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カスター将軍の銃を再生〜サビだらけで
入手したフランクリンミントのColt M1861 Navyに手を入れてみた

M1861

カスター将軍の銃を再生〜サビだらけで入手したフランクリンミントのColt M1861 Navyに手を入れてみた

今回は「カスター将軍の銃」とされているColt Model 1861 Navy Cal.36を手に入れてこれを再生した。

この1861 Navyがカスター将軍の使用銃だったのかどうかの資料を探しているが見つからないのでなんとも言えない。

実銃については次回詳しく触れる。

今回はこのフランクリンミントの古い銃を見られる状態までなんとか持って行った。


フランクリンミントが以前に取り上げた「ワイアット・アープの銃」ことSmith & WessonのModel No.3を発売したのは35年前だったか、40年前だったか。

モデルガンの雑誌だけでなく、一般の週刊誌や全国紙の新聞にも大きな広告を出して販売するという方法で当時としては3〜4万円という非常に高い値段で販売されていたにもかかわらず売れた。

以前も取り上げたが当時のモデルガンの水準を抜く精密度で話題になったスズキのガバが9,000円、ベレッタM92SBが12,000円で販売されていた時代にワイアット・アープの銃は3万5千円で販売されていたが、今でもオクなどで中古品が大量に出てくるところを見ると本当によく売れたようだ。

そしてこのワイアット・アープの銃に味をしめたフランクリンミントが、次に出してきたのが「カスター将軍の銃」だった。

この銃のモデルになったものはコルトのM1861 Navyにニッケルメッキと金メッキをかけてエングレービングを全体に施したミュージアムモデルで、このタイプの実銃は存在するようだが「カスター将軍の銃」という根拠はよくわからない。


そしてModel 3の時にも触れたけど、35年前にモデルガンにはあまり関心がない購買者に大量に販売されたために、このフランクリンミントのコルト・ネービーは大抵コンディションが悪い。

オークションで出てくるものはかなりのものが破損しており、手入れもされていないので錆び付いている。

今回入手した個体もメッキが錆を噴いており、また分解してみたが油っ気がまったくなかった。
おそらく当時購入されて以来一回も手入れされていないと思われる。

その割には比較的コンディションがマシなものを入手したが、メッキの錆は前回のモデル3よりも厳しい状態だった。





今回は正真正銘フランクリンミントのものだった(のちのマルシン再販のものではない)ので
フランクリンミントオリジナルの飾り台が付いてきたがこれも変色していた
前のオーナーは壁に吊りっぱなしでかなり結露やらもあったようでパネルのクロスが
結露が垂れたようなシミが残っている




これを水洗いしてもどうせ落ちないのでラッカーシンナーを塗りたくって拭いてみた
ドライクリーニングの要領だが結果は思わしくなくて
少しホコリ焼けの変色が落ちただけでシミは消えなかった
このパネルは使う気がないのであまり気にしていないが…




そしてこちらが本体の全景




遠目には綺麗なコンディションのように見えるがよく見ると錆が浮いていて
表面に錆の斑点ができている




グリップ周りのアップ
ローディングレバーとシリンダーとハンマーが金メッキで
フレーム、グリップとバレルがニッケルメッキだが
メッキの色はくすんでいる
そしてこのアイボリーのグリップパネルも問題だ




右側のシリンダー後ろにはパーカッションプライマーを装着する切り込みと溝がリコイルシールドにある
この世代のパーカッションリボルバーの共通のデザイン




メッキの色はくすんでいるがメカは問題なく動いている
バレルの下のレバーはシリンダーに弾丸をテコの原理で押し込むローディングレバー
これもパーカッションリボルバーの共通のメカだ




コルトのこのタイプのリボルバーの分解はバレルキーのストッパースプリングを
押し下げて右側から押し込むところから始める




これを目一杯左側に引き出すとバレルユニットがフレームから抜ける




こうして装薬状態まで分解した1861ネービー
カートリッジが実用化される以前の銃なので弾を装填するために
毎回この状態まで分解しないといけない




シリンダーの薬室の内径は8.3ミリで36口径というのは
威力的には38ショートか32口径あたりに近いのかもしれない
蓮根型シリンダーはサミュエル・コルト大佐の発明品なのだが
この銃はコルト大佐の最晩年の作品ということになる
ところでシリンダーも錆びているのがアップだとわかる




シリンダーの後ろ側にはパーカッションプライマーを
取り付けるニップル(火口)のモールドがあるがこのように完全に穴は閉鎖されている




さらにシリンダーの内側のニップルの穴が開くべき位置には鋼鉄のインサートが鋳込まれている
シリンダーは金属製だが実際に弾を発射できるように改造することは不可能な作りになっている




シリンダーを抜いた後のフレーム
シリンダーシャフトはフレームにビス止めされてガッチリした構造
コルトネービーはぱっと見華奢そうに見えるがここで十分な強度が確保されている




この時代のコルトのライフリングはセプタゴンライフリング(7角形銃腔)
シリンダーには椎の実型と球形のキャストブレット(型に流し込んで作った弾)を
仕込むが球形のキャストブレットでもライフリング効果は十分あるそうだ
銃口は少し緑青を噴いている




