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ゲーリングのルガーP08のメッキを補修…ちょっとポカして
薄くなっていた金メッキをめっき工房の24K金メッキの厚付で復元

Plated Luger

ゲーリングのルガーP08のメッキを補修…ちょっとポカして薄くなっていた金メッキをめっき工房の24K金メッキの厚付で復元

「めっき工房」の24K厚付メッキ液を入手してフランクリンミントのカスター将軍のコルトネイビーのメッキを修復したが、説明書に「消費期限は開封後1ヶ月」と書いてあったのでメッキでやりたいことをやってしまうことにした。

金メッキで一番気になっていたのが、前にジャンクから完動品に復元したゲーリングのルガーP08、通称ゲリP。

前回はほぼ全ての機能が死んでいたガラクタ状態から完動品になるまでのメカの修理が中心だったが、その時にメッキがくすんでいる気がしたので金属磨きをかけたところ金メッキが剥げてしまった。

マルシンは22Kの金メッキをかけているようだが、教訓「金メッキにはピカールは禁物」を得た。


メッキものはやはり見た目も大事…ということでこのゲリPも金メッキを修復した。

金属モデルガンなので金色は標準なのだが24Kメッキだからオリジナルよりもグレードは上がる。

例によって強酸性の溶液を完全に洗い流さないと後で腐食しそうなので完全分解ののちメッキがけを始めた。





作業開始前のACG「ゲーリングのルガー」ことクリークホフLuger P08エングレーブモデル
バレル・レシーバーサイド・ボルトなどうっかりピカールをかけたのでメッキが薄くなっている




金メッキの外装パーツ全部にメッキをかけるので
流水でメッキ液を完全に洗い流す都合で完全分解した




今回は金属モデルガンなので電極のワニ口を直接部品に噛ませてメッキがけした
完全分解といいながらスクリューを舐めてしまいそうだったのでセーフティレバーだけは分解していない




作業後の手入れ
電極の銅板はこの1週間3回作業しただけでもう緑青を吹いていた
このまま放置すると次回の作業の時にボロッと電極が折れて使い物にならなくなる
電極を分解してこれも流水で完全に洗い流し金属磨きをかけてCRCを巻いた
一回使っただけで壊れるという評判も聞くが多分こういうところの
手入れをしていなかったためだと思う




(上)メッキをかけ直したバレル部分と(下)は作業前
色の比較のために色調補正は一切かけず撮ったなりの写真を並べてみた
24K厚付メッキ液の効果は一目瞭然だと思う




レシーバーサイドのメッキが薄くなった部分の比較
(下)の作業前に比較してトグルグリップの後ろフレームの色の差がはっきりわかる
色だけでなくマルシンの仕上げはエングレーブに全域墨入れがしてあるが
これを爪楊枝で掻き出して墨入れを薄くした




バレルの下側の(左)作業前と(右)作業後
ここに22KGPの刻印があるが作業後24KGPに昇格した




メッキをかけ直したのでP08のプロフィール写真も撮り直した




実は濃い金色はあまり好きではなくホワイトゴールドのような色目の方が好きなのだが
金属モデルガンはこういう色が標準だし実銃の資料を集め切れなかったが
実銃もおそらくこんな色に違いないとして濃い目にした




ジャンクで手に入れたので詳しいことは知らないが
多分ACGの新品もこんな色に違いない




上でも書いた通り全てのエングレに墨が入っているのがオリジナルだが
なんだかうざったい気がしたので目立つ部分は爪楊枝で掻き出した
この方が個人的には好み




トリガー周りのエングレの雰囲気
墨入れを落としたから色が明るくなった気がする




ダミーエジェクター、トリガーはニッケルメッキで
金色の中の銀色がアクセントになっている




グリップ後端の美しいカーブ
ルガーの特徴はこの独特なグリップアングル




グリップ前面のエングレーブ




マズルクラウンの雰囲気
金型の製作はマルシンで少しスタイルが太めのような気がするが
ディテールは最高のモデルだと思う




レシーバー左側には「ハインリッヒ・クリークホフ兵器廠スール市・1939年8月15日」の刻印




トグルジョイント上面にもびっしりのエングレが入っている
ここがすごく重い印象だったが墨入れを剥がして軽い印象に変わった




トグルジョイントの連結部分の曲線にメッキ仕上げが似合う
ここもメッキが薄くなっていたので復活したのが嬉しい




(上)クリークホフ・エングレービングモデルのP08実銃と(下)ACG・マルシンのゲリP
ナチスのお引きでルガーの生産を任された経緯があったようなので
クリークホフはゲーリングだけでなくあちこちにご贈答用として配るために
このエングレメッキモデルを結構量産したようだ




ヒトラーの右側の人物がヘルマン・ゲーリングでドイツ空軍大臣でナチスの事実上ナンバー2
腰に下げているのはアメリカのSMITH & WESSONから寄贈されたナチスモデルのミリポリM10
ゲーリングはヒトラーの右腕と目されていたが終戦直前にヒトラーの了解を取らずに勝手に
総統を継承したと自称し連合軍と和平交渉をしたので「裏切り者のブタ」と
ヒトラーが罵るシーンが映画「最後の12日間」にあった




拳銃を携帯せず勲章も第1次大戦で授与された黒鉄十字章以外一切身につけなかったヒトラーに対して
ゲーリングは真っ白い自分デザインの軍服にびっしり勲章を並べるのがお好みで
拳銃も常に最高級品を身につけていた
Goering engraved gunで検索するとゲーリングのコレクションの写真がたくさん出てくるが
こういう金メッキのエングレ記念モデルのPPKやミリポリ、ルガーが「ゲーリングモデル」として出てくる




Wikipedia USAよりノルウエーの博物館に展示されるゲーリングの所持品
残念ながらルガーは「ACGのレプリカ」と書いてあってマルシン製だった




これはアメリカのオークションに出品されたゲーリングのプラチナメッキエングレP08
ACGの金メッキに対してプラチナの銀メッキ




注目すべきなのはその刻印
「クリークホフ兵器廠・スール市・1939年8月15日」と刻印されていて
ACG・マルシンのゲリPと同じ日付なので金ピカ拳銃コレクターの
ゲーリングに何挺かまとめてどっさり贈ったようだ
エングレに墨入れは実銃でもやっているようだがマルシンのような
全域黒々ではなくあっさりした仕上げなのが実銃ではないかと思う




(左)プラチナメッキゲリP実銃の製造番号17232に対し(右)ACG・マルシンのモデルは16999
ちなみにこのプラチナメッキモデルは現在の為替換算で約1100万円ほどの落札価格がついている




コルトネイビー、ゲリPと気になっていたテッポを仕上げ直したので
次はやっぱりあれかな…多分…


2022年3月28日
















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