Previous Topへ Next

マルシン・マテバ2006M〜「トグサの銃」の呪縛から離れてリアルマテバに…
前から気になっていたバレルを修正・ダミーカート化

MATEBA reborn

マルシン・マテバ2006M〜「トグサの銃」の呪縛から離れてリアルマテバに…前から気になっていたバレルを修正・ダミーカート化

マルシンのガスリボルバー・マテバM2007…通称「トグサの銃」をアニメの設定から離れて実銃のMATEBA 2006Mに寄せるべく手を入れた。

具体的にはバレルの仕上げ。

映画版の「トグサの銃」はマテバの2006Mとは微妙に違っていて、プロポーションも違うのだがマルシンはMATEBA 2006Mのバレルウエイトをスムーズにして9mmっぽいカートリッジをつけただけで「トグサの銃」として販売していた。

結果映画の銃とも似ていないし、実銃とも微妙に違う。

まあ売れ筋のことを考えるとリアルにするよりも「トグサの銃」として売った方が売れるだろうから仕方がない。

結果としてマテバの知名度もそのおかげで上がったのだし…


これを映画に寄せるのは大変なので実銃に寄せるべく、バレルの仕上げをマットにしてバレルにあるレールを追加した。

メッキモデルはヒケがすごくて表面がでこぼこなので、ついでに面出し。

そしてXカート仕様なのだが、どうせガスリボルバーの命中精度には期待していないのでシリンダー内の薬室を拡げてダミーカートモデルにした。





マルシンのマテバは357マグナムや38スペシャルのダミーカートが微妙な差で薬室に入らない
測ってみたら0.4mm程度だったのでちょっと削れば入るんじゃないか…と思ったら甘かった




結局丸ヤスリではどうにもならなくてリュータで盛大に削って入るようになった
シリンダーも傷だらけになったし結果的にガスガンとしての機能はほぼ破壊されたと思う
どうせガスリボルバーの命中精度なんて笑うほど低いので弾が出なくても構わない
ガスガンとしての機能を維持したいという人は決して真似しないこと




とりあえずメッキ黒染めが剥がれたシリンダーを銃2で
エキストラクターはブラッセンでプライマー下地塗りしてから仕上げ直し




バレルのアウターはABS製だがこれが盛大にヒケて表面が凸凹
どうみても鉄のインゴット削り出しの実銃とは似ても似つかないので
板に巻いた370番の耐水ペーパーで面出しした




結果メッキは剥がれるがそこは構わない
実銃はバレルだけマットな塗装仕上げのような黒い色をしているから
そして実銃にはどの個体にもあるのにマルシンでは再現されなかった
バレルウエイトのレールをABS板を接着して削り出した




このレールをバレルの面とツライチになるように削り合わせて成形していく




下地塗りでプライマーを吹いた後インディーのブライトステンレスを厚めに吹き付けた
実銃はブルーイングやパーカー仕上げではなく黒塗装のような感じがしたからだ




この上からブラッセンを吹き付けて例によって
チンチンに熱くなるまでドライヤーで焼き付けた




こうして完成したマテバ2006Mリアルバージョン




マルシンのXカートも悪くはないのだがやはりダミーカートが入るとリアルになる




バレルは焼き付け塗装のマットブラックでウエイト上部にレールがあるのが2006M実銃の特徴




ガスガンだとプライマーの辺りにガス穴が空いているのが興ざめだが…
ダミーカートが入るといい感じ…リアルさの見返りとしてBB弾の発射は
不可能ではないがおそらく3メーター先のヒト型ターゲットも外すような精度だろう
確かコクサイのガスリボルバーがそれぐらいの精度だった




ブラッセンは頑丈に塗装しようとしたら梨地のような仕上がりになった
誰が吹き付けてもムラなく塗装できるパーカーシールと違ってこの塗料はちょっと難しさがある
シリンダーの前から顔を覗かせる357マグナムのホローポイント弾の弾頭
やはりリボルバーはこれだよね




こちらはイタリアMATEBA社の2006M 4インチモデル実銃
バレルとレシーバー・シリンダーグループは明らかに仕上げが違う
そしてバレルウエイト上部にはレールがついている
この個体だけでなく実銃写真はどれもこんな感じ




この写真をリファレンスにリアル化したマルシンのガスガン・マテバ2006M
もう「トグサの銃」ではない…と思っている




このバレルウエイトのレールだが以前筆が滑って「光学サイトを固定するため」
と書いてしまったが、もし実銃のこんなところにドットサイトを固定したら
ショットガンのカンチレバーサイトよろしく大変なことになるに違いない
下手するとサイトが顔めがけて飛んでくるかも
このレールはこのようにバレルウエイトを追加するときに固定するためにあるらしい
実銃の追加ウエイトを取り付けた写真を見つけた
実銃はすべての個体にレールがあるがマルシンは「トグサの銃」に
こだわりがあるのか頑なにこのレールを再現しないのは不思議




(上)MATEBA 2006M 6インチバレル実銃と(下)マルシン2006M 4インチバレルガスガン
シリンダーオープンした時に357Magnumの刻印が入ったケースが入っている雰囲気




(上)イタリアMATEBA社 2006Mの5インチバレル実銃(下)マルシンガスガン2006M
マテバは簡単な工具でねじ込み式のバレルが交換できるので
2インチから8インチまで好みのバレルに交換できるのが特徴
マルシンは残念ながら交換は簡単ではないが…この写真も仕上げの参考にした




テレビシリーズ「攻殻機動隊〜Stand Alone Complex」のワンシーン
自宅謹慎中のトグサが思いつめて持ち出すマテバは
アニメ設定のM2007ではなくノーマルなマテバ2006M
アニメではサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」を持ち出すが
サリンジャーがあまり好きではない私はレヴィ=ストロースの
「悲しき熱帯」を持ち出すことに決めた…




(上)MATEBA 2006M 6インチバレル・ショートグリップ実銃(下)マルシン 2006M
実銃はバレルだけでなくグリップも大中小とオプションがあるようだ




そしてグリップは以前加工したピカピカに研磨・亜麻仁油オイルワトコで仕上げたもの
実銃は流石のイタリアンクラフトで猟銃並みの綺麗なストックがついていたので
ちょっとでもその雰囲気に近づけてみた




(左)攻殻機動隊「Stand Alone Complex」のワンシーンで
これもトグサの私物のノーマルMATEBA2006M
(右)同アングルのマルシン2006M
このアニメのバレルウエイトがやけに背が高い気がしてデッサンが狂ってるのかなと
思ったが同じ加工をしたマルシンもこのアングルだとかなりウエイトが高く見える
プロダクションIGのアニメーターの皆さんのデッサンの正確さに感心した




シリンダーから覗く357マグナム・ホローポイント弾…の図
BB弾が当たらなくたって見た目がリアルならそれいいんだい!…




マテバは多分今回が最終形…だと思う…多分…


2022年7月27日
















Previous Topへ Next





site statistics