ABS製のBeretta M92Fを金属っぽい塗装にしてみた
マルシン工業のダミーカートモデル、Beretta M92Fのメカを紹介したがショートリコイルロッキングを実銃通りに再現したメカはリアルだがフレーム、スライド、バレルが黒つや消しABSだった。
ある意味リアルとも言える。
銃の色、特に黒い鉄色の銃の表面仕上げは時代によって仕上げ方法が変遷してきているが、現在の銃の表面仕上げは焼き付け塗装という手法が使われることが多い。
火縄銃時代の燻し銀のような仕上げから、銃は量産されるに従って苛性ソーダなどの化学薬品を使用するブルーイングという表面仕上げの時代に移行しその時代が長く続いた。
ブルーイングの特徴は、もちろん錆止めのためにするのだがその仕上がりは黒いが光の反射で時々青くも見え、下地の銀色もうっすらわかる綺麗な金属色で、これに金象嵌などの細工をすると美しく映えることから美術工芸用の飾り銃でもブルーイングは重宝された。
長所は美しいことだが、短所は錆止めといっても手入れを怠るとやっぱり錆びるという弱さだった。
ブルーイングがかかっていても火薬カスがついたらあっという間に錆びるので、銃は射撃を一発でもしたらすぐに洗浄してオイルを塗りたくらないといけない。
実銃のグロスブルーイングも指紋を放置しただけで、そこから赤錆が浮いてきたりする。
手入れが面倒なので19世紀末からパーカライジングという表面仕上げが軍用銃を中心に広まってきた。
パーカライジングもやはり金属の表面に酸化皮膜を作ってサビを防ぐのはブルーイングと同じなのだが、もっと分厚くて強力な皮膜を生成する。
長所はブルーイングよりも錆びにくい(錆びないわけではない)ということで、短所はブルーイングのような美しい青みは一切なくなりいかにも板金工場から出てきたようなつや消しの灰色の仕上げで美術的美しさは失われた点。
20世紀中庸は民間の銃はともかく、軍用の銃は各国とも低コスト化、手入れの簡便さからパーカライジング仕上げが一般的になった。
20世紀末から現在にかけてはパーカライジングも工程にコストがかかるということでラッカーのような黒つや消しの塗装を焼き付け仕上げするという銃が一般的になってきた。
ラッカーは焼き付け仕上げをしても使用していれば擦れて剥げるので錆止めとして優秀とは言い難いのだが、禿げたらまた塗りなおせばいいというお手軽さから現代拳銃のスタンダードになりつつあるようだ。
最近は銃を砂漠色やオリーブ色、あげくに緑やピンクに塗るのも流行っているらしい。
要するにプラモデルのつや消し黒塗装と同じだ。
米軍制式拳銃M9(上)とマルシンBerettaM92F(下)の比較
ベレッタM9も黒の焼き付け塗装なので使用しているうちにエッジが銀色に禿げてくるが
新品のうちはつや消しの黒でガンショップに並んでいるエアガンと同じような色だ
だから何も塗装しないつや消し黒のABSのモデルガンはそのままでリアルだとも言える
でもそれじゃ面白くないんだよなぁ
最近テッポの店をたまに覗くとどこもかしこもエアガンや電動ガンばっかり置いていて、モデルガンは本当に店の片隅に追いやられて、しかも片隅のモデルガンまでタクティカルモデルばっかりで、美しいブルーイングのリボルバーとか本当にお目にかかれなくなった。
店頭の大部分のスペースを占めているのはつや消し黒のガスブローバックガンと、電動BB弾バラマキ機ばかりになった。
そのガスブローバックのBB弾バラマキ機の色がただのつや消し黒なんだけど、銃の色としてはリアルなのかもしれない。
つまらん
ベレッタがメタリックで何が悪い。
ということでBeretta M92Fをメタリック塗装にしてみた。
意味はないしこれがリアルだとも思っていない。
むしゃくしゃしてやった、反省はしていない
メタリックに塗装したマルシン製のBerettaM92F
マズルの写り込みに注目
トリガーガードの写り込みに注目
どうじゃメタリックベレッタの美しさは…
これがリアルだなんて言っとらんよ
ただこういうのがあってもいいんじゃないか…
ということが書きたかっただけなんだけど…
そのうちまた塗装し直します…
今回はとりあえずこすって銀SANの効果を確かめたかっただけ。
これも深入りすると塗装の暗黒面に堕ちそうだな…
2019年7月28日
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