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タナカワークスF.N.ブローニング・ハイパワーのジャンクを
まともに動くようにする…MkIIIの時代のタナカの欠陥をいろいろ知る…

MK-III

タナカワークスF.N.ブローニング・ハイパワーのジャンクをまともに動くようにする…MkIIIの時代のタナカの欠陥をいろいろ知る…

ブローニング・ハイパワーを手にいれた。

ハイパワーはこれで4挺目。

昔手放したマルシンのモデルガンも勘定に入れたら7挺目。

以前ガバフリークでもないのにガバを4挺も持っていると書いたが、ハイパワーはフリークではないがガバよりがちょっと思い入れがあるかも。

小学生の時にそれまでのブリキ製の銀玉鉄砲からプラのリアルな銀玉に昇格した時に、箱の説明書きに
「ジョン・ブローニングの開発した画期的な装弾数の自動拳銃」
と書いてあるのが心惹かれた。

モデルガン趣味の原点になったセンチニアルやP38の金属モデルガンに出会う1年前だった気がする。

「ジョン・ブローニングって誰?」
「画期的な装弾数ってどういうこと?」

鼻垂れの小坊にはこの箱の解説と、今までのブリキの銀玉とは全然違うスマートなハイパワーのスタイルだけでワクワクするに充分だった。


タナカワークスのハイパワーは発売された当時にも購入したが、原型のM1935がモデルだった。

これも好きなんだけど、本当は1988年にジョン・ブローニングの原型を近代的にリファインしたMk.IIIが好きだった。

マルシンから結局Mk.IIIのモデルガンは出なかったし、タナカから出るかもしれないという噂に心待ちにしているうちにテッポそのものに興味がなくなる事件が起きてしまう。

タナカから実際にMk.IIIが出た時は、私が完全にテッポアパシーになっていた時期だった。

そしてまたテッポに関心を持ち始めた頃には、すでにタナカのハイパワーは(マグナブローバックなんかをライセンス契約したせいで?)絶版になっていた。

その長年焦がれていたMk.IIIをジャンクコンディションでお安く手にいれた…までは良かったがちょっと問題が起きた。





(上)タナカワークスのFNブローニングM1935ガスブローバックと(下)同FNブローニングMk.IIIのガスブロ
大きな変化はないけどアンビセーフティとかエルゴノミクスグリップとかの近代化と
スライドなどの工作を簡略化したコストダウンなどを合わせたのがMk.III




旧モデルのハイパワーはセーフティが扱いにくいので旧モデルのスライドと
Mk.IIIのフレームを組み合わせるといい感じの理想的モデルになる
同じタナカ製だからこんな組み合わせも可能




旧モデルはセフティの指掛けが小さいがMk.IIIは指掛けが延長されて外し損ないがない




旧モデルはセーフティは左側だけだがMk.IIIはアンビセーフティ
旧モデルはスライドの工作が手がかかっているのが良い
当時は最も実戦的なオートとしてハイパワーのMk.IIIは定評があったが
この組み合わせが理想的オートだったかもしれない…




なんでこんな遊びをしているかというと原因はこれ
五千円で手にいれたジャンクコンディション「スライドにクラックあり」
とは聞いていたが一回動かしたらスライドがぱっくり割れてしまった

そう、長年焦がれたMk.IIIがなんと五千円で手に入ったが
「スライドにクラックありのジャンクコンディション」
とは聞いていたものの、一発でぶっ壊れてしまった。

これを接着剤で固めて修繕するか、修繕して十分な強度を確保できるのか、ちょうどスライドのセレーション部分が割れているが跡が残らないように成形できるか…などと悩んでいたらオクでシルバーヘビーウエイトのMk.IIIのスライドが出ていたので「運命の出会い」を感じてしまいちょっと強引に落としてしまった。

ほぼ新品のスライドを手にいれたのはいいが、スライドが割れた原因を究明しないとこのまま組み込んでもまたすぐに壊れる。





このスライドが割れた原因だがスライドを動かすとどこかが引っかかっている感触がある
前のオーナーもそれが気になっていたようでバレルの
ショートリコイルロッキングリセスを削った跡があった
しかしそこじゃないんだよなぁ、それは原因じゃなくて結果
根本原因はもっと違うところにあるはず




(左)今回入手のMk.IIIのホールドオープン時のアウターバレルの位置と(右)M1935の位置
初期モデルはホールドオープン時アウターバレルからインナーバレルが半ミリほど飛び出るが
今回のMk.IIIはアウターの後退量が少なくてインナーバレルが飛び出さない
この後退量不足のためロッキングが完全に外れきれずにスライドにストレスがかかっているようだ




