リファレンスブックを作りたい5〜押し詰まってきたので恒例の… 今年取り上げたテッポのリファレンス写真集
2022年も押し詰まってきたので毎年恒例になりつつある、今年取り上げたテッポの写真を集めてリファレンスブック風に並べて振り返り。
年内にモスバーグから完全に手を離して次に取り掛かりたかったけど、まあ年末いろいろ集中できなくて積み残し。
今年はあまり数取り上げられなかった…と思っていたが集めてみると結構な量になった。
けど前からの少し手を入れたいという気になったところにやっととりかかれたという内容が多くて、なかなか目新しいテッポはなかったかもしれない。
年の前半はめっき工房で後半はAUG、L85に着せ替え遊びで過ごした印象。
前のようにジャンル別、実銃メーカー別に並べ替えるのが面倒なのでエントリ順で。
【Beretta M8000 Cougar】
おそらく現存する最古の銃器メーカーのベレッタが、自動拳銃に参入した当時からのトレードマークだったバレル露出型のスライドをやめた最初のモデル。
この露出したバレルのデザインで一目見ただけで「ベレッタだ」とわかるような個性だったが、さすがに弾薬が強力になってきた1980年代あたりからスライド破損の欠陥が出始めてきたので潮流には逆らえなかったということか。
イタリア人って他人と同じデザインをすることに強い抵抗感があるのか、各社の拳銃がみんなブローニングデザインやグロックデザインに右に習えする中、バレル露出型は止めるけど素直にブローニングデザインにするのはどうしてもイヤ…と思ったのかロータリーバレルロッキングという拳銃ではちょっと珍しいメカを導入した。
射線がずれない面白いメカだったけど、真似するところがどこも出てこないところを見るとそういうことだったのかもしれない。
ほぼそのままのメカでポリマーフレーム化したPX4が米軍次期制式拳銃トライアルに参加したが、これも採用を獲得できずなんとなく先細り感はある。
でも直線で構成された設計なのに、全体的にはなんとなく優美なシェイプなのはさすがイタリアンデザイン。
(上)Beretta M8000 Cougar 実銃と(下)KSCのM8000クーガー ガスガン
例によってKSCのプロポーションの捉え方はかなりいいと思う
(上)Beretta M8000 Cougar 実銃と(下)KSCのM8000クーガー ガスガン
底本にしている床井雅美氏の「世界の拳銃2」を見るとBerettaの最近の仕上げは
ブルーイングではなくパーカーか黒塗装のようで割とつや消しっぽい黒い色
ベレッタの実銃用グリップが手に入ったので少し削り合わせしてKSCにつけてみた
それに合わせてスライドなどを面出し・エッジ出ししてパーカライジング塗装
これで完成と思っていたらBeretta刻印のスライドが手に入ったのでまだまだ続くクーガー編
遠回りした気はするが比べてみると実銃用グリップはやはりKSCオリジナルより高級感があるので
この組み合わせは最終的には正解だったかも知れない…完成してから考えるけど
スライド前端の半ミリ程度の剥がれなんだけどすごく目立つ場所だったので気になっていた
それを直したのでいい気分だったのだがせっかくなのでニコイチしてBeretta刻印にするかな…
と言いながら一年が過ぎてしまった…そのうちね、そのうち
スライドとバレルも再塗装をかけた
バレルのヘアラインの雰囲気
【Walther P38】
マルシンのワルサーP38はかなり古いデザインなんだけどP38の雰囲気はかなりあるモデルだった。
しかしダミーカートモデル化するにあたって、マルゼンのガスガンからロッキングブロックを持ってきて部品を合わせてみたところ各部の寸法や形状で一致する部分が全くないというぐらい形状が違う。
マルゼンはワルサーから図面の提供を受けているはずだから、もしその図面に忠実に作っているならマルシンのP38はかなりデフォルメされていることになる。
でも見た印象はマルシンはかなり実銃に忠実に見える…この差はなんなのだろう。
以前マルゼンのガスガンをダミーカートモデルガン化するカスタムキットは販売されていたが、私はマルシンをベースにしてダミーカートモデル化した。
その流れでマルシンの残念ポイントだった「ウソショートリコイルメカ」をリアル化した。
バレル固定ピンも廃止したので実銃と同じ分解手順が可能になった。
ダミーカートだからできるリアル化。
Walther P38戦時モデル実銃(上)とマルシンのP38ダミーカートモデル化カスタム
ワルサーP38戦時モデルと一言でいっても初期のエボナイトグリップ・ブルーイング仕上げの
ブラックビューティから戦争末期の表面ざらざらパーカライジング仕上げの粗悪品までいろいろなグレードがある
参照したのはこの1943年モーゼル製の割と標準的なベークライトグリップモデル
マルシンのグリップはどういうわけかサツマイモ色だがベークライトの色むらのある感じに塗装した
スライドのロッキングラグが開いているのがリアルショートリコイルカスタム外観上の違い
30年ほど前馴染みのショップの常連さんの歯科技工士がリアルメカP38を作っていたが
あの時の感動が蘇ってきた…外観はさほど差がないが…
ロッキングが解除されたP38左横顔
P38はやはりこちら側の方が美人かな…
【89式5.56ミリ小銃】
言わずもがなの自衛隊現用主力小銃…なんだけど作ってるのが豊和だったので海外からは「AR18のコピー品」という定評が聞こえてくる。
確かに豊和は一時期アーマライトからライセンスを受けて日本製AR18を作っていたが、それをそっくりコピーしたというのは本当にそうなのか知りたいという動機が半ばで購入したガスガン。
