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Military & Policeが仕上がった!いろいろ紆余曲折は
あったが最初はまあこんなもんかな…(前)

BlueMP

Military & Policeが仕上がった!いろいろ紆余曲折はあったが最初はまあこんなもんかな…(前)

時々思い出したように昔愛用していたモデルガンなどを引っ張り出してくる…の第16弾

ちゃんとディテールを修正してしかもグロスブルーに仕上がっているちゃんとしたミリポリ…という30年来の念願がやっと叶った?


ミリポリという鉄砲のまず実銃について

ミリポリ(テッポ好きの愛称)の正式モデル名はSMITH & WESSON Model10 Military and Policeなんだけど、このM10という正式名称は実は市販されただいぶ後に決定されたものでミリポリの販売開始が1899年だからまだSMITH & WESSONのモデル名称もちゃんとしてなかった。No.5とかモデル名のつけ方もバラバラで、後にモデル名称が整理されて晴れてM10という名称がついた。

ミリポリのエポックメイキングなところはなんといっても近代的なダブルアクションリボルバーのメカを最初に完成させたモデルだという点。

前回もちょっと触れたが19世紀の最後に発売された古い銃で同世代といったらモーゼルのC96とかウエブリーアンドスコットとかの古式銃で、コルトガバメント(M1911)とかワルサーP38なんてのはずっと後の世代になる。

それなのにこのメカは今でもS&Wのダブルアクションリボルバーメカとして基本的に変わっていない。
今のマグナムリボルバーもほぼ同じメカを引き継いでいる。
古い銃だけどそう考えると当時は非常に先進的な銃だった。


ステージガンとしてのミリポリという鉄砲

そういう古い銃だから映画では非常にたくさん登場する。

今記憶しているだけでもテレビドラマ版のアンタッチャブルのエリオット・ネスなどの禁酒法時代の、FBI捜査官もギャングもみんなミリポリを使っていた。(テレビシリーズの「エリオット・ネスらFBIの面々は…」というナレーションが印象に残っているが、禁酒法時代の特捜班のアンタッチャブルのメンバー、エリオット・ネスは実はFBIではなく財務省所属だったということをずっと後に知ることになる)

映画「ゴッドファーザー」のサーガ版を観ると、ゴッドファーザーことドンコルレオーネの若い頃を演じたロバート・デ・ニーロが最初の殺しに手を染めた時に使用した銃が確かミリポリだった。

デニーロはこの銃を証拠隠滅のためハンマーで叩いて壊して近所の民家の煙突の中に放り込むシーンがあった。
「ミリポリって実銃でもあんなに簡単に壊れてしまうんだ」という驚きがあった。

アンタッチャブルの映画版では巡回裁判所の傍聴席に紛れ込んだアルカポネの子飼いの殺し屋が背広の下に忍ばせていた銃がミリポリだったと思う
(訂正:このシーンで殺し屋が持っていた銃はColtのM1911でエリオット・ネスが持っていたのがミリポリだった)
(再訂正:殺し屋のテッポは確かにM1911だったがエリオット・ネスのハジキはコルトのポリスポジティブだった。ミリポリを使っていたのはメンバーのジョージ・ストーンで、例の大階段のシーンでヤクザの用心棒を狙撃した銃がミリポリだった)

他にもミリポリが出ていた映画、ドラマとなるとすぐに10や20ぐらいは思い浮かぶ。
それぐらいめちゃくちゃポピュラーで有名な鉄砲だった。
特にアメリカでは60年代くらいまではハウスキーピングガン(一般家庭の自衛用の銃)の代表はミリポリだったんなじゃないかな。


モデルガンとしてのミリポリという鉄砲

それほどメジャーなテッポなのにいいモデルガンが長らく無かったんだな。

クリント・イーストウッドの「ダーティハリー」という映画がヒットして以来、モデルガンメーカーが出すリボルバーって大抵はM29、44マグナムというでっかい鉄砲で、当時の厨房がジャンパーの脇を膨らませて全然似合っていないM29の6インチモデルを見せびらかしている様があちこちで見かけられた。
せいぜいルパンの次元の愛用銃ということでM19、357マグナムは結構モデル化されたが、ミリポリのモデルは80年代にはコクサイしかなかったんじゃないかな。

そのコクサイはピカピカのメッキモデルでこのミリポリを出していた。

ミリポリといえばサイドパネルに顔が映るくらいピカピカにポリッシュされていたので、モデルガンもメッキモデルが人気があった。
かくいう私もミリポリへの思いもだし難くこのメッキモデルのミリポリを購入した。

