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WindowsからMacにスイッチ(乗り換え)する時の疑問3
〜MacとWindowsどちらが使いやすいですか?
不定期不連続連載、しかもいつ打ち切られるか明日をもしれないシリーズ企画「スイッチャーの疑問」第3弾。
Windowsに長年慣れ親しんできた人が、
「最近iPodやiPhoneなんかの広告でApple目立っているし、MacBook Airとか新型MacBookとかなんかデザインがカッコ良さそうだし、一度使ってみようかな?」
と思う時、彼の(彼女の?)心の中で
「まてまて」
と叫ぶものがある。
「店頭で見たあのデスクトップ、確かに見た目はきれいだけど、本当に使いやすいのだろうか?」
「スタートボタンも何もなくて代わりに見たこともないようなアイコンが一杯並んでいるけど操作感はどうなの?」
「ソフトハード併せて十数万の投資になるけど、それに見合ったメリットはあるの?」
「MacでできてWindowsでできないことって何?」
「WindowsじゃなくてMacを使うメリットって何?」
これらの疑問は、言い方は違うけれども皆同根の疑問だと思う。
Macの良さが本当に自分の希望に合うものなのかわからないということだ。
そこで第3弾の疑問はこれ。
3)MacとWindowsどちらが使いやすいですか?
この疑問はそれこそググればいくらでも見つかるほどネットでは交わされている話題だし、トラシュー系のBBSでたむろししていた当時、何度もこういう初心者の質問に出くわした。
その度にMac大好き派とアンチアップル派の間に大論争が起きて、結局この手の論争は不毛で何か有益な結論を引き出せたことは一度もない。
最後はお互い感情的になって、結局Macのメリットなんて納得させることもできないしMacのデメリットを言い募られてお互いに不機嫌になるだけの話だった。
私は別にMacのエヴァンジェリストでも何でもないし、アップルからはどういう種類の利益も得ていないからMacが滅亡しようがどうなろうが知ったことではない。
私の個人ユースのMacBookさえちゃんと動いてくれれば、世界がどうなろうがどうでもいい。
だからこのページはMacがいかにWindowsと比べて優れているかなんてことを書くことが目的ではない。
しかしWindowsからMacにスイッチしようという人は、やはりMacBookでも11〜16万くらいの出費をして乗り換えるわけだから
「本当にそんな価値がMacにあるのか?」
というところはどうしても知りたいに違いない。
またそういう話題をスルーして
「簡単Mac乗り換え術」
なんてMac系雑誌と同じような記事をwebに書くのも意味がない気がする。
そこでなぜ私はいまだにMacを使っているかという本音のところを、思いつくまま逍遥文のように書いて参考にしてもらえたらと思う。
ここでは以下の項目を取り上げる。
(1)MacOSXはUNIXの入った最中(もなか)だから
(2)Macは一般に思われているほどスタンダードから外れていない
(3)Macは長年使い慣れていてもイースターエッグ的発見がある
(4)見た目の美しさは単なる見かけ倒しではなくやはり情報ツールとして重要
(5)統一された操作感も大事だが、もっと重要なのはLEGOのような操作感
(6)その他誤ったネガティブイメージを正す
・周辺機器が対応しているか、否かすごく不安
・すべて込みで、いくらくらいかかりますか?
・Macの方がコストパフォーマンスが高い?
・「Macはウイルスの心配がない」は正しい?