ゲームから離れてもう、ん十年経つので電動ガンなんかクソ喰らえ、東京◯イなんかクソ喰らえ(ついでにウエ◯タンアー◯ズもクソ喰らえ)と思っているが、GHKのガスAKMのメカのリアルさに触れて以来ガスブローバックの長ものはありだなと思い始めている。
もうモデルガンを出す体力が日本のメーカーにないから、せめてメカの雰囲気がわかるガスガンで実銃を偲びたい…
(上)実銃の豊和工業製89式5.56mm小銃と(下)東京マルイのガスブローバックの89式
細かいことを言うと規整子(ガスレギュレーター)のメカをやっぱりマルイは
再現してくれないんだなとかレシーバーはやっぱり板金プレスじゃないんだなとかが不満点
分解してみるとAR18とはレシーバーのプレスの雰囲気は似てるが
玉突き式ガスオペレーションのAR18に対して89式のメカはAK47に近いロングストローク式
内部のメカボックスのモジュール化とかやはり全然別物なのがわかる
こうして分解した部品の形状や構成は実銃そっくり
電動ガンだとこうはいかない
実銃の分解写真と同ポジ比較したいが分解写真が床井雅美の
「世界のライフル」にしかないので転載することもできない
まあ、載せることができないけどそっくりだということです
ところでフィールドストリッピングは日本語で野戦分解とか通常分解
という訳語を使うが防衛省では「普通分解」という言葉を使っているらしい
このスリングは状況に合わせて形を変えて使用するということらしい
外側2本を肩にかけて携行・あるいは立哨の場合の挙銃ポジションで固定
1本で肩付射撃やスイッチシューティングも可能・バックルを外せば
自由に姿勢を変えられしかも取り落として紛失もないという便利さ…
なんだけどなんだか微妙に帯に短し襷に長しな感じ
3点スリングはスリングスイベルに通さないでストックに巻いて固定するのが自衛隊風
こうすることでスイッチシューティングも可能になる
BFAだけ塗装が剥げていて本体がピカピカなのも
気になっていたので本体もダメージ加工してやっと違和感がなくなった
5.56mm空砲弾とBFA付きの89式
横に転がしているのはSTANAGマガジン、つまりM16・M4系のマガジン
左側に残弾確認用の穴が開いていないのでそこが見分けるポイント
互換性がありNATO軍と弾薬を交換して使用が可能
自衛隊では空砲射撃演習の時はこういうアダプターを使っている
サプレッサーにねじ込んでガスの戻りを調整するタイプでオーストリアのAUGタイプに似ている
一緒に写っているのは空砲弾の使用済み薬莢
(上)実銃のBFA装着の雰囲気(下)マルイ89式用に自作したBFA
結構塗料を剥がして汚したつもりだが実銃はもっと汚れている
BFAだけウエザリングすると傷ひとつない本体とのバランスが取れなくなるので
結局本体の黒染めが禿げた状態も再現することになる
新品の銃がどんどん古びた銃になっていくという因果な趣味
【S&W M439】
かつてはリボルバーメーカーの印象が強かったSmith & Wessonだが、1950年代から独自のダブルアクションオートにはチャレンジしていた。
全体的には鳴かず飛ばずの印象が強いS&Wのオートだが、最初のスタンダードモデルのM39はワルサーP38やブローニングなどの各国メーカーの拳銃のいいとこ取りでなかなかバランスの良い拳銃だった。
米軍の制式拳銃トライアルの要求仕様に合わせるべく、このM39を無理やりダブルカラムに再設計したあたりから苦難の道が始まった気がする。
マルシンのM39シリーズは擬似的とはいえショートリコイルメカを再現したモデルガンだったし、この勢いでM59シリーズも出してくれるかと期待して待っていたが、40年経った今も期待して待ち続けている。
そうこうするうちにモデルガンのメカとしても古臭くなっているが、せっかくならダミーカート化してショートリコイルロッキングメカもライブにカスタマイズした。
ノッチが削れて利かなくなっていたハーフコックを修理して、ニッケルメッキにブルーイングをかけたのも失敗していたのでめっき工房で修復した。
(上)Smith & Wesson M439実銃と(下)マルシンM439モデルガン
実銃はパックマイヤーのラバーグリップに換装されている
やはりSmith & Wessonのニッケルメッキはこんな感じの鏡面仕上げが一般的なので
サンドブラスト気味だったマルシンのメッキを磨いてニッケルメッキをかけ直した
(上)Smith & Wesson M439実銃と(下)マルシンM439モデルガン
この実銃はパールグリップに換装されていて長いタイプのエキストラクターをつけている
S&W名物グロスメッキ風に加工したM439
ショートリコイルもリアルにロックするようにして擬似メカのスプリングを撤去した
ホールドオープンしたM439
デトネーターも撤去してダミーカートモデルに改修
汚かったニッケルメッキも修復しハーフコックも復活
ダミーカート化してショートリコイルメカも再現したので
これも押入れの奥で埃をかぶっていたが何十年ぶりかで復活した
【S&W Model No.3】
通販業者が「ワイアット・アープの銃」という名前でかつて大々的に新聞雑誌に広告を出して販売していたS&W Model No.3のエングレーブモデル。
OEMしていたのはマルシンでS&Wの中折れリボルバーのメカを当時としてはかなり高いレベルで再現していた。
当時の売り文句で「ワイアット・アープ・ミュージアムの実銃に取材して実銃の傷まで完全に再現した」という宣伝をしていた。
