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タナカワークスのハイパワーMk.III最後の調整(多分)
…スライドストップがかからない問題の解決

High-Power the Last

タナカワークスのハイパワーMk.III最後の調整(多分)…スライドストップがかからない問題の解決

タナカワークスのハイパワーMk.IIIをジャンク状態から完全に動くまで調整した話を続けてきたが最終回(多分)。

昔からの憧れのMk.IIIを手に入れたのは結構前でAPSの870より先だったけど、ずっと放置状態だったのは手に取った瞬間にスライドがボロっと割れて完全にスクラップになってしまったから。

ここのところ何回かジャンク状態のテッポを手に入れて、完全に調整して
「すごく割安で欲しかった銃を入手!」
とかジャンク漁りが結構うまくいっていたけど、さすがにサイドがばっくり割れたスライドを見て
「ジャンク漁りはもうほどほどにした方がいい…いくら安くてもこれじゃゴミと一緒ではないか」
とかなり反省していた。

ところがオクでHWシルバーのスライドが出ていたのを見つけて、運命に近いものを感じてしまったのでほとんど新品価格で落札した。

おかげでスクラップ状態からほぼ完全に完動品になっただけでなく、もともとタナカのハイパワーの気になっていた弱点も修正したのでかなりのお気に入りになった。


ただもう一つまだ修正しきれていない部分があった。

もともとジャンクコンディションだった理由の一つに
「スライドストップがかからないのでマガジンのフォロワーにプラリペアをカサ増ししてある」
というのがあった。

ちゃんと動くようになったらこの、フォロワーのカサ増しのプラリペアがぽろっと取れてしまった。

てきめんにスライドストップがかからなくなった。

だいたいこういうメカ部分をプラリペアで修復するのは「ちとメカ音痴なんでないかい」とは思っていたのでこれを調整することにした。





切り分けのために手元にある別のハイパワーのマガジンを
装填してみたところ問題なくスライドストップがかかった




この個体に付いてきたマガジンだけストップのかかりが浅く
3回に2回ぐらいスライドストップがかからない
このことから問題は本体の側ではなくマガジン側にあることが切り分けられる




スライドを外した状態でマガジンフォロワーがどれぐらい
スライドキャッチを押し上げるか確認してみた




付属のマガジンだけやはり押上げ量が足りない




マガジンの形状に差はないがこうして並べてみるとBB弾がカラの状態で
右の付属のマガジンだけフォロワーが上がりきっていないのがわかる




前から見たらもっとてきめん
左の付属マガジンはフォロワーが何かに引っかかっているようなので
プラリペアのカサ増しは対策の方向としては間違っている




フォロワーを押し下げる溝を削っても改善せず結局マガジンを完全にバラすことに
するとマガジンケース内側とフォロワーに大量のバリが残っていることが判明した
フォロワーとケースの内側のバリを削り落とした




こうして組み上げたマガジンの比較
左の付属マガジンはまだフォロワーのせり上がり量が少ないが
ほぼ問題ない高さまで上がるようになった


このHWのMk.IIIがタナカワークスから発売されていたのは2000年代の初旬ごろの話かな。

この時期のタナカは相当アカン状態だったんじゃないかな。

M1935をMk.IIIに金型改修するにあたって部品寸法も間違いまくっているし、しなくてもいい余計なところを面取りしてシアもショートリコイルロックも全部引っかかってスムーズに動かなくなっている。

挙句にこのマガジンの大量のバリの放置という工作の荒さ。

ひょっとしてこの時代、タナカワークスって経営が傾いていたのかな。

最近のタナカのリボルバーやG17などのモデルガンを見て出来が良かったので、今は持ち直しているんだろうけどこの時代は設計も工作もかなり質が低下していたような気がする。


問題はこの後の試射。

タナカのハイパワーはWAのマグナブローバックをライセンス使用しておりWAマグナは決定的な欠陥としてマガジンガス漏れが高い確率で起きる問題がある。

ゴムリングの劣化でガス漏れするし組み付けのちょっとした具合でもガス漏れする。

一度ガス漏れし始めたらタナカのようなライセンスメーカーはもう部品も廃番になっているだろうから修理できる見込みは少ない。

この時代のタナカがマグナライセンスを採用したのはつくづく経営判断ミスだったと思う。

おかげでハイパワーという六人部さんの傑作金型が廃番状態になっている。





組立は相当慎重にやった結果ちゃんとブローバックしてスライドストップも
かかかるようになってガス漏れもなんとかしないように組み付けができた
マガジン一個再生できたのは今後再発売の可能性が少ないだけに助かる




気になる部分はすべて手を入れたハイパワー




とりあえず完成
この色に飽きたらMk.IIIのラッカー塗装系のブラックに
塗装し直すかもしれないけど今はこれでいいかと思っている


2021年11月7日
















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