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最近あちこち巡回して気になった記事やエントリを
あれこれとつれづれに
/Few things about web

アルファブロガーなどについて


まずは『「ブログは信頼できない」が3割強、インターネットの信頼度は新聞の2/3・ネット上の情報の信頼性に関する意識調査結果』というGarbagenews.comの記事のこと

「すごい!ブログは信頼できないと答えた人が3割しかいないんだ」ということの方にむしろ新鮮な驚き。つまり逆を言えば7割の人はブログの情報は正確で信頼できると思い込んでいるということだろうか?
それともあとの7割の人達は、玉石混淆のソースから正確な情報を引き出せるリテラシーがあるということなのだろうか。

しかしこの記事のデータによると「信頼できるブログとは?」という質問に「企業が運営しているプロモーションブログ」と答えていて一位。「信頼できるブログは無い」と答えている人はもっと多い。
リテラシーの問題ではないことがわかる。
ブログは全て実際に見たこと、体験したこと、その人が実証したことが書いてあるブログを信頼すべきで、その人が思ったことや伝聞ニュースは2次情報に過ぎない。2次情報に価値がないとはいわないが、2次情報はそれを扱う方法というかルールを自分で決めるべきだ。
例えば裏を取らない情報は鵜呑みにしないとか簡単なことなのだが、情報に関する免疫がない人が大量にネットに流れ込んでいるためにそこいらで逆にアレルギーが起こっているような気がする。
そのために「ブログは信頼できない」と裏切られたような気持ちになったり、「新聞はその1.5倍も信頼感がある」といってみたり素っ頓狂な答えばかりなのが実に楽しい。






Q:信頼できるblog(ブログ)とはどのようなものだと思いますか。複数選択可。
Japan.Internet.com作表)



「忘却防止。 - NHK クローズアップ現代『“カリスマ”続々登場!ブログ新時代』 を観ました」という記事
これをはじめ先日のNHKのクローズアップ現代でアルファブロガーが取り上げられたという記事がブログ界(なんて界があるのかどうか知らないが)でいっせいに話題になって、この言葉が一躍「時の言葉」(?)になっている。
先日のさんまの番組でも茂木健一郎がこの言葉を紹介し、その界隈の事情を割と的確な言葉で説明していたので、そのこともあってにわかにこの言葉が話題になっているようだ。

このリンク先のサイトでもクローズアップ現代のまとめと簡単な感想が書かれている。
問題はこのNHKのブログ界隈を取り上げるスタンスなんだなぁ。
相変わらず企業のヤラセブログを「バイラルマーケティングだ」なんて素っ頓狂な捉え方をしている。
ていうか、こういう番組の構成を立てる人は「マーケティング」って何なのかちゃんと勉強してから番組のアイデアを立てた方が良いと思う。
このやらせブログ=バイラルマーケティングだなんて、変な捉え方をしているNHKの番組がトチ狂っているという感想をここに4年前にも書いたような記憶があるが、NHKがブログを取り上げる時にはそういう捉え方しかできないらしい。

というかヤラセでも何でも実体経済の商売の世界に貢献しているというところを見せないと、「経済にまで影響を持ち始めたアルファブロガー」という見出しが使えないという制作者側のご都合が見えて大変不快だ。
ヤラセが事実か事実でないかなんてことはどうでもよろしい。
それよりも、そういう物がないとブログの価値を評価できないという「公共放送」のコチコチ頭が信じられない。

ブログは商売になんかならないだろうし、実体経済にも強い影響なんか持ち得ないだろう。中にはごく例外でブログで月100万稼ぐ人もいるだろう。
しかしそれはデイトレーディングで億稼ぐ人が日本にも数十人はいてるというのとほとんど同じくらいの意味しかない。
ブログの価値と存在意義はそういうことではないのだが・・・


その茂木健一郎についてふれた「科学者に衝撃を与えた「ロマンティックでない」グーグル」という梅田望夫氏の記事もおもしろい。

ちょっと長くなるが引用すると
『十年以上前、当該分野の研究者たちは、「人間の知能」と比べ遥かに単純なことしかできない「コンピュータの人工知能」の研究の先に「人間の知能」が生まれるようなことはなかろうと、そういう研究方向に見切りをつけた。でもグーグルは「とにかくやれることは全部やる」という姿勢で、人間の脳とはぜんぜん違うシンプルな原理に基づきながら、安価になったコンピュータ資源を無尽蔵に並べ、「世界中の情報をすべて整理し尽くす」というゴールを掲げ、既にあれだけのものを作り上げてしまった。
 我々科学者の「ロマンティックな研究態度」が脅(おびや)かされているんだ、いやもう敗れてしまったのではないか。「トンボのように飛ぶ」にはどうしたらいいかを科学者は未だに解明できないが、遥か昔に飛行機を発明し、人類は飛行機会を得た。それと同じことが今「知性の研究」の分野で起きつつあるんだ。お前たち、ロマンティックな研究をいくらやっていても「グーグル的なもの」に負けるぞ、時代はもう変わったんじゃないのか。茂木は若い研究者・学生たちをこうアジった。「ロマンティックな研究態度」とは、物事の原理を理論的に美しく解明したいと考える立場のことである。』