まず私が今Macにこだわっている理由は端的に言えばこれだ。
(1)MacOSXはUNIXの入った最中(もなか)だから
20年前と同じようにMacといっているが、その中身は昔のマッキントッシュとは別物だ
端的に言えばその正体はこれだ
MacのGUIの革をかぶったUNIXだということはその安定性が格段だということだ
その考え方はMacのGUIの部分にも影響をもたらしている
パスをGUIらしく視覚的に捉えられるFinderのカラム表示は
旧MacOSにもなかった新機軸だ
少し言い古された部分ではあるが、UNIXが今のMacの正体であるということは使ったことがない人にはほぼ理解されていないがもっとも重要な点だ。
(使ったことがあっても、昔のMacOS時代しか知らない人もやっぱり理解していないと思う。そしてそういう人達の方が全く知らない人達よりも猜疑心が強い気がする)
UNIXであるということは、システムそのものは非常に粘りがあって落ちないということだ。
通常サーバ用途のUNIXは数十日から半年は電源を落とさないで起動しっぱなしで使う。
MacOSXのコアな部分で採用されているシステムも基本的にはそれと同じものだから、同じポテンシャルがある。
そのことが私には一番重要だ。
なぜなら私個人は元々パソコンアレルギーだった人で、仕事で使わざるをえなかったWindows95/98でひどい目に遭い、
「こんなもの使うぐらいだったパソコン音痴といわれた方がマシだ」
と捨て台詞を残してMacにスイッチしたのに、そのMacOS8、OS9がまたWindows98以上にひどいシロ物で、毎月のようにシステムをクリーンインストールしていたし、毎日のようにフリーズしたシステムをリカバリしていた。
OSというものは一度インストールしたらハードが壊れるまで再インストールは必要ないというのが正しいあり方ではないのか?
一度電源を入れたら数週間は電源入れっぱなしで使っても何ら問題ないというのが正しい姿ではないのか?
という疑問を感じ始めていた。
そしてこの条件を満たせるクライアントOSがMacOSXだった。
Windowsは2000以降、NTカーネルを採用してからは以前とは見違えるほど安定した。
これはこれですばらしいと思う。
でも基本的には毎日起動して使うOSだ。
2日は続けて使えるかもしれないが3日目はほぼ絶望的だ。
ここでも書いたが私もOSXでiBookの時代に連続80日以上起動しっぱなしで使っていたこともある。
毎日持ち歩いて、毎日新しいアプリもインストールして、毎日仕事でも使いまくって負荷をかけまくっての80日だ。
この安定性が、私がMacにこだわる理由の一番目でもあり、ほとんど大部分でもある。
その理由は上記のように使えないOSに永らく苦しめられたからだ。
勿論そういう理由ならLinuxだっていいかもしれない。
UNIXだって最近のGUI化は目覚ましいものがある。
しかしMacのGUIの考え方が私の好みだ。
例えばキャプチャーでも紹介したカラム表示はUNIX的なパスの考え方をもっとも視覚的にコンパクトに表示してくれる。
なんでWindowsやLinuxはこれを真似しないんだろうかと思うくらい手に馴染んでしまった。
いまではFinderの新規ウインドウは「カラム表示で開く」設定にしている。それくらいこの表示はカレントディレクトリの位置関係を端的に現すのに向いている。
もしアップルがこれについて独占的排他的意匠権、特許権などを取っていないなら是非マイクロソフトやLinuxのディストリビュータの皆さんもこれをマネすることを検討してもらいたいと思っている。
OSXでは廃止された旧MacOSの起動画面に現れるアイコンパレード
こうしたギミックが楽しくもあり古いMacユーザには郷愁があるところなのだが
この起動時に拡張機能を先読みする仕様も旧OSの不安定さの原因だった
アプリケーションの切り替えはこのおかげでWindows並みに速かったが
その操作感を得るために犠牲にしたものはあまりにも大きかった
Windowsにも多かれ少なかれこの問題は残っている
(2)Macは一般に思われているほどスタンダードから外れていない
これはMacを使う理由というより、「Macを使わない理由」としてよく挙げられている話が一般に思われているよりも結構的外れだということだ。
見た目はMacとWindowsは全く違うように見える。
早い話、デスクトップのアイコンはWindowsは左から並ぶがMacは右から並ぶ。
Windowsはスタートボタンが下にあってタスクバーも下にあって操作系が下に固められているが、Macはメニューバーが上にあって下には
「ドック」
とかいう正体不明のランチャーみたいなものが納まっている。