購入したがこのコクサイのミリポリを手に取ってみて
「カッコワル!」
と一言つぶやいてこのモデルガンは30年タンスの肥やしになってしまった。

なぜ気に入らなかったのかは以下でキャプチャで説明。

それでミリポリをなんとかしたいという積年の思いをやっと30年ぶりに叶えた。





ミリポリといえば顔が映るほどのグロスブルー
そのグロスブルーの金属色を何とか再現したいということでここ何回か試行錯誤している様を書いた
このローバルスプレーも最も金属色を再現できるスプレーとして期待した
そこでトカレフ、25Autoなどのパーツにこれを塗装して評価していた話も前回まで書いた
結果はことごとく討ち死に




諦めが悪い私はMGCのメッキモデルのガバメントSeries70の
ステンレスバレルの雰囲気をローバルで出せないか悪あがきしていた
もちろんうまくいけばミリポリやチーフの塗装に使用できないかという目論見からだ
しかし結果はこの通りで塗膜がやはり弱いため磨いているうちにすぐ剥がれてしまう
そしてスプレーのキメが粗いため塗装面はエンボスのようなザラザラで
これを均らそうとするとまた塗装面が剥がれてしまう
塗装面が分厚いので刻印が埋まってしまうなどテッポの塗装には向かないことが判明した




やっぱり剥がれている




それでもエジェクションポートから見えるチェンバーが銀色なのは素敵なのでそこだけ使ってみた




ところでこのMGCメッキモデルは81年頃のまだデトネーター方式だった時代のモデルガンで
購入時はシルバーメッキの上に塗装でブルーっぽい色が表現されていたが
これが剥がれてしまったためにバーチウッドのガンブルーで再仕上げしている
そのガンブルーもすっかり剥げてしまったので次回これをタッチアップした結果を報告する




ローバルスプレーを諦めた結果次点でグロスブルーに近い仕上げになるインディの
パーカーシールとメタルパーカーの組み合わせでミリポリを仕上げた




バレル、シリンダーの光り具合に注目
そしてトリガーとハンマーはケースハードゥン仕上げ




実銃の写真を見てため息が出るのはフレームの前側とかエジェクターロッドの
ストッパーとか細かい形状の隅々までポリッシュがかかっていること
そういう雰囲気にすべくかなり奮闘した




例えばトリガーガード、グリップ根元、フレーム下の光り具合に注目




そして目につくのがやはりフレーム上のサイトやシリンダーの光り具合
グリップストックの後ろや付け根、トリガーガード内側にも注目




昔のコクサイ製はサイドパネルの刻印がKSとなっていてこれも興ざめポイントだった
やっぱりSWをデザイン化したSMITH & WESSONのサービスマークがここには欲しい
ケースハードゥン風のトリガー、ハンマーはアルミブラックで表現したが
かすかに虹色に光っているのがわかるかな?




左側のケースハードゥンの様子
残念ながらフレームに擦れてトリガーのブルーは少し剥がれている
これも味のうち…かな?




縦構図の左側プロフィールショット




横構図の右側プロフィールショット




背中の御姿




バットストック背後のフレームが光りを持っているかどうかはリボルバーの印象にとってとても大事




外光で撮影したミリポリグロスブルー
概ね満足のS&Wらしい黒ぬめりのテカリ方なんだがやはりもう少し金属感は欲しかった気はする
それでも購入時のポリッシュABSの黒テカリよりははるかに実感はある




外光だと青光りするので写真だとなかなか本物っぽい
ここらが肉眼とはちょっと印象が違うところ




お約束のカートリッジ映り込み
これは実は写真の条件でかなり見え方が違うのでブログの写真はあてにならないのだが
ここで映りこむぐらい磨き込んだという証明写真ぐらいにはなる




ところでこのコクサイのミリポリには1984という刻印がある
1984年の金型を使用しているということなんだろうけど84年当時に新発売されたコクサイのミリポリが上
メッキモデルでその上にブラウンぽいクリアブラックの塗装がされている
当時の標準的な仕上げだがこの塗装がほとんど触っていなくても経年変化で剥がれてしまう




テッカテカのメッキフィニッシュなのだが手にとって見た途端「カッコワル」と思ってもう箱にしまいこんでしまった
それでもメッキ上の塗装は30年でこれだけ剥がれる




昔のコクサイ製の一番あかんところはフレームのシリンダーの上の部分の
サイトが乗る部分が異常に分厚くてサイトの後端が丸く猫背になっていること
これじゃミリポリじゃなくてシュトルムルガーかどっかのダッサいテッポみたいだ
同じ金型を使用している現行モデルはここはかなり手直しされてリアルな形になっている
もひとつあかんとこはシリンダーの長さ
昔のコクサイはコスト削減のためかシリンダーをM19と共通化していたため
シリンダーが異常に長くてこれじゃ357マグナムだ
シリンダー前部とフレームの間に大きな隙間があるのが正しいミリポリの印象だ




次にあかんところはオープンサイトの上に変なエンボスがかかって
パーティングラインがバッチリ載っていて強烈にオモチャくささを放っていること
これは現行モデルも一緒なのだがかつてはメッキモデルなので修正に手を出せなかった
ABS地肌モデルの現行バージョンなら好きに削ったり磨いたりできるので自分で徹底的に修正した




