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OSXでよく使うアプリケーション3-8




OpenOffice.org 2.0.4

(Freeware)
おすすめ度★★★★
OS10.3Panther対応OS10.4Tiger対応Windows2000~XP対応

MSのOfficeスイートの互換ワープロソフトOpenOfficeがバージョンが2に上がってこれがOSXでも使えるようになっている。
これはオープンソースでしかもクロスプラットフォームで.doc、.ppt、.xlsなどのファイルを扱えるようにしようというプロジェクトだ。

MSはOfficeというワープロスイートをWindowsに無料バンドルで普及させるという手法で、一太郎などの競合相手を駆逐した。駆逐しておいてそのあとに馬鹿高い値段を付けて、企業がこのワープロセットを買わないとどうにもならなくした。
その結果MSは世界一の金持ち企業になり、その収益源のほとんど大部分はWindowsOSとMSOfficeのライセンス料で、あとのX-BoxやMSNなどの全ての事業は赤字持ち出しという状態が続いているが、それでもびくともしないような巨大な利益をMSにもたらしている。

しかしOfficeは原価の数千倍という暴利をむさぼっているという問題点以外に基本的にはWindowsとMacにしか対応しておらず、LinuxやUNIXのコミュニティの皆さんがワードファイルなどを扱えないという問題も引き起こしている。Macだって厳密にいえばちゃんと対応しているのかビミョーだ。
これがWindowsから他のプラットフォームに脱出する時の最大の障壁になっているのだ。

それでこういうプラットフォームの互換性を確保したいという有志(& MSの暴利のむさぼり方に反感を持つ人々)が長年の開発を続けて、こういうMSOfficeとの互換ソフトをブラッシュアップしてきている。

このOpenOffice2だが、MacOSXに対応しているといっても厳密にいえばネイティブに対応したわけではなく、UNIX版がX-Windowで使えるという状態だ。 だから起動に先立ってX-11をインストールしていないと動かない。

メニューバーのメニューには本体のエディットのメニューを置くことができない。 これは一種のエミュレートなので、操作系は基本的にはウインドウのツールバーに集められている。これはX-11アプリであるから仕方がない。

また日本語環境に整備するのに色々手間がかかる。
アプリバンドル内にあるフォントキャッシュを削除して、フォントフォルダの中にあるフォントのシンボリックリンクを作らないと日本語表示ができないという記述もどこかで読んだが、バージョンがV.2.0.4に上がって実際にはこれは起動するだけでフォントをインポートするようだ。特に何か環境整備をしなくてもインストール済みのフォントを使って日本語表示できることが分かった。

ところが日本語入力となるとそうはいかない。
X-11はこのままでは日本語環境に対応していないので、OpenOffice2は文書作成時には英文ワープロとしてしか使えない。
そこで『X11 for Mac OS Xでことえりを使う』という記事を参考にX-11、OpenOffice2ことえりを使える環境にすることをトライした。

手順を簡単に書くとkinput2.MacIMというサイトからkinput2を使ってことえりを有効にするパッチの

Kinput2.fix4.macim.0.2.patch.gz

を落としてくる。
それと先のサイトからkinputの本体、

ftp://ftp.sra.co.jp/pub/x11/kinput2

OS10.4向けのパッチ

kinput2-v3.1-macim-20050629.patch.gz

を落としてくる。
(パンサーユーザはOS10.3向けという方をダウンロード)

