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SCAR-H導入記念(?)〜SCARが登場する映画なんて
いくらでもあるやろ…と思っていたら実は案外少ない…

SCAR on film

SCAR-H導入記念(?)〜SCARが登場する映画なんていくらでもあるやろ…と思っていたら実は案外少ない…

前々から気になっていたFNのSCARを行きがかり上結局HもLも手にすることになったが、そういえば恒例のSCARが登場するフィルムについてほとんど書いていないことに気がついた。

SCARが出てくる映画なんていくらでもあるやろ…となんとなく思い込んでいて今までちゃんとリサーチしていなかったのだが、よく考えたらはっきり記憶に残っているのはインセプションのアーサーの夢の中での射撃シーンぐらいで他に何があったか思い出せない。

それで例によってアメリカの有志のフィルムデータベースで調べてみたら意外に登場フィルムは少ないことが判明した。

同じようなM4とかHK416とかのフィルムはたくさんあるのに、SCARってそんなにマイナーなテッポでもないのになんでこんなに少ないんだろう?…ってぐらいに少なかった。

いくつか記憶違いしていた映画もあったし…




猿の惑星:新世紀(ライジング)

前作の創世記(ジェネシス)と連作で人の手によって生み出された知性を持つ猿たちが、人の手を離れやがては猿だけの世界を作り始める。

このシリーズの元になった1960年代の元祖「猿の惑星」につながるような流れになっている。

生まれた時は自分を育ててくれた脳科学者と心を通わせ信頼していた新世代のチンパンジーだったが、次第に人間の動物に対する理不尽な扱い方に不信感を持つようになり、やがては人間に依存しない猿だけの楽園を作るために人類に対して叛逆し始める。

もともと人類よりも身体能力で勝る猿たちに人と遜色のない知恵がつくと、優劣はあきらかになっていく。

やがて人と猿はお互いの領域を定め互いに相手に干渉しない取り決めで平和を取り戻す。

そんななか今度は人類を絶滅の手前まで追い込む強力なウイルス感染症が蔓延し、深刻なエネルギー危機になった人が猿の領域にある水力発電所を復活させるために立ち入りを求め、今度は人を信頼できないグループと人との交流の記憶を持つ主人公の猿たちのグループの間の闘争に発展していく…

記憶に残ったのは猿のリーダーが手にしていた百連発のライフルがSCARだったような気がしていた。

ところが調べてみたらちょっと違った。





協調派の猿たちのリーダー「シーザー」が手にする「一体何発弾が入っているんだ?」
という強力なライフルがSCARだったように記憶していたが実際はブッシュマスターのACRだった




SCARを使っていたのは人間側の主人公の方だった
AN/PEQタイプのレーザーユニットとACOGをつけたSCARだった
上に載っているのはスタンダードなRMRではなくDr.SIGHTみたいに見える



ジェイソン・ボーン

ボーン・アイデンティティからの3部作でスマッシュヒットを飛ばしたマット・デイモンのボーンシリーズの最新作。

記憶を失った青年が海で漁船に救われるが、過去の記憶を綺麗に失っているにもかかわらず自分の銀行の口座のことを覚えており、そこには巨額の紙幣と何カ国ものパスポート、銃が入っていた。

助けを求めた女性とレストランに入っても、そこにいる客や従業員の様子を一瞬ですべて把握しいざという時の逃走経路まで確認している自分は一体何者なのだろうか?…という第1作に続いて、だんだん巨大な陰謀に巻き込まれるというお話。

1作目のキッチンで自分を抹殺しにきたCIAのエージェントと雑誌や食器を使って殺しあう驚くべきテクニックとか、螺旋階段の屋上から1階まで飛び降りながら追手を殲滅するアクションには度肝を抜かれた。

