タナカワークスF.N.ブローニング・ハイパワーのジャンクをまともに見られるようにする…パーティングライン消しなどの仕上げ
タナカワークスのブローニング・ハイパワー Mk.IIIの完全ジャンクを動くまで再生した話の続き。
その後も元ジャンクのハイパワーは快調に動いている。
そのうち実射性能なんかも計測してみたいがタナカのハイパワー自体が元々精密射撃をするような銃ではないので、気が向いたらかな。
ゲームでヒット率を競うよりも、このハイパワーはリアルな雰囲気を楽しむための半分モデルガン的な楽しみ方が正解かもしれない。
だからまともに動くようになると、見た目の欠点が目につき始めた。
ハンマーやトリガーなどにもろにパーティングラインが残っている。
アウターバレルはテカテカのメッキプラモデルみたいなメッキ仕上げなのもいただけない。
タナカのシルバーのMk.IIIにはABSメッキ仕上げのステンレスモデルとヘビーウエイトにスプレー塗装仕上げのステンレスヘビーウエイトモデルの2つのバージョンがある。
今回のハイパワーはヘビーウエイトモデルなので塗装だが、このサンドブラストニッケルメッキ風の塗装も気に入らない。
箱を見たら「ステンレスシルバーバージョン」と書いてあったのでステンレスシルバーらしいが…
あと気になるのはやはり軽さかな。
ヘビーウエイトといってもマガジン込みで重量は680gしかない。
実銃はドライウエイトで900gあるということなので、かなり足りない。
重量を稼ぐ工作もした。
入手した時はぱっくり割れたスライドに目を奪われて気がつかなかったが
トリガーもハンマーもはっきりパーティングラインが残っている
この時代(90年代)のタナカはパーティングラインにはあまり意識がなかったようだ
プラのテカテカメッキのアウターバレルはスポンジの目の荒い方でヘアライン加工
ステンレス製のカスタムパーツも持っているのだがあの
ぱっくり割れたスライドを目のあたりにした後では組み込む気が起きない
これでも見た目はステンレスっぽくなるから面白い
実銃のドライウエイトは900g、タナカヘビーウエイトはマガジン込みで680g
重量が全然足りないのでグリップパネルのスペースには鉛シートをどっさり仕込んだ
ジョン・ブローニングはハイパワーを設計するにあたって心血を注いで軽量化をした
ところが私は少しのスペースにも鉛をぶち込んで少しでも重量を稼ごうとしている
トリガーハウジングの前の空きスペースにも鉛シートを仕込んだ
実銃の重さには及ばないが700g台後半には届いたはずだ
またグリップパネルのがたつきも気になった
特に左のパネルはグリップスクリューをギチギチに
締めても4ミリ以上パカパカしている
これも設計がおかしいんじゃないかなぁ…
ワッシャーやスクリューカップの脱落ということでもなさそうなので
ネジに紐ハンダを巻いてワッシャーの代わりにした
両方巻いているが右のスクリューには必要ないことが判明したので外している
ジョン・ブローニングの設計の素晴らしいなと思うところは
完全分解状態からの組み立てで特殊な工具を一切必要としない点
必要なのは精密ドライバーセットのみだがガスガンなので
シアアウジングの組立に唯一ハマりポイントがある
シアとバルブロックレリースを位置合わせしてピンを打つのはなかなか難しい
先に一番細い精密ドライバーを一つずつ通してピンのガイドにするとスムーズに組み立てられる
ハンマー、メインスプリングハウジングを一通り組み立ててから
レシーバーに組み込むという手順が一番失敗なく手間も少ない
スライド・レシーバーのサンドブラスト風のザラザラを
ピカールで落としたらインディのブライトステンレスで塗装
こうして完成したMk.III
インディのブライトステンレスは名前とは裏腹に
ニッケルサテン仕上げみたいな雰囲気になるので気に入っている
ヘアラインの入ったバレルの後退量が旧モデルに近くなっているのがわかるかな
銃2で塗装してブルーイングの雰囲気に仕上げることも考えたが
シルバーのハイパワーというのもなかなか希少なのでこのままにすることにした
リファレンス用写真も
(上)F.N.Herstal社製Browning High-Power Mk.III実銃と
(下)タナカ・ブローニングMk.IIIステンレスヘビーウエイト
(上)F.N.Herstal社製Browning High-Power Mk.III実銃と
(下)タナカ・ブローニングMk.IIIステンレスヘビーウエイト
こちらはF.N.社のサイトの写真との比較
アウターバレルはステンレスの雰囲気に見えるかな
実はすごく軽いペカペカのプラスティック
フレームに合わせてマットシルバーにメッキ加工されていた
スライドストップ・セーフティ・トリガーもポリッシュした
同じくヘアライン加工したエジェクションポートのチェンバー
エキストラクターは別部品に見えるようにアクリルの黒をうんと希釈して墨入れした
表面にも薄く塗ってスライドと別素材の雰囲気を狙った
トリガーはパーティングラインを消してピカピカにポリッシュした
やるならトリガーガードの内側のパーティングラインも
少し残っていたことに気がついたので消せばよかった…と反省
いつも一つは見落としがある…
スライドの後部のエジェクタープレートはモールドだが塗装で表現した
ハンマーもパーティングラインを消してポリッシュ・セレーションは目立てした
はっきりパーティングラインが残っていたハンマーの後ろもこの雰囲気になった
以前ここで紹介したタナカのブローニングM1935(上)と今回のMk.III(下)
Mk.IIIの改良点はアンビセフティとホワイトが入ったサイトと
よく言われるが実は工作の簡易化も改善に含まれる
ブローニングは心血注いでハイパワーを軽量化するためスライド下部の
リコイルスプリングハウジングをボールフライスで削るように指示したが
Mk.IIIでは普通に側面を肉抜きするだけの簡易な加工に変更
そのため銃口面が上下に長くなったがこの加工をしても大して重量を稼げないので
ハースタル社は工作を簡単にして生産性を上げる改良をMk.IIIで導入した
他にエジェクションポートの形も上部を広げた形に変わった
エキストラクターもガバと同じスライド内蔵式からスライド横に
露出した形に変更されたのも工作の簡易化と関係がある
分解の時にスライドキャッチを抜くがM1935は抜きやすいように
スライド側が肉抜きされていたがMk.IIIではその肉抜きも省略された
Mk.IIIのスライド上部にはエキストラクターを固定するピン穴があるがM1935にはない
スライド後部にはエキストラクター固定用の真鍮製ピースがM1935には見えるが
Mk.IIIにはそれは無くなった
サンプロジェクト(旧JAC)製のMk.III(上)とタナカワークスのMk.III(下)の比較
JACのハイパワーはアフターシュート時代の古いモデルだがプロポーションの捉え方は抜群だった
タナカワークスのMk.III(上)とサンプロジェクト(旧JAC)製のMk.III(下)
プロポーションは抜群だがJACのハイパワーは実銃とは似ても似つかない独自メカだった
そのかわり強烈なキックのブローバックが楽しめた
そしてスライドはぱっくり割れていたが…
Mk.IIIのある風景
2021年10月19日
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