それ以前にこれが本当にワイアット・アープの愛用銃だったのかという疑問はあるが、この傷のおかげで実銃のことがいろいろ調べてわかったので、そこは面白いモデルだった。
詳しくは過去記事参照。
これが結構メッキが傷んでいたので、やはりめっき工房でニッケルメッキをかけ直した。
あまりコンディションが良くないジャンクとして入手したN0.3
メッキが傷んでいたが研磨し直してニッケルメッキをかけ直して光が戻った
トリガーガードの内側もリコイルシールドなどが一番メッキの痛みが目立つ
リボルバーはオートよりも表面積が広いのでメッキ液も消費量が多い
今回メッキの修復をかけた3挺
カスター将軍の銃、ワイアット・アープの銃、ゲーリングのルガー揃い踏み
【Colt M1861 Navy】
これもワイアット・アープの銃で一山当てた通販業者が同じく「カスター将軍の愛用銃」という触れ込みで二匹目のドジョウを狙った製品。
製造を請け負ったのは同じくマルシン。
コルトのパーカッション・リボルバーのメカを当時の水準としてはかなりのレベルで再現した。
実銃はカスター将軍の持ち銃との定説があるゴールドメッキ・エングレーブのコンメモリアルモデルだが、実際は南北戦争後に人気があったカスターに市民有志から送られた記念品程度のものでカスターが実戦に使用したとは考えにくい。
「誰それ使用のコンメモルアルモデル」というタイトルのついたエングレーブ・ゴールドメッキってアメリカのコレクターにかなり出回っているけど大半は嘘っぽい。
これもメッキがかなり傷んでいた。
シルバー部分はニッケルメッキで、ほとんど金色が消えていた部分は24Kメッキで修復した。
(上)ブラスグリップフレームと彫刻入りスタグホーングリップのついた実銃と(下)フランクリンミント・カスター将軍の銃
最初めっき工房のスターターキットの金メッキで修復していたがイメージの色と違ったので
24Kメッキボトルを購入してかけ直した…3種のメッキと鍍金ツール入りスターターセットよりも高かったが…
一番見栄えに影響するシリンダーがキレイになったのでまあ満足な仕上がり
ところで以前も触れたがこれがパーカッションタイプのNavyのレストポジション
プライマーにハンマーが当たっていると落とした時に暴発するのでニップルの間に
ハンマーを置くためにポッチがありハンマー側にもこのポッチを咥えるくぼみがある
トリガーガードがハンマースクリューなどがかなり剥がれて
銅色になりかかっていたのもキレイなシルバーに変わった
一番目立つのはシリンダーとこのローディングレバーの金色
やはりここの色が薄くなっていると古びた感じになるので復元したら真新しいイメージに変わった
ハンマーの仕上げ
このエングレービングは水牛のデザインなのかな
【DWM P08 Parabellum Pistole】
いわゆるルガーP08のゲーリングモデル。
これも通販商品の「ゲーリングの銃」をマルシンが受託生産した。
P08の生産を大量に受注したクリークホフ銃器製造が発注したナチス幹部への贈り物として多数生産したメッキ・エングレーブモデルの自動拳銃の1挺。
同じ日付の刻印の同じクリークホフエングレーブモデルが複数存在するので、ゲーリングなどナチス幹部に多数のルガーを贈ったらしい。
これも全く動かないジャンクコンディションで入手して完動品に修理・メッキをかけ直してメカも一部いじった。
(上)クリークホフ・エングレービングモデルのP08実銃と(下)ACG・マルシンのゲリP
ナチスのお引きでルガーの生産を任された経緯があったようなので
クリークホフはゲーリングだけでなくあちこちにご贈答用として配るために
このエングレメッキモデルを結構量産したようだ
トグルジョイントの連結部分の曲線にメッキ仕上げが似合う
サビ落としで薄くなっていた金メッキを24Kメッキで修復した
(左)プラチナメッキゲリP実銃の製造番号17232に対し(右)ACG・マルシンのモデルは16999
ちなみにこのプラチナメッキモデルは現在の為替換算で約1100万円ほどの落札価格がついている
ロッキングブロックスプリングを自作して組み込んだゲーリングモデル
マルシンはコイルスプリング+ボールベアリングプランジャーのスプリングだったが
リアルではないので実銃と同じ板バネを工作して自作した
そしてレシーバーの下にもロッキングブロックスプリングの頭が見えている
切ったスプリングの断面はザラザラだったのでこれを磨いた
「細かすぎて伝わらないカスタマイズ」コンテストがあったら
きっと優勝するだろうというぐらい地味で目立たないメカの再現
でもこの実銃形状を知ることができて再現できたので満足感はある
【S&W M59】
真似っこしいではあったがなかなかバランスが悪くなかったM39を、米軍次期制式拳銃トライアルに合わせてダブルカラムの14発装填可能なモダンオートに再設計したモデル。
なんだけどこの仕事があまりにもやっつけだったために、米軍トライアルの評価は散々でそのせいかM59自体の民間市場への販売もはかばかしくなかった。
何度も泣きを入れて次期制式拳銃トライアルを仕切り直しさせたが、結局評価は変わらずSmith & Wessonは敗退。
時代はリボルバーからオートに移行しつつあったのでこれを契機にアメリカの銃器製造の帝王だったS&Wはなんとなく黄昏状態になり、M59も細かい改良が加えられ4ケタモデルになった頃にはやっと一定の評価も得たが結局S&Wは経営不振になり外国資本に身売りする羽目になってしまった。
そのきっかけになった物忌なモデルだが初期のブルーモデルのM59が当時全く売れなかったために、今では逆にすっかり希少モデルになりアメリカの銃器オークションでは非常な高値がつくというのは何となく皮肉ではある。
