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ガバ歴初めてのどノーマルミリガバにチャレンジ(5)
〜完成形の写真をちゃんと撮り直した…

fourty-five

ガバ歴初めてのどノーマルミリガバにチャレンジ(5)〜完成形の写真をちゃんと撮り直した…

時々思い出したように古いモデルガンを引っ張り出してくる…の第49弾

4回にわたってリアル版ミリガバに手を入れてきたり、なぜマルシンのガバが素材なのかの比較もまとめたのであとやり残したことは完成形の写真をちゃんと撮ることか…

ということできちんと照明を当てて写真を撮りなおしてみた。

道具はその目的に合理的に適応すれば、洗練された姿になることがある。

零戦の姿を美しいと称えた共産党員の宮崎駿は、人殺しの武器を礼賛したと左巻きから批判された。

その宮崎駿は「永遠のゼロ」の戦争礼賛の映画と批判した。
戦争で使用された道具だとその目的によって道具は批判の対象になる。

武器を使って人を殺すことは良いことではない。

しかし武器を磨いて身を守ることは旧石器時代から続いた、人の生存に関わる深刻な問題だ。
ためらえば自分が殺される。

だから命がけで武器を洗練させる。

そのことが良いか悪いかは道具そのものと関係ない。
人の命を救うためにガラガラヘビを撃つのも武器の目的だ。


問題はその目的のために極限まで洗練された道具は、時として美しい姿をしているということだ。

零戦の姿も日本刀の微妙な曲線美もガバの造形も、究極の美しさを持っている。

それを「エルゴノミクス」というような言葉で表現することもある。

ハンドガンのような手のひらで操作する道具の美しさを説明するのに「エルゴノミクス」は便利な概念だと思う。

セイフティにすんなりと指がかかるか、必要な時に速やかに安全装置が解除できるか、銃を掲げた時に無理な姿勢をとらなくても自然に照準線が視線の上にぴったりと一致するか、発射の反動をうまく受け止めて次弾の発射のための照準が大きくずれないか…こうしたことはわずかな工夫で大きく変わる。
そしてこれらの条件が大きく変わればその道具のユーザーの生存率は飛躍的に変わる。

だからこうした道具は自ずと洗練されていく。

前々回にジョン・ブローニングの最初のアイデアを具現化したM1900の写真を載せたが、あの銃は20世紀から21世紀の現在のすべてのハンドガンのデザインに影響をもたらすぐらいに素晴らしいアイデアが盛り込まれていた。

しかしまだ実戦によって洗練されていない。
だから美しいとは言えないような粗削りな姿をしていた。
工芸品としては十分手間をかけた美しいブルーフィニッシュはかかっていたが。

米軍のトライアルにコルト社とタッグを組んで参加した時に、国防省の要求仕様に合わせて口径を38口径から45口径に変更した。

要求仕様に合わせて親指で解除できる安全装置もつけた。
さらに初弾を装填したまま安全に持ち歩けるように手動セーフティとは別にグリップセーフティも装備した。

実戦では戦場で銃の手入れをしないといけないため、分解と組立は極めて容易になる工夫も盛り込んだ。

弾切れになったことがすぐに射手にも分かるように、最終弾を撃ったらスライドが後退したまま止まるスライドホールドオープンの機能も盛り込んだ。

空になったマガジンを素早く抜いて、次のマガジンを一瞬で装填できるようにマガジンキャッチをグリップの下からグリップの親指の位置に変更した…

これらのバトルプルーフな変更がだんだんこの銃を洗練された美しさに磨き上げていった。


私個人は熱狂的なガバフリークではないが、ガバの道具としての美しさは理解できる。

道具の美しさを理解できるために‥ということでイメージ写真を撮ってみた。





ホールドオープン状態のガバのバックショット
イメージ的には1960年代の後半のアジア…そういう映画がありましたな…




スライドホールドオープンはフレーム左側に
露出しているスライドストップレバーによってかかる
このレバーの突起がスライドの切り欠きにはまり込む
解除は親指でレバーを引き下げる…つまりガバは人差し指と
親指ですべての操作ができるレイアウトになっている








1940年代に設計変更されたM1911A1になってそれ以前の旧タイプとは違う特徴が幾つかある
ひとつはトリガーが短くなって指がかかる部分にチェッカーが彫られた
それに合わせてトリガーの根元のフレームが三日月型に切り込まれた
グリップセーフティを装備した関係でハイグリップでしっかり銃把を
握らないといけないので手の小さい人でもトリガーに
自然に指がかかるように改修されたためこうなった
2メートルの大男も160センチの小男の戦車兵も
同じように扱えないといけないというのがミルスペックの考え方だ




官給品のホルスターとマガジンポーチは1911年から使用されているデザイン








ハンマーがコックされるとグリップした親指の付け根にハンマーホーンが激突して
痛い思いをするためグリップセーフティのテールが延長されたのもA1の特徴
そしてグリップセーフティの下のメインスプリングハウジングは
まっすぐのデザインから弓形に出っ張ったデザインに変更された
グリップした時の角度を調整して自然に視線と射線を一致させる工夫だ




縦構図の右側面プロフィールカット
エジェクションポートは埃がメカ部分に入らないように必要最小限の開口になっている
これが薬莢を噛んでしまうストーブパイプジャムの原因になるという指摘もあるが
スズキのモデルガンではまだ一度もジャムが起こらないことから
わずかなエクストラクターとのバランスでそこは変わるのかもしれない




背景のライフルはM16A1でベトナム戦争の後期に投入された改良型
これについてもそのうち触れるような触れないような…




フレームの左側にはコルト社のシンボルの跳ね駒のマークと
ガバに適用されている・あるいは申請中の特許の出願日が刻印されている




そしてフレームの右側には合衆国の資産という刻印と
調達者の陸軍の刻印があるのがミリガバの特徴




フレームの左側には大きな三角形のマニュアルセーフティ
グリップセーフティのシャフト兼用で三角の下の角がシアのロックバルジの付け根になる
そして上の頂点でスライドをロックしそこに大きな指掛けがある扱いやすいデザイン
さらにこのセーフティの三角形はハンマーシャフトの脱落防止の抑えも兼ねている
部品数を増やさないためにひとつの部品が幾つもの機能を併せ持つ優れた設計だ
セーフティレバースプリングもスライドストップのスプリングを兼ねている




先の軍用ホルスターと違ってタクティカルなナイロンホルスターに収めたM1911A1
ノーマルなガバはこういうホルスターも似合う








銃としてはデカイ45口径だが現代のダブルカラムで十数発の
装弾量を持つオートを見慣れるとむしろスリムな印象がある




45口径のふてぶてしい面構え
45ACP弾にアメリカ人がこだわるのは19世紀末の米西戦争に起源がある
この時にフィリピンのモロ族蜂起に対して38口径で鎮圧しようとした米軍は
撃っても撃っても向かってくる原住民に恐怖した
この時にマンストッピングパワーは弾頭重量でしか得られない…
つまり大口径は正義…という思想から45口径が軍用銃の標準になった
相手から戦意を失わせれば十分と小口径高速弾にシフトした
ヨーロッパ自動拳銃とは真逆の思想となったわけだ



2019年2月3日
















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