さらに水平二連散弾銃の仕上げを続ける〜34インチあったバレルをぶった切った…トリガー周り、サイト除去あとなどを仕上げ直し
こちらの口絵が今回の加工前の銃身34インチの長大な水平二連。
昨日に続いてこの三個一を加工する。
まずは銃身を切ることにした。
30インチがいいか28インチがいいかまだ迷っている。
いつまでも迷っていても仕方がないのでとりあえず30インチで切ってみて、それでもまだ長いと感じたら後日28インチに切り直そうということにした。
まず30インチ銃身の水平二連がどんなものなのか、手に持ったらどんなバランスなのか感じてからさらに5センチ切るかどうかを判断することにした。
先日使ってみたミニリュータがなかなか使い勝手が良かったので、カッタービットがないかホームセンターに探しに行ったが置いてあるのは磨く系のチャックばかりだったので金鋸を買ってきて手で切ることにした。
銃身長30インチは762mmになるので2〜3ミリほど
長めのところにパイプカッターで鋸の目印を入れた
切ったあとの平面出しをするのに2mm位は削って
しまうだろうという予想で長めに切った
バレルを切り始めたところ最初の切り目を入れたぐらいで刃が折れてしまった
気を取り直してホームセンターに行ったところ鉄・ステンレス用とは
書いてあるが厚手のパイプカットには向かない刃だったとのこと
ハイメタルと書いた交換刃を勧められて再購入
替え刃が要るんじゃないかなという悪い予感は的中した
こういう工具を使うのはなんせ30年ぶりぐらいだから…
汗一斗かいてバレルカット完了
文字通り「ソウドオフ」した(切っている様子も映画のソウドオフそのままだった)
もう一回切らないといけないならやはりリューター用の鋸刃チャックを入手しよう
鋸の刃のあとでギザギザになっていたバレル先端を金ヤスリでひたすら磨いた
さらにこれを買い足したリューターの刃先の研石ビットで平らにした
本日導入した砥石ビットとマイクロフラップ(要はサンドペーパーの代わり)
ディライトホイール(金属の曇り・サビ落とし・艶出し)、バフ用の研磨剤
そして研磨剤で真っ黒になってしまったウールバフ
昨日リアサイトを削ったあとを整形して目立てヤスリでサイトグルーブを掘った
昨日の作業ミスでリューターの穴が空いたバレルもひたすら削って穴を消した
フレームのブリーチはダイヤモンドビットで削って黒染め落としをしてみた
化学加工した金属表面みたいなざらついたニュアンスになった
左のアームはディライトホイールと研磨剤付きバフで磨いた様子で
右の未研磨のアームと比べると効果がわかると思う
こうして削った30インチバレルのサイドバイサイド
ずいぶん印象が変わったと思うのだがまだバレルが長い気はする
先日の「クレー射撃」という本を見るとカモ撃ちやトラップ競技で
30インチバレルを使うことはままあるそうだが
前回手付かずだったシャーシとトリガー、トリガーガードなども黒染めを落としてバフで研磨した
トリガーとトリガーガードにはパーティングラインが
はっきり残っていたがこれを綺麗に消した
両引きの引き金は滑らかさが命なのでトリガーの表面を丸く加工した
目立てヤスリでリューターの穴を隠したリアサイト周りもリューターで徹底的に研磨
金属のバフ掛けをなんとか手作業でできないかと考えていたこともあったが
リューターを使っても大変な作業だったので手作業を考えていた自分を
「お前は竹槍でB29を撃墜できると本気で考えていたのか」と問い詰めてやりたい
ブリーチの内側もこの通り黒染めを落とした
ここらはケースハードゥン調にブルーイングを掛ける予定だ
トリガーの指が当たる面を徹底的に滑らかに削った
リアサイトがなくなったので本当にすっきりした
フロントサイトも無くなってすっきりしたのだが実銃は
大抵フロントサイトにビーズを入れているのでこれを再現する方法も思案中
フロントサイト跡地もリブとツライチに削ってグルーブを目立てヤスリで入れた
フレームの左側に残っていた黒染めの後もバフで綺麗に消した
加工のために毎回完全分解するのでもう分解組立も全く迷わずできるようになった
フレーム上部の後部、セーフティのベースも黒染めを落として完全に研磨した
バレルラッチレバーとセーフティも黒染めを落としてブルーイングする予定だが
とりあえずワンステップずつということでここは残しておいた
トリガーガードの研磨の状態
顔が映るぐらいに研磨した
指あたりを滑らかに磨き上げた両引きトリガー
実銃で猟をする人たちのブログは銃を撮影するときにあまり背景を
気にしていないようで大抵こんな感じで和室の畳の上とかで撮影している人が多い
そんな感じで撮ってみた
実銃の猟銃の場合銃身長はどこを指して言うのか疑問に思って調べたことがある
これは警察庁が警視庁生活安全課や各県警本部宛に送った銃のサイズ規制に伴う
銃身長、全長の測り方の通達文で水平二連の場合は単純に折った銃身の長さということになる
以前オート散弾銃の場合ブリーチを銃身長に含めないという記述を見て疑問に思っていた
要は実包底面から銃口までの長さということらしい
ということで実測してみました
762mmということで銃身長はちょうど30インチ
これでいいのか?
いやまだ長いのか?
他のディテールは順調な仕上がりになってきている
打撲傷があるストックもTru-Oilあたりで仕上げ直す予定
ここまでの作業はかなりしんどかったのでもう一挺これを作れと言われても腰がひけるが
ここまでくるとブルーイング、塗装を始めるのが楽しみになってきた
Prismaで加工したリビングの置き銃のイメージ
ブルーイング・塗装を始める前に銃身を切るか切らないか決断しないといけない
楽しい悩みではある
2020年7月15日
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