これら3つのファイルを同じディレクトリにおいておく。(デスクトップで良いかと)
それで以下のコマンドラインをひとつずつ実行していくが、注意点がふたつ。
まず最初に例の3つのファイルを置いたディレクトリにカレントディレクトリを移動しておくこと、
(デスクトップなら "cd ~/Desktop"を最初に打っておく)
それとTerminalのbashではなぜかこのコマンドは動かなかったので、このコマンドラインはX-11のターミナルで実行すること。
これを気をつければ上手くいくはず。
(途中で「ファイルが足りないだの」色々エラー表示みたいなのが出るが気にしないでとりあえず実行してしまえばうまくいく)



cd (これらのパッチを置いているディレクトリのパス)

tar xfz kinput2-v3.1.tar.gz

cd kinput2-v3.1

gzip -cd ../kinput2.fix4.macim.0.2.patch.gz | sed -n -e '143,549p' -e '581,$p' | patch -p1

gzip -cd ../kinput2-v3.1-macim-20050629.patch.gz | patch -p0

xmkmf -a

make

sudo make install

sudo make install.man


以上でコンパイルは完了となる。

ことえりが動くようにするにはOpenOffice2を起動する前にX-11ターミナルに

/usr/X11R6/bin/kinput2 &

と打てば良い。
(カーソルキーで過去のコマンド履歴を呼び出せるので2回目からはいちいち打たなくていいのはTerminalといっしょ)
またいちいちこういう操作をしなくても良い方法も先のサイトに書かれている。


なかなか手間のかかるヤツだが、これらの手順を実行することでちゃんとことえりを使った日本語入力も可能になって、日本語のワープロソフトとしては十分使い物になる水準になった。

X-11であるためにCocoaと共通のショートカットキーが使えないという不便さはあるが、コピペの時のペーストがoptionキー+クリックになるとか、いくつか勘所を押さえれば問題ない。
CocoaからOpenOffice2にコピペもできる。


それでMSOfficeで作ったファイルをどれくらい再現できるかは以下のキャプチャーを見ていただくとして、OpenOffice2をOSXのアクアネーティブ環境に移植したNeoOfficeとの兼ね合いについて書かないといけない。

結論からいうとOfficeファイルの再現性ではNeoOfficeに一歩譲るかもしれない。
しかし軽さということであればOpenOffice2の方がはるかに軽い。

それにこちらはMSのデータベースソフトのBaseのファイルも閲覧が可能なので、そういうデータベースを使っている会社でMacを使いたい時には、こちらの方が便利かもしれない。
X-11アプリであるが故にMacをGUIをかぶったUNIXとして使っている人にはむしろこちらの方が馴染みやすいかもしれない。
そこいら目的と好みで分かれるところだろう。






OpenOffice2になって色々変わったことがある
最初に登録を要求されるのもそうだ
あまり気にしないで未登録で使っても問題はないのだが





起動の度にプログレスバーの表示が出るようになったのも
ちょっと開発に余裕がでてきたということか
こういう物は絶対必要ではないがユーザの気持ちを落ち着かせる効果は多少ある





MS Wordのファイルの再現性はこの通り
ほぼ問題はないのだが等級の大きい文字原稿では
このようにレイアウトが切れてしまうという問題が起きる
どういう条件が揃うとこういう問題が起きるのかよくわからないのだが





MS Excelの再現性はかなり高い
レイアウト崩れが少ないので感激したのだがこのようにΣが消えてしまう問題がある
それが唯一の不満だが一番肝心なところという気がしないでもない





PowerPointはかなり良いんじゃないだろうか
表示にほとんど問題はない
フルスクリーン表示の時にメニューバーとドックが残ってしまう点を除けば・・・





ちなみにレイアウトが切れてしまう問題を解消できるかとバンドルのtruetypeフォルダの中に
フォントのシンボリックリンクを作って見たが改善しなかった
そういう問題ではないようだ





上記のことえりを入力に使えるようにする手順を実行する
X-11のターミナルに大量のプロセスが表示されるが終わりはこんな感じ





それで無事にことえりを使って入力できるようになった
英数との切り替えはコマンドキー+スペースキーで行う
かなキーは効いていない





OpenOffice.org for Mac OS X

(Freeware)
おすすめ度★★★★
OS10.4Tiger対応

こちらのOpenOffice.orgがMac OS XネイティブGUI環境「Aqua」対応版「OpenOffice.org Aqua Development Preview」を公開 - Mac OS X Trend Informationsという記事を見かけたので、早速OpenOffice.org、略してOOoを試してみた。

