WAガスガンガバのセーフティが今度は固すぎて解除できない〜シアのキレのわるさも改善した
前回金属部品に「めっき工房」のニッケルメッキをかけたガスガンのガバだが、実は昔から動きがあまり良くなかったのでやっと今回手をつけられた。
普通動きを改善してから外観のリアルさを追求する順なんだろうけど、外観がまあまあになってきたから動きが気になるというのが大体私の順番かな…
このWAのガスブロガバはMGCやスズキ、マルシンなどのいろんなテッポから部品を持ってきた寄せ集めガバなので、トリガー周りにしっくりこない部分が集中していた。
まずは
(1)セーフティがゆるゆるでトリガーでセーフティが解除できてしまうこと
(2)シアのキレが悪くて切れるタイミングがわからない
というのが大きな問題だった。
これでは安全でもないしマトにも当たらんわなぁ。
前回トリガーレバーをリュータで削ってトリガーを引いても勝手にセーフティが解除できないようにしたが、今度は固すぎてアンビセーフティレバーで解除ができなくなってしまった。
これを改善するがガバの完全分解をする前にかなり以前に見つけたコルトの工場でのガバの組立風景の動画をおさらいした。
これはすごい!
ガバの組立・分解なんか目をつぶってもできると思っていたけどこのオバちゃんはまさに職人の領域!
まず個人的な概念が覆ったのは組立の順番。
さきにスライド・バレルユニットをレシーバーに組み付けてから、レシーバーにトリガー・マグキャッチ・シア・ディスコネクター・メインスプリングハウジングという順番で組み付けて、一番最後にハンマー・グリップセーフティ・セーフティレバーという順番で組み立てていく。
最後にセーフティの擦り合わせをするためにこの順番になるんだと思うけど、やってみたらガスガンでもモデルガンでも確かにこの順番での組立は可能だ。
部品をパチパチとはめ込んでいってトリガーバーと最後のセーフティだけ丹念に擦り合わせ調整している。
この道40年な感じの工場の主みたいなおばちゃんなんだろうなぁ。
1挺組み立てるのに5分ほどなので1日働いたら90挺ほどのガバを組み立てられる。
このペースなら全く残業しなくても月産1,800挺、年産21,600挺の生産が可能だ。
ひょっとしたらコルトはこのオバちゃんでもっていたのかもしれない。
組立があの順番でできるなら分解もその逆でできるはず
スライドユニットを外さずにレシーバーを完全分解する
セーフティレバーを外すときは上からマイナスドライバーなどの細い工具を
差し入れるとセーフティスプリングプランジャーがすっ飛んで紛失するのを防げる
これもコルトのおばちゃんの知恵
セーフティを外したらハンマー、グリップセーフティ、メインスプリングハウジングの順番に外していく
セーフティを組み込む時は逆に下からドライバーを差し込むとすんなり入る
あらゆるテッポの中でもガバの分解組立は一番手慣れてると自分では思っていたが
このコルトのオバちゃん方式でやれば確かに5分で分解・組立ができる
恐るべし!コルトのオバちゃん
ところでこの丸で囲んだプランジャーが当たる部分のスロープを
金ヤスリで丸くしてセーフティのロックを少し軽くした
丸くしすぎるとまた簡単にセーフティが外れるようになってしまうので加減が難しい
アンビセーフティのシャフトの噛み合わせも甘くなっていたのでペンチでかしめて硬くした
シアのキレが悪いのはMGCのモデルガンから持ってきたトリガーバーの長さが若干足りていないからだ
それを改善すべく30年前の自分もトリガーバーに針金を巻いたりトリガー後部のマグキャッチに
当たって止まる丸の部分を削っていたので当時の自分もこのシアのキレには不満を持っていたらしい
「やるなら徹底的にやらんかい」と30年前の自分に言ってやりたい…さらに丸の部分を削りこんだ
トリガーバーの形も少し曲げてストロークを稼いだら組立はコルトのオバちゃん方式で
スライドを先に組み込んでからトリガー、マグキャッチの順に組立始める
このトリガーに交換したのはトリガーストップスクリューがついているから
なんだけどこれが今まで全く役に立っていなかったのが改善した
スクリューをいっぱいに締めてシアが切れない状態から緩めながら
調子を見てシアが切れる位置から1回転ぐらいのところで止める
シアが切れた瞬間にトリガーが止まるなかなか理想的な感触になってきた
こうして見てくれも動作も改善したWAガバベースカスタム
リアル化展示用ではなくバカスカ撃ちまくる用に購入したテッポだが
やっと両方の目的にあったコンディションに30年ぶりになった
セーフティはかけてもトリガーを引くと勝手に解除されていたがクリックを
硬くしたところ今度は右のアンビセーフティから解除ができなくなっていた
調整した結果左右どちらからも解除できるようになって
勝手にセーフティが外れることもないちょうどよい固さになった
「ちょうどよい固さ」というのがなかなか難しい
トリガーをいっぱいに引いてさらに握り込まないとハンマーが
落ちないタイミングがわからないシアだったがトリガーを削って
シアをしっかり押せるようにしてさらにトリガーストップスクリューで調整した
そして白く錆びていた金属部品も前回めっき工房で仕上げ直していい感じに
ガバはそんなに好きなテッポでもないんだけど結局一番たくさん持っているし
なんだかんだで結局ガバを取り上げる回数が多くなるのは
「釣りはフナに始まりフナに終わる」というのと同じなのかな…
そしてコルトのオバちゃんの分解組立スキルも身につけて
ますますコルト党もどきになっていく…
2022年6月18日
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