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JACのグレネードランチャーM203を着かないという噂を
聞いていたMGCのCPブローバックのM16A1に着けてみた

M203 on 16

JACのグレネードランチャーM203を着かないという噂を聞いていたMGCのCPブローバックのM16A1に着けてみた

サバゲーが外付けガスボンベのガスガン全盛時代のミリタリーマニアの強い味方だったJACというガンメーカーがあった。

プレシュート方式が実用になる前の旧タイプのメカのブローバック全盛期の頃、スタイル抜群のアフターシュートブローバックハイパワーを出してみたり、当時渇望されながら結局モデルガンが出なかったAUGを外装ボンベのガスガンながらフルサイズで初めて出したり、ミリタリーファンが欲しいもののツボをついたラインナップが特徴だった。


(ちょっと余談…このアフターシュート方式、プレシュート方式という日本のエアガン業界だけに通じる和製英語って本当に変だと思うんだよね。
先に弾が出てからブローバックが始まるのをプレシュート方式、ブローバックが終わってから弾が出るのをアフターシュート方式というのだけど、アフターシュートは「撃った後」、プレシュートは「撃つ前」というのが英語の意味だから今のブローバックの前にBB弾が出る方式をアフターシュートと言わないとおかしい。
さらに言えばプレシュートも変な英語で、それをいうならプレシデントシュートと言わないと意味が通じないんじゃないかな。
「先撃ち」「後撃ち」みたいな日本語を英語に直訳したんだろうけど、明らかに間違った英語なのでいつも混乱してしまう。
割と英語を多用する業界なので、この恥ずかしい日本語英語はいい加減訂正して欲しいと思う。
以上余談おわり)


それはともかく、そのJACがまた当時のミリヲタの心をつかんだのがグレネードランチャーのM203。

それ以前はエルエスの1/1スケールのプラモデルしか出ていなかった。

エルエス倒産後はアリイが金型を引き継いだこのプラモデルを、前にここで紹介したMGCのM16A1につけていたこともあった。

なかなか雰囲気はあったんだけど、悲しいかなスチロール樹脂のプラモデルだったので、振り回していたらすぐ壊れる。

当時はガチの発火派だったので、さすがにプラモデルは厳しかった。

ずっとJACのM203が気になっていたんだけど、結局そのままになっていた。

そのJACのM203を手に入れたので、
「MGCのM16には着かないよ」
というアドバイスを当時のガンショップの店員さんからも聞いていたんだけど着けてみたくなった。

口絵の写真はMFG.JACという刻印のあるM203。





ガンショップの店員さんのアドバイス通り入手したJACのM203はMGCのM16にはポン付けできなかった
後部のバレル付け根の固定部分は狭すぎて入らないしサイト側の前の固定具はガバガバで固定できない
ここにホームセンターで入手した1.5mm厚のアルミ板を切り出して挟んで固定した
後部のバレル固定部分もかなり削った




このフレーム部分がM16のバレルに固定できるかどうかが最大の難関だったが固定に成功
ここまでくればもうこちらのものでハンドガードはややきつめだが入るのは確認していた




ここで35年前の故障の原因が突然判明した
35年前に火薬を詰めて発火させていたら「ガシャッ」とすごい音がして
ボルトキャリアとガスチューブレシーバーが破損した
当時は原因が全くわからなかった




フロントサイトのガスチューブを固定するピンが抜けて紛失していることに気がついた
このためにリュングマンガスチューブが抜けてガバガバになっていて
これがたまたま引っかかってボルトがぶっ壊れたらしい
亜鉛の部品を真っ二つに叩き割る火薬の力はすごい




35年ぶりに判明した故障の原因だが紛失したピンは部品箱を探しても見つからないし
メーカーのMGCはもうとっくの昔に倒産して消滅している
仕方がないので径が似た釘を叩いてピンの代わりにした




こうして紛失したピンを再現してガスチューブも固定できた
もう火薬を使う気はないけどこういうところが壊れているのは
気になるので35年ぶりに修理ができて気分が良い




こうして着かないといわれていたJACのM203をMGCのM16A1に着けた




M203は海兵隊から配備が始まってベトナム戦争の末期には一般兵科の歩兵にも配備された
当時はこの戦車のようなスパルタンなルックスに目を惹かれた記憶がある




M203には四角い断面の独自のハンドガードが着く
これがかっこいいんだよね




ハンドガードの上には簡易サイトが着く
サイトの目盛りは50m、100m、150m、200m、250mで
有効射程は200mあたりということが分かる
飛ばすのは要は手榴弾と同じような榴弾がメインなんだけど
手榴弾はよほど肩が強い兵士でもせいぜい20mぐらいしか
投げられないのでM79グレネードランチャーが開発された
しかしM79は接近戦で撃たれるだけになってしまうので
M16と組み合わせるこのM203が開発された




JACとMGCの組み合わせを昔から考えていたのはこの風景を想定していたから
ハンドガードには内側に放熱用のアルミライナーが貼られている
そしてその放熱孔の中に銀色に光るリュングマンガスチューブが見える
これが再現できるのは確かこの組み合わせだけ




そしてMGCのM16のモールドの刻印と雰囲気が一番近いのもJACの刻印
最近はレーザー刻印の復刻版が多いんだけどこの時代の
テッポにレーザー刻印は似合わないんだよなぁ




M203の使い方はハンドガード左のレバーを押してバレルをリリースする
リリースされたバレルはポンプアクションよろしく前にスライドできる
この状態で排莢と装填ができる
チェンバー底の中央に見えるファイアリングピンは叩く方式ではなく
トリガーに連動してカートを押す方式なので使用できるのもモスカート方式のみ




M203のセーフティはトリガーの前に逆向きのトリガーのようにレイアウトされている
これは発射可能な状態




前のセーフティトリガーを後ろに下げるとセーフティがかかって発射できなくなる




JACのM203の砲口周りの雰囲気
砲口は若干肉厚すぎる気がする




実測してみたところ内径は39mmだった
40mm榴弾のランチャーなので内径はライフリングの
山の部分が40mmないといけない
0.5mmほど肉厚すぎるようだ
これも近日中に修正する




修正点はあるけどピタッと固定もできて華奢なM16が
すごくスパルタンなイメージに変わるM203はやっぱりいい




こうしてみるとMGCのM16も錆び付いているのでこちらも近日中になんとかすることにした




M203の後端部分はM16のレシーバーの形に合わせてあるが結構クリアランスもある
このクリアランスにはちゃんと意味があることがM16に着けてみてわかった
トリガーガードはただの薄い鉄板なのでこれが行軍中に外れて
マグチェンジの時に引っかかる欠点があるといいう話も聞いた




M203をつけたままでレシーバーを開いてボルトグループを引き抜いてクリーニングができる
このためのクリアランスでこれはよく考えられていると思った
銃は一発でも撃ったらその日のうちに手入れをしないとあっという間に錆び付いてしまうので
いちいちバラさないでもボルトやハンマー、チェンバーの手入れができるというのは重要だ




M203の発射はM16のマガジンをグリップ代わりにして握る
撃ちやすいとは言えないけどM79とカービンライフルを2丁持ちするよりは
はるかにかさばらないのでこういうところで妥協したんだろう
ここらの事情は今もあまり変わらないはず
それにしても赤サビがひどいのでやっぱりなんとかしよう



2020年1月6日
















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