これはMicrosoftのOfficeスイートと完全互換性を持ったワープロを目指して、オープンソースで開発されているワープロソフトだ。
完全互換性を目指しているからにはWordPowerPointExcelのファイル、それぞれ拡張子は.doc、.ppt、.xlsのファイルが扱える。
このOOoはWindows版、Linux版、UNIX版などが開発されていた。


このOOoについては以前にも取り上げたし、トップページからもリンクを張っているが、今回の話題はなんといってもMacOSXのネイティブ環境であるアクアにJavaなどでもなくまさしくネイティブに対応したことが最大の話題だ。
(バックヤードでJavaは動いているような挙動を見せたが)
以前に紹介したバージョンはv.2.0.4でバージョンナンバーは近いが、これはOSXのGUIであるアクアのネイティブではなくX11環境で動くものだった。
OSXは元々がBSDというUNIXクローンだから、UNIX版のOOoがUNIXの環境であるX11で動いていたということだ。
それ自体はなかなか使ってみるのは面白い体験だったが、まずX11をインストールしなくてはイケナイし、ことえりを使おうとすると専用のパッチなどをいくつもメークしないといけないとか、Macのライトユーザにはなかなか敷居が高かった。
しかもそのパッチファイルを配布していたサイトも閉じてしまい、OOoを日本語環境で使うのはしばらくは見送らなくてはいけない状況だった。

今回はそのOOoがX11とかそういうものも必要なく、パッチなど特に当てなくともことえりのようなMacの標準のIMで入力できる、つまり普通のMacのアプリと同じように使えるという対応になった。

この意味は大きいと思う。
リンク先の記事にもあるように、サンマイクロシステムもOSXをサポートしてOOoの移植を示唆していたなど、このことは単なる物好きのコードテストではなく実用のビジネスユースを目指していることが分かる。
考えてみればOSXはUNIXクローンのGUIとしては最もポピュラーで、初心者ユーザも多い環境なのだからその重要性が再認識されているということなのかもしれない。

現状では、いくつも問題を抱えておりクラッシュするとかの問題も開発元は警告しており、生産性を要求される用途には使わないようにということになっている。まだアルファ版だということだろうか。
だから問題点はキャプチャーでさらっとふれる程度にするが、それよりもこういう大物アプリが何もメークしなくても、なにも環境をインストールしなくてもそのままMacOSXで使えるようになりそうだという可能性を感じさせてくれただけで充分うれしい。


こういうものが出ると早速こういう問題も起きている。
Mac、Linux、Windowsに感染するOpenOfficeワーム--セキュリティ企業が警告 - CNET Japan
例によって「Macは安全だからウイルスの心配が無いのじゃなくて今まではメジャーじゃないから狙われなかっただけだぞ、これからはメジャーになったらMacも危険性は一緒だぞ」という認識が気に喰わないが、確かにこれからはますますMacユーザもこういう情報には敏感になる必要はあると思う。
Macも狙われるメジャーな環境になりつつあるということは事実として知っておいた方が良い。
OOoに関連するファイルは正規のサイト以外からは取得しないようにしたい。






OpenOfficeの前のバージョンは起動するとこのようにX11が一緒に起動していた
日本語を使うにはいろいろ面倒な手続きが必要だったのだが今回のネイティブ対応で
いきなり普通のオンラインウエアと同じように使える可能性が出てきた意味は大きい





ところが最初の起動した時にいきなりこういう画面が・・・
日本語で表示されるべきところが全て脱落している
これはX11版の操作を思い出して乗り切ったがボタンアイコンの文字が脱落して
何のボタンなのかさっぱり分からないのは困る
当面は英語版を使えということか?





