聞きしているし、身近でも同じようなことが起こっている。


それでここで企業ITの運用で奇妙な現象が起きるというわけだ。

ここ2〜3年企業のシステム系の機器の導入、購買が止まるだろうということだ。

企業の若いシステム技術者は老朽化した機器をなんとかしたいが、その稟議を挙げるとこの半可通の団塊の世代の購買担当役員に自分たちのプランを全部ひっくり返されてしまうので、この期間をなんとか古いシステムで乗り切って、このダムのような世代が引退したらおもむろに稟議書を提出してシステムを更新しようというような動きが広く起きる。

それでこの2007年前後の買い控えが起きるというのだ。

「新2007年問題」とでもいうべきか、これでしばらくはIT産業は伸び悩むという分析なのだがこれも面白い。つまりこれも一種の人口問題なのだ。
そしてこの動脈硬化を起こしかけている自称「IT通」のオジサンたちは、若い者の言うことに耳を貸す習慣がないからもう退場を待たれているだけの存在になっている。
しかし本人たちはそんなことは知らないから、企業のIT化は自分たちが担っているとでも言わんばかりの勢いで無意味な提案を次から次へと投げ続けている。

「あと3年の辛抱だ」
なんて若い者に思われながらだ。

ITの世界と株の世界が何が似ているかというとこの
「俺は解っているんだ」
なんて言っている人たちが一番解っていないという「悲劇的」な状況が似ているわけで、

進取の気性を持ってなんにでも好奇心を持ってきたオジサンたちは、実際には中途半端な勉強で得た中途半端な知識で凝り固まって、もっと真剣に極めようというほどの根気も無くて専門家の失笑を買いながらも人の話には耳を貸さないわけだ。

世の中にはこういう人はゴマンといるはずだ。
この文章を呼んでいるあなたの身の回りにも、「そういう人がいる」と今あなたは思っているのではないだろうか。



ところで以下は余談なのだが、株とITという話題で思い出した。
株価を予想して儲けるというパソコンソフトがいろいろ出始めているそうだ。

株式投資名人の投資手法をソフトとして組んで自動的に銘柄を選定するというようなものだ。
ユーザはその指示に従って、株を買い続ければ自動的に儲かるというふれこみだ。
それでそのモデルになった「投資名人」本人にこういうソフトが出ることについて聞いたことがある。

さぞや売り込まれるかと思いきや本人は
「あれは出版社が強引に出そうとしているんですが、どうなんでしょうねぇ?」
と首を傾げておられた。

何となく疑問を感じているがパソコンのことがあまり良く解らないので、何がダメなのかはっきり言えないというニュアンスだった。


そういえば株式投資のモデルポートフォリオを高校生や大学生が競う株式投資の甲子園のような企画を取材した時にも、大学生はテクニカルを応用してパソコンを使ってスクリーニングをして株式銘柄を選定するという方法をリポートしていて、それを見て私も大いに疑問に感じてしまったことがある。

この手法や株式投資ソフトは例のテクニカル罫線大好き、Windowsパソコン大好きのオジサンたちには受けるだろう。

テクニカルというのは、本当は違うのだが巷で解説されているものは結構機械的なものが多い。
だったらパソコンで自動的に分析できるのではないかということだ。
何かのパターンをスクリーニングすれば自動的に銘柄を選択できるというような投資ソフトも作成が可能だろう。

しかし実際にそういうソフトを使って、パソコンを使った株式投資で10連勝、大儲けなんてことが可能かというと難しいと思う。
それでは当てずっぽうで買っているのとさして結果が変わらないような気がする。

なぜそう思うかというと、株式指標に影響を与えそうな条件は実際にはあまりにも多いにも関わらず、このてのソフトはあまりにもスクリーニングの条件が単純過ぎると思うからだ。

こういうものを使えば結局は誰がやっても同じような結果になるだろう。
そして誰もが同じような銘柄を買う。
しかし実際には皆が買う銘柄ではパフォーマンスを上げることはできない。
こういうものは人と違うことをしないといけないからだ。

そういうことじゃなくあくまでも統計的な手法を使いたいというのであれば、例の地球温暖化の予測に使われている地球コンピュータのような巨大なスーパークラスターに膨大なデータを入れて予測するということが必要なのじゃないだろうか。

株に影響を与えそうな要素は、景気という漠然としたものだけではなく消費者物価指数や債券金利、政策金利、為替など多くの条件があり、しかもそれは一国だけ見ていてもダメでアメリカの政策金利、平均株価、石油価格、金価格など、それに将来を予想するとなると、イランで戦争が起きる確率とか、バーナンキ議長以下FRBのメンバーの性格、中国の為替政策担当者や環境問題政策担当者の真剣さ・・・など挙げだしたら無限に条件は考えられる。

つまり株価の予想も、気象の予想と同じくらい膨大なデータを処理しないといけないと思うのだ

とてもじゃないが、個人持ちのCPUが1個か2個のパソコン程度で太刀打ちできるようなデータ量ではない。ソフトだってCD一枚に収まるような小さなソフトでは、こんな膨大な情報は扱えない。


だからこういうソフトは実際には実用性はほとんどないにも関わらず、自称「株式投資通」、自称「IT通」のオジサンは飛びつくんだろうなぁ。
そしてせいぜい損をするわけだが、
「もっと良いソフトを買えば今度は成功するに違いない」
なんて思うのかも知れない。
そしてそんなチンケなソフトじゃ、全く間尺にあっていませんよなんて意見には当然耳を貸さないんだろうなぁ。




2006年4月23日













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