水平二連散弾銃と数発の散弾だけで自動小銃をもつ追手に打ち勝つ銃撃戦も唸らされた。

しかしこの当時の流行だった三脚を一切使わないですべて手持ちカメラで撮影する撮影法がどうも性に合わなくて、一作観終わると船酔いみたいになってしまう。

せめて長ダマの時は手持ちはやめてもらいたいもんだと思った。

SCARが登場するのはこのアイデンティティからの3部作ではなく、続編として製作された「ジェイソン・ボーン」の方だった。





狙撃銃として使用されるSCAR-L
ショートバレルだが焦点の長いスコープを載せている




EOTECHを載せたSCAR-Lとスコープを載せたSCAR-Hのガスガン



インセプション

SCARが登場する映画としてちゃんと記憶していたクリストファー・ノーランの「インセプション」

主人公のコブはベレッタのPX4にスレデッドバレルをつけた特殊任務仕様、死んだ妻を演じるマリオン・コティヤールはSIGのP232とそれぞれ明確にシンボリックな銃を使っているのが印象的だった。

夢に侵入して記憶の奥底の情報を盗み出す「エキストラクト」を請け負うコブ(レオナルド・ディカプリオ)たちに謎の日本人実業家サイトー(渡辺謙)が
「盗むことができるんだったら、植えつけることもできるんだろう?」
ととんでもない依頼を持ちかける。

妻殺しの容疑をかけられ逃亡中の身だったコブは、その容疑を打ち消し自由の身になって残された子供達に会いに行くためにこの依頼を受けるが、この依頼には途方も無い困難が待ち受けていた。

何層にも重なり合った夢の回廊に迷い込んだ主人公たちは無事に帰れるのか…というようなお話。





「植え付け」を行うためにターゲットの実業家の夢に侵入した途端にコブたちは正体不明の集団の襲撃を受ける
応戦するコブの相棒のアーサーが使うSCARはフィルムでは初出に近いぐらい早い時期だった
小銃で襲撃されているので小銃で反撃するアーサーの生真面目さの象徴がこの銃だった




ACOGを載せたSCAR-Lのガスガン
ACOGは90年代には米軍御用達になっていたから光学サイトの中では老舗
集光ファイバーの自照レティクルで電池切れにならないなど
信頼性の高さで米軍に採用されたがさすがに旧世代になりつつあるかもしれない



エリジウム

深刻な環境汚染と資源不足のため貧困化した地球と、選ばれた富裕層が暮らす衛星軌道上のスペースコロニー「エリジウム」

貧しい地上で警備用のロボットの生産工場で働く主人公(マット・デイモン)はある日、放射線被ばく事故に遭い余命いくばくもないと診断される。

エリジウムの富裕層たちは全自動の医療カプセルを使って疾病から完全に解放される生活を送っていることを聞き、違法な手段を使ってでもエリジウムに行こうとする。

この主人公を助けるチンピラな友人が扱う「相棒の銃」として以前ワルサーP99を取り上げたが、この助っ人はSCARも使っていて自分が倒れた後もこの銃を主人公に渡して助ける。

「第9地区」の南アフリカ出身の監督ニール・ブロムカンプの作品で、人によって評価が分かれる映画だが私は結構好きだった。

その結構好きだった映画の結構重要なプロップだったのに、この映画のSCARのことを忘れていた。

いろんな銃が出まくる映画だったから印象が薄かったのかな…





貧困を脱し理想郷のエリジウムに行こうとする主人公を助ける相棒が手にするのはP99とSCAR




相棒が倒れた後銃を受け取り単身衛星軌道上のエリジウムに乗り込むデイモン
サイトもアクセサリーも何もついていないシンプルなSCAR-Lを手にしている




光学サイトも何もついていないプレーンなSCAR-Hの実銃(上)とガスガン(下)




グレネードランチャーとAIMPOINTを載せたSCAR-H




ELCANを載せたSCAR-L
レールがレシーバー全長に全方向についているのでいろんな装備をつけられるが
Hはシンプルなスタイルが多いのが実銃の世界




DATAベースを隅から隅まで見てもSCARが出るフィルムは
とても少なかったが登場するビデオゲームは非常に数が多かったので
映画での不人気の割には知名度が高いのはそういうことなのかもしれない


2023年5月29日
















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