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WinからMacに乗り換える時の疑問2

Windowsユーザが初めてMacを使うという質問をよく受けるようになりました
そういう人達にMacとWindowsの考え方の違い、使い勝手などをまとめます


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WindowsからMacにスイッチ(乗り換え)する時の疑問4〜WindowsでああするあれはMacではどうするの?〜起動・終了編

WindowsからMacに乗り換える素朴な疑問について書こうと思い立って書き始めたこのシリーズ、実際書いてみてふと思ったのは
「もっと初級編なところから入らないといけない」
ということだった。
さすがに電源ボタンはどこにあるというのは、付属のマニュアルを見ていただくとして電源ボタンを押したら次に何をするかというところから解説を始めないといけない気がした。

そこで今回の疑問はこれ

4)WindowsからMacにスイッチ(乗り換え)する時の疑問
〜WindowsでああするあれはMacではどうするの?〜起動・終了編

まさに使いはじめから解説すると電源の入れ方はWindowsもMacも同じ。
電源ボタンを押して画面が点灯するのを待つ。
しかし、終了する時ここからいきなりWindowsとMacは振る舞いが違う。

Windowsでは電源ボタンを押すとコントロールパネルの電源オプションで設定された振る舞いをする。
通常デフォルトでは「システム終了」ということになる。
Macではそういう設定は無く、電源ボタンを押すとどうするかその都度訊いてくる。
オプションは「終了」「スリープ」「再起動」「なにもしない」となる。






デフォルトではWindowsは電源ボタンを押すとシステム終了になる
Macの旧機種は電源ボタンを押すと「スリープ」になるパターンが多かった
現在のOSでは何をするか選択パネルが表示される





Windowsはコントロールパネルの「電源オプション」で
電源ボタンを押した時に何をするか設定する



システムの終了は勿論それぞれのシステム操作系からソフトウエア的にも可能だ。
通常はWindowsはスタートボタンを開いて、「シャットダウン」から終了や再起動などのオプションを選ぶ。

これと同じ操作系はMacの場合はアップルメニュー。
左上のメニューバーのリンゴアイコンからのプルダウンだ。






「スタートボタン」から「シャットダウン」のオプションに入って終了、再起動を選ぶ
これが通常のWindowsの終了の仕方





Macの場合は左上のリンゴマークからプルダウンでシステム終了を選ぶ
再起動、スリープのオプションはここにも用意されている
強制終了のオプションも用意されていることに注目



ということで、起動と終了ができた。
これができればもうコンピュータを使いこなせたも同然だ。
しかしこの反逆児は時々これだけの操作を覚えただけではいうことを聞かなくなる場合がある。

最近のMacOSXやNT系のWindowsXPなどでは滅多にないことだが、プロセスが暴走してこれらの終了オプションに入る操作を受け付けないことがある。
そうなった時に強制的にカットオフができてこそ、人間様はこの小賢しい機械の真の主となれる。
ボーマン船長達はこのプロセスに失敗したためにあのような惨事を招いてしまった。

Windowsではこの場合「バルカンピンチ」と呼ばれる有名なキー操作が用意されている。
control+alt+deleteキー
という組み合わせで、これを押すと一瞬で昏倒するようにシステムが落ちる。

Macでも同じような手段が用意されていて、先ほどのアップルメニューからのオプションで用意されていた「強制終了」がそれにあたる。
そういうプロセスが暴走している時には、当然アップルメニューからのプルダウンも動かないことが考えられる。
その場合のキー操作は
コマンド(リンゴマークのキー)+control+電源ボタンの長押し
がそれにあたる。


しかしこれらのキー操作による「強制終了」はあくまで最終手段だと考えよう。
OSは終了時にメモリの中で処理を待つプロセスを暫定的にディスクに書き出したり、いろいろなプロセスを完了してから電源をカットオフするというような作業をしている。
「強制終了」は
「そういうことはいいからとにかく今すぐ作業を中止して落ちろ」
という意味だから、あまり頻繁にやると、次回システムが読み出さないといけない続きのプロセスが壊れたり、ディスクの空間に番号を打ってどこに何が記録されているかという目次が壊れてしまったりする。
これが重症化するとシステムそのものが起動できなくなったりする。

だから「強制終了」は最後の手段なのだ。

そこでMacでは最後の手段を行使する前にいくつかチャレンジする方法が用意されている。
システムは動いているが、アプリケーションなどのプロセスがハングアップして操作が困難になっている場合、
コマンド+option+escキー
を叩いてみよう。
プロセスの強制終了ウインドウが現れる。
これで凍っているプロセスを強制終了することに成功すれば、システムごと強制終了しなくてすむかもしれない。