この後退量不足がどうして起こるのか調べていてトリガーハウジングの
バレルをティルトダウンさせる梁が削られていることに気がついた
旧モデル(右)はこの梁が四角い断面をしていたがMk.III(左)は
下側が面取りされて5角形みたいな形になっている




前のオーナーがトチ狂って削ったのかと思ったがバラしてみて
そうではなく元からこういう形に変更されていたことが判明
どうやらタナカワークスの設計がこの改悪をやらかしたようだ
ここにアルミ板を盛り付けて元の四角い形(右)に近づけた


この修理のおかげでスライドの引っかかりはなくなった。

ブローバック時にこの面取りのため、アウターバレルのショートリコイルロッキングが外れるタイミングが遅れロックがかかったままガスピストンの力が最大になってスライドにストレスがかかっていたらしい。

元の四角い形のトリガーハウジングの梁の形だと、アウターバレルが削れてしまうので面取りした…という意図だったのかもしれないが、そのためにスライドがぶっ壊れるのだから余計なお世話の改悪だった。

聞くところによると初期型のM1935の金型は六研の六人部さんの設計だったが、この金型をMk.IIIに改変するにあたってタナカワークスは六人部さんに依頼せずに内製化したらしい。

この内製化がどうもあまりいい結果になっていないというか、タナカのMk.IIIには初期型には無いいくつかの欠点がある。

例えばシアのキレが悪い、何回かに一回はトリガーを一杯に引いてもハンマーが落ちないなどの問題があった。





シアのキレの悪さ、ハンマーが落ちないのはトリガーバーのストローク不足の問題かと当初思ったが
ハンマーを指で引き下ろしてトリガーを引くとシアが十分上がるのがスライド後端から見えた
つまりストローク不足なんかじゃなくて普通にシアがハンマーに引っかかって切れなかったり
キレが悪くなっていたことが判明




ここでシアの形を比較してビックリ(右)のMk.IIIのシアは面取りがされている
(左)のM1935のシアは面取りがないがこれだとシアはハンマーに面で接触する
しかし面取りされるとシアの接触面はほとんど線になるので
面積当たりの荷重は大きくなって抵抗は大きくなる
タナカさん、なんでこんな初歩的な設計ミスするかなぁ…




ハンマーのノッチが逆勾配になっていてシアが切れる時に
ハンマーを起こすような動作になっていたのでノッチを削って
キレやすくしたがこれもやりすぎると不意にハンマーが
落ちるようになってしまうので限度がある
ノッチの高さを削るとゆっくりトリガーを引いた時に
ハンマーがハーフコック位置で引っかかる問題が起きる
ノッチを削るだけでは問題解決になりそうにない




やはり面取りした分抵抗が大きくなってその抵抗の大きなシアの
移動角度が前と同じというのが問題だと感じた
ノッチを削っただけではほとんど改善しないし相変わらずシアのキレが悪い




試し撃ちを繰り返してみたがノッチを削っただけではやはり解決にならない




そこでハンマーのノッチの下側にアルミ板をかさ増しして
シアの移動量を少なくした




トリガーバーがシアに少し触れただけでシアが切れるようになった
これでハンマーが落ちなくなることもないし旧モデルよりもシアのキレが良くなった




これが上手くいったのでタナカワークスのハイパワーの最大の欠陥であるトリガーバーの交換を実施
Mk.IIIは旧型と違いトリガーバーにカシメ込んであるコマみたいな軸を取り出すことから始める
できれば無傷で取り出したかったがかなり強くカシメてあったようで折れてしまった
もう使わないからいいけど…




この日のために「戦民思想」さんのジュラアームをあらかじめ入手しておいた
最初にこれを試さなかったのはおそらくトリガーバーが問題の原因ではないのが
わかっていたからだしこれに換えても変化なしだと(心理的?)ダメージが大きいから




例のシアのシャフトさえ取り出せれば取り付けは全く問題ない




早速撃ってみたところバスバス撃てる
トリガーにも鋭く反応してひょっとして旧型よりも撃ち味は実銃に近くなったかもしれない
しかしメカの調整に成功すると急にハンマーのパーティングラインなどの外観が気になり始めた


ジャンクだよと言われて超特価で入手したハイパワーがぶっ壊れて文字通りジャンクになってしまったが、なんとか快調に撃てるようになった。

快調に動くようになったら、今まであまり気にしていなかった外観の欠点がいろいろ目につき始めた。

次回は外観周りを中心に手を入れる。



2021年10月18日
















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