ということなのだそうだ。

これは人間以外の生物が社会性を持ちうるかと霊長類の研究をしている動物学者がボノボやチンパンジーにも実現不可能な社会性をハチやアリのような単純な生物が実現しているのを見て愕然としているようなものかもしれない。

コンピュータが、少なくとも今と同じような構造のコンピュータが人間と比較できるような人工知能に発展しうる可能性はほぼゼロに近いことは、このサイトでもあちこちに書いている。
映画の批評のページにも書いた。
人工知能を研究している人たちにとってはこれはもう既定の事実に近い共通認識なのだが、単体のコンピュータはいくら高性能化してもその限界の中にいるだろうが、もしこれが数百万とか数千万とかタンデムになってネットワークを作ったらどうなるかというのは誰にも想像できなかった。

この可能性を予見したのは面白いことに、科学者でもコンピュータ技術者でもないコミック作家の士郎正宗だったように思う。「攻殻機動隊」というコミックでこの人間の脳が直接ネットワークに接続する電脳世界の可能性についてふれている。

そうすると人間に取って代わるような賢いコンピュータはついに実現しなかったが、この電脳ネットワークの海が「ソラリスの海」のように一種の知性を擬したような性格を持ちはじめるかもしれないという予見は、このGoogleの海で実現しかかっているような気がする。
そのことに気がついて衝撃を受けているのが、MBAを持ったビジネスマンでも、ITウォッチャーの技術者でもなく脳科学者だというのも面白い。

しかし問題は、人間の脳自体の構造や機能はいくら便利なテクノロジーが出てきて社会に変革が起こっても大して変わらない気がするという点だ。
速い話がグーテンベルグの時には人間の脳は何らかの進化をしたかというと何も進化していないはずだ。
そしてwebによって社会が急激に撹拌されている現代でも、人間の脳は別に進化しているわけでもない。

ほんの数年前にwebは静的なhtmlから動的なブログの世界に移行し、さらに動的でアクティブ(パッシブの反対語という意味で)なmixiのようなSNSが席巻し、ベンチャー企業の企業内ベンチャーだったmixiが上場するや記録的な高値になったかと思えば、あっという間にスパム業者の巣窟になって、webに集う人達の興味の矛先はタギーやブクマサイト、ツイッターや「増田」などとどんどん変化していく。
この世界は急激に変化のスピードを速めているが、問題は人間の脳はそんなに全般的についていけているわけではない。

「FPN-役に立ちそうなWebツールが多すぎる…」というこちらの記事も大変共感したのだが、私も

 ・ブログ
 ・ソーシャルブックマーク(はてな、del.icio.usなど)
 ・RSSリーダー
 ・グループウェア
 ・mixi
 ・GREE
 ・Flickr
 ・Twitter
 ・Skype(フォン)
 ・IM(各種)
 ・スタートページ(Google、Netvibesなど)」

 
これらの並べられたものをほとんど試している。
ほとんど試しているが、今でもずっと愛用しているのはRSSリーダーぐらいなものだ。
あとは皆ちょっとの間試していたが、今では打ち捨てられている。
これらのものは今のwebの中心的なアイテムなのだが、正直私も訊きたいのだが、これらのものを全て便利に使いこなして、毎日使っているという人が一体どれほどいるのだろうか。
少なくとも私はそのうちの一人ではない。

これらの道具の将来性がないとか機能性に問題があるといっているのではない。
将来性も機能性もあると思う。問題は人間の脳はそんなに一度に全てに順応できるほど急速に発展しないということだ。
環境に合わせて脳が進化するのではない。脳に合わせて一部の環境を取り込むことができるだけだ。
これはグーテンベルグの時代も現代もさして変わらないと思う。

何が言いたかったかというとこういうことだ。
webはそれ自体が自律的な生命のような進化を始めている。するとどうなるか。
人間がプレイヤーなはずなのに、人間は全体を全て知っている人が少なくなっていく。
個人はますますタコツボ化し、狭い世界で協和的になっていき、広い世界は訳が分からないうねりが出始める。人間の脳はそれについていけない。
つまりますます個別化が進むということを言いたかったのだ。

ここいらもっと熟成してからそれぞれ文章にするつもりだったのだが、こういうブックマークやweblocがやたら増えてしまい、自分でも何が書きたかったのか忘れてしまいそうなので、ちょっと早漏気味だがとりあえず備忘録的に書いておく。
そのうちちゃんと考える。




2007年5月10日













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