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原点回帰のセンチニアルについてさらにもう一言二言
〜タナカのセンチニアルのメカについてもう少し続ける

Centennial Has Come Again

原点回帰のセンチニアルについてさらにもう一言二言〜タナカのセンチニアルのメカについてもう少し続ける

時々思い出したように昔愛用していたモデルガンではなく今回は新しいモデルガン…の第20弾

先日取り上げたタナカのセンチニアルについてもう少し続ける。

センチニアルはS&Wの創立100周年記念モデルとして発売された特別なモデルだったが、私にとってもテッポに関心を持ち始めた厨房時代の原点と現在をつなぐ記念碑的なモデルになった。

このメカを見たら、「銃とはこんなに人の英知を集めて作られているのか」と関心したあの頃の記憶が蘇ってきた。

このメカを忠実にヘビーウエイトモデルで再現してくれたタナカのセンチニアルという製品についてもう少し詳しいことを続けてみる。





タナカの「M40 2インチ CENTENNIAL スチールジュピターフィニッシュ
モデルガン完成品」はこういう箱に入っていた
これはJフレームメッキヘビーウエートモデルの共用の箱らしい
Jフレームジュピターフィニッシュと印刷されていて「センチニアル」はシールで貼ってあった
多分チーフスペシャルやボディガードも同じ箱なんだろう
面白いことにコクサイのチーフスペシャルは微妙に大きくて入らなかった
僅かに寸法が違うようだがどちらが実寸に近いのだろうか




このタナカのセンチニアルには発火用のカートリッジが付属していた
このようにシリンダーから銀色に見えるカートリッジだ




この弾頭が銀色のカートリッジは「シルバーチップ」といわれる
80年頃にフェデラルあたりから発売されたカートリッジがモデルのようだ
弾頭が通常のカッパージャケットではなくアルミジャケットで覆われているため銀色に光っている




そういう実在のカートリッジがモデルだからタナカのシルバーチップもちゃんとアルミ色をしている
ところでコクサイと一部互換性があると書いたが正確に言うとタナカのカートリッジは
コクサイに使えるがコクサイのカートリッジはタナカには使えない
コクサイのカートリッジは径はぴったりなのだが微妙にタナカよりも長い
サードパーティーのレインボーラグーンはタナカ、コクサイ両方で使用できるが
タナカ、コクサイは一方向互換だった
コクサイは全体にタナカより大ぶりという印象




カートリッジを入れて閉じようとすると…
上からコクサイ、レインボーラグーン、タナカのカートリッジを刺したところ
コクサイのカートリッジは半ミリほど長すぎて収まらない




コクサイ、レインボーラグーン、タナカのカートリッジを刺して前から見る
昔実銃のカートリッジにも興味があってハイドラショックだの
ワッドカッターだのいろいろ面白い形状があることを知ったが
今はシルバーチップやFMJなどリアルなダミーカートが手に入るのが面白い




タナカのトリガーメカニズムのリアルさにも関心している
トリガーを引き始めてからシリンダーがロックするタイミング、
シアが切れてハンマーが落ちるタイミングが芸術的に繊細なのが
S&Wのトリガーメカの特徴なのだがそれを再現している




トリガーを引き始めるとシリンダーが回り始めて次弾が装填状態になり
この辺りまでトリガーを引くとシリンダーストップが戻ってシリンダーがロックされる




シリンダーがロックされてからあと半ミリトリガーを引くとハンマーが落ちる
この絶妙なタイミングをタナカのセンチニアルもきちんと再現しているが
なんせハンマー内蔵式なので外から写真を撮ってもよくわからないかもしれない




シリンダーストップはトリガーを引く間下に引き下げられるが
トリガーを引ききる直前に爪が外れて上に戻る
この時にシリンダーにロックがかかり薬室の位置は銃身の中心線上にきちんと固定される




そこからもう半ミリトリガーを引くとトリガー上部がシアから切れてハンマーが落ちる
この時ロッキングブロックはトリガーに後ろに押されているのでハンマーブロックは解除されている
ハンマーは一番前まで落ちきってプライマを叩き撃発が起る




トリガーを元に戻すとロッキングブロックは前進しハンマーの下端を持ち上げハンマーをロックする
このメカがあるので銃を落としても暴発は起こらないがハンマーブロックアームは省略されたので
安全対策は二重ではなくなった…これがグリップセーフティが追加された理由らしい




タナカのモデルはファイアリングピンが飛び出す口が別部品になっている
これをモールドで表現していたモデルもあったがタナカはリアルに別部品とした




タナカのシリンダーの写真を撮っていてシリンダー内部に
カートリッジのショルダーを受け止める段差があるのに気がついた
実銃の場合ここに薬莢の開口部の段差が当たってハンマーの衝撃を受け止め
ハンマーのエネルギーをプライマーに全て伝える仕組みになっている
モデルガンはここにカートリッジの段差は当たるようにはなっていないが
こういうところにこだわるのも感心した




センチニアルにはABS製のグリップパネルが付属していると書いた
購入したら早速木製のグリップに付け替えようと思っていたが
それを止めて塗装でオリジナルグリップを使うことにしたのはこのグリップウエイトのため
ヘビーウエイトでしかもがっしりした亜鉛合金のインナーフレームも仕込まれており
そのうえにグリップの中にぎっしり亜鉛のウエイトを詰め込んで重量を稼いでいる
このセンチニアルは昔手にした金属モデルを彷彿としてさせるズッシリとした重さだった
だからこのグリップウエイトを活かしたいと思った




サイドパネルも亜鉛合金の成型品に旋盤で削り出しもして成型しているようだ
さらにハンマーの通り道もインジェクションでは成型不可能な入り込み方をしており
ここも削り出しているようでこのモデルはかなり製造に手間がかかっているようだ




シリンダーヨークも昔はシャフト部分だけ亜鉛でヨークアームはABSという成型が多かったが
亜鉛合金に鉄製のシャフトを埋め込む手のかかった成型になっている
こうした金属部品を多用することで少しでも重量を稼ぐ配慮がされている
そういえば厨房時代に手にした金属モデルガンのセンチニアルは
これくらいズッシリしていたなぁ…という感慨が沸いてきたのでグリップは塗装とした




先日とは光の条件を変えてまたプロフィール写真を撮ってみる




レフを入れてみる




光を捉えた








昔銃器専門誌の美しい写真に見とれていた時のことも思い出した
このタナカのセンチニアルはテッポが好きになった原点をいろいろ思い出させてくれる















2018年5月1日
















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