絶対使わないと言っていたのに使っちゃってます |
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世界中がWindowsユーザになっても絶対にWindowsは使わないと、このサイトの別の項で書いた。
しかしそう言いながらWindowsXPは使ってみたいなと前々から思っていた。
私をひどい目にあわせてすっかりコンピュータアレルギーにしていただいたのは、Windows95というモダンなOSだった。
「あんなもの」はもう2度と使いたくないと思っていたが、MicrosoftのMactopiaのページでRemote Desktop Connectionを使えば簡単にXPがMacのリモートのサーバになるとか、AppleのOSXとWindowsXPのネットワーク共有は、XPのネットワークプレイスの設定で簡単にできるとかいう記事を読むと、
「そんなに良いものならWindowsXPは使ってみたいな」
と思っていた。
AppleもMicrosoftもお互いにやけにOSXとXPは親和性が高いということを強調する。
実は転勤というか勤務先が変わって、出向のような形にこの3月からなったので勤務先のLANの形態もかなり変わった。
前の職場は、いまだにMacOS9が主体でAppleTalkでネットワークをつないでいるような職場だった。だからMacに対してはOSXでも入っていきやすかったが、数台あるWindowsは別のゲイトウェイにぶら下がっていて、MacとWindowsで直接ファイル共有をするのはほぼ不可能という環境だった。
新しい職場は今度はガチガチのWindows一辺倒のネットワークなので、ここでOSXがどれくらい使えるかというのが楽しみだった。
支給されたPCはDellのWindowsXP機だし、ある意味私が以前に望んでいた通りの環境になったということかもしれない。
それで解ったことはWindowsのネットワーク環境はやっぱりWindowsだけに最適化されていて、不便だということだ。
WindowsXPを使ってみた印象は表面から見えるところ、つまりデスクトップから入っていける最初の階層までは非常にシンプルに整理されて、すっきりしたことだ。
以前のWindowsはデスクトップにローカルディスクがあって、Startボタンの中にもローカルディスクに入っていくパスがあって、初心者が混乱すること間違いなしというよく分からないインターフェイスだった。
それでMacを使っていてXPに移った時に一番驚くのは、その切り替えのスピードだ。
アプリの起動はほぼ一瞬だ。
ウィンドウの切り替えもロスタイムが無い。
webの表示はそれほど差は感じないが、Word書類なんかを扱わなきゃいけない時のストレスは段違いだ。
もっともプロフィールを見てみるとintelのpentium4のCPUは2.45GHzと書いてあった。
私の個人持ちのiBookは500MHzだから5倍近いクロック数だ。
クロック数がスピードを決定するわけではないといっても、こんなに差があるとやはり差は一目瞭然だ。
しかしアプリの立ち上げの速さや、ウィンドウの切り替えの速さを見ているとこれはCPUの能力の差だけではないような気がする。
XPではやはりOS9以前のMacと同じで、アプリの一部を機能拡張のような感じでシステムの起動と同時に読み込んでいるようだ。
その根拠は今私があてがわれているDellはほとんどインストールしたなりで、アプリケーションを追加インストールしていないが、アプリインストールをやっているとやはりXPでも調子が悪くなってくるそうだ。
メモリもいくら積んでも不足ぎみになるし、突然落ちるという症状が出るらしい。
会社機は仕事で使うのでそれを実地に試してみるわけにもいかない。
しかしやはりWindowsではwebで拾ってきたフリーウエアなんかをどんどんインストールしてはいけないという鉄則は今でも活きているようだ。
(前に取材先のベンダーの広報の女性が、自分の使っているPCでデモをやると準備してくれたが、このWindowsXPはとても動きが重くて、思うように動かなかった。
ひょっとしてアプリやら壁紙やらを大量に入れているのではないかと訊くと、そうだという。
ひょっとして自宅ではMacを使っているんじゃないかと訊くとMacユーザだという。
Macユーザがよくやる失敗だが、Windowsを使う時にはやたらお試しアプリや、webで拾ってきたフリーウエアをインストールしてはいけない。
Windowsの機能拡張や初期設定にあたるdllやレジストリはMacのようにアッセンブリ化されていないので、一度インストールしたらアンインストールはできないと思っておいた方が良い。
システムが重くなるまでアプリをインストールしたら、後はトラブル街道まっしぐらだ。
Windowsにはやはり絶対に必要なもの以外は入れていけない。)
まぁ、あまり楽しく使えそうな環境ではないが、お仕事で使うには確かに良いかもしれない。
仕事といってもデスクワーク中心なので、使うのはwebブラウザ、メーラ、テキストエディタ、MSOffice、FilemakerProくらいのもんだ。
それだけのアプリが快適に使えれば後はどうでも良い。
そういう用途には確かにWindowsXPはいい選択だという気がしている。
しかしネットワーク管理者はそう考えていないようだ。
Windowsはやはり管理が難しいとのこと。
彼と今日Linuxの話で盛り上がってしまったが、その話をしていて思い出したことがあったので、書いておく。
それはヒューレットパッカードがLinuxのプリインストールPCを発売するという最近のニュースだ。
このメーカーにはつい最近、AppleのiPodをOEMで販売するという発表で驚かされたところだった。
今度はLinuxと来た。
前にも書いたが、HPというメーカーはLinuxには最も関心がなさそうなベンダーだったので驚かされた。
これに一部の日本のベンダーも追随するそうだ。
Linuxは時代の必然だと言い切っていたが、そう言い切りながらも一向に山が動く気配がないので暗黒時代はひょっとして永遠に続くのかもしれないと思った時期もあった。
しかし山は動いているという実感を最近いろんな局面で感じることがある。
このHPのニュースもそうだ。
そろそろLinuxをインストールできるDOS-V機が欲しいなと思っていたところだ。
しかしこういう時期にWindowsXPをあてがわれるのも奇妙な因縁だ。
使ってみると案外悪くはないが、ちょっと応用編の使い方をしようとするとたちまち立ち往生をして、マニュアルが無いとにっちもさっちも進めない...
こういうところが相変わらずWindowsだなと思ってしまう。
見た目はかなり改善されているが、中身についてはさほどでもない。
こういうのも一種の停滞だと思うわけだ。
うちの親にも孫の写真をメールで送ってあげたい。
しかしうちの親はパソコンを覚えようという気が全くない。
そんなことに費やす時間がもったいないからだそうだ。
ある意味真っ当な感覚だと思う。
今客観的に言って、どのパソコンも時間を浪費するのは間違いないが、中でも特に時間を浪費させられるのがこのOSだ。
根本的に変わらないのなら早く消えてほしいのだ。
2004年3月16日
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