このとおりツールバーも日本語を表示できない
アクアになったのでメニューはウインドウから切り離されてメニューバーに移った
だからまだ何とかなるといえばいえる





一応何もしなくてもことえりでこのとおり日本語入力ができる
またフォントもこのようにヒラギノなどのOSX独自のものが使える
ただし変換を確定するまで変換中の文字も変換候補も見えないのは辛い





ただしMSWordで作成した書類は結構な再現度で表示できる
単なるビュアーとしてならかなり良い線いっている





PowerPointもかなりの再現度で表示できる
ただしこのキャプチャー撮りに成功するまでにすでに数回クラッシュしている
またフルスクリーン表示から抜けられなくなって強制終了もするはめになった
ここいらが開発元も警告している不安定な部分だろう





Excelも結構な再現度で表示した
このように数字表からデータを作図するような機能もちゃんと動いている
不安定だし日本語表示も変だが可能性を感じさせる表示だ





OpenOffice.org- Mac OS X ネイティブ アクア(Aqua)版

(Freeware)
おすすめ度★★★
OS10.4Tiger対応

以前ここで紹介したOpenOfficeのMacOSXネイティブ板の開発がかなり進んで来ているようだ。

OpenOfficeはもともとUNIX、Linux、Windowsなどのクロスプラットフォームで開発された、MSOfficeに変わるOfficeSuites。
Word、Excel、Power Pointの書類を扱うことができる。
これをMacに移植するには以前はデベロッパーツールのX11をインストールしていないといけなかったが、このOSXAqua板から、そういうものをインストールしていなくても普通のアプリと同じようにただインストールして、普通に起動しただけで使えるようになった。

実用段階までもう一歩と思ったのは、日本語環境の整備がまだかなり遅れているからだったが、今回また最新版をテストしてみてそれもかなり改善していることを知った。

以前はメニューや入力などの日本語環境がほとんど壊滅的で、無料ビュアーとして以外使い道がない感じだった。
今回はビュアーとしてのレイアウトの再現度もかなり改善し、またメニューなどの日本語もほぼ問題なく表示されている。

また日本語環境もことえりで入力できるし、システムフォントも使えるようになった。
実際にテキストをタイプしようとすると虹色ボールが回りっぱなしになって、前に進めなくなるなどまだ未完成の部分は相当目につくが、それでもX11時代から考えれば大進歩だ。
これが実用アプリになるのはもう目前だと思う。






OpenOfficeで表示したWordファイル
レイアウト崩れなどほぼなくなってビュアーとしては実用段階に入った
フォント名などもちゃんと日本語で表示するようになったしフォント切り替えも
日本語フォント同士で問題なく切り替えられるようになった





フォントプルダウンがフォントのプレビューを兼ねていたり
いろいろうれしい機能もついている





Power Pointファイルの表示もかなり良好でスライド表示も実用レベル
ただしロケールが不完全なのかWordもPower Pointも日本語入力すると
虹色ボールが出てなかなか先に進めないなど文書作成ではまだ非実用的



<追記>

ちなみにこのテストはOOo2.4で実施したが、正式版のベータと思われる3.0が既に用意されている。
早速テストしたところ、上記の日本語入力で虹色ボールを出して考え込んでしまうという問題がかなり解決されている。
その先の道程については、この3.0が正式版のベースになるとのこと。
いよいよOpenOfficeは実用化が秒読み段階に入って来ているということらしい。

あと望むらくはもう少し軽く、軽快に動くようにしてもらうということか。
MSOfficeとの互換性を優先して無駄にデカイ部分がまだかなりあると思うので、ここが洗練されてくるといよいよMSOfficeは要らないということになるのでは?

