WEのSCAR-Lの着せ替え遊び〜いっぱいレールがついていると鉄道模型ファンでなくてもいろいろ載せたくなるよね〜あと実銃のこと
FNのSCARの実銃のことをちょっと。
アメリカは3軍ともM16A4とM4を共用するという1960年代のマクナマラドクトリンを未だに踏襲して軍予算に厳しい議会対策をしているが、そこにいつも異を唱えるのが特殊部隊の巣窟のSOCOMという構図が繰り返されている。
USSOCOMは3軍の特殊部隊を統合指揮する大組織で、合計で数万人という兵力を持つ米軍内の別組織統合軍。
というだけで「一般の兵科の歩兵と同じ扱いにしないでくれ」という雰囲気が伝わってくると思う。
湾岸戦争以降の砂漠地帯の戦訓で5.56mmの小銃は遮蔽物のない砂漠地帯では30口径に撃ち負けるというのが彼らの主張で、3軍が引き続き5.56mmをマルチロールとして共用するならSOCOMは従わないということで、独自に小銃のトライアルを始めたのがSCARプログラム。
SCARはSpecial operation forces Combat Assault Riflesのイニシャルを取ったプログラムで、応募を募ったが結局要求仕様を満たす試作品を提出したのがベルギーのFN社だけだった。
名前の通り一つの銃でコンバットライフルとアサルトライフルの能力を要求しているのだが、FNは7.62mm(30口径)と5.56mm(.223口径)のモジュラー化でこの仕様をクリアした。
7.62mm口径がMK.17、5.56mm口径がMK.16として採用されたが、のちにMK.16はキャンセルされた。5.56mmならM4と同じだから改めて別の銃を採用する意味はないとSOCOMに横槍が入ったのかは不明。
しかし5.56mmも結局レンジャーや海軍に配備されるなど小銃に関してはマクナマラドクトリンはかなり骨抜きになってしまった。
SOCOMがSCARを大量購入してテストしているという噂を聞いた当時は
「次期米軍小銃はSCARに決まりか?」
とも思ったが、そういう風にもなっていない。
SCARという名前はSOCOMの次期小銃プログラムの名称なのだが、実際最終試作に応募したのはFN社だけだしもう兵士たちもこの銃のことをSCAR(スカー)と呼んでいる。
FN社もSCAR-H、SCAR-Lなどと呼んで販売しているのでこれがこの銃の名前になってしまった。
「米軍特殊部隊御用達」みたいな箔づけにFNが利用しているような雰囲気もかなりある。
SCAR-Lを使用するペルー陸軍(via.Wikipedia)
ペルーやアルゼンチン、ブラジルなど南米の諸国はFNのFALを使っている国が多かった
FALは30口径NATO弾を使用するがさすがに老朽化は否めないので
こうした国が続々SCARを採用し始めている
30口径のままSCAR移行するの国も5.56mmを採用する国もある
SCAR-Lを使用するセルビア軍特殊部隊
東欧からNATOの範囲に入ってきた国はAK系を使用していたのでこれも更新が迫っている
東欧諸国はドイツのG36を使っている国が多いが特殊部隊はやはりSCARが支持されているようだ
AIMPOINTのM2風のサイトを載せたWEのSCAR-L
SCARはアメリカのSOCOMだけでなくFALなどの老朽化した小銃の更新を
控えていた各国でも次々採用されたがもちろん本国のベルギーでも採用された
ベルギー軍はAIMPOINTを載せたSCAR-Lが一般兵科の標準装備のようだ
AIMPOINTは視野角も広く等倍率のダットサイトなので万一の故障の時は
そのままオープンサイトをフリップアップさせるだけで素通しで照準できる
多くの国が低倍率スコープとダットサイトの2階立てで故障に備えているが
SCARとAIMPOINTの組み合わせならその必要がないのでベルギーらしい合理的な選択だと思う
例によってレプリカのブランクアダプターを銃口に着けている
安全アピールならビニールのセーフティキャップでも十分なんだけど
こういうものをつけているほうがなんとなくそれっぽい
ELCANとライトユニットをマウントしたSCAR-Hを射撃するNAVY SEALS隊員(via.Wikipedia)
M4を標準装備して分隊支援も5.56mmですべてやるという方針に対して
砂漠では30口径以上のバトルライフルがないと撃ち負けるというのがSOCOMの主張
海兵隊などM14を引っ張り出して使っているがさすがに古すぎることからSCARプログラムが始まった
SEALSなどが採用するSCAR-Hのミッドレンジのスナイパーアレンジ
G3SG1などと同じくスナイピングもできるが二の矢も即時追い撃ちできるオートライフル