日本のモデルガンはMGCから発売され、プロポーションはまあまあだが例によってアクション優先のあまりリアルでないメカのモデルガンだった。
それでもドラマとのタイアップが成功して、アメリカと違い日本のM59はバカ売れした。
そのおかげでMGC亡き後の現在でも日本のオークションではM59は結構手ごろな値段で手に入る。
(上)Smith & Wesson M59実銃と(下)MGC M59モデルガン
(上)Smith & Wesson M59実銃と(下)MGC M59モデルガン
仕上げ直したのでリファレンス用の写真も撮り直したがあまり前回と代わり映えしていないのが悲しい
比べてみれば意外にMGCのプロポーションは正確だったということがわかる
もう発火させることもないのでダミーカートリッジ化したM59
残念ながらMGCはショートリコイルメカは省略されていて
ホールドオープンしてもバレルの位置は元のまま
カートリッジもリアルサイズの9mmパラではない
ここらを修正しようとするとほぼ新しいモデルガンを
製造するに近い大工事になるので私の手には余る
MGCのニッケルメッキは赤いから嫌と思っていたがめっき工房の
ニッケルメッキで鏡面仕上げにしてバレルもメッキをかけた
エジェクションポートのチェンバーのヘアライン
PAT'S MG-BLKという刻印が時代をうかがわせる
これはMGCのオープンデトネーターに関する特許表示
【S&W M36】
銃自体はマルシンのガスガンのチーフスペシャルで何の変哲もカスタマイズもない。
前々から気になっていた「さびてんねん」という鉄錆塗料を試してみたくて、わざわざジャンクコンディションのチーフを手に入れて塗ってみた。
結果、感じたのはこの塗料はいろんな意味で最強だということ。
まさに鉄が錆びついているという色合い・質感をリアルに再現できる(実際鉄粉が錆びて発色しているので当然と言えば当然)点が強力だし、酸化剤をステンレス流しに流したりするとステンレス表面にあっという間に錆が浮いてくるのも最強。
ヨメさんに見つかったら大目玉確定という非常に危険な塗料だった。
なぜこんな酔狂なことやっているかというと、40年ほど前に観たNHK特集のアルビン・トフラーの回が未だに印象に残っているのでトフラーごっこをしてみたいというこれまた酔狂な動機。
アルビン・トフラーは当時産業文明論を説いた「第三の波」というベストセラーの著者として話題になっていた。
そのトフラー自身をホストにして「第三の波」とは何なのか、これからの私たちの生活にどういう影響があるのかを取り上げた面白い番組だった。
「第三の波」とは何かを説く前にそもそも20世紀という時代はどんな時代だったのか
トフラーはこれを難しい文献を引用せずに1挺の錆びついたチーフを手にとって
20世紀という時代のそれ以前の時代とは根本的に違う特徴を説明した
「20世紀というのはどういう時代なのか…もし今から1000年後の
考古学者が20世紀の古代遺跡を発見した時にこの時代をどう捉えるか
この古代遺跡から発見された『拳銃』という出土品は
極めて20世紀的な特徴を備えている…」
いずれも同じチーフスペシャルでどちらも同じくABSつまりプラスチック製のテッポ
鉄に見えたらお慰み
いやあ…見えるでしょ
【H&K USP】
グロックで精緻なメカが銃器のデザインを一変させるという現象を目の当たりにしたが、21世紀も間も無く中盤にさしかかろうとしている今でも、コンベンショナルなメカの銃も一つの潮流をなしている。
その源流になったのがH&KのUSPで、ポリマーオートではあるが目新しいメカもないのにその後の一つのスタイルの源泉になっている。
頑丈であらゆるパーツがオーバースペックというぐらい、強度・寸法に余裕をもたせて設計されている。
そのため目新しくはないけど、頑丈で故障もしにくいという安心感はある。
この安心感という数値化できないスペックが大事なのかもしれない。
以前ガスブローバックのP8も取り上げたが、やはり発火メカのディテールが知りたいということでタナカのUSPのモデルガンも手に入れた。
例によってジャンクコンディションだったのを、仕上げ直して刻印彫り直しにもチャレンジした…のだがやはりローガンにはきつい作業。
そしてまた例によって無発火ダミーカートモデルに改修して、ショートリコイルロッキングメカもリアルにロックするようにカスタマイズした。
H&K USPの45ACPバージョン実銃(上)とタナカUSPモデルガン(下)
USPはフレームやスライドのスペースに大きなクリアランスがあるので
9mmパラだけでなく40S&Wや45ACPなどの各種口径にも対応できる
しかも無理なく動作するらしい
H&K USP タクティカルライトを装備した実銃(上)とレーザーサイトを装備したタナカUSP(下)
H&K USP実銃(上)とタナカワークスUSPモデルガン(下)
刻印の位置が違うがシリアルの桁番から上の実銃の方が
旧型でタナカの刻印が新しいタイプだと思われる
(上)閉鎖状態(下)ショートリコイルロッキング解除状態
閉鎖状態ではチェンバー後端はスライドとほぼツライチ、後退するとバレルが沈む
リコイルスプリングガイドの位置を上方に修正した結果ほぼ正しい位置になった
HK USPの型名刻印の後ろにプルーフマークがあることに今回平面出しして気がついた
これの追い彫りがキツくて今回完全に心が折れた…
【Colt Government model】