ダウンロードはこちらのサイトからできる。
intelMacの人はこういうファイル名のファイルを、
OOo_3.0.0_080314_MacOSXIntel_install_ja.dmg
PPCMacの場合はこちらのファイル名を、
OOo_3.0.0_080314_MacOSXPowerPC_install_ja.dmg
それぞれダウンロードして試すことができる。






v.2.4ではほぼ絶望的だった日本語入力が可能になった
まだかなりもたつくが実用段階に入ったと言える





OpenOffice.org 3.0

(Freeware)
おすすめ度★★★★
OS10.4Tiger対応OS10.5Leopard対応OS10.6SnowLeopard対応
OS10.7Lion対応Windows2000~XP対応

オープンオフィスorgのオフィススイートOpenOffice.orgがついに3.0にバージョンがあがって正式リリースされた。

それで実際使ってみた総評を書けば、どうやら実用域に入ってきたという印象だ。
このMSOffice互換のワープロソフトということでこれまでいろいろなワープロソフトを試してきたが、残念ながらこれまで試してきたソフトは有料、無料を含めてどれもこれも日常的に使いたいというものはなかった。
少なくともMacの環境に関してはそうだったが、このOpenOffice3は初めて日常でも仕事でも常用してもよいと考えられるソフトになったと思う。

ワープロソフトはいろいろなものがあるし簡便なテキストエディタから、ワープロといった方がいいかもしれないという高機能なテキストエディタまであって、これはこれでMac環境で現実的に使える。
事実私はiText Expressなどを日常的にワープロとして使っている。
しかしこれはMac環境のみなら非常に軽く高速で軽快なワープロとして使えるのだが、その成果物をWindowsとやり取りするのにいろいろ制約が出てくる。

それに何よりも大部分のWindowsユーザはやはり日常的なテキストエディタとしてMSのWordやExcelを使っている。
ちょっとしたメモや注意書きまでいちいちWordやExcelで添付してメールで回覧するし、企画書はPower Pointで書くのが今では常識になっている。
残念ながらこの趨勢はどうしようもないし、Windowsが9割ものシェアを独占しクライアントPCのプラットフォームの世界の規格を恣に歪め続けるという横暴は、この現実が変わらない限りどうしようもない。
ヲジサン達はやっぱりMSOfficeなのだ。
Windowsがビジネス現場でシェア9割以上というのはどうにもならない。
だからこそのOpenOfficeなのだと思う。
(もっとも最近のMSはIE8の描出の基準をW3Cに準拠すると宣言してこれまでのIEローカル規格を改める方向性を打ち出してみたり、ひところの独占企業の横暴から「皆様に愛されるマイクロソフト」を本気で志向し始めているような様子も見える。しかしもう今さらだ)

OpenOfficeはクロスプラットフォームなオフィススイートとして最初から開発されている。
Windowsは勿論、LinuxやUNIX、MacOSXでも動くということを指向してまさにオープンフォーラムなプロジェクトとして開発された。
このLinuxやUNIXでもMacでもというプラットフォームを差別しないという点が重要だ。
なぜならMSの壁はプラットフォームを差別することで成立していたからだ。
MacはいろいろいきさつがあってMSOfficeの恩恵を片足だけ受けていたが、それ以外のプラットフォームは全く蚊帳の外だった。
各国政府や自治体、事業団体でLinux採用が進む中、最後に障害になっていたのがこの文書システムの互換性という問題だった。
これが突破される意味は非常に大きい。

その一番最先端のポジションにいるOpenOfficeは、今回試してみた印象はその実現に非常に近づいたということだ。

これまでのv.2までのOpenOfficeは、ワープロとして高機能なのは分かるが、システムに非常な負荷をかけ、X11などのあまり初心者ユーザが使いやすいとは言えない環境を必要としたり、日本語のIMを通すのにかなり専門的なロケールの知識が必要だったり、いろいろ大変だった。しかも苦労して使えるようになっても日本語の表示が結局変で、実用レベルとは言えない水準で
「今後に期待」
というレビューしか書けなかった。
「期待」しながらも結局アプリケーションフォルダから削除してしまうという心苦しさがあったが、今回のバージョンからこのまま置いておいて、テストを続行したいと思うようになった。
かなり水準に近づいている。

