ブルーフィニッシュについて1
時々思い出したように新しいモデルガンなども引っ張り出してくる…の第38弾
先日紹介した二十六年式のブルーフィニッシュをやり直してみた。
ことの起こりはWikiPediaに載っていた二枚の写真で、一枚は割とよく見る二十六年式のコンディションで錆付いていてブルーがかかっていたことはかろうじてわかるが、ツールマークの有無までは全く判別不可能なぐらい傷んでしまっている状態のもの。
そしてもう一枚はピカピカにポリッシュされツールマークの向きまで綺麗に揃ってる新品コンディションの二十六年式で、ただしこれ実物そのままなのかコレクターがリブルーしてしまったのかよくわからないもの。
リブルーしてピカピカになってしまった古式銃は価値が著しく下がってしまうのだが、オークションではボロボロに錆付いたものよりは、リブルーしてピカピカに光っている「ニセ新品」の方が高く売れるのでこういう手を加えたコレクション品がよくあるらしい。
ただ二十六年式については実物を見た人によると、綺麗なブルーでとてもアクションもスムーズだったとかいう話を聞くので、どれくらいピカピカが実物の新品良品コンディションに近いのか迷うところだ。
前回は割と鉄色の金属感があるマットブラックという感じに仕上げて写真をあげたが、Wikipediaを見て実銃はもう少し青いのかもしれないと思い直しブルーイングをやり直した。
WikiPediaに載っていた問題の二枚の写真
こちらは割とよく見る錆付いた二十六年式のコンディションで制式化以来
125年も経っているので大抵の博物館にある実物は大体こんなコンディションだ
この写真は照明のせいかもしれないがピカピカに光っているだけでなく
ツールマークもハッキリ残っておりまるで昨年生産された新品みたいなコンディションだ
実際は二十六年式は1930年代に生産が終了されているのでこんなコンディションというのは
普通の保存状態ではあり得ないのだがリブルー、つまりブルーフィニッシュを
あとからかけ直したオークション品のような感じがする
上の錆付いたコンディションはガンブルーをかけたあと洗わないで数日置いておけば再現できそうだが
実際の明治時代のコンディションはどうだったんだろうかというのは想像するしかない
先日の二十六年式ブルーをやり直して「綺麗なブルー」とハートフォード社長が
解説する実物コンディションを想像しながらリブルーしてみた
特にサイドパネル、トリガー、トリガーガード、ハンマーに青みをもっと入れて
ヘビーウエイト樹脂部品と色目を揃えるということも作業目的に入っている
左プロフィールカット
右プロフィールカット
バレル、シリンダーもポリッシュしなおしてより金属感を強くした
どうやら明治時代の実銃はマットなブラックではなさそうだからだ
ハンマーとサイドパネルにも青を強めに入れて
ヘビーウエイト樹脂部品の色に近づけたのがわかるかな
そしてトリガーとトリガーガードもポリッシュしなおしてリブルー
シリンダーのポリッシュがわかる角度
リコイルシールドのポリッシュで輝きも増して顔が映る
ハンマーのブルー、サイドパネルのブルーも分かりにくかったので
ハッキリ青みが認識できるまで追い込んだ
フレーム右サイドはヘビーウエイト樹脂だが
先ほどの左サイドの写真と色を見比べて欲しい
光を変えて外光を少し入れ背景の色をやや明るくした
これで青みが強くなる
ハンマー、トリガーの青みがわかるかな
さらに背景を変えて撮ってみた
ブルーイングは完全にムラがなくというわけにはいかなかった
古式銃の場合はこれはこれで雰囲気だが近代のS&Wや
コルトのテッポではちょっとネックになりそう
外光一発の置き撮り
とりあえずこれでも色の雰囲気はわかると思う
リコイルシールドの光り方がわかる写真
ブルーイングした直後は綺麗な金属感があるのだが数日経つと
黒ずんできて光沢が少なくなってしまう気がずっとしていた
最近仕上げたショーティ40やニューナンブのブルーイングがそんな感じがしたので
今回3丁ともやり直して以前紹介したガラスコート保護剤を
スプレーした上からシリコングリスをたっぷり塗りこんだ
だからちょっと油が回っているところはムラみたいに見えている
実銃も保管の時にはグリス巻きするのでそこはご容赦願いたい
夕日の明治ガンマン
#タイトルに元号を入れると古くさくなる
今回は検証はなし
明治時代の銃が使用されたコンディションで昭和の初めまで経ったら
こんな色なのかなぁという想像に近づけてみたというだけのブルーフィニッシュのはなし
一応努力はしたという証拠写真
左の金属部品サイドパネルと右の樹脂部品のサイドパネルの
光沢を同じぐらいになるまでポリッシュした
2018年8月15日
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