マルゼンM1100のストックリアル化計画7〜ついに完成(一応)レミントン猟友会バージョン完成してホッとしてる
マルゼンのレミントンM1100をリアル化する工程を昨年から書き連ねていたが、いよいよ最終工程に入る。
マルゼンのレミントンの外観上の最大の欠点はストック、ハンドガードがリアルじゃないこと。
形もおかしいし、色がくすんだニスのベタ塗りで猟銃のストックにはどう贔屓目に見ても見えない。
かといって警察用の暴徒鎮圧銃にも見えない中途半端な木製ストックだった。
このストック・ハンドガードを削り直してニスをはがし仕上げ直しの最終仕上げ。
前回7回目のワトコオイルの塗装後240番と400番の
サンドペーパーでウエットサンディング(油研ぎ)をかけた
さらに8回目のワトコ塗装後に今度は1000番の耐水ペーパーで油研ぎをかけた
1回目のワトコの塗装の時にはオイル仕上げつや消しの渋い仕上がりだったが
重ね塗りと油研ぎの効果でこの通り自然な光沢が出てきた
残念ながら職人さんの木工のように完全に平らな表面にはならなかった
下拵えの磨きでいくら平面を出してもオイルを塗ると木目に沿って凹凸が出る
これを完全になくすには何度かサンダーのような機械で磨く必要があるようだ
ロンドンの猟銃職人なら何十回も磨いて平らにするんだろうなぁ
だからストックの製作に一年もかかるんだと納得した…これは勉強になった
手間をかければいくらでもかけられそうだがキリがないので
ここは妥協して最終の9回目のワトコオイルをかけた
今回は剥がして塗っての試行錯誤があったので9回目だが
手順がはっきりしていれば実際には4回塗りぐらいでこの仕上げは可能だと思う
今回は陰干しで1時間おきに乾拭きして余分なオイルを拭き取った
これをおよそ24時間続ける
さらに一日一回の乾拭きをかけて1週間乾燥させた
ワトコの取説には乾燥時間は12〜24時間と書いてあったが
実際にはベタつきがなくなるまで1週間かかる
拭き取りをサボってボテボテになった時の光沢と違って
油研ぎ+乾拭き+重ね塗りで仕上げると自然な濡れたような光沢が出てくる
(上)実銃のRemington M1100のハンドガード部分と(下)マルゼンの仕上げ直しハンドガード
実銃はマホガニーのような色の油仕上げを一回だけかけて
その上からウレタンクリアで簡単に仕上げているようだ
その方が手間は半分以下だがすぐに剥がれて傷だらけになる
マルゼンの色合いの違いは私の好みでミディアムウォルナットを使ったため
(上)実銃Remington M1100のストックと(下)マルゼンの仕上げ直しストック
マルゼンのストックがストックの形をした厚板みたいだったのでグリップの上下を削った
本当はストック全体を削って薄くしたかったが強度に自信が持てなかったのでこれで妥協した
(上)実銃Remingtonのハンドガードと(下)マルゼンハンドガード改
コケシの胴のような寸胴の円筒形だったマルゼンを削りまくって
レミントンの複雑なカーブを再現した
レミントンの豊かなボリューム感はこのハンドガードのカーブに負うところ大
実際にはハンドガードの太さはマルゼンとそんなに変わらない
(上)実銃Remingtonのハンドガードと(下)マルゼンハンドガード改
レミントンのハンドガードは指かけが凹型に削り込まれておりこれが
前部は円筒形に近く後部ほどおむすび型になる段差を持ったカーブになっている
マガジン前部のハンドガードの比較
マルゼンはここの丸みが全然足りないためコケシみたいに見えていた
これを大きく面取りしたがマルゼンは厚みがギリギリになった
口が少し割れたのでG10ボンドを浸した不織布で補強した
ハンドガード最後部の比較
マルゼンは最後部までそのまま円筒形だったが
最後部はこの通り台形に近い形にカットされている
そしてレミントンのハンドガード最後部の指かけの切り込み
これがレミントンの特徴でちょっとしたデザインなのだが
このおかげでとても構えが決まりやすくなっている
これは何としても再現したいと思っていた
こうして完成したマルゼンのレミントンM1100
