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MGC・Smith & Wesson M59のメッキを修復〜バレルに
ヘアライン加工などのタッチアップでオモチャくささがちょっと消せた?

59 alive

MGC・Smith & Wesson M59のメッキを修復〜バレルにヘアライン加工などのタッチアップでオモチャくささがちょっと消せた?

めっき工房でメッキを修復したシリーズ最終回、MGCのM59の剥げたニッケルメッキを修復した。

めっき工房の取説に「開封後1ヶ月以内に使い切ってください」という注意書きがあったので、M59は優先順位はかなり後だったのだが、繰り上げて着手。

このMGCのM59も昔ブルーイングの練習で一度アルミブラックをかけたり剥がしたりでかなりメッキが傷んでいた。

それとMGCのニッケルメッキの色がとても赤っぽいのも好きじゃなかったので、青っぽい色合いのめっき工房で雰囲気が変わらないかやって見た。

M439の回でも書いたがSmith & Wessonのニッケルメッキはワイアット・アープの銃のように青っぽくピカピカのグロス仕上げが標準じゃないかという気がしていたのでそっちの雰囲気に寄せたかった…





M439はマルシン製だったが今回のM59は初期の頃取り上げたMGC製
前回スライド部分をインディのパーカーシールで仕上げ直したが
今回はレシーバー・バレルのニッケルメッキを修復する




バックストックのジンク部品はなんども金属磨きをかけたために
ニッケルメッキが落ちて下地の銅メッキが露出している




レシーバーのニッケルメッキも何度も磨きこんでいるのでもう限界
かなりくすんでいるのでそろそろ下地メッキが露出する頃なのでめっき工房の出番




例によって水洗いをしないといけない関係で完全分解してメッキをかける
MGCの赤いニッケルメッキに比べてメッキ工房はやはり色味が青い
グリップパネルで隠れる部分はメッキを残したが色の違いがわかる




バレルは逆にピカピカのクロムメッキでおもちゃっぽかったので
ここにもメッキをかけて例によって台所スポンジでヘアラインを入れた




こうして組み上げた完成形




バレルのヘアラインの雰囲気




エジェクションポートのチェンバーのヘアライン
PAT'S MG-BLKという刻印が時代
これはMGCのオープンデトネーターに関する特許表示




バックストックがクロムメッキでレシーバーの
ニッケルメッキと色合いが違うのも気になっていた
全体にメッキをかけて同じ色になったのが嬉しい




グリップの前側の鏡面仕上げ




スライドは「こすって銀Sun」で仕上げているがこれに潤滑油の
CRCがついて油焼けしたブルーイングのような雰囲気になった




やはり赤いことは赤いがMGCの雰囲気よりは青いニッケルメッキになった
そして鏡面仕上げになった




グリップパネルはカスタムメーカーの真鍮ウエイト付きパールグリップ
これも錆びてくすんだ色だったが磨き上げて綺麗な金色になった




ところでこのMGCのディテールについて
マガジンの底にS&Wの刻印があるがこの&が横長のタイプの独特な字体
これを再現した最初はMGCじゃなかったかな…




前回も登場したMGCのオリジナルM59用のホルスターに収めた様子




なんだけどこのホルスター金具が当たってモデルガンのレシーバーを傷める欠点がある
この当時の日本製ホルスターのグレードなんてこんなものだったが…




このモデルガンはもともと発火テストのために購入したが結局火薬はつかっていない
マルシンのPFCカートを使えるようにカスタマイズしていたが
今回はデトネーターも外してダミーカート仕様にセットアップした
使っているのはKSCのP230用の380ACPカートでほぼジャムなし
最終弾がエジェクションポートに残るジャムが2〜3回起きたぐらいで
カートがほぼ同じところに落ちるのでおそらく発火させても調子はいいと思う




オイルがついたところが少し虹色っぽくなっているのがわかるかな
レシーバー右側のS&Wの刻印があるべきところに燦然と輝くMGCマーク
ちなみに「モデルガン」という言葉もこの会社が造語した日本語英語
MGC倒産からもう25年年かなぁ…もう部品供給がないので乱暴な遊び方はできない
MG-BLKという刻印が珍しいがこのテストをM59でやっていた
別の個体でガンガン発火させていたがそういう事情なので発火用として
これを手に入れPFC仕様に改修して発火させる予定が結局1発も撃っていない




(左)MG-BLKことオープンデトネーターカート(中)マルシンのワルサーP38用PFCカート
(右)KSCのSIG-SauerP230用380ACPダミーカート
M59のカートリッジはこの左のタイプで空薬莢みたいなスタイルのカート




(上)マルシンP38用ファイリングピン(デトネーター)(下)MGC M59用デトネーター
M59はもともとオープンデトネーター方式だったがこれがジャムしまくりだった
マルシンのP38のデトネーターに交換したらP38用のPFCがほぼそのまま使えることに気がついた
それでM59は全部これに差し替えていたがP38のカートが使えるということはKSCの
ダミーカートも使えるということなので今回両方とも外してダミーカート仕様にした
もう発火もさせることがないので…




MGCのオープンデトネーターには本当に苦労させられた
このデトネーターがピストンのような働きをしてカート自体がシリンダーになって
ブローバックが起きるがこれだけクリアランスがあるにもかかわらず
キャップ火薬数発でデトネーターが火薬カスだらけになって
ワンマガジン14発を1回もジャム無しで撃てたためしがない
もともと紙火薬用の発火方式だったのでキャップ火薬には向いていなかった




キャップ火薬で初めてまともに撃てたPFC(プラグファイヤーカートリッジ)
これならワンマガジン程度はジャムなしで撃てたがオープンデトネーター方式と比べて
音が小さい・火が出ない・煙も抜けないと評判はイマイチだった
それでも回転は快調だったが今日の複数キャップを使うカートリッジの
発火も確実で火も音も煙も出てジャムもしないという動作を見ると隔世の感




(上)Smith & Wesson M59実銃と(下)MGC M59モデルガン




(上)Smith & Wesson M59実銃と(下)MGC M59モデルガン
仕上げ直したのでリファレンス用の写真も撮り直したがあまり前回と代わり映えしていないのが悲しい
比べてみれば意外にMGCのプロポーションは正確だったということがわかる




もう発火させることもないので今回ダミーカートリッジ化したM59
残念ながらMGCはショートリコイルメカは省略されていて
ホールドオープンしてもバレルの位置は元のまま
カートリッジもリアルサイズの9mmパラではない
ここらを修正しようとするとほぼ新しいモデルガンを
製造するに近い大工事になるので私の手には余る




MGCのニッケルメッキは赤いから嫌と思っていたが
こうしてできあがってみると鏡面仕上げになった以外は前の雰囲気とそんなに変わらない
とりあえずメッキの御用はほぼ完了してニッケルメッキのボトルもほぼ空になった
次回はメッキから離れて違うテーマにする


2022年4月21日
















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