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このホームページについて(さらに雑感)/About this site and more

「知っている」と「理解している」の違い

今から10年ほど前、モザイクというブラウザからネットスケープという新しいブラウザに世界が移り変わり、コンピュータのステータスが急激に変わりはじめた時代があった。

多分'93年か'94年だったと思うが、それまでコンピュータというのはIBMのAS400とか、富士通やNECのスパコンとかそういうオフィスの真ん中でドーンと鎮座しているものを指していた。
NECのPC8800番台のシリーズとかマイコン(これが後にパソコンに変化していく)というものも知ってはいたが、なんか遠い話という感じがしていた。

私は弟が電子工学を卒業していたし、まだ身近にアタリなどを見たこともあったがコンピュータって結局は「電子計算機」なんだし、「電卓の親分みたいなものが何らかのコード表を使って数字だけでなく言葉も扱えるようになっているだけのシロ物」という認識がいつまでも抜けなかった。

しかしこの93年頃のコンピュータのブレークぶりは、そういう眼から見ると異様だった。
インターネットで世界中が結ばれているらしい。
しかもインターネットブラウザというもので、世界中の文章を見たり写真を見たりできるらしい…、しかも身近にもこの「ネットスケープ」なるものの使い方を解説しはじめる人間が出てきた。

会社の先輩で当時からすでにmac狂だった人物がいたのでその人に質問した。


「インターネットブラウザーってなんですか?」

その時の彼の困惑した顔が今でも忘れられない。

「インターネットを見るためのもだのよ。」
「インターネットを見るってどういうこと?
インターネットって普通のワープロソフトでは見られないの?」

ブラウザって女性のシャツのブラウスのこと?
ブラウスとは絞るということだからインターネットを絞る?
インターネットを絞るってどういうこと?
コンピュータ技術者ってどうしてそういう抽象的な意味が分かんない言葉を使いたがるの?

疑問は際限なく続くし、結局使ったことが無い人間には説明のしようがないというのがこのコンピュータの世界だと思う。

今この文章はiTextというテキストエディタで書いている。
mac用に開発され、Windows版も出ている軽快なテキスト編集ソフトだ。しかしテキストエディタというのは結局は簡易なワープロソフトだ。
そのワープロソフトでwebサイト用のページを直接書くとなると、文字と文字の間に様々なコードを書き込まなくてはいけない。

いや、もしなにも仕掛けが無くて改行も何もしない、文章が全部数珠つなぎになっているようなページを作りたいのならコードなんて何も書く必要は無い。

しかしインターネットにはいろんな仕掛けがある。
そのひとつが文字やアイコンをクリックするだけで世界中のweb上のどんな場所にも飛んでいけるハイパーリンク、カラフルなレイアウト、写真や音楽そして動画まで文字以外の情報も付加できて、しかもネットに流しやすいように軽いというのがこの仕掛けの機能だ。

それがどんな仕組みでできているのかが長い間謎だった。
今やっと実感で判ったことは、このテキストエディタで打っているコードをブラウザが隠しているわけだ。
それで何もないように見えるところからハイパーリンクのような手品が可能になっているわけだ。

ブラウズする(絞る)とはこういうことだったんだ。
見えないコードを、雑巾を絞り出すように絞って人が見たいコードだけを表示するわけだ。

こういうコードはなぜ普通の人に分かりやすいように書かないのかというのも疑問だったが、それも納得がいった。

普通の人に分かりやすいということは、本文とその仕掛けコードが紛らわしいということだ。
webのテキストは一枚の文章に人間が読むテキストとコンピュータが読むコードと両方を書き込まなければいけない。
そうすることでファイルを軽くしているからだ。
仕掛けコードと普通の文章は明らかに違うということを、コンピュータに判らせなければいけない。
それで人間が使うのとは明らかに違う文法を使うわけだ。

そしてそれを人間が読めるように再編集するのがwebブラウザだったというわけだ。

これはかなり初心者、入門者の疑問だと思う。
こういう仕組みはあちこちで解説されているし、今の若い子たちは物心ついた時から身近にコンピュータはあるわけだから、そういう疑問すら浮かばないかもしれない。
なんせテレビはなぜ映るのかなんて、知らなくたってテレビを見ることはできる。
今の子供たちも、コンピュータはなぜ世界中のあらゆる情報を見ることができるのかなんて、知らなくても見ることができるからなんとも思っていないかもしれない。

でも私には、この疑問が10年間頭について離れなかった。
もちろん解説書は読んでいるから知識としてwebブラウザというのはどういうものかはずいぶん前から知っていた。

しかしそれがどうして動くのか、どうしてそういうことが可能なのかというのは感覚的には理解できていなかったように思う。
実際に今自分でタグを打ってみて、どういうタグを打つと画面がどうなるのかなどを試行錯誤してみて、つくづく感じていることがある。

この仕組みを考えた奴は頭良いなぁ!

2003年11月25日












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青木さやか