コマンド+option+escキーを叩くとアプリケーションの強制終了が可能になる
上下アローキーで終了したいアプリを選んでリターンキーで実行する
これでシステムごと強制終了する最後の手段を避けることができる場合がある





もうひとつ用意されている手段はアクティビティモニタ
これはアプリケーションフォルダの中のユーティリティフォルダの中にある
プロセスを選択して左上の終了ボタンで強制終了オプションが可能
アプリだけでなくバックグラウンドプロセスも終了できるが
GUIがいうことを聞かない時には役に立たないのが難だ



もう少し軽症な場合は
コマンド+control+option+ejectキー
というオプションもある。これは全てのアプリケーションを強制終了してシステムを終了するというショートカットキー。
コマンド+control+ejectキー
で同じく全てのアプリケーションを終了して再起動というオプションも用意されている。

あるいは先ほどの電源ボタンを押したときと同じ終了オプションを呼び出す
control+ejectキー
というキーコマンドも用意されている。
この時にカーソルが動かないためにボタンを選択できないならキーボードだけでオプションを選択できるようになっている。
Rキー :再起動
Sキー :スリープ
returnキー :終了
escキー :キャンセル


またアカウントのプロセスだけがフリーズしてシステムはちゃんと動いている場合もある。
こういう場合はアプリケーションを終了してログアウトするだけで、再起動しなくても復帰できることがある。
その場合のキーコマンドは
コマンド+shift+option+Qキー
となる。
これでログアウトが可能だ。


このようにMacではスタックした時にいろいろ緊急脱出のオプションが用意されているので、万が一そういう状況になった場合はいろいろ悪あがきしてみることをお勧めする。







WinからMacに乗り換える時の疑問

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WindowsからMacにスイッチ(乗り換え)する時の疑問5
〜WindowsでああするあれはMacではどうするの?〜アプリを起動する

Windowsを長年使い慣れているとアプリを起動するのは、デスクトップに置かれた「ショートカット」(これはMacでは「エイリアス」というが)からかスタートボタンを開くというあたりが普通になってくると思う。
Macにはスタートボタンは無いしアプリのショートカットを自動的にデスクトップに生成するというカルチャーがない。
じゃあ、どこからアプリを開くのか?
今回の疑問はこれ。


WindowsからMacにスイッチ(乗り換え)する時の疑問5
〜WindowsでああするあれはMacではどうするの?〜アプリを起動する

Windowsではアプリのリストがスタートボタンの中の「すべてのプログラム」というメニューの中に並んでいる。
これは実は
"C:\Documents and Settings\All Users\スタート メニュー\プログラム"
"C:\Documents and Settings\自分のアカウント名\スタート メニュー\プログラム"

などのパスに入っているショートカットが見えているのだが、
「Macにはこういう便利なものはないんかいな?」
といわれると「かつてはあったが、今は考え方が変わった」という答えになるだろうか。

OS9までのアップルメニューは確かにこれに考え方が近かった。
アップルメニューはデスクトップの左上にある小さなリンゴアイコンで、旧OSではここを開くとコントロールパネルに相当するメニューや拡張機能マネージャ、それに登録すればアプリやファイルやそれらが入ったディレクトリも表示することができた。

今はもっとも手っ取り早い方法は、アプリケーションフォルダに直接アプリを開きにいくということになる。
場所はルートボリュームのすぐ下に「アプリケーション」というフォルダがあるからすぐ分かる筈だ。
ちなみにその中の「ユーティリティ」フォルダはシステムやネットワークの設定などの調整をするようなアプリ(ユーティリティ)を主に入れておく場所で、一般のアプリと区別されている。

ただ、新規でインストールする時にはアプリケーションフォルダに入れないと動かないというアプリは非常に珍しい。
大抵はどこに入れても動くことは動くので、Windowsのようにデスクトップにアプリをずらっと並べても別にかまわない。






Windowsではスタートメニューからアプリを開くということが多いが
これと同じことをMacでやるとなると・・・





起動ボリューム直下の「アプリケーション」フォルダの中に大抵のアプリの実体はあるので
ここに入っていってアプリ本体をクリック・・・これが初級





ただし頻繁に使うアプリはいちいちアプリケーションフォルダに開きにいくのは非能率
そこでアプリ本体を画面下のドックにドロップして登録、ここから起動するようできる
要らなくなったらドックのアイコンをドックの外にドロップすれば消える
このドックの第1機能はこのようにランチャーということになる





