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あまり知られていない統計のこと/Figure out these figures

田舎は格差がひどいと書いたがこれを見るとはるかに救いがあるかも


前にここで「OSAKAN問題」とか取り上げた時に「首都圏と地方の格差は想像以上」というか「イメージよりもはるかに大きい」ということを書いてしまった。
これに関しては予想通りというか、反発もあったし「その通りだ」という賛同の意見もいただいた。
これ自体はその通りだし、やっぱり大阪人がどう言い張ったって「政治首都」東京と経済首都「大阪」というような棲み分けはできないだろうし、それをするにはもはや格差が開きすぎてしまっている。

だからもう地方はダメだ、ひたすら没落するだけだ・・・ということかというとそういうものでもない。
もちろん経済規模が大きいだけが繁栄のバロメータではない。
地方で暮らすということは首都圏では得られないような豊かさを享受することができるということもいえるので、生活指数はまた別だろう。

だから地方は経済規模以外のものを追求するべきだという言い方もできるのだが、ちょっと待て!

物事というのは常に多面的な見方ができるし、多面的な見方をしたら今までは得られなかったような視点も得られる。

例えばこちらの統計なんか面白いんじゃないだろうか。

この統計が示すのは世界の主要国と日本の都道府県のGDP(国内総生産)だ。
これを見ると何が分かるか。

世界で最も豊かな国はアメリカである。
GDP、つまりアメリカの域内で稼いだ金は1200兆円を超える。日本の2倍半だ。
人口はアメリカが日本の倍だから、一人当たりの生産性はアメリカの方が日本よりも高いことになる。
だからやっぱり総体にアメリカの方が日本よりも総量で見ても平均値で見ても金持ちだということは言える。

しかしこれを見れば日本も堂々の世界第2位の国なのだ。

しかも3位のドイツを倍近く引き離している。
何となく日本は「中流国家」なんていう言葉がはやったり、あまり大国意識というのが根付かないのだが、かつてのソ連はこんなにアメリカとタメを張ったことは無かった。
そういう意味では堂々の大国なのだ。
だから国連の常任理事国入りの問題で、卑屈になる必要は無い。
どこかの国が拒否権をちらつかせて、日本の常任理事国入りに反対するのなら
「日本は国連から脱退する」
という文字通りの拒否権をちらつかせてやればいいのだ。

もっと面白いのは都道府県別のGDPだ。
前に大阪は没落著しいというようなことを書いてしまったが、それでもやはり一大経済圏であることは間違いない。

大阪とGDPが同じくらいの国は
スイス、ベルギー、スウェーデン
ということになる。

ストックホルムということではない。北欧の工業国スウェーデン一国を凌駕しているということだ。

ベルギーやスウェーデンは国連にPKO部隊を派遣するような国だから、大阪も自衛隊とは別に軍隊を保持して、国連のPKO部隊に協力したって国際的には何もおかしいことは無い。
それくらいのバランスの国だということだ。

ましてや大阪と京都と兵庫が連合して国を作るのなら、そのGDPはロシアやオーストラリア、オランダなどを凌駕してインドや韓国一国と同じくらいになってしまう。

京阪神共和国恐るべし!
北朝鮮もこの国を侮ることができないはずだ。
ましてや凶暴な阪神ファンが密集して住んでいる国だからだ。

北欧のIT先進国フィンランドと同じくらいなのが北海道、千葉県、兵庫県。
フィリピンと並んでしまうのが新潟県、宮城県。
静岡県はアジアのIT・金融センターのシンガポールや、規制緩和で奇跡的成長をしたと言われるニュージーランドをはるかに凌駕している。

首都圏に目を向ければ東京都と神奈川県の1都1県をあわせればカナダの国力を凌駕してしまう。

このことは何を表しているのだろうか。


何となく規制緩和とか構造改革とかいっても払拭しきれない閉塞感で、日本は、特に東京以外の地方は良くなっているのだろうかとか、実感しきれないもやもや感が続いているが、そうは言いながらもいつの間にか日本中どこの地域も地力を付けて、地方都市一カ所だけでもイラクにPKO部隊を派遣しているような先進国よりも国力が高いなんてことになっているわけだ。

そういえば、先日話を聞いた元国税の人が面白い話をしていた。
「日本は、日本人自身は自覚がほとんどないのだが今や世界中から『いつかは日本のようになりたい』とうらやまれるように国になっている。
今世界中の死亡原因の第1位は、戦争でも癌でもない。
餓死なのだ。
毎年世界中で数千万人という単位で人が飢え死にしているが、日本で飢え死にする人が居ますか?
路上生活者でも飢え死にはしない。」

前はちょっと悲観的なことを書いてしまったが、こういう視点から見ればそんなに悲観的になることも無い。

そんなことをちょっと思いながらこの統計に見入ってしまった。




2006年8月29日













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