至近距離から反撃された時も対応できる20連マガジンも装着している
(右)FN/SCAR-Hスナイパーアレンジの実銃と(左)WE/SCAR-Lのスナイパーセット
(上)FN/SCAR-Hスナイパーアレンジの実銃と(下)WE/SCAR-Lのスナイパーセット
サウンドサプレッサーを着けてみた
バイポッドグリップとACOGを載せてサウンドサプレッサーも
つけたどちらかというとショートレンジ向けのスナイパーかな
ミツマタサプレッサーをつけたWEのSCAR-L
FN社の純正のグレネードランチャーを装備したSCAR-L
マウントレールにはもちろんM203もM320もつけられるがこのランチャーは
アドホック的な従来のランチャーではなく最初からSCAR用にデザインされた
マガジンをグリップがわりにしたりしないでグリップしたまま
中指などで発射ができるなどモダンなデザインになった
M203グレネードランチャーをつけたWEのSCAR-L
AR-15風のテレスコピックストックに付け替えたグレポンSCAR
今風の自動小銃は皆この傾向だがハンドガードに4面のピカティニーレールが標準で装備されているので
レール対応にアレンジされたM203などのランチャーはそのままポン付けできる
自衛隊の次期主力自動小銃に採用された豊和20式5.56mm小銃
この銃とSCARの関係が気になるがガスオペレーションの仕組みに違いがあるか
未確認ながらかなりSCARをベースにしていると見ていいんじゃないか
少なくともAR-18と89式の関係よりは近親関係だと思う
10インチバレルにミツマタサプレッサー、オープンサイトの最小アレンジのSCAR
ミツマタサプレッサー、バーティカルグリップ、AIMPOINT、テレスコピックストックのSCAR
このAR-15タイプのテレスコピックストックに付け替える意味がわからないと前に書いたが
初期型のSCARはストックの破損が問題になったことがあったのでその対策でこういうアレンジもあるようだ
確かにこの方がストックでぶん殴るような状況では安心かもしれない
もちろん最近のSCARではストック基部が改修されて破損の対策はされているそうだ
それでもSCARのプラストックが信用できないという人はこういうアレンジをするようだ
このストック入手したときには伸ばした位置で固定ができなかったので
ストックピンのネジ固定スクリューを緩めてピンの位置を調整した
このときに緩みどめ六角レンチの径が合わなかったのでいろいろ入手したが
1.5mmの下は1mmではなく1.27、0.89、0.72になっているということを初めて知った
日本でもインチ規格が多くしかもメートル規格も混在しているという
六角レンチの世界はなかなかカオスなのだということだ
コッキングレバーを左に付け替える
どちらが使いやすいかは人それぞれだと思うが左につけると
左手のストックを持つ指がレバーと衝突しやすいという問題がある
それでコッキングレバーを右に戻すと今度はボルトストップがかかりにくいという問題が起きた
原因はボルトキャッチのボルトの掛かりが浅すぎるということだった
なのでボルトキャッチレバーにアルミ板を巻いて下駄を履かせることにした
最近はなんでもアルミで作ってしまう…
ホールドオープンするとエジェクションポートからアルミ製の銀色のボルトキャッチが…
まあきちんとストップするようになったしこれでも
特にどこかに干渉することもなさそうなので結果オーライ
ハンドガードの4面ピカティニーレールは手のひらが痛いのでレールカバーをつけた
フロントには当節流行の三角のグリップも着けてみた
バーティカルグリップとどちらが使いやすいか一長一短のような気がするが
SCARのようなキャリングハンドルがない銃はこちらの方が扱いやすい気はする
スリングスイベルだがパラコードの代わりに一時的に靴ひもで代用していたが
やはり靴ひもは解ける不安があるので工事現場などでよく使う養生用のポリエチレンロープに換えた
これならロープの切った端を焼いたドライバーで溶かしてほぐれないようにできる
結び目も少し焼きを入れて解けないようにした
ちなみにパラコードはナイロンなので同じようなほぐれどめ加工ができる
花粉が飛散する暖かい季節になってガスブローバックがだんだん快調に動くようになってきた
おなじWEのユニットを使っているがSCARはG36などの旧製品よりキックが強いので
なかなか楽しい…着せ替え遊びも自由自在だし…
2023年3月20日
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