アプリの操作系はツールバーとメニューバーに分かれているMacと、ツールバーにまとめられているWindows。
この違いを見ると
「一体どちらが使いやすいんだ?」
と議論したくなる気持ちも分からないではない。
しかし、結論を言えばこれはあまり使いやすさには関係ない部分だ。
見た目の違いほど、これらは使い勝手に影響を及ぼさない。
単に「慣れ」の問題で片付いてしまう話だし、慣れればどっちもそれなりに使い勝手は工夫されている。
こういうところでは差はないと思っていい。
Windowsのウインドウボタン類
右から「閉じる」「最大化」「タスクバーにしまう」と三つ並んでいる
Macのボタン類はウインドウの左上に並んでいる
右から「最大化」「ドックにしまう」「閉じる」ということになる
ひとつ例を挙げるならウインドウのボタン。
キャプチャーのように位置が違うし並び順も違う。
しかしその意図するところはほぼ同じだ。
ただ操作の結果には違いがある。
例えば「最大化」ボタン。
Windowsの場合はクリックするとタスクバーを残して全画面をウインドウが占める。
これに対してMacは最大化をクリックしてもウインドウは大きくなるだけでフルスクリーン表示にはならない。
これに不満を言うスイッチャーも時々見かけるが、これはWindowsとMacのカルチャーの違いから来ている。
Windowsはファイルの移動、コピーなどはあくまでダイアログウインドウでやるのが基本で今でこそドラッグアンドドロップはフルサポートされているがこれは後から付け足された機能だ。
ところがMacは最初からドラッグアンドドロップでファイルの移動、コピーなどをする考え方だった。
だからウインドウを大きくしてもスクリーンの端には常にデスクトップを表示しておくというのがその考え方だ。
フルスクリーン表示に近い表示もできなくはないが、敢えてそうしないのがMacの流儀だ。
もうひとつ違いがあるのはクローズボタン
どちらもウインドウを閉じるという意味では同じことだが、Windowsの場合はこれはアプリケーションそのもののプロセスを終了するという意味が含まれている。
これに対してMacの場合はこれは単にウインドウを閉じるだけという意味で、ウインドウを閉じてもアプリそのものは終了しない。
ウインドウはシステムが管理するのかアプリケーションが管理するのかという考え方の違いといえば分かりやすいだろうか。
Windowsユーザが使った後はウインドウは閉じているがアプリケーションが皆起動しっ放しということはよくあることだ。
しかしこれもマルチタスクに完全対応した今となっては些細な問題だ。
Windowsの操作はほとんど「スタートボタン」から始まる
終了も「スタート」から始まるのが感覚にそぐわないというのがいつも感じていた違和感だが
これでもWindows3.*以前の時代から考えたら操作は整理された成果だともいえる
Macの操作開始はアップルメニューに固められているわけではない
OSXになってアップルメニューはあまり重要な意味を持たなくなった
これはファイルからプロセスをスタートするMacと
アプリの起動からプロセスをスタートするWindowsの
カルチャーの違いということか
Windowsの「インジケーターバー」は各種のハード、ネットワーク、常駐アプリの
操作パネル、ステータス表示を呼び出す
これと似た役割なのがMacのいわゆる「メニューエクストラ」
ここにシステム、ハードのステータス、常駐アプリの操作アイコンを並べる
デスクトップを見るために進行中のプロセスをタスクバーに片付ける
沢山あると何が収納されているか分からなくなりタスクバーはだんだん使い物にならなくなる
Macの「ドック」はアイコン表示な分だけWindowsよりもマシだが
沢山収納するとやっぱり使いにくくなるのはMacも同じ
ここはどっちも不便なところだ
そこでWindowsVistaなんかはお馴染みのあの機能が実装された
(これはXP上でWinFlipで再現したキャプチャー)
MacOSXにはExposeという機能が装備された
ウインドウをサムネール化して一瞬で選択できる
どちらが使いやすいかはもう好みの問題になると思う
ちなみに私はどちらも似たり寄ったりだと思っている
余談だがWindowsの「スタートボタン」はこれがモデルになっていたと思われる
旧MacOSの「アップルメニュー」はよく使う項目、最近使った項目、システムの設定、
ネットワーク接続、インターネット接続などの操作を開始する重要なボタンだった
旧MacOSの「アプリケーションメニュー」はアプリケーションの切り替えを素早く操作する
これが廃止されアプリの切り替えはドックが担当することになった
Windowsのタスクバーに考え方が近づいたのだが旧OSユーザからは猛反発があったところだ
