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東京マルイ 89式5.56mm小銃〜分解してもリアルな
ガスブローバック89式のディテール

Type 89

東京マルイ 89式5.56mm小銃〜分解してもリアルなガスブローバック89式のディテール

この間ガスブローバックの撃ち味に魅せられてガスブロの89式を手に入れてしまった。

半月ほど更新がなかったのは年末年始のバタバタのせいもあるけど、これで遊んでいたからというのもある。


89式は現用の自衛隊主力自動小銃で、以前ここで取り上げたTOPの64式小銃の後継小銃。

新式小銃というイメージだったが、配備が1990年で30年経ってそろそろ退役が迫っている。

この89式のメカが気になっていたのだが、メーカーの豊和工業がアーマライトのAR18をライセンス生産していたのでAR18との関係も気になっていた。

だからできればモデルガンが欲しかったのだが、モデルガンはない。

先日GHKのAKMを入手した時に、分解組立の手順や部品の構成のリアルさ、撃った時にシアが切れる電動ガンでは絶対にありえない感覚が気に入って長もののガスブロはありだなと思うようになってきた。

なので唯一マルイから出ているガスブローバックの89式が気になっていた。





(上)実銃の豊和工業製89式5.56mm小銃と(下)東京マルイのガスブローバックの89式
細かいことを言うと規整子(ガスレギュレーター)のメカをやっぱりマルイは
再現してくれないんだなとかレシーバーはやっぱり板金プレスじゃないんだなとか
若干不満はあるものの外観については言うことがない




アッパーレシーバー左側の刻印は91年以降の製造分のパターン
古いタイプは「89式5.56mm小銃」という正式名称だったが後期は「89R」だけになった
製造年月のシリアルも無くなったので「刻印リアル化バージョン」とかいう
レシーバーが出回ったがこの刻印もリアルでないわけではない
唯一言うなら豊和工業の刻印がないがそこは同じ国内メーカーなので商標問題があるのかもしれない
レシーバー左側のアンビセレクターはイラク派遣以降は標準装備になったようなので
むしろこのスタイルが現在の89式のリアルスタイル




ハンドガードの中にはガスオペレーションのシリンダーが見えている
89式はシリンダーにガス抜き穴が空いていてそこから銀色の
ガスピストンが見えているのが特徴でそれが再現されているのがグッときた




本来のセレクターは64式と同じくレシーバー右側にある
ア(安全)レ(フルオート)3(3ポイントバースト)タ(セミオート)の4ポジション選択になっている




ボルトがホールトオープンになった様子
BB弾を撃ち尽くしてマガジンが空になったらボルトはこの位置で止まる
マルイの89式はほぼリアルなストロークまで後退して止まる
エジェクションポートからボルトのロッキングラグが見えるのがリアル
チェンバー側にはこれと噛み合うリセスもあるので次弾のダミーカートが見えない以外は文句なしの光景




ホールドオープンしたボルトは反対側のボルトストップボタンを引き下げても解放できるが
このボタンが押し上げるような形にデザインされていてそういう使い方を前提にしていない
防衛省のマニュアルによると弾倉交換をした後のボルト解放は
ボルトレバーを引いてせよということになっているらしい
このボタンは手動でボルトをオープン位置に固定するためのもの




ダストカバーは勝手に開かないように押さえはあるがL85のような開閉バネはない
閉じるときはどうせ手動なので支障はないだろうが




例の4ポジションセレクターだがポジションが多い上に
ストロークも長いので使い易いセレクターとはいえない
自衛隊では安全ポジションから単発ポジションまで一気に回す訓練もするのだそうだ
セーフティ解除の訓練があるのはおそらく世界中で自衛隊だけだと思う




自衛隊は伏せ撃ちの時に二脚架(バイポッド)を使うので標準装備されている




ただし固定の64式に対して89式は兵種や任務に合わせて二脚架を外す運用も考慮されている
取り外しにはまず根元のレバーをこちら方向に回す




するとやっとこみたいに二脚架固定環を開いて取り外すことができる
これを外すだけで600〜700gぐらいは軽量化できるので空挺部隊なんかだと取り回しが良くなる




ハンドガードの取り外し手順
前端のピンを左側から押し込んで右に引き出す




するとハンドガードが前にずらせるようになる
ずらすと左右に分割できる…実銃の場合はガスシリンダーのカーボンを
掃除するのにこの分解は必要だしガスガンの場合はバレル根元の
ホップダイヤルでホップ調整するのにこの分解が必要