そして現行モデルはトリガーガード内側のパーティングラインは削っただけで
磨きも何もしていなかったためこれも自分でトリガーガード内側を綺麗に磨き上げた




30年前はトリガーガード内側のパーティングラインを削るという発想すらメーカーになかった
メッキがかかっているのでどうしようもない




そして最大のがっかりポイントは昔のコクサイリボルバーは
シリンダーアームが開く角度がなぜか几帳面に90度に統一されていたこと(左)
実銃では100度ぐらい開くのだがこれは現行バージョンでは修正されている(右)




現行バージョンにはこのメッキモデルについている木目調のABSグリップパネルがついてきた
今の現行バージョンには手持ちのローズウッドのスムーズグリップをつけている
昔っぽくグリップアダプターは無しとしている
これが1960年代テーストだ




現行モデル空撃ち用カートリッジ(左)と80年代のコクサイ発火用カートリッジ(右)
サイズ的には現行カートリッジは本物の38Special弾より4〜5ミリほど短い
昔のカートリッジはちょうど38S&W弾ぐらいのサイズだ




カートリッジの刻印と映り込みの比較
カートリッジはどちらもWinchester製をイメージしているようだ
この銀色メッキの薬莢は80年頃には流行っていたが38Special弾でもあったのかは不明
あったのかもしれない
38Specialというと右の真鍮ケースにカッパージャケット弾が一般的なイメージがある




今のコクサイ製のもう一つ修正されている部分はシリンダーの開口部
今はインサートは法令通り入っているもののシリンダーの開口部が開いているので
カッパー弾を入れるとこの通り前から見えてリアル(左)
昔は前方に発火用にデトネーターがあったのでシリンダーの口はほぼ塞がっていた(右)




昔ミリポリのプロフィールショット
このテッポに惚れ込んでいたのに惚れこめるほどのモデルガンがないというのが30年来の悲願だった




しばらくは一番のお気に入りになりそうな現行モデルミリポリのバックショット
このテッポは本当にバックシャンだ




これとほぼ同じ構図の実銃の写真をWebでゲットしていて
どれくらい雰囲気が出ているか比較のため並べて載せたいのだが
権利関係がよくわからないので断念した
雰囲気的には60年か70年頃のビンテージミリポリをイメージ




この角度が好きなのでもう一度この角度の写真をあげておく


ところで試行錯誤した塗装のことなのだが、失敗したことはあまり書きたくないのでこの仕上げに至った手順だけメモしとく。
結論からいうとヘラがけがすべての命ということになる。

このミリポリは最初からピカピカにポリッシュされていたので土台が良かったがまず作業を始める前にとにかくピカピカに磨くこと。
1000番以上の水ペーパーとピカールを使用して平面出しをしながらとにかく顔が映るまで磨く。

次にパーカーシールで塗装
遠くから薄く吹いてとにかく完全乾燥させてから4〜5回重ね塗り
これが足りないと磨きの過程で下地のABSが見えてしまう

最短1週間乾燥させて塗膜を十分硬化させてからコンパウンドで磨いて艶出し

艶出しはほどほどでいいから落ち着かせたらヘラがけ





今回ヘラがけに使用したヘラ数種
要はホームセンターの食器売り場で売っている普通のケーキ用フォーク、スプーン、
栗剥き器などそれぞれ背の丸い部分を使用してヘラがけをするが
力の入れすぎで塗料が剥がれたりするので力加減は鋭意自得するしかない
この栗剥き器はリボルバーのヘラがけではすごく役に立った


下地のヘラがけは金属感を出すのに特に重要なので根気強く顔が映るまで続ける

次にメタルパーカーを塗装
これも数回乾燥させては重ね塗りする

そしてまた最低でも一週間塗装面が硬化するまで乾燥させる

その後またコンパウンドでざっくり(ここ重要)磨いて大まかにツヤが出たら仕上げでヘラがけをする
このヘラがけが最終仕上げになるので傷がつかないように丁寧に根気よくかける

このヘラがけが最終仕上げになるというのがなかなか分からなくて、ヘラがけしてもまた研磨剤で磨いたら鈍い光沢になってしまうので、なんでこの手順でポリッシュブルーが再現できるのか試行錯誤していた。

こういうのはオークションゴロのテッポで金儲けみたいな人たちが、こうやるとできるみたいなことをブログで書いて素晴らしい写真をアップしているが最後の部分は企業秘密らしくてここをちゃんと書いている人が誰もいなかった。

ここ何ヶ月かこれの試行錯誤で随分時間を取られたが要するにそういうことらしい。


ところで後編ではこのミリポリを仕上げる上で塗装のテストベッドとして犠牲になったトカレフやMGCガバのその後の行く末についてさらりと触れて、テッポの色目について若干考察する…と言いながらまた違うことを書いているかもしれない。




2018年3月26日
















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