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日本のテッポ〜64式7.62ミリ小銃のエイジングが
ちょっと不満だったのと一部間違っていたので修正も入れた

Aged64

日本のテッポ〜64式7.62ミリ小銃のエイジングがちょっと不満だったのと一部間違っていたので修正も入れた

先日錆が浮いていたTopの電動ガンの六四式自動小銃のサビ落としを兼ねてエイジング仕上げをかけて、実銃の雰囲気に近づけてみた。

この仕上げの参考資料に写真や元自衛隊員の経験談などを集めていていろいろ面白いことを知った。

まずその新しい情報を元に先日のエイジングでちょっと間違っていたところを直した。


1)ストックバットのピン脱落防止のために銃床の根元に巻いているビニテだが、グリップの中に巻き込んでいるのかと思ったがよく見るとグリップの上からぐるぐる巻きにしてグリップスクリューの脱落防止も兼ねていることを知った。

そのためにグリップの下までビニテを回しこんでそれを固定するためにグリップに十字形にビニテをさらに巻く。
そうえばそういう写真を過去にも見た記憶があった。


2)銃床の底のバットプレートの固定ネジも脱落する可能性があるのでバットプレート底もハの字型にビニテを巻くらしい

いずれも写真だけでなく元自衛官の体験談に「銃把底の固定ネジや銃床底の固定ネジも脱落する可能性がある」という記述があったので符合する。


3)先台のハンドガードだが前後のピンだけでなくハンドガードそのものが脱落する可能性があるのでハンドガード中央にももう一本ビニテを巻くことが多いらしい

自衛隊では特に銃器などの備品の管理が非常に厳しいらしく、脱落した部品を捜索するために全自衛隊員の数%が出動して紛失部品を総出で探したという事件もあったそうだ。
このため自衛官の六四式への不信感は徹底しているらしい。演習の時は脱落する可能性がある部品は全て固定するようだ。


4)手書きで書いたステンシルだがよく見たらフォントが違うので修正した

自衛隊ではシートを使わず手書きで銃床に管理番号などを書くようだが、その書体が前回楷書で書いてしまったがよく見ると自衛隊では隷書体と丸ゴチックの合いの子みたいな独特の書体を使うようだ。
自衛隊に内規があるのかどうかは知らないが、この丸レイシックとでもいうべき書体を割と共通で使っているようだ。
隷書体かぁ……苦手なんだよねぇ…


5)なんとなく六四式自動小銃と書いていたけど、自衛隊での正式名称は「六四式7.62ミリ小銃」だとのこと

そういえばガバは「11.4ミリ拳銃」だしSIG P220は「9ミリ拳銃」だし、89式は「89式5.56ミリ小銃」というのが正式名称だった。
自衛隊では自動小銃だの自動拳銃などの名称は使わず全て口径と年式で表示するようだ。
そして口径表示はすべてメートル法を使用する。だから45口径も11.4ミリ拳銃になる。





カートキャッチャーをつけて実弾演習に備える六四式7.62ミリ小銃(上)と
さらに手を加えたTopの電動六四式(下)
自衛官が演習の時に巻くというビニテ養生を直した




まずはグリップのビニテだがグリップの下側まで回して
さらにそれを固定するためにグリップに十字形にビニテを巻いた
元自衛官がいうにグリップ底のグリップ固定ネジも脱落の可能性があるので
ストック固定ネジを押さえているビニテをここまで回すそうだ
レシーバーやマガジンもさらに磨いて仕上げにスポンジで磨き
磨耗して黒染めが剥がれた雰囲気を出した




ストックバットのステンシルだが楷書ではないので書体を直した
自衛隊フォントの隷書体風にはなりきれなかったが…苦手なんだなぁ…隷書体
これも擦りまくって磨耗して薄れかけている雰囲気に仕上げた




ハンドガード中央にもう一本ビニテを巻いた
これは必要ない気がするがハンドガードも脱落する可能性があるからだそうだ
自衛隊員、どんだけ六四式を信用していないんだという徹底ぶり




規整子(ガスレギュレーター)周りや制退器もさらにサンディングして
銀色になるまで磨いた




レシーバー右側
セレクター、ウインデージつまみなどが実銃ではほぼ銀色になるまで
擦れていたのでこれもさらにサンディングしている




こうしてさらにエイジングしてテーピング、ステンシルも修正したロクヨンの全景




銃床底にはバットプレートの固定ネジがあるが
これも脱落の可能性があるとのことでビニテをハの字にぐるぐる巻きにする




Wikipediaにあった2013年に撮影された「歩哨練度判定訓練風景」の写真(上)
前回この写真を参考にビニテを巻いたがグリップとストックが隠れていた
しかしグリップの付け根をよく見るとビニテをグリップに回していることに気づいた
先の実銃写真と同じようにこれも十字にビニテを巻いているらしい
ということは銃床も隠れているがきっとハの字にビニテを巻いているはずだ




マガジンも錆が浮いていたがうっすらと顔が映るように




擦り切れたストックとステンシル




六四式のセーフティ兼セレクターはつまみを一度引き出して回転させるという独特な構造
安全性は高いが緊急時にすぐにセーフティを解除して反撃する即応性には欠ける
自衛官の経験談ではセーフティを引き出して少しだけ回してすぐに回転できるようにしているそうだ




こうすると人差し指で押しただけでセレクターを発射位置に回すことができる
このセーフティだが自衛隊は「攻撃されているのを確認してからでないと反撃できない」
という非現実的な規定でPKO任務などについている
だから確認してからの反撃だから竜頭式でも十分間に合うということかと勘繰りたくなってしまう
セーフティを浮かしておくのはもちろん安全規則違反だが的になっているのは自分の命だから
いくら建前は専守防衛でもいざとなったらすぐに反撃できるようにしたいと考えるのは自然かもしれない




あとちょっとしたミスだが前回の写真では制退器固定ネジを固定するビニテが
バヨネットラグ(銃剣固定子)にかかっていたが自衛隊の教練では儀仗だけでなく
実戦でも銃剣突撃という項目があるようなので演習時にここにビニテがかかってはまずい
これも巻き直して修正した


































自衛隊では六四式の後を継いだ八九式の初期配備分が、そろそろ耐用年数を超えてリタイヤし始めているそうだ。

ところが航空自衛隊や海上自衛隊、一部の陸上自衛隊の部隊ではいまだに六四式が使用されている。

六四式はバレルに肉厚があり内部にクロムメッキもかけられているのでバレルの耐用年数が八九式よりも長く、一部の六四式は八九式よりも長く使用されるかもしれないという見通しだとか…

部品の脱落はあるが、セーフティ・セレクターは使いにくいが、分解組み立てが面倒でメンテナンスが難しいが、日本人の体型に合わせた短い全長にもかかわらず重量が世界トップクラスだが……と欠点を挙げだしたらきりがない六四式だが頑丈で集弾性も高く、フルオートの制圧射撃でもBAR並みの能力を発揮するなど良い点も多い。

どうやら自衛隊では今後も六四式を、ビニテでぐるぐる巻きにしながら使用し続けるということらしい。


なお六四式小銃が登場する映画というと人間の証明、戦国自衛隊、皇帝のいない八月ということになって、どれもなんか実物よりもでかいプロップガンだったという印象しか残っていない映画だった。

日本ではすごく有名な銃なのになぜかこれという映画がないのが残念で、プロップガンとして触れる予定はない。




2019年9月8日
















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