「ケータイキャリアが触れない不都合な真実」もウィルコムなら大丈夫・・・なんて信じろってか?
ITmedia +D モバイル:携帯キャリアが口にしない“不都合な真実”とは——ウィルコム近義起副社長という記事を見つけた。
先日ウィルコムの副社長がウィルコムフォーラムで会見して明かした衝撃的な事実なのだそうだ。
この記事は前編、後編に分かれた力作記事なのだが、この手のITメディア記事にありがちな文字数多いわりには情報薄い記事になっていてなかなか楽しめる。
それで結局何が言いたいかというと
「携帯各社のモバイルはモバイルブロードバンドにすぐにでも移行できるようなことをいっているが、ユーザがブロードバンドに移行してしまうとバックボーントラフィックに膨大な設備投資をしなくてはならず、その結果は各社とも大幅な料金値上げを検討せざるを得なくなる」
ということらしい。
これが表題の「携帯キャリアが口にしない“不都合な真実”」ということらしい。
それはしかし私がケータイを中心にITを取材していた5〜6年前にもいわれていたことだ。
その問題を確かに先送りしてきているというのはある程度いえるので、FOMAユーザやauユーザ、ソフトバンクユーザはあまり楽観しない方が良いというのはひょっとしたらその通りかもしれない。
でも「ウィルコムは大丈夫」という部分の根拠がどうも薄弱なような・・・
私はウィルコムユーザなのだが、ケータイに移行せずに相変わらずPHSを使っているメリットは、ノートブックと繋いで出先でネットにつなぐモバイルネットとして使うから、速度、料金面で有利だということ以外に無い。
ただしそのメリットは今のところ非常に限定的だ。
ウィルコムはパケット固定や無料通話などの料金体系をすでに実施しているが、残念ながらパソコンのモデム通信はその対象外になっている。いまだにだ。
トラフィックのコストパフォーマンスに自信を持っているなら、こんな中途半端なことをしないで一律の固定料金にしてしまえば良いのに。
それができないところが、この副社長の話は「何割か割り引いて聞かないといけないな」と思ってしまう。
ITメディアにはこういう根拠のない話が満ちあふれている。当事者からでさえこういう「ガセじゃないの?」と思うような話が聞こえてくる。
ガセじゃないかもしれない。
でもそんな話はユーザは納得しない。
モバイルは近々固定ブロードバンドとシームレスに融合していく。
この現象は必ず起きるし、そうならないと本当の「ユビキタス」は実現しないと思っている。
ところがdocomoやKDDIのような旧勢力がそういう変革の原動力にはならないことはもう周知だし、ソフトバンクはもっと絶望的だ。IPモバイルはスタートラインにつく前にずっこけているし、頼みの綱はe-Accessの千本社長しかないのだが、このお方は何度かお会いしたことがあるのだが、残念ながら人望がないんだなぁ。
モバイルの改革に人望なんか必要ないのかもしれないけど、ごく近しい人からもあまり良い話は聞かないので案外大きなことはできないかもしれない。
となると本当の最後の希望はもうウィルコムしかないのだが、そのウィルコムにしてからがこんな中身のない遠吠えのようなことを言っているようでは
「日本はケータイ低開発国に転落する」
というずっと感じている不安は現実のものになるかもしれないなぁ。
誰か違うといってくれぇ!
2007年4月18日
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