また非常に頻繁に使うアプリはアップルメニューの
「最近使った項目」に残るのでここから起動できる





ランチャーといえば右上にある「Spotlight」もニューメリックサーチが可能なので
名称によってはここから検索して起動するというてもある
Macのメタデータ検索は非常に高速なのでVista未満の
Windowsユーザには新鮮な驚きがある筈だ



キャプチャーに上げたこの3つのルートがMacの使い始めには手に馴染む手段だと思う。
実はこれをショートカットする方法はもっとあるし、そういうことを目指したオンラインウエアもたくさんある。

それはMacの扱いに慣れて余裕が出てきたら、当サイトのアプリケーションのページやTipsのページに紹介しているのでのぞいてみてほしい。


Macの大まかな仕組みにも触れておく。

起動ボリュームの下に
「システム」
「ライブラリ」
「アプリケーション」
「ユーザ」

という4つのディレクトリがある。
実際には他にもいくつかあるかもしれないが重要なのはこの4つだからこれだけ覚えておけばいい。

この4つのフォルダの意味は
「システム」
OSが使用する領域で通常はユーザが触る必要がない。CoreServiceなどシステムの動作をする実体はここいらに入っている。
「ライブラリ」
設定、システム環境設定、ログイン項目、アプリケーションのサポートファイルなどのうち、複数のユーザが共用するものはここに格納される
「アプリケーション」
各ユーザ共通で利用するアプリケーションはここに格納される
(上述のようにここに入れなくても大抵のアプリは動くが、ここに入れれば複数のユーザで使えるし、分かりやすいから通常ここに入れる)
「ユーザ」
ここにユーザの領域が格納される。
この中に自分の設定した名前のフォルダがあるが、それが通常の自分の領域。
この中の「ミュージック」フォルダはiTunesの音楽リストファイルや音楽ファイルそのものが入っていたり「ピクチャ」フォルダにはiPhotoのライブラリが入っていたりする。
この「ユーザ」の中の「アカウント名のフォルダ」の中の「ライブラリ」には自分だけが使える設定、システム環境設定、ログイン項目、アプリケーションのサポートファイルが入っている。




OSXのディレクトリの大まかな構造
「システム」、「ライブラリ」、「アプリケーション」、「ユーザ」
の4つの大まかなディレクトリに分かれている
この4つの役割を理解するとこのOSは割りとすんなり理解できるようになる



最初は戸惑うかもしれないが、通常は気にすべきディレクトリが4つしかないというのは実は非常に楽。
例えばデスクトップの場所。
Windowsの場合はデスクトップの実体のディレクトリは
"C:\Documents and Settings\Administrator\デスクトップ"
"C:\Documents and Settings\All Users\デスクトップ"
"C:\Documents and Settings\Default User\デスクトップ"
"C:\デスクトップ"
"C:\Documents and Settings\LocalService\デスクトップ"

とあちこちにあり設定によっていくつかのデスクトップがライブだったりするが、Macの場合は自分のデスクトップは常に
"/Users/自分のアカウント名/Desktop"
という一カ所だけ。
共通のデスクトップというのはない。何かを共用したい時には
"/Users/パブリック"
というフォルダが用意されている。






WindowsのデスクトップはAdministratorを有効にしている時にはそこにあったり・・・





DefaultUsersにもあったり・・・





All Usersにもあったり・・・





Cドライブ直下にもあったりで複雑
どれが共有でどれが共有でないか覚えるの大変そう





Macのデスクトップは「自分の名前のアカウント」の中にひとつあるだけ
自分が使えるのはここだけで共有のデスクトップは存在しない
意味を理解すればこれほどシンプルな構成はないと思う
自分と他人の領域が根本的にディレクトリできれいに分かれているのがOSXの特徴



ところでこの「アプリケーション」フォルダの場所というのがWindowsユーザにはなかなか違和感があるというか、不思議な場所にあると思われるかもしれない。

Macの独特のGUI(グラフィックユーザインタフェイス)のディレクトリ構成の意味についてもちょっと説明を。

Windowsの場合アプリの本体の場所は大体、
"C:\Program Files"
にある。
これと同じだと思えばそんなに難しいこともない。
ただ通常はこんなところはWindowsでは触ることがないのだが、Macでは普通にここにアプリを入れたり削除したりなんてことをする。


Macの場合は実際は2重構造になっていてUNIX的なバイナリは
"/bin"
"/sbin"
"/usr/bin"
"/usr/sbin"

というようなところに入っている。
"/usr/sbin"はルートボリュームの中のusrというディレクトリの中のsbinという意味のUNIX式のパスの書き方。"/"でパスを書き始めるときは最初のスラッシュはルートボリュームのシンボル。
最初の"/"はWindowsの"C:\"と書き始めるのと同じ意味。MacとWindowsは、・・・というよりUNIXとDOSでは階層の表現が"/""\"のように逆なのも面白い)

