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マルゼンP99のグリップアダプター崩壊〜新品を購入したので外観も
タッチアップ〜部品取りに入手したジャンクとニコイチ(前編)

P99 reborn

マルゼンP99のグリップアダプター崩壊〜新品を購入したので外観もタッチアップ〜部品取りに入手したジャンクとニコイチ(前編)

何度も取り上げているマルゼンのガスブローバック、ワルサーP99がちょっと問題を起こしていた。

部品取りに入手したジャンクコンディションのP99がやけにベタベタすると思ったら、グリップのアダプターゴムが酸化してボロボロ崩れ始めた。

本チャン機のP99のグリップは大丈夫かとよく見てみたらこちらもグリップアダプターにヒビが入っている。

もしやと思って外して見たら見事に3つに割れて崩壊してしまった。

せっかく部品取りのP99も入手したのに両方とも部品がダメになってしまった。

思えばマルゼンのAPS1のゴム引きのグリップも20年ぶりに開封したら経年劣化で完全にゴムが溶けてペンキ塗りたてみたいにベタベタになっていた。

ゴムは自ずと寿命があるのだが、P99よりも古いスズキのガバ付属のパックマイヤー風ゴムグリップパネルは今も健在なのでやはり原料の質なのかもしれない。


実銃ゴムアダプターを入手できないか探ってみたが、どこも品薄のようなので仕方なくマルゼンのサポートに電話してみた。

「在庫あります」
との回答、早速2挺分の注文をお願いしたら
「在庫が残り少ないのでお一人様一個まででお願いします」
とのこと。

それでも仕方がない。

2挺とも再生とはいかなかったがグリップを入手…したのでこの際、今まで手付かずだった外観も手を入れることにした。





本チャン機のP99のグリップアダプターはこの通りひび割れがしてちょっとベタベタしている




外してみたらこの通り崩壊してしまった
部品取りに入手したジャンク機は完全に砂のように
アダプターがボロボロ崩れてしまった
20年がこの部品の寿命らしい




マルゼンに電話して注文を料金とともに送ったら1週間ほどで新品のグリップを送ってきた




1挺はこれで再生、もう1挺は崩れたグリップを組み立ててごまかした




せっかくグリップも新しくなったので外観で気になっているところに手を入れる
一番気になるのはチェンバーの平面がガタガタにヒケていてオモチャっぽかったこと
刻印を合わせ型で再現したためその合わせ目が凸凹になってたので平面出しをした




この際だから2挺とも外観のカスタムをかけて色違いにすることにした




平面出し・エッジ出しをしたバレルはブラッセンで塗装した




部品取りジャンクは金属部品の黒染めがほぼ剥がれて亜鉛合金が白く
錆びていたのでサンディングでキレイにしてこれもブラッセンで黒染めした




例によってスポンジでヘアラインを入れるとブラッセンはグラファイトなので
金属的な光沢になるのだが意外に食いつきが弱いようで剝げてしまった
なかなか仕上げ作業は微妙だ




実銃の写真を見るとチェンバーの刻印にはホワイトが入っているので最初タミヤカラーで
入れていたがはみ出した塗料を拭き取るとブラッセンも一緒に落ちてしまう
溶剤の材質が似ているようなので思案した結果思いついたのが水性アクリル絵の具のガッシュ




これはうまくいった
爪楊枝で塗料を刻印に流し込んで
はみ出した塗料は水を含んだウエスでふき取る
これで綺麗に刻印にホワイトが入った




実銃の写真を見てレシーバーカラーは黒だけでないことに気がついていたので緑っぽい個体を再現した
レシーバーをバラしてインディーのオリーブドラブを吹きつけた




実銃の色合いがなかなか微妙な色合いだったので実際に塗料を比較検討
フォリッジグリーンとオリーブドラブを比較して実銃の色は
後者の方が近いようなのでこちらを使った




もう一つ気になっていたのがスライドのヒケ、これも平面出しをかけた
マルゼンのP99はこの時代にしてはABSパーツのスライドがヒケも少なく
キレイなのだがこうして平面出しをかけると結構ヒケがあることが判明




エキストラクターが単なるプラのモールドというのも気になっていた
エキストラクターのアウトラインに飛行機模型の筋彫りの要領で彫り込みをかけた
こういうところにオモチャ専業メーカーとモデルガンメーカーの質感の違いが出るんだよなぁ…




スライドの右面に「ワルサー社ライセンスのマルゼン製6mm」という刻印があるのだが
実銃には当然そういう刻印はないので平面出しと併せてこれを消した




完全にヒケを消すと左側のワルサーマークも消えてしまいそうだったので
こちらはほどほどに平面出しをかけることにした




この平面出ししたスライドは少し明るい色で表現したかったので
インディーのパーカーシールで塗装した




もう1挺のスライドはブラッセンで塗装して質感を比較することにした




オリーブドラブを吹きつけた予備機レシーバーにも鉛板ウエイトを2枚半接着した




こうしてできあがったP99オリーブドラブバージョンとブラックバージョン
オリーブバージョンはスライドはパーカーシール、ブラックバージョンはブラッセン
色合いは違うがどっちもアリな気がしてきた




チェンバー刻印にホワイトが入ると印象が変わる
特にオリーブドラブバージョンは軍用銃をイメージして作業開始したのに
できあがってみるとスポーツ用のハンドガンのようなデザインになった




実銃の写真を見ているとスライドの色目は結構明るい色合いでマルゼンの
モールドはなかなか雰囲気はあったのはさすがワルサー社監修だけあった
その雰囲気を出すためにパーカーシールを使ってみたが少し明るめになった




グリップがオリーブドラブと金属部品・ゴム部品の黒のツートンカラーになって
ミリタリーモデルというよりスポーツガンみたいな雰囲気になった




(上)Walther P99実銃 via Wikipedia (下)マルゼン・ワルサーP99ガスブローバック
今回のリファレンスにしたのはこのWikipediaの写真でマルゼンかWEからDESカラーの
P99は販売されたことがあるようだがこの実銃写真はDESというよりは完全に緑系の色
スライドはブラッセンで塗装したバージョンの方が近いかもしれない




スライドには細かいヘアラインを入れたのだが細かすぎてわからんかな
次回は詳細な仕上げがわかる接写を多めにディテールを載せる


2022年7月6日
















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