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タナカワークスH&K USPモデルガン〜塗装が気になったので
平面出しし直し・刻印を手彫り復元・ロッキングメカを完成させた

Letters on USP

タナカワークスH&K USPモデルガン〜塗装が気になったので平面出しし直し・刻印を手彫り復元・ロッキングメカを完成させた

先日手を入れてダミーカート化したタナカのUSPだが、刻印がすっかり消えていたのを復元した。

平面出しをやり直したついでに前のオーナーの雑なシルバー塗装を完全に落としたら刻印の痕跡が出てきたので今まで手を束ねていた刻印の手作業の追い彫りをやってみることにした。

やってみた結果、できるのはできたが老眼の身にはこの作業はキツい!

いつか刻印には挑戦したいとは思っていたが、刻印とエングレに手を出すと末期症状という意識も昔からあった。

やってみると本当に神経を使う作業で、やれば銃に愛着は湧くがそうそうやりたい作業ではない。


あとはショートリコイルロッキングメカが不完全だったのが、完全にロックするように手を入れてチェンバーの上昇量が不足していたのを修正した。

閉鎖時にエジェクションポートとチェンバーがほぼツライチになる実銃のロックポジションを再現した。

その副産物でスライドの前進位置がちょっと変だったのも直せた。





前回の最後の写真でわかるが刻印がほとんど消えてしまっていた
また平面出しと塗装をやり直すことにしてサンディングしていたら
刻印の痕跡が出てきたので文字をなぞって追い彫りをしてみた




一応消えていた刻印を復刻できた状態
スライド左に型名、シリアル、口径表示を並べて彫っているタイプだった
ピンで文字に沿って小さい穴を並べて開けて穴と穴をつないで文字にするが
何度もしくじってはサンディングして消して彫り直すを何度も繰り返した
こういう作業を淡々とやっている人たちをソンケーするわ、まったく…




今回塗装を剥がして平面出しとエッジ出しをやり直したのは前の所有者の塗装が
ボテボテで一部残っていたために何だかもっちゃりした印象だったため
結局ほぼ一からやり直すことになった




刻印を復刻したのでついでにレシーバーの右側に燦然と輝く
「MFG. TANAKA WORKS / Made In Japan」の刻印をパテで埋めて消した
ここに実銃では「Heckler & Koch GmbH / Made In Germany」という刻印が入るが
そこまでやるか迷い中…スライドの刻印でちょっと心が折れたので…
パテで埋めてスポンジで叩くと周囲のシボと同じテクスチャーになる
色はタミヤカラーに歯磨き粉を混ぜた荒い艶消しがぴったりの雰囲気になる




前回は中途半端だったショートリコイルロッキングも完全に再現した
前回バレルのロッキングの前部を削って短くしたが
リコイルスプリングガイドのレールも削ってガイドの位置を高くする




スライドの内側に0.3mmのアルミ板を貼ってバレルがしっかりロックするようにする
スライドキャッチシャフトがスプリングガイドと噛み合う面にも同じアルミ板を貼って
リコイルスプリングガイドの位置が0.3mm上に上がるようにした




閉鎖した時にチェンバー上面の後端がスライドとほぼツライチになるようにした
実銃写真を見ていてこの噛み合いの深さを確認していた




スライドを再塗装した結果の刻印の状態
USPの型名の後ろにプルーフマークがあるのも確認して再現した
だいたい希望通りになったが9mm×19の最後の9の文字がはっきり残っていたので
追い彫りをしなかったら逆のこの文字がちょっと薄くなってしまった
なかなか完璧にならないものだ…もう少し几帳面な性格なら良かったが…




多少問題は積み残したが一応当初の目標通り完成したUSPダミーカートモデル




前回はほとんど消えていたが刻印もほぼ復活した




HK USPの型名刻印の後ろにプルーフマークがあることに今回平面出しして気がついた
これの追い彫りがキツくて今回完全に心が折れた…




スライド右側のタナカの刻印を消したがパテは肉引きすることを失念していた
よ〜く見たら刻印の痕跡がわかるかも…知らなければ気がつかない?




(上)閉鎖状態(下)ショートリコイルロッキング解除状態
閉鎖状態ではチェンバー後端はスライドとほぼツライチ、後退するとバレルが沈む
リコイルスプリングガイドの位置を上方に修正した結果ほぼ正しい位置になった




(上)前回のスライド前進位置(下)今回修正後のスライド前進位置
リコイルスプリングガイドにアルミ板を当てた結果これもほぼ正しい位置になった




仕上げ直しでまたパーカーシールにスポンジでヘアラインを入れた
前回ちょっとやりすぎでエッジの下地ステンレスも剥げた部分があったので
今回はやや控えめにした




やっぱり刻印がちゃんと入っていると映えるな…




15発フルロードしたマガジン
残弾確認穴はグロックを同じデザインだがグロックよりは見やすい
実銃もこんな感じの視認性の差があるのかな?
外側がポリマーで内側に金属のライナーがある構造もグロックと同じ




スライド内側に貼ったアルミ板が実際にロックしているのを
確認したのでここもそのうち塗装したい




リコイルスプリングガイドの中に擬似ショートリコイルのためのスプリングがあって
本当にロックするようになったのでこのスプリングは要らないのだがしっかりバレルを後退させたいために残した
実は作業中にスプリングが折れたので巻き数を減らして成形し直した




USPで興味深いのはオートマチックセーフティの再現
USPはどちらかというと保守的なメカなんだけど安全性が
確保されているのはこのオートセーフティのおかげ
トリガーを引き切った時だけ下の丸のレバーが上に上がり
スライドのFピンブロックを上に押す




Fピンブロックが押されていないときはFピンはここまでしか前進しない(上)
押されるとFピンは解放されて奥まで押し込めるようになって(下)
カートリッジにコンタクトする




H&K USPの45ACPバージョン実銃(上)とタナカUSPモデルガン(下)
USPはフレームやスライドのスペースに大きなクリアランスがあるので
9mmパラだけでなく40S&Wや45ACPなどの各種口径にも対応できる
しかも無理なく動作するらしい




H&K USP タクティカルライトを装備した実銃(上)とレーザーサイトを装備したタナカUSP(下)




H&K USP実銃(上)とタナカワークスUSPモデルガン(下)
刻印の位置が違うがシリアルの桁番から上の実銃の方が
旧型でタナカの刻印が新しいタイプだと思われる




H&K USP実銃(上)とタナカワークスUSPモデルガン(下)
リファレンス用の写真も撮りなおしたので2ショット写真も作り直した




完璧とはいかないがまあまあ意図通りにできたUSP
この流れだと次回はUSPが登場するフィルムかな…


2022年5月8日
















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