VFCのFNC〜スコープマウントをちょっと修正…FNCのメカに似ているのは89式?AKM?…あとFNCの登場する映画について…
VFCのFNCを引き続き触っている。
実銃メーカーのベルギーFNハースタル社のマニュアルを読んでいていくつか発見があった。
FNCにはマニュアルのボルトストップがあるというのは前回書いた通り。
VFCはこれも再現してくれたが、付属のエアガンマニュアルにそういうことが書いてないからそんな機能があるなんて知らなかった。
でもきちんとボルトが止まったので、この仕組みを知った時はちょっと小躍りしたいぐらい嬉しかった。
こういうの強調して「忠実再現」とか大型フォントでアピールするのが日本メーカーなのに、台湾メーカーの奥ゆかしさ。
そしてもうひとつ実銃マニュアルに「コックとローディングの方法」という項目があって
「腰だめの時は右手グリップを離さずに左手でコッキングできる
肩付け姿勢の時は左手のハンドガードのグリップを外さずに右手でコックできる」
という記述があって、なるほどと思わされた。
VFCのFNCにエンプティーチェンバーフラグと新造のBFAをつけた様子
マガジンもVFCのM4用V3マガジンのグレーバージョンにパーカーシールを吹き付けて装着
そして前回はスコープマウントアダプターを自作して
ELCANのクラシックタイプやACOGを取り付けてみた
VFCオリジナルのタクティカルなレールマウントよりも
ありそうなデザインになったと思う
なおボルトはホールドオープン状態
FNCのコッキングレバーは水平ではなく30度ほど上向についている
ボルトキャリアのデザインのせいだろうとあまり気にしていなかったが
この設計は意図的だったことが実銃のマニュアルを読んでいて判明した
マニュアルでは腰だめに構えている時は右手のグリップを外さずに
左手でコッキングすることを推奨している
射撃姿勢を崩さないためには確かにその方がいいしそのために
左手コッキングしやすいようにレバーには上に30度角度をつけている
後継小銃のSCARではコッキングレバーは左右に付け替えられるようになっているが
FNはこの時代から左右両側からの操作を念頭に入れる先進性があった
スコープマウントも少し修正した
ダストカバーが当たらないよう削り込みは
2箇所だったが真ん中も当たるので3箇所にした
削り込みも深くして底板から飛び出していた固定ビスが
レシーバーを傷つけそうだったのでも完全に削って突出をゼロにした
ところでFNC(上)自衛隊の89式小銃(中)はとても似ていると思う
雰囲気が似ているだけだったらFAL/LAR(下)も似ていなくもないけど
サイズが違うだけでなくハンドガードから半分飛び出している放熱ライナー
ボルトの前後と一緒に激しく動くコッキングレバー、そして中身のメカの構成…
両者にあってFALに無いものはけっこう多い
逆に見た目の雰囲気は全然違うAKM(上)とFNC(中)89式(下)
雰囲気は全然違うんだけど中身を見るとこの3挺の銃は本当によく似ている
実銃のボルトキャリアにあたるスライドとリコイルスプリングの比較
FNC(上)89式(中)AKM(下)いずれもボルトキャリアに直接ガスピストンが
固定されていてシリンダーにバイパスした発射ガスがボルトキャリアを直接押す
そのピストンは中空パイプ状になっていてその中に
ガイド付きリコイルスプリングが貫通してボルトキャリアを復座させる
FNC(上)89式(中)AKM(下)のボルト周りの分解図
そのボルトキャリアにぶら下がる形で実銃ではボルト
ガスガンではローディングノズルが固定されている
コッキングレバーはいずれもボルトキャリアに固定されている
AKMのダストカバーは本当にただのカバーで
外したままでも正常動作して発射もできる
これは実銃もガスガンも同じ
FNC(上)と89式(下)はボルトキャリア(スライド)をガイドするレールが
アッパーレシーバーにあるため外したままでの射撃は不可能なのも実銃もエアガンも同じ
筒状のアッパーレシーバーにボルトキャリアとリコイルスプリングを完全に収納している構成は
M16やFALとは違うためフォールディングストックの取り付けも容易だった
いろいろ調べて見つけた写真
FNのFNC用バヨネットは英軍のL85用と同じフラッシュハイダーにかぶせるタイプだが
米軍の制式採用も狙っていたのかM7タイプのバヨネットをつけているタイプもある
このバヨネットラグもオプションで取り付けできる
コロンビアーナ
FNは南米に何か強いコネクションがあるのか、南米の政府軍・ゲリラ双方にブローニング・ハイパワーやFAL/LARなどの売り込みに成功していたようだ。
例えばブラジル軍などはFALを制式小銃として採用していた。
南米ではAKMと並んでポピュラーだったかもしれない。
特に南米各国には大体その国のサンディカリスト・ゲリラがおり、そのゲリラが微妙に麻薬密売組織などのギャングと結びついており軍事政府と三つ巴の抗争を続けているという構図が多い。
そういうゲリラやギャングの得物としてFNCなんかはよく見かける。
この映画は麻薬で強大化した組織に家族を全員殺された孤児の少女が、成長して不良少女になった…と見せかけて実に緻密な計画で組織の幹部に復讐を挑むという物語。
クソガキみたいな小娘が成長して美しく、一流の戦士になる…という「ニキータ」「レオン」のリュック・ベッソンお得意のストーリー展開。
主人公のカトレアはベレッタのPX4を使う一流の殺し屋に成長する。
しかも自分が誰であるかという証拠を現場に残しまくる。
目的は殺し屋として成果を上げることではなく、この組織の幹部たちをあぶり出すため…一見雑な犯行に見せかけて実に緻密な計算に裏打ちされた行動をとる。
このギャングのボディーガードたちが手にするのがFNC
確かにこういう人たちが持てば様になる銃だと思う
ヒート
こちらは以前にも触れた「マイアミバイス」「コラテラル」「東京バイス」のマイケル・マンのクライムアクション代表作。
知的で冷静な強盗団のリーダー(ロバート・デニーロ)と乱暴でやさぐれた剛腕刑事(アル・パチーノ)が火花を散らす。
デニーロたちは証券強奪を成功させ、これを元手に空前の金額の銀行強盗を計画する。
この資金作りの窃盗計画を掴んだパチーノたちは、即時逮捕せずに彼らを泳がせて一網打尽に現行犯逮捕しようと目論むが、ふとしたことから張り込みを悟られデニーロたちは何も盗らずに逃亡する。
この時にお互いの存在を互いにはっきり認識した二人。
相手は何を企んでいるのか、相手はどこまでこちらの思惑を掴んでいるのか二人の激しいにらみ合いのカフェのシーン。
この作品はアカデミー賞の録音効果賞を受賞したことでも話題になった。
銀行前での強盗たちと警官隊の凄まじい銃撃戦は、ガンアクション映画の金字塔として語り草になっている。
この映画のエポックになった銀行前銃撃戦のシーン
現用自動小銃の見本市さながらの光景になったがなかでも
アル・パチーノの得物はFNのFNCのパラトルーパータイプ
この映画を観る機会があったら是非ともオーディオを
ちょっといいスピーカーに繋いでこの銃声を聞いて観てもらいたい
今風のタクティカルにドレスアップする人もそのうち出てくるだろうけど
このテッポはやっぱり70年代、80年代テーストを残しているのでこのスタイルがいい
メカもリアルで外観のテーストもリアル
細かいアクションも再現されているFNC
クラシックなELCANをつけてあるいはACOGをつけてあの当時の雰囲気を楽しみたい
かなりお高い買い物だったがけっこう楽しませてもらった
2024年6月11日
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