銃身は金属モデルなので完全閉鎖されている
その後端のシリンダー側にインサートが入っていて改造対策は徹底している
下のローディングレバーのプッシャーから弾の大きさが想像できる
36口径は銃の大きさからすると意外に小さい




やはり一番目立つのはバレルとシリンダーのメッキの錆
完全に灰色にくすんでしまっている




これを完全分解して磨き上げることにした




開けて見て「やっぱり」と思ったのはメカには全く油っ気がなく
おそらく一度も手入れされていないようなコンディションだった
スプリング類はやはり赤錆が浮いていたが前回のモデル3よりは
マシなコンディションだった




コルトのシングルアクションメカはフレームの下側から部品を差し込む構成
この時代にはSAAのシングルアクションはほぼ完成しており
トリガー、ハンマー周りのメカの分解方はほぼSAAと同じ




メインスプリングとトリガースプリングは赤錆をペーパーで落として
スーパーブルーでブルーイングをかけた
これは見栄えのためではなく文字通り錆止めのためのブルーイング




部品を戻して組み上げる時に各パーツにシリコングリースを塗っていった
最後にCRCで内部の錆止めと潤滑対策とした




主要メカを組み上げたら次はグリップの問題




「カスター将軍の銃」はアイボリーのグリップパネルがついているが
これがいかにもABS製のぺらぺらのグリップ
3万円以上も金取っておいてよくもこんなグリップを付けたもんだなと感心する
Smith & WessonのM686のダブルアクションを正確に再現した当時のマルシンは
間違いなく日本のモデルガン業界を牽引するトップメーカーだったが
その後過去の遺産を食い潰して迷走し始めこの時代にはすでにガタがきていたようだ
肉引けをしたグリップパネルを平気で「象牙風のグリップ」と強弁する図々しさ




「象牙」のグリップをヤスリと板に貼ったペーパーで徹底的に平面出しをした
ついでに象牙細工らしく見えるようにテカテカの平面を全部やすってマット仕上げにした




その出来上がりはこんな感じ
実銃はスタグホーンではなくまさにアイボリー(象の牙)のレリーフの
グリップのようなので昔見た象牙細工の雰囲気を思いだしながら仕上げ直した
今じゃワシントン条約があるので象牙細工自体を博物館以外で見ることはないが




反対側のグリップもこんな感じ




とりあえず外観をなんとかしたM1861ネービーの全景








フルフィギュアで写真を撮ると綺麗になったように見えるが…




こうしてアップで見るとやはりメッキの錆は完全には落ちていない
というかモデル3よりもさらにコンディションは悪くもう少し早くここに来てくれれば…
という感じでこれを完全に落とすには一度サンディングしてメッキを落とさないと無理
若干手遅れだった




バルルとシリンダーの傷みが時にひどい
おそらく結構結露がつきやすい環境で飾られていたんだろう
他の部位はそれほどでもないが金メッキはほぼ落ちて銀色になってしまった




それにしてもエングレービングは見事だ
ワイアット・アープの銃は割と自由にインプロビゼーションで彫ったように
左右非対称だったがこのエングレービングはまるで機械のようにほぼ左右対称だ




バレル、フレーム、グリップにはそれぞれ13511というシリアルナンバーが彫られている




ところでカートリッジ式のリボルバーが実用化する前のリボルバーなので弾の装填法は独特
パウダーフラスコでシリンダーの前から6回火薬を入れて鉛の弾をシリンダーに押し込んだら
ハーフコックにして右側の切り欠きからパーカッションプライマーを差し込む
プライマーを入れやすいように切り欠きの中央に溝が切ってあるのが面白い




リボルバーは安全のために6連発でも一発弾を抜いておくと思っている人が多いが
実際にはそんなことはしないで6発フルに装填してレストポジションで持ち歩く
そのレストポジション固定ピンがシリンダー側に突き出ている




ハンマーの中央に切り欠きがあってシリンダーを30度だけ回転させて
ハンマーダウンするとこの穴が先ほどのピンを咥える仕組みになっている




このようにプライマーの間の位置にハンマーをレストすると落としても暴発はしない
しかしハンマーに手を引っ掛けたりするとやはり暴発はするので軍では
西部劇のようなホルスターではなくフラップ付きのホルスターしか使用しない




そしてコルトのこの世代のリボルバーにはリアサイトが無い
ハンマー先端の切り欠きが照門になっている
ハンマーをコックした時にだけ見える仕組み




ワシ(Eagle)とストライプのアメリカの国章っぽいデザインのレリーフがグリップにされている
第7騎兵隊のエンブレムはこのデザインではないのでこれは義勇軍で名声を上げた時代の寄贈品かもしれない












とりあえず遠目には見られる姿になったので落ちてしまった金メッキは「メッキ工房」あたりで再現するか検討中
グリップパネルを木グリ風に塗装してブルーイングモデルにしてしまうという手もある
カスター将軍の実銃の資料が手に入らないのでこの先は思案中



2020年2月13日
















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