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日本のテッポ〜ニューナンブ細部検証する2と安全ゴム作ってみました

Police Revolver2

日本のテッポ〜ニューナンブ細部検証する2と安全ゴム作ってみました

時々思い出したように昔愛用していたモデルガンなどを引っ張り出してくる…の第31弾

前回も紹介したように久しぶりに購入したエアガンが日本警察の標準装備のニューナンブM60だった。

久しぶりというのは20年ぶりぐらいか?

前回はニューナンブのプロポーションの特徴と、マルシンのポリスリボルバーがどの程度ニューナンブの雰囲気を再現しているかを細かく見た。

前回の実銃の検証用に奈良県警のニューナンブの写真を見ていたら、あの日本警察独自装備の安全ゴムが欲しくなって自作してしまった。

安全ゴムというぐらいだから固めのゴムでできているんだろうと思って、工具屋さんを覗いてみたが部材としてのゴムシートは5mm厚の次は10mm厚でその中間はないそうだ。
ニューナンブのトリガーの幅は6mm強なので帯に短し襷に長しというところ。
7mmのシートは特注品になるのでメートル単位で数万円の取り寄せ価格になるそうだ。

なんと本体価格よりも高くなってしまう。
ちょっと見くびっていたが、そうそうおあつらえ向きの部材がどこでも手に入るわけではない。





安全ゴムを装着したニューナンブ全景




奈良県警の写真を見ていて案外スキマがあることに気がついた
厳密にトリガーとトリガーガードの形をなぞっているわけではなさそうだし
ゴムのテンションを強くして脱落防止にしたいならゴムを歪ませるスキマも必要に違いない
ならば作れるんじゃないかということでトライした




結局7mm厚の寸法のゴムシートは一般には入手不可能だったので
水道のパッキン補修用の2mm厚のゴムシートを買ってきてG17接着剤で3枚積層にした
飾りだからいいやと思っていたが案外これがいい感じでしっかりトリガーをブロックする




つけてみると確かにトリガーをうっかり引いて
暴発なんて事故は絶対起きえないぐらいがっちりブロックする
しかも警察が使っているのを見てすぐに落として紛失するんじゃないか
と思っていたがなかなかがっちりはまって簡単には抜け落ちない
そのくせ実際に発砲しないといけない場面では人差し指で一押しするだけで
簡単に外れるので意外に優秀な安全策だと感じた
やるな、日本警察


ところで前回カートリッジ径がなぜか41マグナム並みに太くてモデルガンのカートリッジを入れるとシリンダーの中に入り込んでしまうという不満をちょっと書いたがよくよく見るとこれはマルシンなりの安全策でわざとこうしていることに気がついた





先日モデルガンのカートリッジを入れると中に入り込んでしまうと書いたが
よく見るとチェンバーの中にモデルガンのカートリッジ用のカウンターボアが彫ってあることに気がついた
つまりこれはガスガンではあるがユーザはこの形状を見て必ずや
「モデルガンのダミーカートを入れてみたい」と思うに違いないという前提で
わざと破損防止の安全策を施したということらしい




これはコクサイのガスガンのM66コンバットマグナムのシリンダー
M66の場合は実銃もカウンターボアードなのでカートリッジの出っ張りがない
これにダミーカートを入れる奴はいないだろうけど入れてもツライチだから
ガスの噴出口がリムに引っかかって破損することはない




こちらはマルシンのM60のシリンダー
ニューナンブはチーフスペシャルと同じくカウンターボアレスなので
カートリッジのリムが横から見えないとリアルではない
しかし噴出口が引っかかって破損しても困るのでカートリッジのリムは面取りしてある
ここに同じようにモデルガンのカートを入れて同じように
リムが出っ張っていたらガスルートが破損する可能性がある
マルシンはガスルート破損防止のためにカウンターボアにしてリアルさを犠牲にしたり
「モデルガンのカートを入れて破損したら自己責任」という無粋な注意書きを取説に載せるくらいなら
ガス用とモデルガン用のカート固定位置を変えてしまえば良いと発想したようだ




この機構のおかげで銃を下に向けるとモデルガンの
カートリッジのリムは横から見えなくなる




上を向けると横から見えるようになる
ドラマなんかで銃を構えると「スチャッ」とか音がするが
実銃であんな音がしたら欠陥銃だがこの構造のおかげでドラマと同じ音がする
でもこれはリアルさを犠牲にせずに「ダミーカートも入れて遊びたい」という
マニアの心理も大切にしたマルシンの良心的な設計思想だと理解しよう




再びシリンダーから覗くカッパーフルメタルジャケットの雰囲気
いいじゃない、そのおかげでこんなリアルなルックスのニューナンブになったのだから…




グリップパネルを開けて見る
例のガスガンのセーフティはグリップ内の大部分の
スペースを占めるガスタンクに固定されている




先日グリップフレームはグリップ下端で切断されていると
書いたが実際にはアーチ状になって前後繋がっていた
そこにねじ止めされたランヤードスイベルベースにガスタンクはピン留めされている
ここはガス漏れに直結するセンシティブな部分なのでさすがに頑丈に作ってある




マルシンのメカはガスガンとして実用性を確保しつつ
実銃のメカもできるだけ活かすという設計になっている
実銃と違うところだけ取り上げるとファイアピンブッシュが
あるべき場所にガスルートがあるためにハンマーブロックアームは省略され
自動セーフティはリバウンドスライドがハンマー下端をブロックする部分だけになっている
そのリバウンドスライドスプリングもコイルスプリングではなくレバースプリングに変更されている
逆にいえばそれ以外のメカは実銃と同じ




サムピースと同じようにハンマーの後退をブロックするマニュアルセーフティが追加されている
これは同じようにハンマーの後退をブロックするがブロックする位置が違う
なおハンマーの前進をブロックするセーフティがないためこのガスガン協会向け安全策も
ハンマーを押してBB弾が飛び出すのを防ぐほどの 安全策ではない
こんな中途半端なセーフティは要らないと思ったら
この部品を外してグリップの穴を埋めてしまえばいい
自作の安全ゴムの方がよほど安全性は高い




リバウンドスライはこの銅メッキのスプリングでテンションをかけており
タンクと干渉しないようにL字型に薄く成型されている
リバウンドスライドガイドピンはタンクそのものに成型されている
実銃のメカとかなり違うがなんとか雰囲気を壊さないように工夫はされている




ハンマーを下から押し上げているはずのメインスプリングは当然ガスタンクの位置なので
ハンマーシャフトのスプリングに変更されている




ハンマーをコックした時に左に見える太いリブはガスルートパイプ
右側の細い部品はシア
こういうところはガスガンだからリアルとはいかないが
雰囲気は壊さない工夫は随所に見られる




メカとプロポーションについては大体納得できたのであとは質感
マルシンのヘビーウエイトの仕上げは強いつや消しのグレーだが
実際見せてもらったM60はパーカライジング仕上げではあったが
もうちょっと金属光沢があった印象がある
近日中にこの表面仕上げをなんとかする方向かな
ブルーイングか塗装かで今迷っているところ



2018年7月18日
















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