Coltのガバなら普通軍用のM1911とか民間向けのMk.IV Series 70とかちゃんとした名前があるのだが、これはWAのガバベースに4コイチぐらいで色々な部品を組み合わせてでっち上げたカスタムなので「ガバメントモデル」としか言いようがない。
一応モデルにしたのはターミネーター2でシュワちゃんがバカスカ撃っていたデトニクスカスタムをイメージしている。
これを組んだのはもう30年ぐらい前なんだけど、シアのキレが悪いとかセーフティが勝手に解除されるとかカスタムガンの出来としては最悪で当時の私の能力の低さを示す心の傷になっていたテッポ。
それを30年ぶりぐらいで引っ張り出してきてまともに撃てるテッポに調整した。
ついでに錆びついていた亜鉛合金部品をメッキ工房で復活させた。
見てくれも動作も改善したWAガバベースカスタム
リアル化展示用ではなくバカスカ撃ちまくる用に購入したテッポだが
やっと両方の目的にあったコンディションに30年ぶりになった
白く錆びていた金属部品もめっき工房で仕上げ直していい感じに
亜鉛合金にはめっき工房はかからないと取説にも書いてあるしネットにも
そういう情報が流布しているが実際には下地に銅メッキをかけるなどの
手順をちゃんと踏めばメッキできることが判明した
【Walther P99】
ワルサーP99が抜群の精度というわけでもないが、発売後20年以上も経った今でもちゃんと動いているのでこれも見られるように手を加えた。
ゴム製の交換グリップが20年で完全に腐食してボロボロ崩れるので、マルゼンから新品を取り寄せた。
マルゼンは以前ゴム引きのAPS1のグリップも腐ってペンキ塗りたてみたいにベトベトになってしまったので、残念ながらゴム部品の品質は高くないようだ。
モールド色の表面仕上げもなかなか悪くない色をしているが、やはりABSモールド色なので塗装して鉄色にした。
それに合わせてグリップのダークグリーンのタイプとチェンバー刻印にホワイトが入ったタイプなどを再現してみた。
完全な見た目カスタム。
グリップ交換し塗装仕上げし直したP99
(上)Walther P99実銃と(下)マルゼンP99
上の実銃は映画撮影用のプロップガンでチェンバーの上面が
斜めに削られてロックしないように改造されている
外観上の違いはそこぐらいというのがすごい
(上)Walther P99実銃と(下)マルゼンP99
これはオリーブドラブバージョンの比較
ブラッセンの黒染めを試してみたがインディのスプレーとはまた違ったニュアンスになる
スライド左側のワルサーライセンスのマルゼンの刻印は面出しの時に全部削って実銃と同じにした
刻印にホワイトを入れるのは実はあまり好きではないのだが
実銃が皆ホワイトを入れているようなので今回挑戦してみた
【MATEBA 2006M】
マテバの歴史については本文でも取り上げたが、もともとパスタ製麺機工場のドラ息子の道楽として始まった競技用ピストルのメーカーだった。
紆余曲折あったが結局大ヒットすることもなくひっそりと消える運命にあったイタリアローカル工房の銃が、世界中で注目されるようになったのは日本のアニメの影響。
オリジナルのマテバの設計思想はなかなかユニークで、創業者のエミリオ・ギゾーニは「他人と同じものを作りたくない」というイタリアンデザインのメンタルを体現したような人。
そのクセが強すぎる設計のために、軍用、警察用、市販用、競技銃とどの用途でも一般受けすることなく鳴かず飛ばずで終わるはずが突然復活した。
少なくとも特に日本とアメリカでテッポ好きなら、みんな名前を知っている銃になったのはアニメの影響だった。
そのアニメの銃だがマテバの2006Mそのままではなく、映画では少しデフォルメされたM2007として登場した。
さらにその後のテレビシリーズでは、マテバ6ウニカをモデルにしたようなM2008という架空銃がトグサの愛用銃になり
「俺はマテバが好きなの」
という台詞と共に人気を博した。
マルシンがモデル化したのはこの映画版のM2007のようだが、2006Mをそのままベースにしてバレルウエイトガイドレールがないトグサモデルとする中途半端な設計だった。
攻殻の人気が下火になってもカートリッジを357マグナムに戻せば、そのままマテバ2006Mとして売り出せるお手軽設計だったのかもしれないがおかげで映画に忠実でもないし実銃にも忠実ではない半端なガスガンだった。
その気なっている部分を直して、猟銃グレードの実銃グリップストックの雰囲気に似せて削り直しワトコオイルで仕上げた。
マルシンのXカートも悪くはないのだが実射性能を犠牲にして
シリンダーを削りダミーカートモデルにした
ガスガンだとプライマーの辺りにガス穴が空いているのが興ざめだが…
ダミーカートが入るといい感じ…リアルさの見返りとしてBB弾の発射は
不可能ではないがおそらく3メーター先のヒト型ターゲットも外すような精度だろう
確かコクサイのガスリボルバーがそれぐらいの精度だったのでもう期待していない
(上)MATEBA 2006M 6インチバレル実銃と(下)マルシン2006M 4インチバレルガスガン
シリンダーオープンした時に357Magnumの刻印が入ったケースが入っている雰囲気
(上)イタリアMATEBA社 2006Mの5インチバレル実銃(下)マルシンガスガン2006M
実銃はシリンダー・レシーバーがブルー仕上げ、バレルがマットブラック皮膜仕上げ
そしてバレルウエイトには追加ウエイト固定レールがついているのが標準
というよりどの個体もこうなっているのでそれに合わせて改修した
グリップもイタリアの猟銃グレードなので形も削り直して
ワトコオイルを何重にもかけて実銃の仕上げに似せたピカピカにした
