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マルゼンのM1100にベンチレーテッドリブを追加工作
〜猟銃タイプに是非もののサイトリブを取り付け…アルミだよ…工作大変

Remington Automatic

マルゼンのM1100にベンチレーテッドリブを追加工作〜猟銃タイプに是非もののサイトリブを取り付け…アルミだよ…工作大変

ショートマガジン化して延長バレルを入手したレミントンのM1100は、猟銃タイプのレイアウトにせっかくなったので見た目も猟銃スタイルに改装することにした。

いろいろ手を入れたい部分があるのだが、まずは一番目立つ部分…バレルの上にサイトリブを工作することにした。

散弾銃のサイトといえばベンチレーテッドリブだ。

ベンチレーテッドリブというとテッポ好きな人は真っ先に、コルトのパイソンのバレルの上についているアレを連想するかもしれない。

そうああいう橋桁みたいに桁があって上にリブがあってその上にサイトが載っているようなのをベンチレーテッドリブまたはベンチレートリブという。

ベンチレート(放熱)リブ(つば)はその名前の通り放熱のためについている。


散弾銃のうちスキートなどのスポーツ射撃競技は結構な弾数を撃つ。

トラップでも何ラウンドか続けざまに撃てば銃身が触れないくらいに熱を持つ。

そうすると26インチ以上の長い銃身の場合、銃身から立ち上がる陽炎で照星が見辛くなり、これが命中精度にも影響してくる。

なので陽炎が上がるほど銃身が過熱するのを防ぐために、放熱用のホールが開いたリブをサイトにつけるのが散弾銃の場合一般的だ。

一般的というのはもちろん例外もあって、スラッグ弾を撃つシリンダーバレルには普通ベンチレートリブはつけない。

大型獣を撃つシリンダーはスキートなどの競技射撃には使えないので、何十発も散弾を撃つことはまずない。

山を歩回っても何週間も一発も撃たず、やっと獲物と出会っても一発撃って終わり…というのがシリンダーバレルの大体の使われ方なので、余計なものをつけて重くならないようにライフルサイトをつける。


ところでパイソンである。

パイソンは拳銃なので、銃身が持てないぐらい熱くなるまで撃ってもせいぜい銃身は4〜6インチなので陽炎のせいで照準が見辛くなるなんてこともない。

カスタムガンで8インチ、10インチなんてのもなくはないが散弾銃のように28インチなんてパイソンは存在しない。

なのでパイソンの場合はあのベンチレートリブは全く意味がない。

たぶん「高級猟銃と同じサイトがついている高級ハンドガンで命中精度も抜群」というアピールのためのデザインなんだろう。





RemingtonのM1100の実銃
28インチハーフチョークと予備バレルは30インチのフルチョークバレル
それぞれ銃身の上についているのがベンチレートリブだ




こちらはライフルタイプのターゲットサイトがついた実銃の写真
スラッグ弾専用のハーフライフル24インチバレルでこれにするという手も
あったのだがリブのついた散弾銃に昔から憧れがあるので
24.5インチなら本当はこちらの方が合うのを承知でリブの工作を始める




これを工作することにした
2mm×10mm×1000mmのアルミ平角材を注文してまずは銃身と同じ長さに切った
ABS材の積層の方が工作は絶対楽だがぶつけた時にバキッといきそうだったのでアルミ材にした
Remingtonのリブのクーリングホールが意外に大きかったので強度がないとダメだと判断した




銃身の長さに切った根元の部分をスロープ状に削る
銃身の根元のテーパーに合わせてリブを水平にするためにこの部分を削る




実銃の銃身の根元部分はこのようにテーパーに合わせてスロープになっている




リブ(橋桁)部分を切り出す
同じ2mm×10mmの角材を11mm見当で切っていく




たった2mmの平材だが切るのは汗一斗かく重労働だった
いろいろ試した結果上のミニリューターのダイヤモンドカッターだけでは切れないので
切り目の溝をつけて金鋸が踊らないようにしてそのあと金鋸でゆっくり切るのが一番楽だと判明した




こうして切り出した橋桁用の部材10個
切ったままだとこの通り切り目もガタガタで大きさもバラバラ




銃身長は差し込みしろを除くと615mmなのでベンチレーテッドリブもこの寸法
実銃の写真から計算した結果10個のリブで間隔は50.4mm、各リブが11mmとして
10個で615mmと計算している




10個のリブを大まかに形を揃えた
先頭の1個が大きめ最後尾の1個は小さめ
全部同じサイズのものもあるし先頭だけ長いリブもある




と、部材を大まかな寸法に切り出したところで今日の作業は終了
簡潔に書いているけどここまでの作業で1日が潰れるほどの重労働だった
出来上がりのイメージはこんな感じ




フロントサイト側のイメージはこんな風
2枚積層で4mmの橋桁を作ったが銃身のRに合わせて削るので
銃身のトップからリブの間の距離はおよそ2mm強になるはずだ




これが目指しているできあがりの実銃写真
この通りリブとリブの間の間隔が結構広くて写真から計算して
50mm強あるのでやはりABSでは強度不足だと判断した
たぶん何本か補強用のネジも打たないといけないと思う




実銃のフロントサイト側のアップ
ベンチレートリブの前端は銃口より少し後退している




上とは別の実銃のバレル根元の雰囲気
口絵写真はサイトリブなしだがリブがあるとないとではかなり雰囲気が変わる




フロントサイトはターゲットタイプで白インレイが入っているタイプ
やはり流石に今時真鍮のビーズサイトはあまり流行らないようだ
水平二連散弾銃のようなクラシックな銃ならありだが
こういう現役の銃はモダンサイトなんだな
やはりここには集光サイトを取り付けることにした
ちなみにバレルは綺麗なグロスのブルーイング仕上げ




こちらは真鍮のビーズサイトがついたフロントサイト
こういうクラシックなサイトもあるにはあるが
今時の新しい銃はほとんど集光サイトなんだそうだ
銃口にクラウンの加工があるのが参考になる




ベレッタのカタログよりBeretta A400の銃口とフロントサイト部分
A400はM1100とほぼ同型ながらややモダンな(でもカタ落ちしているが)
銃なのだがフロントサイトは集光サイトになっている
銃口はクラウン加工はなくフラットで可変チョークが差し込まれている
リブも後付けでたぶん銃身にロウ付けされている
いろいろ参考になる写真だ




交換用の26、28、30インチバレル
26インチバレルでリブは11個なので実際のリブの間隔はほぼ計算した通りの広さ
リブ10個作ったので24.5インチバレルにちょうどだと思う…



ちなみに口絵写真はショートマガジン化したあとまだ撮っていなかったショートバレルの雰囲気。

リブをつける時に延長バレルを銃身に接着することになるだろうから、この姿は今が見納めになる。

ソウドオフしたオートマチックショットガンというのも、あまりスクリーンでは見かけないがこれはこれで何かストーリーがありそうな雰囲気にはなる。

でも、このままにはしておかない。

ちゃんとリブをつけて延長バレルも接着して狩猟用のショットガンにするからね…

とりあえず初日はアルミ部材をサイズに切り出したところでヘトヘトになってしまった。

細かい成形はまた次回。



2020年10月17日
















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