細かいところではまだ直すべきところはいろいろ見られるのだが、「先が遠いな」という感じはなくなった。
今度こそ本当に「今後に期待」ということだ。






OpenOfficeを起動した時に最初に出てくるこの画面
以前はいきなりここで文字化けしたり何も表示していなかったりした
ここできれいに日本語が表示されるだけでも感動する
それくらい日本語版は日本語の扱いに問題が多かった





スイートのセットは文書、プレゼンテーション、データベース、表計算、図形描画、数式と
必要なものは一通り揃っている





日本語のIMはもちろんことえり
フォントもインストールしているものなら大部分は問題なく認識する
入力の時にレインボーボールを表示して延々待たされるということもない
変換に他の候補がある時には色を変えたハイライトになるなど日本語入力への配慮が嬉しい





セキュリティの弱点が何かと取りざたされるオフィススイートだが
OpenOfficeはこの通りマクロをブロックする機能も実装し始めた
実用に配慮し始めたということだ。





MSWord/Windowsで作成された文章も問題なく表示





MSExcel/Windowsで作成された表計算も問題なく表示
ちゃんとΣも再現している





MSPower Point/Windowsで作成された企画書も再現
部分的にはOfficeX(MacOSX版)よりも再現性が高い部分もあって感心した





日本語には縦書きというフォームもあってこれが各ワープロソフトとも鬼門になっている
OpenOfficeもご他聞に洩れずいろいろ問題は残している
それでも「道はまだまだ遠いな」という感じではないのが希望が持てる


OpenOffice.org
(Freeware)
OS10.4Tiger対応OS10.5Leopard対応Windows98~XP対応Linux対応

オープンソースのオフィススイーツのOpenOfficeの数式エディタが面白い。
使い方は簡単





OpenOffice起動時にメニューを選ぶがここに「数式」というメニューが用意されている




式の入力はこんな感じで下にコマンド、上に出力という感じ
TeXよりも簡略化されている




保存は数式フォームスタイルで可能
またPDFなどに書き出しもできる




数式要素ウインドウの要素を選んでいって内容をどんどん入力していくと式ができ上がる
簡単だし出来上がりはなかなか美しい
日本語は「com2」さんの情報通り「"」で囲むと問題無く表示される
分母の日本語が左に寄ってしまうという不具合があるがダミーのカッコを入れることで解決した




勿論英数文字中心の数式もバランスよく表示される




例の日本語混じりの流体力学の数式も一発で作成可能
この方がテキストを後から書き足すよりもスマートだ
学術の世界ではともかくシロウトがちょっと数式を使いたいという時には充分だ





Grep

(Freeware)
おすすめ度★★★★
OS10.4Tiger対応

ある特定の文字列を非常に大きなテキストから探し出すことに向いたライン検索アプリ。
ということになると、役に立つのはどういう人かというと私みたいな人だろう。

このサイトは何度か書いたことだと思うが、いわゆるブログではないしホームペエージ作成ソフトのようなものも使わないで素人の手習いで手打ちでhtmlを書いている。
そうするとページの行数が膨大になってくると、探し物が大変になってくる。

勿論愛用のSmultronのようなテキストエディタにも大変優秀な検索機能がついていてそれ自体には不満はないのだが、このアプリのように該当するラインをハイライトで表示してくれて、しかもコマンド+上下アローキーでとっとこ次の該当ラインを送りながらチェックできる機能は何物にも代え難い。

たくさんのリンク先からある特定の表現の抜け落ちをチェックしたり逆に不要な表現をチェックしながら削除するという時に、この検索表示は威力を発揮する。
(そして開設して4年目に入るのにいまだにこのサイトはそういうコードの変更なんかがたびたび起こる)
でも先日のサーバの引っ越しの時に、サイト内のハイパーリンクやイメージのリンクを全部書き換えたのだが、そういう作業をして見落としがチェックするようなケースにはこれは役に立つと思う。