この日のために入手していた実銃用のRemingtonのライフルケースに入れてみた
おお、なんだか気分が上がってきた…本当に鴨撃ちに出かけたくなってきたぞ
(もちろんBB弾で野生動物を撃つのは違法だし撃ったところで当たりもしないが…)
こうした小道具一つで急にガスガンがリアルに見えてくるから面白い
このケース、オクで3000円ほどで手に入れたのだが…
銃身を組み込みアモベルトのスタンバイもできた…
クレイの皿撃ちにでも出かけるかな…
そしてさらに別に入手しておいた猟友会のベストとともに「害獣駆除セット」
このオレンジのベストはいうまでもなく誤射防止のための目立つ色なのだが
クマやイノシシ、シカなどの大型獣にはこの色は見えないのだそうだ
ただしカモなどの鳥にはしっかり見えるので鳥撃ちの人たちは着用しない場合もあるとか
ストックには例の矢じりのインレイが彫り込まれたカメオを接着した
以前これは劔の図案化だと書いたが猟銃のこの菱形は矢じりを象徴しているらしい
そういえば散弾銃猟では初弾を「一ノ矢」次弾を「二の矢」と呼ぶ
元は弓矢だったものが散弾銃に進化したということらしい
白研ぎしてミッチャクロンでくすみどめをかけたボルトカバー
Remingtonのボルトはステンレスなのでやはり銀色でないと気分が出ない
そしてこだわった指かけの削り込みの雰囲気
12ゲージダミーカート、シースナイフなどの狩猟セット
レミントンのふくよかなカーブはこのハンドガードの形状による
やっとテッポらしくなってきて満足
銃口は少し使い込んだ感じで仕上げている
フロントサイトは今風の集光型
ところでこの猟友会のベストは最近デザイン一新された新型
着用が義務付けられているわけではなく「害獣駆除出動の時はできるだけ着用」
それ以外は「着用が望ましい」というぐらいの縛りらしい
新型のデザインは「色褪せする」「色移りする」「ポケットが少ない」
「生地が薄くて破れやすい」「狩猟許可バッジの穴が破れる」など会員の評判は散々らしい
散弾銃猟が趣味の人のブログ風の写真も撮ってみた
銃を手入れして出猟の準備をしている雰囲気
マルゼンのストックの頬当ては異常に太く小山のように盛り上がっていたが
それを細く削りグリップも細く削った雰囲気がわかるかな
指かけを彫り込んで断面をおむすび型に削りなおしたハンドガード
銃を上に向けた時に取り落とさないとか構えた時に薬指と小指が
同じ場所に決まって構えが安定するとかいろいろな工夫が込められている
さてRemingtonが完成したので次はいよいよ水平二連散弾銃の仕上げに取り掛かりたい
これもチェンバーの構成をどうするかとかいろいろ悩ましい問題があって
なかなか方針が決まらないがこの二挺だけはなんとか仕上げたい
APS2ことステアーSSG69とツーショット
やっぱりスポーツ用のライフル、散弾銃が好きなんだなぁ…
これこそがテッポ趣味の本流である(※個人の感想です)
Remingtonがある部屋の風景
なんとなく落ち着くなあ…この風景(※個人の感想です)
何度か分解と組立を繰り返したので動作確認した
自動装填・排莢は問題なくジャムもない
装填弾数を3発に制限したニホン銃刀法バージョンでは
弾倉のインサートの向きはバネを強くする方向がいいと以前書いたが
普通に弱い方でもジャムが起きないのでかえって前より調子が良くなったかも
マルゼンはガスチューブの固定に弱点があるがそこもノートラブルだった
(左)マルゼンのM1100の購入時の何も手を入れていない当時の姿(右)今回完成したM1100
マルゼンオリジナルは警察用の暴徒鎮圧銃の雰囲気だがそれなら樹脂製のシンセティックストックの方がそれらしい
木ストックはやはり猟銃っぽいのでどうせなら本当にクレイ射撃場や猟友会のニュースで見かける雰囲気にした
さで、シシ(イノシシ)でもブチ(撃ち)にいぐべか、山親爺(クマ)でもブチにいぐべか(※個人の感想です)
2021年3月9日
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