しかしこういう場所はMacの場合は不可視ディレクトリになっていて通常はFinderからは見えないように設定されている。
不用意な場所を素人がいじってシステムにダメージを与えないようにという配慮からだろう。
Linuxあたりからスイッチしてきた人にはこの不可視領域の多さがちょっと違和感があるかもしれない。

このUNIXのバイナリに対してMacのGUIのアプリケーションはさっきも触れたように
"/Applications"
というような場所にある。
このアプリケーションとバイナリの違いは、Mac的環境で動くのがアプリケーションでUNIX的環境で動くのがバイナリだと思えばよい。
厳密にはアプリケーションはGUI的な最中(もなか)の側だけで、中身はUNIX式バイナリというアプリも多い。
バイナリはTerminalなどのシェルから文字だけのコマンドで操るが、アプリケーションはMacのGUIの上でアイコンをクリックで起動し、メニューコマンドで操作の変数を変えたりWindowsのGUIとも似たような操作の仕方をする。
コマンドを使えないユーザのためにMacではUNIXのバイナリにMac的なGUIを被せたというアプリも結構数多く用意されている。
表面上はそれは区別はつかないが。

MacとWindowsのGUIの細かいところはいろいろ違うが、この違いは後の回でまた詳細に。







WinからMacに乗り換える時の疑問

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WindowsからMacにスイッチ(乗り換え)する時の疑問6
〜WindowsでああするあれはMacではどうするの?〜アプリを起動する(番外編)

『MacにはWindowsの「スタートボタン」の中にある「すべてのプログラム」のようなものがない』
と書いたところBBSに「もいかい」さんから
「アプリケーションフォルダをドックに登録すればほぼ同じことができる」
という書き込みをいただいた。

はいはい、それも私のTipsのページを参照くださ・・・と思ったらそういう記事を書いたことがなかった。
このシリーズはMacユーザなら誰でも知っているようなことでも初心者は知らないことがあるに違いないとして、この手のサイトではいまさら書かない基礎知識やTipsを書くのが狙いだから、これは書いておかなくてはと思い番外編を追加する。

WindowsからMacにスイッチ(乗り換え)する時の疑問6
〜WindowsでああするあれはMacではどうするの?〜アプリを起動する(番外編)

『MacにはWindowsの「スタートボタン」の中にある「すべてのプログラム」のようなものがない』 というのは正確には「デフォルトでは無い」と書くべきだった。
実際には「もいかい」さんがおっしゃるように、アプリケーションフォルダをそのままドックにドロップしたら、それと全く同じことができる。
右クリックで(「もいかい」さんご指摘のようにLeopardからは左のワンクリックでも可能)アプリケーションがリスト表示される。
フォルダに入っているものは階層表示されるのもいっしょ。

ひょっとしたらWindowsからスイッチしてきた人はこれが一番使いやすいかもね。

ただ私の場合は数が多すぎてリストが非常に長大になるので、この方法ではなく適当な場所によく使うアプリのエイリアス集を作ってそのフォルダをドックに登録している。
これでグリッド表示することで、これまた便利なランチャーとして使っている。

手に馴染むものはどんどん入れて使わないものは外すという作業が必要になるが便利だから最近はもっぱらこれで私はアプリを起動している。
そのエイリアス集の場所は、別に自分が作業しやすい場所だったらどこでもいい。
デスクトップでもいいし、Macの場合同じボリューム内なら、オリジナルの場所を変更してもドックから呼び出せなくなるということもないので後から変更できる。
ちなみに私は
"/Users/muta/Library/Favorites/X-Assist Items/1) Applications"
という場所に
archive
Audio
games
Graphics
Internet
play
Utilities
video
work

というジャンル別のフォルダを作ってそれをドック登録している。
以前X-Assistというアプリを愛用していた名残りだ。






ルートボリュームにあるアプリケーションフォルダをドックにドロップする
これでアプリケーション全部を登録することができる
Windowsの「すべてのプログラム」を再現できる





それをワンクリック(Tiger以下は右クリック)でアプリケーションの長大なリストが現れる
Windowsの「すべてのプログラム」愛用者はこれが一番理解しやすいかもしれない





ただ私の場合はリストが長大になりすぎるので
よく使うアプリのエイリアス集を作って登録している
ジャンル別にアプリを分類すると一層使いやすくなる





ドックに登録してグリッド表示するとこんな感じ
これをほとんどランチャーとして使っている











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