テレビシリーズ「攻殻機動隊〜Stand Alone Complex」のワンシーン
自宅謹慎中のトグサが思いつめて持ち出すマテバは
アニメ設定のM2007ではなくノーマルなマテバ2006M
アニメではサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」を持ち出すが
サリンジャーがあまり好きではない私はレヴィ=ストロースの
「悲しき熱帯」を持ち出すことに決めた…
(上)MATEBA 2006M 6インチバレル・ショートグリップ実銃(下)マルシン 2006M
実銃はバレルだけでなくグリップも大中小とオプションがある
【カラシニコフ AKM】
もう言わずもがなの世界で一番多数生産された銃としてギネスブックにも載っている自動小銃。
AKの設計を一言で言うなら極限まで抑えられた部品点数、銃の専門知識がなくても数分のレクチャーで使用できるようになるシンプルなメカ、クリアランスを多くとって水が入ろうが泥や砂を被ろうが動く強靱性ということになる。
その反面実は命中精度などを犠牲にしているわけで、ベトナム戦ではアメリカ兵がベトコンのAKを鹵獲して使用している報道写真も多数あるものの、当のソ連兵、イラク兵にとってはむしろ米軍のM16系の銃は「脅威だった」という感想が今になって流れてきたりする。
今はAKMはロシアでは使用されていない旧式銃だが、その分無可動実銃として日本に入ってくるので、ストックの木工の感じやベークライト部品の色合いなどかつてはよくわからなかった情報が豊富になってきた。
(上)無稼動実銃のツーラ製AKMと(下)ベークライト塗装マガジンを装着したGHKのAKM
AKMはスチール製のマガジンが標準だが軽くて寒冷地で指が
くっついて離れなくなったりしない樹脂製マガジンも使用された
最近聞いた話では寒冷地ではベークライトマガジンは寒さで脆くなって
すぐに割れたりするので実はあまり兵士に歓迎されていないとのこと
(上)無稼動実銃のツーラ製AKMと(下)ベークライト塗装マガジンを装着したGHKのAKM
塗装をしたのでこの比較写真も撮りなおした
【ステアーAUG】
1970年代にオーストリア軍制式小銃を目指して設計されたAUG。
つまりもう開発が始まって50年以上の歳月が経っているが、そんな古い設計とは思えない近代的なブルパップの成功作。
ほぼ同世代のブルパップはほとんど実用化することなく消えて、わずかに制式化までこぎつけた英国のL85やフランスのFAMASも近代化改修を受けながら延命しているが自国以外ではあまり多くの国に採用されていない。
それに比べてAUGはオーストラリア、ニュージーランド、サウンジアラビア、カナダなどで採用され、かつてはアメリカの警察でも使用された。
ブルパップの大きな欠点の一つ、重心がどうしても後ろにあって連射だと空を撃ってしまうという問題も、金属部品をグリップよりも前に集め、後ろはシアボックスやシア、ハンマーに至るまで樹脂製部品を使って重心バランスを改善した点が大きい。
その副次的効果としてメカボックが大部分プラスチックなので錆にも強い。
オーストリア軍も短小化、光学サイト標準装備などの近代化改修で延命を図っている。
GHKのガスブローバックAUGを入手したところ、実銃とは似ても似つかない電動AUGとは違うリアルさに感動したためいろいろ着せ替え遊びをし始めたのが今年の後半。
(上)シュタイヤー・マンリッヒャーAUG A2実銃と(下)GHK AUG A2ガスブローバック
この写真と並べるスタイルのAUGがやっと手に入った
(上)AUG/A1カービン16インチバレル実銃と(下)東京マルイAUG/A1カービン
16インチバレルはM4カービンと同じ長さ…それでこのコンパクトさ…
となるとブルパップのメリットは短い銃でこそ際立つ
(上)シュタイヤー・マンリッヒャーAUG A1実銃と(下)マルイ電動AUGのスペシャルレシーバーバージョン
マルイはこのスコープマウントを「スペシャルバージョン」と命名していたが
このスタイルがAUG/A1の民間向けのスタンダードモデルなので「スペシャル」はおかしい
(上)シュタイヤー・マンリッヒャーAUG/A3実銃と(下)GHK AUG/A2ガスブローバック
16インチバレルにサプレッサーを付け替えてかなり雰囲気が近くなった
なおGHKは箱に「A3」と印刷しているがGHKの出しているバージョンはすべてA2
A3はマガジンの上にボルトリリースボタンが追加された型なのでGHKは全部違う
(上)シュタイヤー・マンリッヒャーAUG/A1実銃と(下)マルイ電動AUGリアル化バージョン
いずれも20インチバレルをつけたかつての標準サイズ
(上)Steyr Mannlicher AUG / A3実銃と(下)マルイ電動AUGエマージェンシー・マリーン・キット
ラスベガスのショットショーでステアーのブースで展示された「エマージェンシー・マリーン・キット」
海がないオーストリアでどういう意図で緊急海難キットが販売されるのか用途がよくわからないが
このショッキングオレンジがなかなか「ショッキング」だったので思わず真似してみた
(上)Steyr Mannlicher AUG / A3実銃と(下)マルイ電動AUGエマージェンシー・マリーン・キット
蛍光オレンジは太陽光で撮影するとどうしても黄色っぽい色になってしまう
蛍光塗料はむしろ蛍光灯の光の下で本来の色合いが撮影できるという気づきを得た
(上)Steyr Mannlicher AUG / A3実銃と(下)マルイ電動AUGエマージェンシー・マリーン・キット