Grepの使い方はこんな感じ
例えばイメージのリンクをこの文字列を入れれば一網打尽にできる
イメージの保存先を変えた時にリンクの修正漏れをチェックするのに使える





該当するラインにコマンド+上下アローキーで次々移動できるので作業がしやすい
webだけでなくアプリなどのコードを書いている作者さんにも役に立つと思う
これがこのアプリの最大の魅力だ





ことえりを使う時にはOpenOffice2を起動する前に
X-11を起動してターミナルにこのコマンドを入力する
自動的にkinputが立ち上がる設定も可能だ





VoodooPad Lite

(Freeware)
おすすめ度★★★★
OS10.4Tiger対応

テキストノートパッドのVoodooPad(Shareware)のフリーウエア版。

こちらを使って気に入ったらシェアウエアのフル機能版に乗り換えて欲しいということらしい。
とりあえず気になったことをどんどん書き込んだりコピペしたりのコンセプトノートとして最適なアプリ。
そういう趣旨のアプリはMacJournalをはじめたくさんあるが、これの面白いところはページ間でどんどんリンクを作れるところだろう。

何か思いついた時に書き留めたアイデアをふくらましていく時に、アイデアというのは必ずしも直線的に発展していくわけではない。というよりも大抵の場合は四方八方にバラバラに発展していく。そのバラバラな発展の中から「ものになりそうな有為のアイデア」を選択していくというのが思考の方向性だと思うが、その選択は2つしかないところからするよりも何十個もある中から選択した方が、いいアイデアが得られる確率が高いことはいうまでもない。
しかし何十個もバラバラに自由に発想を発展させていくには、人の脳の記憶力には限界があるし、混乱を整理していく力には限界がある。

つまり「何か面白いことを思いついた気がするんだけどなんだったっけかなぁ」と思う時というのがこれに当たっているわけだ。

そうした混乱を避けるために人は思考を自ら規制し、All or nothing、二者択一という硬直した思考に陥ってしまうわけだが、こういう時のためにアイデアの価値判断をとりあえず保留して、どんどん書き足せるノートがあれば便利だ。
ただ同じページにどんどん書いていくととりとめもない長文が残って、自分でも読む気がしないというのではやはりアイデアは腐ってしまう。
そこで「index」ページにはコアになるテーマとアイデアを書いて、そこの関連語句からどんどんリンクを飛ばして他のページに関連アイデアを思いつくままに書き足していけば、閲覧もしやすいしアイデアを取りこぼすことも少なくなる。

このVoodooPad Liteはまさしくそういう使い方ができるようにページ間でどんどんリンクを作ることができる。
何か気になる語句があったらそれを選択して、そこにリンクを設定して新しいページに気になることをどんどん書き込んでいけばいい。
それで思考は発展する。
このアプリのサイトのトップにも「あなたの脳をこのパッドに写せる」というコピーが書かれている。
このパッドはまさしくそういう使い方がいいだろう。

単なるアイデア帳ではあるが、書き出しはテキスト以外にWordやリッチテキストも選択できる。
シェアウエア登録すればhtmlやxmlにも書き出せるようなので、用途はさらに広がるだろう。
簡易なホームページ作成ソフトとしても使える。






VoodooPad Liteはノートパッドとしては際立った機能がある
何か語句を選択してリンクボタンをクリックしてみよう





するとその選択した語句からリンクを張った新しいページを作成できる
ここにどんどん関連イデアを書き込んでいけば思考は広がるに違いない
このようにテーブルも設定できるので、メモはフラットなテキストでなくてもいい





ページボタンをクリックすればどんなページが作成されているか一覧できる
タイトルはリンクを張った語句なので理解しやすいのはなかなかのアイデア





それぞれのページの詳細情報も見ることができる
シェアウエア版ではエイリアス機能もあって便利そうだ





ページはテキストの他にリッチテキスト、Word文書として書き出せる





さらにシェアウエア登録するとhtmlとしても書き出せるようだ
このアプリだけでサイトが作れてしまうのではないだろうか





ちなみにプロジェクト一セットはこういう独自ファイル形式で保存される










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