64式ではピン類の脱落が問題になったのでハンドガードピンは
完全に抜けないようにストッパーで固定される
それでも自衛隊員はビニテでぐるぐる巻きにするようだが…




ボルトの分解はレシーバー後端の右側レバーを前に押し込む




すると中折れ式にアッパーレシーバーが開いてボルト後端が見えてくる




ボルトが飛び出してこないようにリコイルスプリングユニットの
ロックピンで固定されているのでこれを押し込む
するとリコイルスプリングユニットが取り出せてボルトを引き出せる




ボルトの取り出しにはボルトレバーを切り欠き位置に合わせて引き抜かないといけない




こうして分解した部品の形状や構成は実銃そっくり
電動ガンだとこうはいかない
実銃の分解写真と同ポジ比較したいが分解写真が床井雅美の
「世界のライフル」にしかないので転載することもできない
まあ、載せることができないけどそっくりだということです
ところでフィールドストリッピングは日本語で野戦分解とか通常分解
という訳語を使うが防衛省では「普通分解」という言葉を使っているらしい




レシーバーの上にある突起は「排莢受け袋(カートキャッチ)」固定用が本来の目的だが
米軍と合同演習を重ねてM16A2やM4の運用に合わせて米軍では一般兵科でも
光学サイト使用が標準になってきているのに対して89式が光学サイト使用が
考慮されていないことが問題になったことがありこの突起の目的が変化した




この突起にピカティニーレールを取り付けるアダプター
自衛隊ではこのタイプとこれよりもう少し小ぶりなタイプと2種類使っているようだ




ここにEOTECHをつけてみた
自衛隊ではAIMPOINTタイプのドットサイトを使っている例が多く
こういう運用をしている例が見つからなかったがなかなか悪くないと思う
個人的にはこれが接近戦・遠距離両方に威力を発揮しそうな気がする




このACOG+RMRを載せた例は写真を見かけたが転載ができなかった
多くはないがわずかにこういう運用をしている隊員もいるようだ




これもなかなか合わないことはないと思う
RMRも載せた3階建てだと全高が高くなるのが気になるが米軍では
M4にこのコンビネーションを載せている兵士が多いので実用的だと思う
英軍もL85A2にSUSATの代わりにACOGを載せている兵士もいる




ところでマルイの付属マニュアルがなんとなく防衛省の整備手順冊子の雰囲気に仕上げられているのが面白い
3ポイントバーストは3点射という訳語を使うが自衛隊では「3点制限点射」というのだそうだ




(上)以前取り上げたTOPの64式7.62mm小銃電動ガンと
(下)東京マルイのガスブローバック89式5.56mm 小銃
フルオートの制圧射撃に強い64式とガスオペレーションのトラブルが少ない89式
最近自衛隊も各国軍と共同軍事演習をすることが多いので国際的な評価が気になるが
意外にもといってはなんだがそれぞれ良い評価もある




89式はいいことばかりではなくて扱いにくいセレクターとかいくつか欠点もあるが
左にキャストオフしているストックの形状もその一つ
実銃のストック(左)は左に曲がっていてまるで猟銃のストックのようなセッティング
右利きの通常射撃は構え易いがスイッチシューティングだと頰付けの位置が狂って使いにくい
マルイのストック(右)はこのおかしな形状も再現しているので左射撃はちゃんと使いにくい




やはり自衛隊だなと感心したのがリアサイト
サイト左側のエレベーションダイアルを1と5の間に合わせるとピープサイトが引っ込む(上)
破損防止のために通常はサイトを格納しておけということらしい
ダイアルを1〜5に合わせるとそれぞれ100m〜500m位置に調整可能(下)








電動ガンはマガジンにダミーカートが見えていたような気がしたが
ガスブロは残弾表示窓はただのモールドで特に着色もされていない




ここが外観上の唯一の不満だったので例によってアサヒペンの
メッキスプレーゴールドを買ってきて塗装皿に取り面相筆で着色した
これだけのことで急にリアルになったような気がする


2022年1月3日
















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