最近はエアソフトガンを赤や黄色に塗りたくるゲーマーも増えてきて
昔のモデルガン規制の悪夢を知らない世代が自由なカラーリングを楽しんでいる
それはそれで楽しいのかもしれない…とオレンジを塗りたくりながら思った
(上)F88にレーザーサイト、ライト、M203などを取り付けた実銃を構えるオージー兵と
(下)似たアレンジにしてみたGHKのAUG、実銃はやはりトリガーガード前にスイッチを固定している
ライトの上にレーザーと逆位置になったがこっちの方が雰囲気が近い気がする
G17とAUG
実銃の訓練風景写真のようにG17のレシーバーも真っ青に塗ってみたくなった
アタッチメントをつけたまま通常分解
前回スナイパーバージョンにアレンジしたAUG
ぱっと見にはAUGに見えないようなアレンジ
(上)24インチバレルをつけたスナイパーバージョンの実銃AUG A3と(下)スナイパーレイアウトのGHK AUG
AUGはトリガーの構造からスナイパーには向いていないと思うが
200メートル程度のショートレンジならスナイパーとして使えないこともないのかな
そういうレイアウトもたまに見かけるし
(上)ノーマルなAUGの20インチバレルの先にサウンドサプレッサーをつけた映画「ニキータ」の
狙撃シーンと(下)再現してみた20インチバレルにSOCOMサプレッサーをつけたGHK AUG
この組み合わせだとかなり長くなって取りまわしがどうのこうのというレベルではない
それでもブルパップではないライフルにサウンドサプレッサーをつけるよりはマシなんだが
(上)AUG/A3実銃のCQCオプションと(下)GHK/AUGの同様の組み合わせ
(上)実銃CQCオプションのAUFG/A3と(下)GHKのAUG・CQCオプション
(上)AUG/A3実銃のCQCややスナイパー寄りオプションと(下)GHK/AUGややスナイパー寄り
実銃と似た組み合わせに着せ替えて日々楽しんでます…
(上)AUG実銃のボルトキャリアとロテイティングボルトユニット(下)GHK/AUGのボルトとガスピストン
AUGというと一時期フィールドではマルイの電動AUGのサイレントカスタムとかハイサイクルとか
よく見かけただろうけどそれじゃなくてGHKをベースにしたかったのはひとえにこれ
このボルトユニットとシアボックスのメカのリアルさがGHKの最大の魅力
ベースがいいから着せ替え遊びも楽しくなるのよ…
実銃のAUG訓練風景(上)とGHKのAUG(下)
現在のオーストリア軍では接近戦ではほぼデフォルトのスワロフスキーは
使わないようでキャップを閉めたまま上のAIMPOINTばかり使っている画像が多い
この2段積みの雰囲気を出したくて3面レール付きのスコープを載せてみた
銃口の青いのはブランクファイアリングアダプターで空砲弾で
射撃演習をするときにはこれを銃口につけて自動排莢が動くようにする
マルイの安全キャップがあまりにも味気無いのでこれも作ってみた
性能はともかくカッコだけで選んだサイトの組み合わせだけど
オーストリア軍実銃はやはりスワロフスキーの上にAIMPOINTを載せた
組み合わせなのでなんとかこれを再現しようと今のところ部材待ち
それまではこの組み合わせで雰囲気だけ楽しむことにした
(左)M203をつけたGHKのAUGと(右)オージーのグレポン付きF88
まあまあ似た雰囲気になったんじゃないかな
実銃はフロントレールの左側にクワドラントサイトをつけた例もある
光学クワドラントサイトをライフルサイトの上につけているイメージで段積みしてみた
(上)これがその光学クワドラントサイトをスコープサイトの上につけた例
(下)その実物もレプリカも手に入らないのでなんとなくイメージが近いサイトを載せてみた
4種類並んだAUG
左からエマージェンシーマリンキット風電動AUG A1、CQCオプションのGHK AUG
14インチのGHK AUG A2、14インチのマルイ電動AUG A1
現在現用ミリタリーバージョンのレシーバーを自作する算段をしているところ
部品待ちなんだけど進捗あればまたAUG着せ替えシリーズが復活するかも
【Enfield L85A2】
AUGと同じく先進的なブルパップ小銃として企画され、実際AUGと同じくらい画期的な開発計画によって先進的小銃になるはずだったのだが、紆余曲折あって結局「弾が出る鈍器」とまで罵倒されるようになってしまった不幸な子。
基本設計はそこまで悪くはなかったしブルパップとなればどうせ照準線の短さが欠点として指摘されることも予測して小型光学サイトも同時開発進行する先見性もあったのだが、試作機が完成してそれなりの成果を出している段階で
「アメリカ様の主張なさるNATO弾に合わせて再設計せよ」
という無茶ぶり要求仕様変更に開発チームが嫌気がさして、AR18の基本図面をテキトーにブルパップ化した銃に置き換えてしまったというデスマーチの開発現場でよく見かけることが起きてしまったのかもしれない。
出来上がったL85は数十項目にも及ぶ「欠陥」により実戦使用は非現実的とまで評価されたが、予算の関係なのか時間切れなのか批判を無視して強引に制式採用された。
そして「弾が出ることもある」とまで酷評された段階で英国防省からの発注でドイツのH&K社が改修を実施。
改修費用はH&KのG36の新品小銃を同数購入できるぐらいの予算になったという曰く付き。
この改修を受けたのがL85A2ということで現在も使用されている。
さらにL85A3が現在配備され始めているが、基本的にはA2にフロントレールユニットを標準装備しただけという
「使えるものは使い続ける」
という英国面の面目躍如たる小銃。