(3)Macは長年使い慣れていてもイースターエッグ的発見がある
古くはMacには使い込んでいるとある日突然発見するような機能が隠されていることがあった。
有名どころでは起動画面に年に一度だけ
「あけましておめでとうございます」
「謹賀新年」
というメッセージが出るとか、ことえりをIMで使っている時に
「ことえり」
と打って漢字変換するとことえりの作者達のクレジットが出るとか、スティッキーズに
「Antler!」
と入力するとトナカイの絵が出てきたりとか、マニュアルにも書かれていない隠し機能が一杯あって、それを探しながら使うのもMacの楽しみだった。
(これらの機能は現行OSでは全部削除されている)
最近のOSXは実用本位になってきて、そういう遊びの部分はなくなってきた。
しかし、そういう要素が全く無くなってしまったかというと、そうでもない。
実に基本的な操作法に、使い込んでいくうちに気がつくというような発見は結構何年も使っていてもやっぱりある。
先日BBSで教えてもらった
「キーボードアクセスだけでウインドウの切り替え」をJISキーボードでも実現する
というTipsも私にとってはイースターエッグ的発見だった。
マニュアルを読んで完全に機能を理解しないとアブナくてあちこち触れないWindows、意味が分からなくてもあちこち触っているうちに理解して時々面白い発見をするMac、
ここいらは両者のカルチャーの違いからくる差だと思う。
実用的には自由度が高いWindows、実用性や効率よりも「面白さ」を持っているMacといえば両者の違いが理解してもらえるだろうか。
イースターエッグはなくなってしまったが、イースターエッグ的発見は何年使い込んでもまだまだある。
アプリケーションの切り替えだけでなくウインドウの切り替えも
キーボードショートカットでできるようなオンラインウエアを探していた
そしたらそういう機能がシステムそのものにあることを教えられた
私にとっては目からウロコ的というかイースターエッグ的発見だった
(4)見た目の美しさは単なる見かけ倒しではなくやはり情報ツールとして重要
Macのメリットというと筐体のデザインの美しさだけがWindowsユーザには取りざたされる。
筐体のデザインが垢抜けしないとかいう評論をする人にはさすがにお目にかかったことはないが、
「見かけのデザインばっかり良くても中身が伴わなくては意味がない」
という批評はよく目にする。
それはデスクトップにも言えていて、Macの、特にOSXになってからのデスクトップのシャドウやアイコンなどの描画の美しさから
「見た目はキレイ」
だが、
「見かけばかり飾っている」
という批評もみかける。
特にOSXが128×128pxサイズのアイコンを用意した時に「無駄なリソースの浪費」という批判も随分あった。
しかしパソコンは一度購入すると大抵は毎日使うツールになる。
アプリを起動するのもファイルを開くのもアイコンをクリックすることから始まる。
そのアイコンが視認性が高く、識別もしやすく、しかも見た目も楽しければ毎日の作業に潤いがでてくるに違いない。
質実剛健も結構だが、作業をする精神状態が違えば作業の展開もまた変わってくる気がする。
見かけは結構重要だと思う。
それに今でも大部分の情報はwebからテキストとかグラフィックという形で入ってくる。
毎日大量の読み物をする。
かつては「ブロードバンド時代はマルチメディア時代」などというスローガンで音声や動画のストリーミングがネットの趨勢になるようなことを言っていたが、そんな時代は当分来ないしひょっとしたら永久に来ないかもしれない。
相変わらず今でも主要な情報はテキストとグラフィックで得ているのだ。
そうした時に見かけの描画の美しさはやはり重要だと思う。
毎日使うものだからだ。
これはWindowsXP上でFirefox3で表示したサイト
同じページをMacOSX上のFirefox3で表示したのがこちら
毎日大量に読み物をするとしたらどちらを読みたいだろうか
(5)統一された操作感も大事だが、もっと重要なのはLEGOのような操作感
Macのメリットを語る時に
「Macは操作法がわかりやすい」
「操作感が統一されている」
という説明のしかたを良く聞く。
それ自体は別に間違いではないしその通りだと思う。
GUIのメソードがバラバラなWindows、GUIのメソードが厳しく規制され統一されているMac。
そのこと自体も確かにメリットだと思う。
しかし一度使い慣れてしまえば、操作法がバラバラでも使えてしまう。
現にWindowsユーザはそのようにして「慣れて」システムを使いこなしている。
マイクロソフトは最近そのことを気にして、Windowsになにかしらとウイザードを付ける方向になって来ているが、それが良いことなのかよくわからない。
