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住基ネット違憲判決に思う
/Strange to network

こういうものは強制することに問題があるのだが・・・


昨日のニュースで住基ネットに本人が離脱したがっている個人の情報を無理矢理入れることは憲法違反であるという趣旨の判決が出た。
これは住基ネットから離脱する自治体は法令違反であるとして、自治体に圧力をかけてきた自治省などには大きなショックになる判決だろう。
住基ネットは導入当時からセキュリティに大きな問題があって、政府は万全の安全対策を施していると豪語していたのだが、実際には安全対策に金を賭けていたのは東京の本庁の中のネットワークだけで、それにつながっている各地方自治体のネットワークサーバはWindowsサーバで安直に組上げたネットワークで間に合わせていたわけだ。
予算がないから仕方がないのだろうが、政府は本庁さえ安全なら地方のネットワークから情報が漏れるのは自分達の責任ではないから知ったこっちゃないという考え方だったらしい。

当然長野県をはじめ、そういう考え方で作られるネットワークの安全性に異議を唱える自治体も出てくるわけだが政府は「足並みを乱すものは法律違反で罰せられる」という態度で臨んでいた。

しかし今回の違憲判決だ。
法律で罰せられるのは住基ネットから離脱する自治体や個人ではなく、それを強制する政府の方なのだ。
さぁ大問題だ。
住基ネットはセキュリティに欠陥があるだけでなく、法律的にも欠陥があることが明らかになってしまった。

当然国は控訴するだろうが、この判決の内容は骨子を見る限りきわめて妥当だという印象を受ける。使用目的がハッキリしない個人情報を役所も含めて他人が勝手に保管することを拒絶するのは基本的人権なのだ。

竹中平蔵が「日本国中どこでもパスポートを発行してもらえる時代が来るのだ」と力説していたが、そんなわずかなメリットの為に個人情報が重大なリスクにさらされるというのは割に合わない。(それに日本中どこでもパスポートは今でも発行されない)
結局そういうサービスは強制加入で国民全員に義務づけるというような性格のものじゃないということじゃないだろうか。

そういうことにメリットを感じる人だけが住基ネットに登録すればいいのだ。
自治体も住民の希望が多い地域だけ、住基ネットを実施するという考え方ならこんなに反発も起きなかったろうし、もっとじっくりセキュリティを改善していく余裕ができたんじゃないだろうか。

奇しくも同じく昨日に、日本脳炎の副作用を見て、厚生労働省が日本脳炎ワクチンの勧奨を取り止めるというニュースも流れた。
この日本脳炎を含む生ワクチンの危険性はもう10年以上前から指摘されていることだ。
ワクチンというのは大量に打っていれば必ず何人か副作用が出る。
中には重症な副作用の人もいる。
もし日本脳炎の発症者よりもワクチン副作用の方が確率が高いんだったら、ワクチンは無意味ということになる。副作用で死ぬこともあるからだ。

厚生労働省は昔から「ワクチンの有効性についての正確なサーベイランスを発表せよ」という声を無視してきた。

サーベイランスというのは要するにワクチンを打った人達を完全に追跡調査して、ワクチンを打たない人と比べてどれくらい病気を防げたか、それに対して副作用はどれくらいあったかを調査してワクチンの有効性を評価しろということだ。

なぜ無視するのか意味は分からない。
「ワクチンは有効であるというのは医学的定説である」というお話にもならない論拠だけで今までワクチンの評価をサボってきた。
昨年の重症例に慌てて、再評価するというのなら分かるが「勧奨しない」というのは要するに「自己責任で勝手にやってくれ」という意味だ。

住基ネットも日本脳炎ワクチンも結局良く似た話だ。
志は良かったのかもしれないが、やり方を全て間違えている。
そして問題が発生したらさっと手を引いて「あとは自己責任でやってくれ」というのが最近の役人のスタイルらしい。
先日の文化庁の件も第一声は「受託業者の作業ミス」ということだった。
この分では住基ネットも野ざらしになるんじゃないだろうか。




2005年5月31日













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青木さやか