散々な書きようだが、実は個人的には好きなテッポ。
この不器用さ、不細工さに惹かれてしまう不思議なテッポだ。
台湾メーカーのWEがこのA2をメカも含めて忠実に再現してくれたので、これもいろいろ着せ替え遊びをした。
(下)LSのエアソフトガン・プラモデルのL85Aと(上)WE-TeckのL85A2
遠目にわかるのはハンドガードのクーリングホールが大きくなったこと
冷却に考慮してということなんだろうけど樹脂部品の劣化が速いので交換したものは
このタイプに変わるがA2の中にはA1タイプのハンドガードのままの個体も多い
ヒンジがアルミランナー一体だったのがA2ではプラに変わったのでやはり劣化対策のようだ
(上)L85A1実銃の野戦分解した様子と(下)WE-TECHのL85A2の分解した様子
電動ガンのメカはほぼ実銃とは別物だがガスブローバックはこのようにかなりリアル
L85A2近代化改修バージョン(上)実銃(下)WE-TECHのガスL85
ハンドガードの4面レールには多くの兵がレール保護カバーをつけている
つけないと銃を構える左手が痛いからだろう
実銃は珍しい櫛形のフラッシュハイダーをつけている
あまり見かけない形だがこういう形式もあるのだろうか
ACOGに変わって最近よく見る組み合わせがこのELCANのSPECTORタイプのサイト
いずれにしても英国はもうSUSATには完全に見切りをつける方向性らしい
(上)ELCANのサイトをつけたL85A2実銃の空砲射撃と(下)ELCANをつけたWEガスガンL85A2
(上)ELCANサイトにダニエルディフェンスのハンドガード
ゴツいバイポッド兼用のバーティカルグリップという組み合わせ(下)WEガスガンL85
BFAは近日中に自作する予定
(上)サイトにTrijiconのACOGをつけた実銃と(下)同じくACOGをつけたWEのL85
実銃はSUSATマウントにACOGを装着するグースネックマウントを使用しているが
こんな専用部品を作ってまでNATO標準のピカティニーを採用するのが嫌だったのだろうか
英国人のへそ曲がり極まれりだがいずれにしてもこれも過渡的な装備に終わりそうだ
【Mossberg M500】
Mossbergはもともとスウェーデン人の創業者がアメリカに移住して始めた猟銃メーカー。
散弾銃猟をする人たちにはレミントン、ベレッタ、ミロクと同じくらい馴染みのあるメーカー名だが、トイガンユーザにはマルシンがモデル化した「警察用散弾銃」として馴染みがあるかもしれない。
実際1980年代のアメリカの警察もの映画やドラマに登場する警官が持っている散弾銃はほとんどイサカかモスバーグだった。
マルシンがモデル化したM500はヒートシールドがバレルについているが、こういうアタッチはむしろ軍用のM590についているのが普通で、警察用のM500についているのはあまり見かけない。
この方がゲーマーに受けるかもしれないというマルシン的デフォルメなのか。
このスタイルがあまり好きではなかったのでずっと押入れの奥で眠っていたのだが、モスバーグの猟銃バージョンはなかなか捨てがたいスタイルなのでマルシンで再現してみた。
(上)Mossberg社のM500 Multi-Purpose Field Classic実銃と(下)マルシンのM500フィールドクラシック
上の実銃は28インチバレルをつけていてトラップ射撃とか水鳥猟用の雰囲気
下のマルシンはスキート用の26インチバレルの雰囲気に寄せている
(上)APS・Remington M870と(下)マルシン・Mossberg M500フィールドクラシック
銃身を26インチに延長してベンチレートリブを工作、ストックをスラグスターの木ストに交換
さらにワトコオイルで色調を整えてウレタンニスで仕上げ、表面は銃1で塗装した
(上)マルゼン・Remington M1100と(下)マルシン・Mossberg M500フィールドクラシック
マルゼンのM1100はライブシェルのガスブローバック、マルシンはカートレスのガスガン
このクラシックなスキートガン風の雰囲気が好き
マズル周り…フロントサイトはBeretta社純正のホワイトボール
銃1はピカピカに磨くとわずかに青っぽい反射が大げさに青くなくて好きな色合い
18mmアルミパイプで工作したバリアブルチョークが銃口に入っている
今回実銃フォアエンドを入手したのでマルゼンのM1100につけてウレタンニスのテストで塗装
これも希望通りの仕上がりになったのでおなじみの猟友会キット
(上)Mossberg M500 Deer Type実銃と(下)マルシンのモスバーグ・ディアタイプ
部品取りに購入したスラグスターがちゃんと動くようになったのでシンセティックストックを
つけてサイトベースもモスバーグ独特のスタイルのカンチレバーに工作した
仮設でG3SG-1から持ってきたチークパッドをつけているが
こうなるとこれもリアルに作ってみたくなってくる
問題のカンチレバー(上)実銃(下)マルシンのM500
独特の形状を再現してみた
マルシンのモスバーグの猟銃化第一段のフィールドクラシック(下)と第二段のディアタイプ(上)
あまり気に入っていなかったモスバーグのM500だが見られる姿になって好きになってきた
もともと警察・軍用よりも猟銃が好きなので散弾銃はこうありたい
撮影の順番を待つうちのショットガンズ
全部実銃ではなくガスガンなのですよ
もともとショットガン好きではあったけどこれにあと水平二連、レバーアクション
マッドマックスタイプハンドガンなどもあってこんなに散弾銃が集まるとは思っていなかった
2022年12月25日