しかし確かに親切にはなってきている。
それよりもMacの本当の良さは「慣れれば対処できる」というルーティンではなく、滅多にない状況で活きてくると思う。
システムのあらゆる場所がパッケージ化、ブロック化されていてそれを外したり追加することでシステムの機能を追加削除できるというのが、実はこのOSの大きなメリットであり、分かりやすさの源泉なのだと思う。
ちょうどLEGOのようなものだ。
このデンマーク製のおもちゃは全ての部品の寸法が厳密に管理されていて、あらゆる形のブロックがなにがしか他の形態のブロックとくっつくように緻密に設計されている。
あらゆるパーツが他のパーツで代用でき、あらゆるパーツが他のパーツを拡張できる関係性を持っている。
Macの操作感って、LEGOのブロックに似ている。
何か不具合があったら、その不具合の原因になっていそうなものを、順番に外してみて不具合の原因を突き止めることができる。
またある機能を他の部分、あるいは個体に引き継ぎたい時には、その機能を担っているブロックをそこに足してやれば良い。
その時に関係するなんたらライブラリのコードを書き換えてやらないといけないとか、そういうややこしいことを要求しないのもMacの良さだ。
つまり結構勘で機能の足し引きができる。
これはトラブルシューティングの時にもおおいに力になる。
Windowsでシステムが全般的に不調になったら、クリーンインストール以外に手がない場合が多いが、MacOSXの場合は大抵は切り抜ける手段があるのだ。
これも大きなメリットだと思っている。
Macのオンラインプリンタの追加法はシステム環境設定の「プリンタとFAX」に入って
プリンタリストの+マークをクリックすると利用可能なプリンタが見えて
それにあったドライバも自動的に選択してくれる
この使い勝手は他のネットワークなどの設定と統一感がある操作なので
マニュアルなど見なくてもすぐに理解できる
そういう統一感も大事なのだがもっと重要なのは設定を引き継ぐ時
こういう時に~/Library/Printersに入ってプリンタアイコンの設定ファイルを
新しい環境にコピーすればプリンタリストをそのまま引き継げる
このLEGOのような簡単さこそMacのもっとも重要な部分だと思う
(6)その他誤ったネガティブイメージを正す
他にwebから拾った初心者の疑問をひとつずつさらえていくと・・・
・周辺機器が対応しているか、否かすごく不安
この周辺機器がどういうものをさしているのかで答えはかなり変わってくるのだが、例えば
「プリンター」「マウス」「外付けハードディスク」「USBメモリ」「USBハブ」「ルータ」
こういうようなものを指していっているのであれば、ほぼ問題ない。
旧OS時代にはこういうものも認識しなかったりドライバが無かったりで動かないということがよくあったが、今のプリンタは大抵の主要メーカーのものはドライバがあらかじめOSにインストールされているし、そうでない場合も手に入る。
汎用ポストスクリプト機のようなものは一部メーカーがドライバを用意していないケースもある。
しかしそういう場合も大抵はGIMPprintなどをインストールすることで対応できる。
インクジェットに関してはほぼ心配ない。
マウスは動かないものを見たことがない。
ただ4ボタン、5ボタンマウスなどで一部ドライバが用意されていないものはある。
そういう場合でもUSBOverdriveのようなユーティリティをインストールすれば大抵はなにがしかに使える。
外付けハードディスクなどは今はUSB2.0にも対応しているし、書き込みができないとしたらNTFSでフォーマットされたハードディスクとかのケースに限られると思う。
勿論FAT32などに再フォーマットすればWindowsとの互換性を保ったまま、読み書きができるしWindowsとやり取りをしないならHFS+のMacのフォーマットに書き換えてしまえば何ら問題ない。
もしNTFSでWindows用にフォーマットされたハードディスクをそのままMacでも使いたい場合は、こちらで紹介したNTFS-3Gを使うことで、フォーマットし直さずに使える。
USBは動くので割愛。
ルータは一部設定が面倒なものがあって一部のブラウザを通さないと設定ができない変な仕様のものもあった。
やや注意が必要だが、設定はWindowsからやるので接続さえできれば良いというのであれば全く問題ない。最近は設定のボトルネックも減っている。
医療用の専用器具がMacに対応しているかとか、そういう話なら全く別だが一般的な家庭やオフィスで使うような周辺機器は大抵の場合問題ない。
周辺機器対応に関してはこんなところではないだろうか。
・すべて込みで、いくらくらいかかりますか?
