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印象グーグル・シュミット会長
/Actually he said so

本物のイノベーターはやたらイノベーションとか言わない


覚え書き

昨日聞きにいった世界経営者会議の印象を忘れないうちに書いておく。
プレゼンテイターは世界や日本を代表する今をときめく企業のトップなのだが、毎回思うことだが話が面白い人と面白くない人がいる。
経営トップの魅力と企業の業績は関係ないということか?

その中で印象に残ったのが、米グーグルのトップのエリック・シュミット会長兼CEOのプレゼンテーションだった。
予想に反して噛んで含めるようにゆっくり話す人だった。

グーグルの新サービスの衛星写真を使った3Dマップなど新しいソリューションの紹介もあったが、新サービスのロードマップなど知ってる話ばっかりだったので、プレゼンテーションの内容自体は目新しい話がなかった。
が、質疑応答が面白かった。

グーグルは百人を越えるお抱え弁護士を持ち、毎日のように訴訟に対応しているそうだ。
その中には出版社から起こされた「出版物コピー差し止め訴訟」というようなケースもあるそうだ。
本の内容からも検索できるように検索用のメタデータとして、本の内容を取り込んだところ出版社から「著作権、版権を侵害された」と訴えられているそうだ。
これなんかは実に今日的な話じゃないだろうか?

グーグルはもちろん検索のために本をコピーしているわけで、本のコピーを一般に公開することはないし、グーグルユーザがメタデータから本の内容を再現することは不可能だ。
むしろ「大部分の本は読まれていない」わけだから、検索に引っかかりやすくすることで本が読まれる機会が増える方が著作権者や版権者にとってもプラスになるはずだ。
ところが旧弊な著作権法は著作物の複製、定着を禁じている。
カビが生えた著作権法と検索ビジネスの新しいスタンダードとどちらが現実社会に適応できているだろうか?

そのうち用語辞典にでも書いてみたいような新しいテーマだ。

また企業R&Dのスタイルのイノベーションの話も興味深かった。
普通の企業は従来型ビジネスを保守する社員と、新ビジネスを開発する社員に分かれているところが大部分だと思う。
ところがグーグルにはそういう分類がないのだという。
そのかわり70、20、10のルールというのがあるそうだ。

社員の時間の総和を70:20:10に分けて、70を従来ビジネスの保守充実のための仕事に、20を新しいものの開発に振り分け、残りの10を自分が興味あるもの、市民企業としての社会的な活動などに使えとしているそうだ。
CEOは社員に具体的に「君はこれを作れ」「君をこれを担当しろ」などの指示は一切出さないそうだ。
何を作り出すかは一切社員のアイデアに任せるし、「エリックが気に入るか入らないかは一切考えるな、お客が気に入るかだけを考えろ」という指示を出しているそうだ。

この人はサンマイクロシステムズの社歴が長かった人だが、さすが発想がUNIXの人だ。
社員までプリエンプティブのマルチタスクで使っている。

しかしこの発想は面白いと思う。
グーグルは検索ポータルでは一番後発だったのに、今ではヤフーを押しのけて堂々のトップ企業になっている。その秘密はこういう社風の頭の柔らかさなのかもしれない。

「新しいソリューションサービスを始めたら最初の一週間で100万人のユーザーを勝ち取れ。二週目は10人でも良いから」
というのも印象的な言葉だった。
こういう産業はやはりスピードが大事なのだ。




2005年10月26日













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青木さやか