・Macの方がコストパフォーマンスが高い?
コストのことは気になるところなのは当然のことだ。
特にMacは一時期
「パソコン界のポルシェ」
なんてコピーをつけていたから「Macは高い」というイメージが定着してしまった。
くだらないキャンペーンをやったものだ。
パソコンのような実用機をポルシェと一緒くたにするセンスが理解できないが、こういうバカなキャンペーンのせいで
「Mac=高い」
という刷り込みができてしまって、ビジネス現場でもMacを提案すると
「予算無いよ」
と値段も聞かずに反応されてしまう。
実際はケースによってはMacを組み合わせた方が安くつく場合があるのにだ。
しかし今のiMac、MacBookのコストパフォーマンスの高さは、同じようなスペックのWindows機と比べても見劣りしないと思う。
コストパフォーマンスを追求するのはカルチャーが違うのだが、その観点からいっても決して高くはない。
勿論デスクトップ機の自作派の連中は「自作に比べれば高い」ということを言う。
しかしどうだろう?
WindowsXPの販売はもう打ち切られ、今はOEM版のみしか手に入らない。
OEM版も遅かれ早かれ販売が打ち切られるだろう。
そうなった時にOSの価格がMacOSXの4倍もするWindowsVistaをインストールして、それでもまだ自作Windowsの方がコストパフォーマンスが高いといえるだろうか?
要求スペックによってはMac miniの方がコストパフォーマンスは上回るかもしれない。
MSOfficeをそろえると結構な出費にはなるが、今は年末商戦のときや入学シーズンにはMSOffice割引キャンペーンでかなり安くMac本体とセットで手に入る。
そういうコストと合わせると下手するとMacBookだって自作機より安くつくケースがあり得る。
・「Macはウイルスの心配がない」は正しい?
ここまでは「Macのすすめ」という趣旨で書いてきたが、ひとつだけポジティブイメージの誤解も正しておきたい。
「Macの勧められる点は?」という質問に対して多い答えで
「Macはウイルスの心配がないので、対策ソフトが要らない」
というのがあるが、これはおおいに勘違いだと思う。
Macを狙ったウイルスが少ないのは事実。
しかし「ウイルスが少ないのはMacのシェアが少ないからだ」というのは間違い。
これはウイルス作者の気持ちになって考えればすぐ分かる。
ウイルス作者から見れば、MacかWindowsかはあまり重要ではない。
例えばバッファオーバーフローの脆弱性があるプラットフォームがあって、そのプラットフォームがどこで使われているかが分かればその相手がWindowsかMacかUNIXかなんてことは重要ではない。
Windowsユーザが負け惜しみで
「Macのウイルスが少ないのはMacのシェアが少ないからだ」
なんて言っているのは全くこの辺の事情を理解していない。
またこういう決まり文句を真に受けて、
「Macはシェアが少ないからウイルスの心配がない」
なんてたかをくくっているMacユーザもおめでたいということになる。
要はその時その時で脆弱性の発表があったプラットフォームが狙われる。
これはウイルスに関してもそうだし、クラッキングに関しても同じ事情だ。
これまではWindowsの穴だらけなセキュリティリスクが目立っていたから、やはりWindowsはリスキーなプラットフォームだということになるが、Macはこれまでは安全だったからこれからも未来永劫安全だと考えるのは客観的な態度とは言えない。
それにMacに感染するウイルスがほとんどないといっても、ウイルスメールは今でも結構受け取る。
こういうものを検疫しないで誰かに転送したりすると、自分は感染しなくても立派なウイルスの媒介者にはなってしまう。
Macといえどもウイルスの対策は必要だと考えるべきだし、
「ウイルス対策の必要がない」
ことをMacのメリットだと考えている人達は考え違いをしている。
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